ゆっくりれいむのぎゃくしゅう-ハシノウエ-



お母さんれいむは激怒した。

やっとの思いで手に入れた子供6匹の内3匹、そして父役のまりさを人間に殺されてしまったのだ。

「ゆっくりできなくてれいむのあがちゃんをころぢだおじさんをゆるざないよ!!!」

「れいみゅもゆるちゃない!!!」

「ゅっ!!!」

「「おじさんはゆっくりしね!!!」」



お兄さんは橋を渡っていた。

橋から下までは相当の高さ。

落ちればまず訪れるのは『死』。

更にコンクリートなどで出来た橋ではない。丸太を単につなげたようなとても不安定な橋だ。

板でないだけマシではあるが、それでも不安定なのに変わりは無かった。

「ここから落ちたら助からないだろうな・・・」






その頃ゆっくり家族も橋の前に着いていた。

(かぞくのかたきをゆっくりとるよ!!!)








「あのおじさんがみんなをころしたんだね!!!れいむゆるさないよ!!!」

そう言って真っ先に飛び出したのは長女れいむである。

しかし橋の上で走るのは自殺行為である。

更に先程まで人間が渡っていて不安定極まりない。

「だめだよ!!はしっちゃあぶないよ!!!!もどってきて!!!」

母れいむが警告したときには時既に遅し。

人間にとっては微々たる揺れ。

しかしゆっくりにとっては震度6度強とでも言うべきか、それほど強い振動だった。

「ゆ”っ!!??」

そして長女れいむは揺れによって橋から突き落とされた。

「おがあざあ”ぁ”あ”あ”あ”ぁ”あ”ぁ”ぁ”ん!!!!」

「ゆぅぅうううぅぅうううぅぅぅぅうううう!!!!!!」

「おねえぢゃあああぁぁあああああぁぁぁぁあああんん!!!!」

少しして、小さな『プチャッ』という音がした

しかし、人間には一切届いていなかった







「いい!?あぶないからいそいでわたっちゃだめだよ!!ゆっくりいこうね!!!!」

先程の姉の様にすべきまいと、残りの3匹に厳重注意しておく。

「うん!!ゆっくりしていこうね!!!」

そして母を先頭にゆっくり家族の4匹は橋を慎重に渡っていった。



「う~♪う~♪」

「ゆっ!!?」

不幸。

不幸にもゆっくりゃが自分達の少し上を飛んでいた。

(み・・・みんな!!!しずかにね!!こえをだしちゃだめ!!!ゆっくりしずかにいこうね!!!)


ゆっくりゃはこちらに気づいていない、そして前方だけを見ているため静かにゆっくり進めばばれることはない。

ないはず、なのに。


「わかったよおかあちゃん!!れいみゅしずかにちゅるね!!!」


「う?うー!!!」


末っ子れいむは元気良く返事をした。

返事を、してしまった。

母の教えで「いつもへんじはげんきよくだよ!!!」と教わったもの。

それがここへきて災いしてしまった。

ゆっくりゃがゆっくりとこちらへ近づいてくる。

「う~♪たーべちゃーうぞー♪」






お母さんれいむはあることに気がついた。


ゆっくりゃの大きさが、赤ちゃんサイズだということに。


いくら赤ちゃんサイズでも子供達にどうこうできる相手ではない。


しかし、赤ちゃんサイズならば。


大人であるわたしになら。





お母さんれいむは、意を決した。

「ゆっくりしね!!!!」

「う”びゃぁあ”!!???」

お母さんれいむは全力で跳び、ゆっくりゃにかじりついた。

「うぎゃあぁ”あ”あぁ”あああ!!!いだい”っぃいい”い”い”!!!」

「おかあざあぁああぁあぁああん!!!しんじゃやだぁああぁああぁああ!!!」

「ぎゅんっ!!!!」




お母さんれいむは、かじりついた後、ゆっくりゃを橋から落としてやろうと考えていた。

しかし、ゆっくりゃはお母さんれいむにかじられながらも、自分もお母さんれいむにかみついていた。




結果。

バランスを崩し、二匹もろとも橋から転落。


「おがぁあああじゃあぁぁぁあああなん!!!!!!!」








残ったのは、次女、四女、末っ子の3匹だけとなった。

母親を無くした今、れいむたちに残されたのは絶望と悲しみ、そして恐怖である。


「・・・るよ」

「ゅ?」

次女だった。

「・・・ゆっくり!!!もどるよ!!」

「ゅ!!?」

四女も末っ子も驚いた。

母の敵である男を諦め、元の場所へ戻ろうと言い出したのだから。

「おねえちゃんなにかんがえてるの!??ばかなの!!??おかあざんだぢのがだぎうでないよぉぉおおお!!」

「おかあさんはわたしたちをしなせたくないからゆっくりゃとたたかったんだよ!!?おかあさんたちのおもいをむだにできないよ!!」

「でもこのままじゃくやちいよ!!あのおじさんをつきおとそうよ!!!そうすればおねえちゃんたちもよろこぶよ!!!」

「そうだよな、喜ぶよな」

「ゅっ!!!??」

突然の声、突然の衝撃音。


次女は、



『男の声が聞こえたと思ったときには、四女は既につぶれていた』



「おねえぇえlっぢぇゃああぁぁぁぁぁぁあんん!!!!!!!」

末っ子れいむが泣き喚く。


次女れいむは未だに理解できなかった。何故あそこまで距離が離れていたはずの男がここへ?




「丸聞こえだよ」

「ゆ!?」

「何が『わかったよおかあちゃん!!れいみゅしずかにちゅるね!!!』だよ。矛盾してるだろうが。声でかくて俺の耳が腐っちまったじゃねぇか」


そう。


末っ子の声がゆっくりゃを呼び寄せてしまった。


末っ子の声が男を呼び寄せてしまった。


末っ子が呼び出してしまった。



「どおじでおおごえなんがだづのぉおおぉおおぉおお!!!!!」

「ぢらないよぉおおぉおおぉおおおお!!!!!」


二匹とも泣いていた。


次女は末っ子の愚行を恨み泣き。


末っ子は自分の行いが災いを呼んだことへの悔しさ。


「喚くなうるさい」

「ゆ”っ!!」


男は次女を蹴り飛ばした。幸い橋からは落ちなかった。


「さてと、じゃあ美味と言われる赤ん坊のゆっくりでもいただきますか」


「ゅ”ゆ”!!!??」


男は末っ子れいむを摘むと、それを口の中へ放り込んだ

「ぎゅ!!?おじちゃんなにちゅるのぉおおおぉ!!!」

「や”め”でぇ”え”え”ぇ”!!!いもうとはたべものじゃないのぉおお”ぉお”お”お”!!!」

「やだね」


男はそう言い放つと、噛み砕くように末っ子れいむを噛む。

「ぎゅぁあああぁぁぁあ!!!い”だい”ぃ”ぃ”だ”いぃ”!!!!!!」

「やめでぇぇええええぇええ!!!だべないでぇぇえええええ!!!!」


次女の必死の願いを無視して男は言った。


「お前らは、ただの汚い食べ物だ。家畜以下。ゴキブリ以下。お前らはただ食べられるためだけに存在するクズなんだよ」






次女れいむは考えることをやめた。


いや、考えることができなくなっていた。


気がつけば、





橋から足を踏み外していた。

「馬鹿め、おまえらのノロい体当たりなんぞ亀でも避けれるぜ」


え・・・?




そうか、私は体当たりしようとして・・・


男に避けられて・・・そのまま・・・橋から足を・・・


「とどめだ」


男は右手に持っていた杖を次女れいむに向かって・・・振り下ろす



「ぎゅっ!!!!」


次女は勢い良く下へと落ちていった。

母や長女はゆっくりとしたスピードで落ちていったが、次女はその何倍もスピードがついての落下だった。







あぁ・・・しぬんだな



おかあざん・・・おねえぇぢゃん・・・



おどうざん・・・れいみゅ・・・



れいみゅう・・・れいむぅ・・・










「どんな音がするのか、まぁ普通に落としても同じか」


男は嘲笑した、そして全てを見届ける前に橋を渡り終わった。




さいごに・・・ゆっくりしたかったな・・・



みんなと・・・なかよく・・・






「ゆ”っぐり”ぢだがっだよ”ぉ”お”ぉ”お”お”ぉ”お”お”お”お”!!!!!!」
















『ブチャッ』






























ラティ
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あとがき
最初はギャグを取り入れながら虐めようかと思ったのに・・・何だこれ・・・?
しかもお兄さんの設定最初気づかずに足で潰してたってことにしようとしたのに・・・あるぇー?

見てくださった方々、本当にありがとうございます。

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最終更新:2022年05月03日 18:18