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「ぎゅぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
「やべでええええええええええええええええええええ!!!!!! はなじでえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「なんでぞんなひどいごとずるのおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
家の外から聞こえてくる騒がしい声で俺は目を覚ました…
暑苦しい熱帯夜、そんな中でやっと寝れたのに起こされた俺は正直気分が悪い。
窓の外はまだ薄暗く、時計を見るとまだ三時を過ぎたばかりだ。普通なら寝ている時間である。
もう一度寝ようとしたものの、いまだに外から「おねがいだがらはなじでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」とうるさい声が聞えてくる…
溜息を吐きながら観念した俺は、部屋を出て玄関から外へ出る。
途中廊下でダンボールに入り涎を垂らしながらぐっすり寝ているめーりんを見つけて叩き起こそうと思ったものの、八つ当たりは可哀想なので止めておいた。
今は騒音の元凶を何とかしなくてはいけない。
庭にはゆっくりれいむとまりさ、そいつらのそこそこ大きい子供がいた。
子供はまだ生きてるのが5匹程、残骸であるリボンと帽子は合わせて三つ落ちている。全部で十匹家族だったのだろう。
騒音の元凶は今にも握り潰されそうとしている子れいむと、足元で必死に体当たりをしている親れいむとまりさだ。捕まっていない子供達は庭の隅で震えている。
俺は騒ぎを作り出しているそいつを後ろから軽く叩いた。飼い主として躾はちゃんとせねばいけない。
「お、おにいさん…」
叩かれたゆっくり… 俺の飼ってるゆふらんである。軽く叩いたつもりだったのだが、そこそこ痛いのか少し涙目だ。
「駄目だろ? 別に狩りをするのは良いけど、家の周りを騒がしくしちゃいけないって」
「で、でも…」
「でもじゃない。お母さんから駄目だって色々教わったろ?」
「そうだけど…」
ちなみにお母さんとは先程幸せそうに眠っていためーりんだ。畜生め…
加工所の職員から貰ったゆふらんの子供は、今では立派に体つきにまで成長した。
野生のゆふらんは「ゆっくりしね!!」としか言わないのだが、何故かこいつは不思議なことに普通のゆっくりみたく人間の言葉を喋れるようになった。
それが人間の俺と暮らしているからなのか、めーりんの教育の賜物なのかはよく分からない。
最近ではどっかの研究所に研究させてほしいと頼まれたが、正直興味ないので断った。
こいつらは自分の家の住人だ。いなくても別に構わないが、いなくなったらやはり寂しく思う。
そんな事より今は説教をせねば。
「だいたいゆっくりなんて森にたくさんいるじゃないか。なんでわざわざ連れてきたんだ?」
「つ、つれてきたんじゃないよ!! ほんとうだよ!!」
「じゃあ何か? こいつらが勝手に家に入ってきたっていうのか? そんなバレバレの嘘を… いや、十分ありえるか…」
てっきりゆふらんが連れてきたと思ったものの、こいつらはゆっくりだ。
勝手に入ってきてこの家を自分の住処にしようとする事は十二分に有り得る。
ていうか最近全くゆっくりが来なかったからすっかり忘れていた。
そして俺が言葉に詰まったからか、ゆふらんが責める様にこちらを睨む。ゴメンナサイ…
「…おかあさんのとこにいくね」
「そ、そうか… いや、ごめんな…」
「きにしなくていいよ… おにいさんがしんじてくれなかっただけだから… ぜんぜんショックじゃないよ…」
「……」
そんな涙目で言われても説得力ないよ… そして罪悪感で胃が…
「おにいさん、おやすみね」
「あぁ、おやすみ…」
そのままゆふらんは家の中へ入っていった。あぁ、俺はなんてことを…
「おかあさん!! あいつどっかにいったよ!!」
「ゆゆ!? さてはれいむたちをおそれてにげたんだね!!」
「あんなやつらまりさたちのてきじゃないよ!!」
「「「「「おかあさんすご~い!!」」」」」
…お前達、まだいたんだ。
先程までゆふらんに怯えていたゆっくり達が暢気に騒いでいる。人間の俺がいるのにな…
元はといえばこいつらが家に侵入してきたせいで俺はこんな夜中に起こされたんじゃないか。
責任、とってもらうしかないね…
「おい、そこのゆっくり」
「ぶぎゅ!!」
とりあえず一番近かった親まりさを踏みつける。少しくらい餡子が出ようが関係ない。
「おじさんなにするの!?」
「はやくまりさをふんでるあしをどけてね!!」
「そうだそうだ!!」
「はやくおかあさんをはなしてしんでね!!」
「そんな風に言っていいのかな? お母さんが潰れるよ?」
「ゆぎゅうううううううううううううううううううううううううう!!!!」
潰れるかどうかギリギリの力で親まりさを踏みつける。餡子がどんどん出ようが気にしない。潰れたら別の奴を踏めばいいし。
「やべでえええええええええええええええええええええええええ!!!!」
「おかあさんがつぶれぢゃうよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「おねがいだがらあじをどげでえええええええええええええええ!!!!」
「じゃあ、どんな風に口を聞けばいいのかわかるよな?」
「わがりまずううううううううううううううううううううううう!!!!」
「だがらあじをどげでえええええええええええええええええええ!!!!」
泣き叫びながら懇願するゆっくり達。とりあえず踏む力を少し緩めると餡子の流出は止まった。
「じゃ、今から幾つか君達に質問するから。ちゃんと答えなきゃ…」
足に力を入れて踏んでいるまりさから餡子を噴出させる。
「わかるよね?」
「わがりまず!! わがりまずがら!!」
「おねがいだがらあじをどげでくだざい!!」
「ちゃんと答えてくれたら足はどけるよ。じゃ、質問するからな」
「「「「「「ゆっくり質問してください!!」」」」」」
親れいむと子ゆっくり達の大合唱だ。親まりさは餡子を吐き過ぎたせいで気絶しているが、まぁ大丈夫だろう。
「じゃあ質問です。なんでれいむ達はここにきたのかな?」
「ゆ?」
「そんなかんたんなしつもんなの?」
「あぁ、そうだよ」
別にこんな事聞かなくてもゆっくりが来る理由はなんとなく分かっているが、一応俺は聞くことにしている。
「ここにね、クズめーりんがいるからだよ!!」
「クズめーりんがここですごいゆっくりしててずるいんだよ!!」
「それにクズめーりんよりれいむたちのほうがいいゆっくりだからね!!」
「クズはしゃべれないけどまりさたちはしゃべれるもん!!」
「だからここはクズには不釣合いだよね!!」
「だからクズめーりんにかわってもらおうとおもってきたんだよ!!」
…やっぱり予想通りの答えだった。
俺がめーりんを飼い始めてからきたゆっくりは、どいつも『めーりんがゆっくりしててズルイからかわってもらいにきた』という理由だった。
無論俺は今いるめーりんとゆふらん以外飼うつもりはない。
なので今まで一度も他のゆっくりを入れたことはないのだが、何故かゆっくり達は我が家の『めーりんポジション』に就こうとする。
真に謎である。
「そっか、君達もか…」
「しつもんにこたえたんだからまりさをふむのをやめてね!!」
「おかあさんをはなしてあげてね!!」
「はいはい、今どけるよ…」
まりさを踏んでた足を上げると、ピョンピョン跳ねて家族の所へ行くまりさ。
「よかったね~」や、「おかあさんだいじょうぶ?」と家族は親まりさに声をかける。
ここで、時間を置くと俺はゆっくり達から非難の嵐を浴びる為、さっさといつもと同じ事をいう。
「君達がゆっくりしたくてここにきたのは分かったよ。でもね、君達は家族だから正直全員を死ぬまでゆっくりさせることはできないよ」
「ゆゅ?」
「そうなの?」
「だからね、『親だけでゆっくりする』か、『子供だけでゆっくりする』かを選んでね!!」
「「「「「「「? ? ?」」」」」」」
ゆっくり達は何を言われたのか理解できないのか、全員顔に疑問符を浮かべている。
「わかりやすくいうとね、数を減らしてほしいんだ」
「へら、す?」
「そう。親の君達がここからがいなくなって子供だけになるか、子供を全員殺して親だけになるのかをね」
この言葉を聴くと、大抵子供達は泣いて「でぎないよおおおおおおおおおお!!!!」と、言い出す。
しかし、親は違う。
「「ゆっくりつぶれてね!!」」
そのまま高く飛び、子供を殺すために踏み潰そうとする親ゆっくり。
「おがあしゃんどうじでええええええええええええええええ!!!!」
「かぞぐなのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「かんけいないよ!! れいむたちがゆっくりするためにさっさとしんでね!!」
「こどもはいなくてもべつにいいよ!! おまえたちはきえてね!!」
「いやだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「だずげでええええええええええええええええええええええええ!!!!」
自分がゆっくりする為なら、親ゆっくりは子なんぞ躊躇わずに殺そうとする。
まあ、元々いるめーりんの居場所を奪おうとするんだから、ゆっくりする為ならなんでもするんだろうな。
ただ、このままではつまらないので…
「ぶぎゅ!!」
「おにいざんじゃまじないでね!!」
子供を殺そうとする親ゆっくり二匹を先程やったように足で踏みつけ、子ゆっくり達に声をかける。。
「さて、今君達を殺そうとしていた親は俺が押さえつけているけどどうする?」
「ゆ!?」
「おにいさんなにをいうの!?」
足の下にいる親ゆっくりが騒ぐが気にしない。
「今なら俺がこいつらを動かないよう踏んでるから君達でも十分に倒せるよ」
「で、でも…」
「おかあさんをころすなんて…」
「そうだよ!! みんないいこだかられいむたちをころすわけないよ!!」
「まりさとれいむのじまんのこどもだもんね!!」
「でも、お前らはその自慢の子供を踏み潰そうとしたんじゃないか?」
「「「「「ゆ!?」」」」」
「しかたないよ!! こどもはおやのぎせいになるべきだもん!!」
「おかあさんのためにしねるならこどもたちもしあわせだよね!!」
「「「「「……」」」」」
相変わらず本当に親なのか疑問に思う発言だが、俺は自分でこいつらを潰すようなことはしない。
「さっさとあしをどけてね!!」
「こどもたちをころしてまりさたちはゆっくりするんだからね!!」
足の下でもがく親ゆっくり。そんな親に近づく五匹の子ゆっくり。
「みんなあつまってくれたんだね!!」
「だいじょうぶだよ!! いっしゅんでつぶしてあげるからね!!」
「「「「「うるさい!! ゆっくりしね!!」」」」」
親ゆっくりが口を開いた後、子ゆっくり達は噛み付いた。相手は親ゆっくりだ。
「どぼじでええええええええええええええええええええええええ!!!!」
「がまないでえええええええええええええええええええええええ!!!!」
まさか自分の子供達に噛まれるとは餡子頭では考えなかったのか、親ゆっくりは本気で驚いているようだ。
最初に殺そうとしたのに、何故まだ言うことをきくと思っていたのだろうか? 毎度の事ながら謎である。
「おにいざんあじどげでええええええええええええええええええ!!!!」
「ごのままじゃだべられぢゃうよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
見れば子供達は親ゆっくりの皮を食い破って体内に侵入し、中の餡子を食べて殺そうとしている。
ゆっくりは体内の餡子がなくなれば死ぬのだから体の小さい子供達にはそれしか親を殺す方法はないと思ったのだろう。
野生のゆっくりながら中々賢い奴らだ。いや、本能だろうか?
五匹の子供達はとうとう親の体内に入り込んだ。
それに伴い親ゆっくりは「ぎゅぴいいいいいいいいいい!!!!」だの「うぎゃあああああああああ!!!!」だの叫んでいるが、子供達は止める事をしない。
どんどん親の餡子を食べ続ける子ゆっくり。やがて、親まりさの方は叫び声をあげなくなり、ピクピク痙攣し始めた。
どうやら最初の俺の踏み付けで餡子の量が減っていたらしい。まあ、少し死ぬ時間が早くなっただけだ。
「まりざあああああああああああああああああああああああああ!!!!」と叫ぶ親れいむ、こっちはまだまだ元気そうだ。
「やべろおおお!!!!」だの、「おまえらなんかしね!!!!」だの元気よく叫んでいたが、やがてこちらもどんどん静かになり、やがて死んだ。
子ゆっくり達は入った所とは別の場所の皮を食い破ってぞろぞろ出てくる。その顔は何かをやり遂げすっきりした顔だった。
「これでまりさたちだけになったね!!」
「こどもをぎせいにするばかなおやはしんでとうぜんだよ!!」
「おにいさんがばかおやをおさえててくれたからころせたんだよ!!」
「じゃあおにいさんにおれいをいおうね!!」
「もちろんだよ!!」
「「「「「おにいさんありがとうございます!!」」」」」
実の親を殺す手伝いをした人間にありがとうか… 殺さなきゃ殺されるんだから仕方ないのか?
「じゃ、おにいさん!!」
「れいむたちをゆっくりさせてね!!」
「ばかおやがいなくなったんだからこれでしぬまでゆっくりさせてくれるんだよね!!」
「まりさたちのほうがクズめーりんよりかわいいからね!!」
「クズなんかすててそのぶんかわいがってね!!」
口々に叫ぶ饅頭五匹。考えてみればそういう約束で殺し合わせたんだっけ?
「はいはい、わかったよ。ちゃんとお前らが死ぬまでゆっくりさせればいいんだろ?」
「「「「「そうだよ!!!!」」」」」
「じゃ、こっちについてきてくれ」
「「「「「ゆっくりわかったよ」」」」」
立ち上がって俺は庭にある箱の前まで歩き出す。踏んづけていた親ゆっくりの皮はいずれ虫がなんとかするだろ。
「じゃ、一匹ずつ入れていくからな~」
「そこがゆっくりできるばしょなんだね!!」
「はやくまりさからいれてね!!」
「ゆゅ!? だめだよいちばんさいしょはれいむがはいるんだよ!!」
「じゅんばんなんかどうでもいいからさっさといれてね!!」
「はやくはやく!!」
騒ぐ子ゆっくり達だが、無視して箱の中に入れていく。
箱の中はそれなりに大きいが、子ゆっくりもそこそこ大きいので流石に五匹もいたら狭そうだ。
「おにいさんここせまいよ!!」
「ほんとうにここゆっくりできるところなの!?」
「ごはんもないよ!!」
「もっと広いところにうつしてよ!!」
「ゆっくりしないでひろいところにつれていってね!!」
馬鹿だな、こいつら… いまだに俺がこいつら飼うと思ってんのかな?
「大丈夫だよ。ちょうど明日になったらお前達を加工所の職員さんが連れて行ってくれるからな」
「「「「「か、かこうじょ!?」」」」」
「ああ、そうだよ。良かったな~ そんな狭い所に何日もいなくて」
「お、おにいさんだましたの!?」
「しぬまでゆっくりさせてくれるんじゃなかったの!?」
「大丈夫だって、加工所の人達ならお前ら死ぬまでゆっくりさせてくれるんだからな」
「かこうじょはいやだよおおおおおおおおお!!!!」
「だましたおじさんはさっさとしね!!」
「騙したって… そもそもお前らが勘違いしたんだろう? 俺は今いるめーりんとゆふらんしか飼うつもりはないぜ。他のゆっくりなんて真っ平だ」
「どぼじでよおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「れいむだぢのほうががわいいよおおおおおお!!!!」
「そういう風に平気で自分の方が可愛いとかって言う所が俺は嫌いなの。じゃあな」
「「「「「ゆっくりざぜでぐれなぐでいいがらだじでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」
最後に何か言っていたが、無視して俺は蓋を閉じる。
この箱は完全防音なので蓋を閉めれば外に音が漏れることはない。加工所も良い物を用意してくれる。
家に入ってドアに鍵を掛ける。もう少し時間があるから一眠りするつもりだ。
途中廊下で寝ているゆふらんと、泣いているめーりんがいた。
どうやら先程のゆっくりがクズクズ言ったのが聴こえてしまったらしい。
めーりんは他のゆっくりがクズと言うと必ず反応する。
それはコンプレックスみたいなもので、めーりんには「自分のようなクズが飼われていいのだろうか…」という意識があるらしい。
でも、俺は昼寝ばかりしているこいつを気に入ってる。
畑をやっている友人(俺が仕事に行ってる間めーりんを預かってもらっている)も、飼いたいから譲れと俺に言うほどだ。
もっと自信を持てと思いながら頭を撫でて励ましてやる。伝わったのかはわからないがめーりんは擽ったそうにしている。
一発デコピンをかまして俺は部屋に戻る。少し涙目だったが気にしない。
明日もまた仕事である。夜中に起こしやがったゆっくりを憎く思いながら、俺は眠った。
またまたこんな駄文を読んでくださりありがとうございます!!!!
感想フォームに書かれていた「ゆっくりめーりん+きめぇ丸の日常をもっと知りたい」とのことなので、とりあえずゆめーりんのその後です。
めーりん殆ど出てきませんが…
飼われて幸せにしているゆっくりがいたら、他人の家を奪おうとするゆっくりならその立場を奪いに来るのではないかなと思ったので書いてみました。
それがゆっくりの間でクズで有名なめーりんが幸せにゆっくりしてると知ったら尚更奪いに来ると思うのです。
今回本気でやりすぎたと思ったのは… ゆふらんですね。
普通に喋れるとかどんだけ超設定だよ!!
と自分で思ったものの、この一家?のゆふらんならこれくらいした方がいいのではと思って気づいたらこんなゆふらんを書き上げました。
気分悪くされた方、本当にすいません。
では、御目汚し失礼!!
最終更新:2022年05月03日 18:31