ゆっくりいじめ系807 あるロボットゆっくりーだー達の話(前編)


※この作品は、ゆっくりいじめ系601,647「ある新人ゆっくりーだーの話」()の続編です。
※人間が出てきます
※パロディとか嫌いな方にはお勧めできません
※罪もないゆっくりが死ぬ思いをします
※勧善懲悪(?)注意
※俺設定注意!!








加工所というものがまだ活発に稼働していたころのことだ。
古代きもーね遺跡の加工所発掘チームだったある有能な科学者は、偶然にも改造ゆっくり群を発見した。

「こ、これをワシの物に出来れば、世界を手中に収めることも夢ではない……!」

改造ゆっくりを発掘後、他の発掘員をゆっくりさせ、世界征服を企むのだった……
しかし、同時期に、別の科学者はゆっくりから世界を震撼させる新エネルギー「餡子力」を発見した。
強力すぎるその力は悪用されぬよう、封印しようと決めていた。
しかし、狂気に走った科学者の話を聞くや、来る戦いのために餡子力を応用した決戦兵器を作成するのだった。


それから、研究が完成せずに時代は流れ、完成する頃には既に世代は交代していた。
そして、その過程で進化したゆっくり達は、当時の改造ゆっくり及び餡子力に相当する力を得ていたのだ。
結果から言ってしまえば、どちらの研究も自然にゆっくり達が会得してしまったも同然。
唯一の救いは、開発者は双方ともこのことを知らずに世代交代したことだろう。





あるロボットゆっくりーだー達の話





この世界で唯一の某新聞

「元炭鉱のふもとの村でゆっくり謎の大量変死!?」
『ご乱心!!ゆっくりーだー保護対象にまで制裁!!』
“ゆっくりーだーの背後に加工所の影!?不透明な実態!!”



私は生まれ育った村からすぐ近くの都を今朝の新聞を読みながら、歩いていた。
都にあるゆっくりーだー本部から給料をもらった後、すぐに辞表を出した。
優れた手腕が惜しいのか、珍種のゆっくりが惜しいのか引き留めた。
しかしこの新聞を突きつけ、私に責任を取らせてくださいと言えば、渋々ながらも承知してくれた。

なぜせっかくの職を蹴るのかと言うと、もちろん先の様に責任を感じた訳では無い。
ゆっくりーだーという職に疑問を持ってしまったからだ。
確かに力を得たゆっくり達は増長したが、協力的なゆっくりも同じくらい増えたはずだ。
つい先日に痛い目を見たばかりであるが、利害を一致すれば共存も可能だと考えている。
反抗的なゆっくりを生け捕り、金儲けのために差し出すこの仕事に嫌気がさしたのだ。
先程の対応も、私よりパートナーの方を未練がましく見ていた。

こんな考えをちょっと前の私なら、理想論者だと笑ったであろう。
それもこれも……コイツのせいだ。

『ゲラゲラゲラゲラ』

私の隣をモタモタと歩く(速度ではなく、足音がモタモタ)このゆっくりれいせん種。
名前はゲラ子、私がそう決めた。
その名の通りに口を開けばゲラゲラと笑うばかりの変り種だ。
何度追い払っても、しつこくひっ付いて来るので飼うことにして今に至る。
うざいだけだったコイツに、いつの間にか愛着を持ってしまったのだ。

これからは、何にも縛られることは無い。
行き着く先で悪いゆっくりを成敗しながらでも、旅をすることにしていた。
世界中のゆっくり達を観察し、見聞を広めよう。
その上で、ゆっくり達をどうしたいのか分かるだろう……多分。
手始めに、他のゆっくりーだーを訪ねてみようと思う。
ここから一番近いのは―――


「ゲラ子、喜びなさい!海に連れてってあげる!!」
『……?』

―――海だ。
ここら一帯の海産物の供給源である漁村だ。
私も一度も行った事は無い。
無論、ゲラ子も行ったことが無い。
不思議そうに首を傾げていたが、何やら楽しげな物だと思ったのかすぐに笑いだした。
ここから一週間くらい掛けて着く距離だ。
旅支度をしようかというところで、叫び声が聞こえた。

「た、助けてくれぇ!ゆ、ゆっくりが攻めてきたぞぉ!!」

何でこの世はこんなに変り映えが無いのだろうか?
それを聞くや、私とゲラ子は溜め息をついた。
この時は、あんなとんでもない出来事になるとは思わなかった。


確かにゆっくりーだーは廃業したが、目先のゆっくり絡みのトラブルは関与することにした。
現役のゆっくりーだーには悪いが、出来るだけ事を穏便に済ませたかったし、ゆっくりーだーに会えるチャンスでもある。
話を聞けば、この都の外れにある唯一の自給源である畑を襲われたようだ。
結構な量の集団で、しかも全てがドゲスゆっくり(ドスサイズのげすの意)だったという。

「ゲエー!十人掛かり級じゃない!!」
『ゲラゲラゲラゲラ!!』

私を指して笑うゲラ子を叩いて黙らせた。
前のならず者ゆっくり達でさえ手を焼いたのに、それ以上の集団だ。
少なくとも、ドス系の能力とゲスな性格を兼ねた集団に個人で立ち向かうのは自殺行為だった。
本部のゆっくりーだーは出払っていたし、お手上げかなぁ。

「た、頼むよぅ!都のコマンドゆっくり達も迎撃させに出動したからさ!な!?」

何としても私を行かせたいのか、頼りない声で必死に食いついてくる。
こいつはどうでも良いが、コマンドゆっくり達が気になってきた。
名前の通り、ここの本部の連中が訓練させた自警目的の精鋭だ。
協力すれば、なんとかなるかもしれない。

「まぁ、見捨てるのも後味悪いし……行くか?」
『ゲラゲラゲラゲラ!』

ゲラ子は何も言わず、笑いながらこくんと頷いた。
緊張感が足りないと言って、もう一度叩いた。
もちろんヤバくなったらトンズラすることが前提だけどね。


現場は、今いる場所の正反対の位置。
一度都から出て、ぐるりと回りこまなければならない。
ゲラ子と並走して十分といったところだ。
向う途中、ちょうど中間地点で妙な物体を見つけた。
シルエットから、ゆっくりであることがすぐに分かった。
何が妙かと言うと、ちょうどど真ん中で種類が違っていた。
分かりにくいかも知れんが、二種類のゆっくりを繋ぎ合わせた様な見てくれだ。
左半身の角が地面に刺さって起きれないのか、もがいていた。
ゲラ子はそれを見るなり、ガタガタと震え、私の陰に隠れた。

「今助けてやるよ……ってキモッ!!」

分かっていても気持ち悪いものは気持ち悪い。
正体は、ゆっくりけーね種だ。
左半身だけ“きもけーね”と呼ばれる姿だった。

『きもくないよ!わたしはきもちのいいきけーね!!ゆいしょただしききもーねぞくのまつえいなるぞ!!!』
『……ッ!……ッ!?』
『ゲラゲラゲラゲラゲラ!!』

私の言葉に反応して、すぐに訂正と自己紹介をした。
……よく分からんが自尊心の強いやつだ。
ゲラ子はこいつを見るなり、大笑して転げ回った。
しかし、名前がきけーねとは言い得て何とやら……飼いゆっくりらしい。

『あのはたけにわたしをはこべば、こんかいだけはふもんにしてけらいにしてやってもよいぞ!!』
『ゲラゲラゲラゲラゲラ……カヒッカヒッ!!』

高圧的なセリフを吐くたびに、ゲラ子が笑い死にそうになる。
仕方なく畑まで運んでやることにした。


そこはまるで、絵に描いた様な地獄だった。
畑はまんべんなくほじくり返され、作物を食い荒らしていた。
コマンドゆっくり達は、見る限り全滅……と言うより、その大半が寝返り、媚を売っていた。
破壊され、瓦礫となった柵から覗き見てこのザマだ。
私一人があがいてどうなる物でもない。
見つからない内に、トンズラしよう……

「きけーね!どこほっつき歩いてたの!?」

不意に大声でこちらに呼び掛ける者がいた。
真黒なローブに身を包み、手には髑髏の付いたステッキを持ついかにもな人物が立っていた。
格好はともかく、中身は私よりずっと年下の女の子だ。
とにかく今、ゆっくり達に気づかれるのはマズイ!
ジェスチャーで静かにする様に訴えかけた。

『ちちくさいじゃりのくせになまいきだよ!きけーねさまにひざまつけ!!』

今度はこの奇形ゆっくりが騒いだ。
いくらすっとろいゆっくり達も、この騒ぎに気づいた。

『ゆ!?にんげんがいるよ?』
『それもこどもだよ!?』
『ここはまりさたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!おとなにもつたえておくがいいんだぜ!!』

いくら幼くとも、ゆっくり達の恐ろしさを知らぬ年ではあるまい。
私も、このドゲスもそう思っていた。

「ふん!なかなか威勢がいいわね!!わが軍門にくだれば命だけは保障してあげるわ!!」

双方の予想を裏切ったその発言は、その場の空気を凍らせた。
なかなかの啖呵を切ったが、その声は声変わりどころか幼ささえ抜け切っていない。
やはり、単なる世間知らずのお嬢様なのか?

『ゆ!?なにいってんの?ばかなの?しぬの!?』
『ばかでおろかなにんげんのこどもにまりさたちがしたがうわけないんだぜ!!』
『そんなこともわからないやつはしんでね!!』

固まっていたゆっくり達も、その少女に向かって敵意を剥き出しにし始めた。
今にも飛びかからん勢いである。
放っておいたら大惨事になってしまう!
最悪、身代わりになってでも助けるべきだろう。

「ゲラ子、覚悟を決めましょ……」
『ケラケラケラ』

ゲラ子の声も乾いていた。
笑いすぎてではなく、事の重大さを理解しているのだと思いたい。
覚悟を決めたところで、飛び出した。

「お姉さん、心配は御無用です!そこでゆっくりとご覧くださいな!!」

その少女の妙な迫力に押され、傍観者となってしまった。


ピリリリリィィィイイイ!!


次の瞬間、彼女が笛を思いっきり吹いた。
その音は、周りに響き渡り、耳を覆いたくなるほどのものだった。
それからすぐに、辺りが暗くなった。

『う゛ぅぅぅぅぅ♪゛う゛ぅぅぅぅぅ♪゛』

空を仰ぐと、見たことも聞いたことも無いほどの規格外のサイズのうーぱっくが飛んで来ていた。
ウィーンと機械音を立てながらゆっくりと蓋が空き、二つの物体を落とした。
巨大うーぱっくはそのまま何処へと消えてしまった。

ズドンッ!
ズシィンッ!

ちょうど、少女が立っている場所の正面に落ちた。
その物体が落ちると、大きな地響きを起こした。
どちらもゆっくりの様だが、きけーねの様にどこかおかしなゆっくりだった。
転がっているそれらは不気味な彫像の様だった。

「ほら!きけーね、ごたくは良いから仕事なさいな!!」
『ふん!きけーねさまのちからをゆっくりおがませてくれるわ!!』

きけーねの角から、怪しげな光線が放出され、怪ゆっくり像に当たった。
すると、目に怪しげな光が灯り、なんと動き出し、直立したではないか。
ドゲス達はというと、呆けていた。
仕方あるまい、私だって何が何だか分からない。

「ほら!あんた達がこの子らに勝てれば、そこを好きにしてもらって構わないわ!!」

少女が痺れを切らした様に、身勝手な宣誓をした。
この言葉で我に帰ったドゲス達は、可笑しそうに大笑いした。

『びゃっはっは!ほんきでいってるの!?ぷぷっそんなきもちのわるいゆっくりにまけるわけないぜ!!』
『ほんとうにばかだったね!しぬね!!』
『こんなのてしただけでらくしょーなんだぜ!!』
『『『『ゲタゲタゲタゲタゲタ!!』』』』
『ゲラゲラゲラゲラ!!』

一しきり笑った後、裏切ったコマンドゆっくり達が出張ってきた。
ゲラ子は怪ゆっくり像を指し、笑い続けている。
その内のれいむ種のみで初陣を切った。
投石に特化した二十匹ほどのれいむ隊だ。

「おじいさまの成果を拝ませてあげるわ!」

れいむ隊に当てつける様に、髑髏のステッキをかざすと、一体の怪ゆっくりが前に出た。
見てくれは、病弱で有名なゆっくりぱちゅりー種、戦闘に向かないはずの個体だ。
普通のそれと違うのは、表面に隙間があったり、鉄板を押し付けたような継ぎ接ぎがあることだ。

『びょうじゃくなぱちゅりーいっぴきでかてるわけないよ!!』
『さっさとおわらせてあげるね!!』
『かまえぇぇぇ!』
『うてぇぇぇ!!』

笑いながらも、流石はコマンドゆっくりである。
あっと言う間に包囲したと思えば、全方向からの投石である。
人間でも打ち所が悪ければ、卒倒するほどの勢いだ。

キンッ

カンッ

コンッ

石はどれも命中したが、乾いた金属音を出しただけだった。
肝心のぱちゅりーは無傷である。
当然、れいむ達はパニック状態だ。

『『『『どうじでしんでないのぉぉぉ!!』』』』
「ア~ハッハッハッ!もうお終いかしら?」
『ゆ゛!?ま、まだだよ!ぶきをもてぇぇ!!』
『とつげきぃぃぃぃ!!』

ゆっくりにしては切り替えが早い。
伊達に訓練はされてない様だ。
各々、尖った枝、ガラス片、ゆっくり用の鍬まで、様々な武器を持ち突撃した。

ビスッ

ブチュッ

ビチャッ

多種多様な音を出して潰れた……れいむ達が。
弾かれたガラス片が目に刺さり、苦しみ怯える者。
枝が自らの身を突き破り、痙攣する者。
鍬の刃がひん曲り、後頭部に刺さって即死した者。

この様子を表すに、阿鼻叫喚という単語がふさわしいだろう。
得意の投石で無傷、必死の突撃には身じろぎ一つしない。
突撃したれいむは計十匹、その全てが自滅したのだ。

『ごんな゛のばぢゅりーじゃないよぉぉぉ!』
『よぐもだばじだね゛!うぞづぎようじょはゆっぐじじね!!』
「最初からぱちゅりーだなんていってないわよ……』
『じゃあだんだの!?ごいづ!!』
「戦饅獣バヂュダK7よ!れいむ種を抹殺なさい!!」
『ムギュゥゥゥン……!』

怪ぱちゅりーの目が光り、モチーフの三日月が反回転する。
すると、両のこめかみから鎌の様な刃が飛び出した。

『ゆ゛!ゆびゃぁぁぁぁぁ!!』

極度のパニック状態になった隊長れいむが、バヂュダなんたらとやらに向かっていった。
頭部の鎌は器用に動き、縦一文字に裂いた。
その勢いのまま。横薙ぎ一閃……四等分になったれいむだった物が散らばった。

『だんだのごいづ!?』
『ゆっぐじでぎないよぉぉ!!』
『れびぶだげばだずげでね!!』
『ゆっゆっゆふふふふふ……』

隊長を失い、驚愕、叫び、哀願、狂乱……十人十色の反応をするれいむ達。

グッチャグッチャ

ビチャッビチャッ

ブリュリュリュ……


それを分け隔てなく、刺し、刻み、すり潰していった。

開いた口が塞がらなかった。
私とゲラ子が挑んでいたなら最初の投石で危なかっただろう。
しかし、仕事柄、今まで何回もゆっくりの屠殺を見てきたが、ここまで奇怪で滑稽な物は初めてだ。
ゲラ子には可笑しくしか見えないらしく、笑いがうるさくなり、自前の臼の中に突っ込んだ。
それに、このまま直視させていたら笑死にするだろう。

「あれもゆっくりだ……多分。そんなに笑いなさんな」
『カヒッカヒッカヒ……』

その上に私が座り、話しかけ、ようやく落ち着きを取り戻してきた。
どうも、あの女の子の命令通りにしか動かないようだし、道具の一種だと思えば何てことは無い。
私の鞭に当たる物があの人形なのだ。
彼女もただのゆっくりーだーの一人なのだ。
そう自分に言い聞かせ、彼女に質問する。

「お嬢さんもゆっくりーだーなの?」
「肩書はそうですけども、そんなチッポケなモンでは終わりません!!」
「じゃあ、なにか目標でもあるのかしら」
「世界征服ですわ!!」

何だか私も笑いたくなってきた。















後書き


なんか思いつきで書いてしまった。
古本屋での立ち読みの結果がこれ!
逆転してるけど、立場があっけなく散る様がゆっくりと重なって見えたんだ。
ギャグというかシュールになった。
後悔はしないですませたい……


ケラ子の作品リスト

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最終更新:2008年09月14日 08:53
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