一応幻想郷設定です
虐待というよりは考察に近いです
無数の漫画パロ表現が出てきますので注意
設定スレや他作品等からゆっくりの独自解釈を行っています







ある晴れた休みの日、縁側に座っていると庭の茂みから何かが飛び出してきた。

「ゆっへっへっ!こんなおうちはにんげんにはもったいないんだぜ!まりささまがもらってやるんだぜ!」
「ここはれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!ばかなにんげんはさっさとでていってね!」
「あまあまをもってくるんだぜ!そうすればまりささまのどれいにしてやるんだぜ!」

おいおい、良かったのかそんな事言っちまって。
言っとくがオレは最初からクライマックスだぜ。
















1分も経たないその間に全て片付いていた。
潰れたトマトのように餡子を飛散させてぺちゃんこになったまりさ、
肉まんを割るみたいに縦からまっぷたつになって痙攣しているれいむ。
木に強烈に叩きつけられて体を大きくへこませて餡子を吐いているもう一匹のまりさ。

「ゆ”…ゆ”…」

まだ息がある事を確認すると、男はまりさの前に静かに歩んでいった。

「だぢ、だじゅけてぐだざい…ごべんなざい…」

すかさず、男はまりさの底部を踏み抜いた。

「ゆぎゃああああ!!!!!!」

「お前が死ぬなら…あと一時間後かそこらがいい…そうなる風にお前の底部をフッ飛ばしておいた」

まりさの底部から流動的な餡子がじっとりと少しずつ漏れ出していく。
この分なら出餡多量でいずれ死ぬだろう。

「まりさ、お前が死ぬ前に聞きたい事がいくらかある。答えてもらおうか」

「まりさの…まりさのあんこが…どぼぢて、どぼぢでこんなことするの…?」

「もう一本もらっとくぞ」

男は直後にまりさの潰れていない方の底部を再び踏み抜く。

「あぐあぎゃああぁーーーー!!!!」

「いいか…喋っていいのはオレが質問した事だけだ!一言につき一発踏み潰す!
 聞き返しても踏むッ!クシャミしても踏むッ!黙ってても踏むッ!
 『いいからあまあまもってきてね!』とか言ったらまた踏み潰すッ!

 いいな!注意深く神経使って喋れよ…!」

「ばがりまぢだぁ!!ごだえまず!!!」

さらに踏み抜いた事で餡子の流出が加速している。
話を聞き終えるまで間に合うか男はふと不安になった。

こいつらは幻想郷に突然現れた「ゆっくり」という生物である。
体の構成物質が全てお菓子の饅頭と同じもので構成されているというトンデモ生物である。
そして体は人間の首に相当する頭部のみ。おまけにその顔は幻想郷で有名な人物を模している。
ここにいる魔法の森の魔法使い、そして先程の博麗の巫女を模したものが代表的なもの。
最もスタンダードで数の多い種である。
そして人間の言葉を使う事ができ、突然現れて「ゆっくりしていってね!」と呼びかける。
ただそれだけの珍妙で無害な存在である。



…だったのはもはや昔の話。
時々知能の低い存在が人里に現れては農作物や人間の住居、食料を狙ってやってきては駆除される。
これらの連中は軒並み性格が悪く、話す言葉も聞くに堪えない暴言ばかりである。
こういった存在ばかりが姿を現す故に、ゆっくりは人々にとって迷惑な存在と化していった。
それ故に人々はゆっくりをただの害獣としか思わなくなっていった。
人前に現れたゆっくりはただ潰されるのみ。
だが、この男は普通の人間とは少し違っていた。



「さてまりさ、質問だ。なぜここに来ようと思った?」

「あのまりさとれいむににんげんさんのおうちをもらおうってざぞわれたからです!!!!」

「イヤそれはいい。オレが聞きたいのは、なぜ人間に勝てるかと思った事だよ」

「ゆ”っ!?!???」

「昔から気になってたんだ。なぜゆっくりは勝ち目の無い喧嘩を売る?
 そもそもなぜ人間の事を見下しているんだ?」


男はどうでもいい疑問を抱いてはそれを解決し、納得するのを好んだ。
現代語で言えばトリビアを求める、と表現すればわかりやすいかもしれない。
もちろん普通の人間はゆっくりなんてどうでもいい存在の事は大して気にしない。
しかし男はこういった下らない事ばかりを気にする性質だった。
刑事コロンボが好きで細かい事が気になると夜も眠れない、というタイプの人間なのだろう。


「そう言えばお前、オレを奴隷にしてやる、とか言ってたな。
 聞いた話だと皆お前達みたいなゆっくりは人間を恐れないどころか、格下の存在に見ているそうだ。
 お前達には人間がどういうものに伝えられてるんだ?」


現在のゆっくりの特徴として、人間に対し警戒心が薄いという事が挙げられる。
どの動物に対しても警戒心が皆無のゆっくりも存在するが、人間には一際その傾向が強い。
人間を見れば「ゆっくりしていってね!!!」と隠れもせずに挨拶したり
「おにいさんはゆっくりできるひと?」と問いかけたり、
「あまあまちょうだいね!!」などと食べ物を欲しがる。
目の前のまりさの様に性格が悪い個体、一般にゲスと言われる存在はそれどころではない。
まず一言目に食べ物の要求など、何らかの自分本位の命令である。
自分の命令を人間が聞くと信じて疑わず、
ましてや自分が怒った人間に攻撃されるという発想は微塵も無いのだろう。
当然、怒りを買った人間に潰されるのが大方の結果であるが。

「ゆ”…にんげんざんは…ゆっくりにあまあまをぐれで…やざじくしてくれるってぎいだよ…」

まりさはビクビクガタガタと震えながらしどろもどろで答える。

「イヤ、違うだろ?お前は言葉を選んで答えているな。
 重要なのは本音の内容だよ。さあ遠慮はいらん、思う存分ぶちまけてみろ」

「…ゆっ!にんげんさんはめいれいすればなんでもきくってきいたよ!
 いうこときくのはゆっくりよりばかでよわいからだって…!
 だからあまあまもってくるのがとうぜんなのにどうしてこんなことするの…!?」

「何だと、この野郎」

「ゆ”ゆ”っっっ!!???!?」

サッカーボールを横に弾くように、軽く蹴り飛ばして木の幹に衝突させる。
まりさはまた餡子を吐き、痙攣している。

「しまったな…思う存分ぶちまけろと言ったのは自分なのに手が出てしまった。
 しかしあんまりお前が馬鹿すぎるからって事でさ…こらえてくれ」

「ゆ…ゆ…ゆぶ…」

息も絶え絶えのまりさを眺めながら男は考えを巡らす。

なるほど、ゆっくりにとって人間は明らかに格下の存在として認識されているらしい。
その根拠の理由になっているのは恐らく言う事を聞く、という事なのだろう。
出会った野生の動物に気紛れで食べ物を与えてしまう人間は少なくはない。
ましてや人語を話す珍妙な生物だ。面白がって与えてしまうのも無理はないだろう。
それがゆっくりに対して良くないのだ。

例えば犬の場合だ。犬を飼うにあたって、何よりも先に注意しなくてはいけない事がある。
しつけ云々はあるが、そのしつけを行う前提の問題である。
「人間は犬より偉い存在なのだ」と認識させる事である。
この前提がまずできていないと、犬は飼い主の言う事を聞かない。
それどころか逆に犬が人間を部下やペットのように認識してしまう事すらありうる。
外の世界ではこれを怠った結果、しつけのできない権勢症候群という状態になってしまうそうだ。

犬は彼ら自身の判断基準でヒエラルキーを決定付けている。
誤ってこれらの判断基準で自分が格下と判断される行動を取ってしまうと、犬は上下関係を誤る。
代表的なものを言えば、食事を先に食べる権利である。
イヌ科の動物は集団で狩りを行うが、その獲物を最初に食べる権利はリーダーが持っている。
下位の個体はおこぼれや食べる部分の少ない部位で我慢するしかない。
こういった習性を持っているため、エサをお預けもなしに自由に食べさせたり、
人間達の食事より先にエサを与えてしまうと自分の方が偉いと勘違いをしてしまうのである。

こういった,ゆっくりにとって格下に認識されてしまう行為がエサやりなのだろう。
さらに言えば自然界ではエサは強いものがありつける存在だ。
小型の肉食獣が獲物を手に入れても、ライオン等のさらに大型の肉食獣に奪われてしまう事も珍しくない。
ゆっくり達もまた同族からエサを奪う、というのはごく普通に行われている光景である。
これらの事からゆっくりは自分が強いからエサを渡した、可愛いから食べ物をくれた、と判断するのだろう。
そうなるとゆっくりの頭の中では相手は自分よりも弱い、外見的等に劣っている存在だと認識される。
その認識が重なって戦いもしていないのに「人間は弱い存在」「可愛い自分にエサを貢ぐ存在」
…などと命知らずの常識を作り上げるのだろう。
最も全てのゆっくりがこういった思想をする訳ではない。
知能が高い存在は人間との実力差を認識した上で食べ物をくれた、と理解できるし
性格のいい個体はその人間の行為に感謝し、相手が劣っているなどと傲慢な発想をしない。
しかし知能の平均値自体が低い野良ゆっくりにはそういった事を期待できない。
弱肉強食の世界に生きる個体にとっては自分が強い、相手が弱い、というのが基本的な基準なのである。

よく彼女らが人間を発見すると言う事である、
「かわいいれいむにごはんをちょうだいね!」
「まりささまにそのごはんをわたすんだぜ!!」
と言うのは彼女らなりの命令・脅迫のつもりである事が多いのである。
人間には全くそう映らないので気紛れでエサを与えてしまう者も存在する。
そうしてしまう事がまずいのである。
ゆっくりは「自分に恐れをなしてエサを渡した」と解釈し、人間は弱いという誤認を深めていく。
それが会話を通して他のゆっくりに伝播し、人間を舐めきったゆっくり達が増えていくのである。





「で、本当の強さがわからなかった馬鹿がこいつって訳か」

男は痙攣するまりさを見てつぶやく。

「ゆ”…ゆ”るぢで…だすげて…くだざい…」



ゆっくりにも当然、話を鵜呑みにしたりはしない位の知恵はある。皆無なものもいるが。
しかしゆっくりは自分にとって有益なものを最優先する。
彼女らの言葉で言えば「ゆっくりできること」である。
故に、人間が強い、彼らの住居や食料を狙うと危険だという発想は
「ゆっくりできないもの」としてなかなか認識しようとしないのである。
その結果、人間は弱く下等で利用できる存在、というのがゲスの中で定着し、
ゲスでないゆっくりも人間はエサをくれたり遊んでくれるゆっくりできる存在、として認識されるのである。
現実逃避もいい所の、生存本能の存在を疑いかねない習性である。


「知りたい事はこれで十分。止めを刺してやる」

男はまりさに足を乗せ、ゆっくりと体重をかけていく。

「ゆぎゃああ”ぁあ”あ”あーーーーーー!!!!
 どぼぢで!?にんげんざんはゆ”っぐりできるっでぎいたのにい”い”ぃぃいぃーーーー!!!
 どれ”い”にぢでごぎづかうはずなのに”いぃーーー!!!」

「自分を知れ…そんなオイシイ話があると思うのか…?
 お前の様なゲスゆっくりに」

体が圧迫され、外傷からあふれ出すように餡子がどんどんと漏れ出していく。
激しい苦痛と共にまりさの頭にあったのは疑問や憤慨から、次第に後悔へと変わっていった。
話が違う、人間が馬鹿で弱いなんて全くの嘘っぱちじゃあないか。
何もできずにこのまま殺される。何で、こんな奴に勝てるなんて思ってしまったんだろう?

「ゆ”っぐりじたけっかが…ごれ”…ゆべし!!」

ぶぢん、と黒い餡子が飛び散った。
命を弄んでいるとは男は思えなかった。
こんなゆっくりを生かしておいても何もいい事はないだろう。
ただそれだけの気持ちであった。






男は何か心に満足感を感じていた。
理解できない事が理解できた、そんな爽快感である。
別に虐待には大して興味はないが、
ゆっくりについてあれこれ聞いてから殺すのもいいかもしれないな…
今回はゲスだったが、他の奴だったらどうなのだろう?
男は次から次へと疑問と好奇心がムンムンわきあがってくるのを感じた。



「ん?」

遠くから人間の声の様なものが聞こえてくる。

「ゆゆっ!にんげんさんのおうちがみえてきたよ!」

「あそこにたくさんのたべものをひとりじめしてるんだね!!」

「それはゆっくりできないね!!とりかえしにいくよ!!」

複数のゆっくり達がこの家を目指してきているようだった。

「おあつらえむきじゃあないか!」

男はつぶやくと、唇の端を緩めた。














ゆっくりが人間を舐めきった態度を取る理由を考察しつつ
ヘイトを充たすために思わず書き上げてしまった。
独自解釈につき異論は大いに認める。

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最終更新:2022年05月03日 21:49