もちろん食事の時の虐待だけで男が満足するわけもない。
別の手段からも男はまりさを追いつめていっていたのだ。

男はまりさに与えるご飯を基本的な食事量からすれば幾分多いものを与えていた。
水分も少量の砂糖を溶かし込めばいくらでも飲むので常にまりさは食事環境では心身共に満たされているようにすることができた。
それはまりさの姿を見ても分かるほどだ。
この家に来てからは普通のゆっくりみたいな重力に負けた形ではなく、風船のように内側からパンパンに張った状態である。
頬に空気を溜めて威嚇しているときよりも膨らみきっているのだ。
もちろんこの状態はゆっくりにとってとても苦しい。

まりさを家に連れ込んで二週間は経った頃だろうか。膨らみきった体で息が荒らくなってきたまりさに男は話しかける。
「そろそろしーしーしたくないか?」
「ここでしーしーしたらゆっくりできなくなるぜ」
あれからずっと従順に箱の中でしーしーをするな、を守っているゲスまりさがいた。
実際この箱でしてしまうと水分は外に流れ出る事はないため、自分の体が溶けてしまう原因となりかねない。
しかし我慢してもこの状況からは逃げられないのだ。
「苦しいならさっさとすればいいだろ」
「じじいはゆっくりだまっていてね!!」
まだ耐えるのかと関心してしまうほどの強情っぱりだ。
自力でこの箱から出られないのであれば我慢するしかないのだが、男に協力を仰ぐのはプライドが許さないらしい。

とは言ってもやはりゆっくり。まりさは苦しみだしてから一時間弱で音を上げた。
「ごごがらだじでぇぇぇぇ!! はやぐぅぅぅぅぅ!!」
冷や汗や涙などの体液を垂れ流しながら男に懇願するまりさ。
普段しーしーするときは納められているぺにぺにを出しきってまで必死に我慢しているのだ。
「そうやって涙とよだれを出してればなんとかなるんじゃないか?」
体内から水分を出すならそれでもいいのだろうが、やはり涙としーしーでは意味合いが違うらしい。
まりさは自分が限界だと思うとあっという間に我慢できなくなるようで、すぐに顔は真っ青で白目を剥き始めた。
「おいおい我慢して死ぬくらいならしーしーくらいしてしまえよ」
そう言いつつもここでまりさに勝手に死なれても面白くないので、男はまりさを箱から出してようやくしーしーをさせてやることにする。

いくらしーしーがただの砂糖水とはいえ室内でされると精神的にまいるので、家の外まで急いでまりさを担いでいく。
「ほらここならゆっくりできるぞ」
男はまりさの足を両手で持ち、底面をすこし持ち上げてしーしーしやすい体勢にしてやった。
するとここにきてまりさは面白い事を言う。
「はずがじいがらゆっぐりおろじでね!!」
なんとこいつはしーしーを見られるのが恥ずかしいのか。
ゆっくりでもそんなやつがいるのかと驚きつつ、それは男の加虐心に火を付ける結果になる。
「ほらほらちゃんと見てやるからしーしーしてみろ。すっきりできるぞー」
「だめだぜ!! みだらごろじでやる!!」
「そんなこと言ったらこっちも手伝わざるをえないだろ。ほれ、こちょこちょ……」
男はもう限界を超えしーしーが漏れだしているまりさのぺにぺにを指で刺激してやる。
するとあっさりしーしーをし始めた。
生まれたてのゆっくりは親にぺーろぺーろしてもらうことで初めてしーしーするそうだがそれが関係しているのだろうか。
「ふわああああああああ!! どまらない゛ーーー!!」
その勢いと言ったら水風船から水が抜けていくような勢いだった。
あっという間に体外に余分な水分が排出され、まりさの体も幾分丸さを失った。
そのまりさの顔を覗いてみれば焦点の合わない目で口はだらしなく開けられヘブン状態といったところだろう。
「苦しんだ後のしーしーは気持ちいいよな!!」
「……ぎ、ぎもぢよずきでずっぎりー……」
男はもはや廃人の域に達しつつあるまりさを再び透明な箱に入れてそっと放置した。

しーしーもだが無論うんうんも極限まで我慢させて排便させることにした。
普段は我慢などすることなく出したくなったら即出すゆっくりがうんうんを出せないのはさぞかしゆっくりできてないに違いない。
しかし苦しんだ後のしーしーの気持ちよさを知ったまりさである。
我慢のストレスとうんうんを出すときの快感の狭間で見事に彷徨う結果になった。
しーしー同様、命の危険を感じるぎりぎり限界までうんうんも我慢させた。
そして男に恥ずかしいシーンを見られながら大量のうんうんを出して快楽に浸るのだ。
こうして苦しむ事による気持ちよさにまりさはどっぷりはまっていった。
自分ではしーしーやうんうんは男に頼まないと出来ない、そのうえ出している姿をまじまじと見られるまりさのプライドはずたずたに切り裂かれていく。
もはやこの段階で虎の爪や牙は折られ、ただの家猫に成り下がっていた。



男はしーしーうんうん制限に加えてさらに虐待の手段を増やしていく。
今回行う虐待は寸止めすっきりだ。
方法は至って簡単、まりさがすっきりする寸前にそれを止めさせるだけ。
だがこれがなかなか楽しいのだ。その上まりさの精神を容易く揺さぶる効果もあった。

夜も更けて遠くから獣の鳴く声が聞こえてくる頃、もう何度目かわからないすっきりの波が止められたまりさは半狂乱になっていた。
「もうずっぎりざぜでぇぇ!! おねがいじまずぅぅぅ!!」
「だめだめまだまだ」
まりさが体中から出すの分泌液で男の両手どころかそれが滴った地面までベトベトになっていた。
昼過ぎから行われていた寸止めすっきり、まりさに適度な振動を与えてすっきりする手前でそれを止める。
この作業を延々六時間近くはしていることになるが、まりさは未だ一度もすっきりできていない。
「じらざないでぇぇぇ!! もうやだああああ!!」
「ほらさっさと次行くぞ」
さすがに男にも疲労の色が見え始めていた。
いくら普段農作業や山作業で鍛えているとはいえども、大人のゆっくりを両手にもった状態で揺さぶり続けるのはしんどい。
さらに次第に短くなっていくすっきりまでの間隔にもうそろそろ限界が見えてきたので、一気に振動を加速させた。
「ゆゆゆゆゆゆゆっ」
酷い涙顔だったまりさはすぐにだらしなく惚けた顔に崩れる。
「んほ、ずっぎりぃぃぃぃぃ!!!!」
もはや溜めの「んほおおおお!!」も無しにまりさは勢いよくすっきりした。
まりさの出した精子餡は健康状態も良いことからかかなりの量と粘度をもち、ぺにぺにから切れることなく地面にまで達した。
「まるで麺だな……」
「ゆぶっぶべべっ」
また掃除が面倒だなと男が思っている側で、すっきりし終えたまりさはもう用済みになった分泌液で溺れそうになっていた。

「よし仕方ないから風呂に入れてやる」
すっきりし終えたまりさの状態がこのまま箱に戻すにしてもあまりに酷いので男は風呂に入る事を許した。
「ふろ? それってさっぱりできるもの?」
ゆっくり達はゆっくりできることに関しては記憶力がいいらしい。
そのためまりさは男がゆっくりできていた風呂というものを何とか記憶していた。
たしか男の顔についていた汚れをきれいさっぱり落としていたような。
まりさもしばらくぶりに汚れが落とせると期待を膨らましていった。

「いいか、目を開けるなよ。絶対だぞ!!」
「ゆゆっ、おにいさんはしつこいね!! まりさはゆっくりりかいしているんだぜ」
まあそういってもこのあとの展開は見え見えだがと思いながら手に持った石鹸を泡立てていく。
苦労してなんとかまりさから帽子を外させることに成功して次の壁は髪を洗うときに目を閉じさせることだった。
「覚悟はできたか」
「ゆっくりできてるよ」
その返事を聞き男はまりさの髪を洗い始める。
とにかく粘着物のベタベタと野生だった頃の名残か砂っぽい汚さが合わさったゴワゴワの髪を力を入れて綺麗にしていく。
「もっとやさしくしてね!!」
「できればその口も閉じておいた方がいい」
一丁前に文句をいうまりさを黙らしつつ、体の方も揉み洗いしていった。

「ゆゆゆゆゆゆゆっ」
「おいっすっきりするな」
手のひらでごしごしと体を洗っているのが刺激となって、まりさがまたすっきりをし始めたので手を止める。
「やめないでぇぇぇ」
「いい加減にしろ。こっちはすっきりさせてやってんじゃないんだよ」
「じらされるとすっきりしちゃうよ!!」
また体液が出てきたのでやむなく洗う作業を再開すると、まりさはすぐにすっきりしてしまった。
「すっきりー!! ゆぎゃー、めがー、めがー!!」
「まったく馬鹿だなあ」
すっきりした瞬間に目を開けてしまったまりさは見事に石鹸の洗礼をうける。

男はべただなぁと思いつつも、ゴロゴロと風呂場を転がるまりさに桶でお湯をすくって浴びせかける。
「うわあああああああ」
「落ち着け、これくらいじゃ溶けやしないさ」
目と口を全開にして怯える表情のおかげでまりさの目に入った泡を取り除けた。
「いたかったんだぜおにいさん!!」
「だから目は閉じておけってあれほど言ったろ……」
幸せそうな目でぷくーっとふくれるまりさを桶に入れて、一緒に湯船につかる。

「「はぁー、さっぱりさっぱり」」
男はここ最近まりさからゲス要素も綺麗さっぱり無くなっているのがどうも気になっている。
それとともにどうも虐待に力が入らず、まるで普通の飼いゆっくりのように接してしまう事が多くなってきた。
「なぁまりさ」
「ゆゆ?」
「お前今までうちに帰りたいって言った事無いよな」
「まりさにおうちはないぜ」
「家族は?」
「さいしょからいなかったぜ」
「そうか……」
湿っぽい雰囲気になったなと気まずかったが、まりさは別に気にしていないようだ。
どうやらこのまりさは天涯孤独の一生を送っていたらしい。
そして幼い頃からこれほど大きくなるまで所帯も持たずにいたのだ。
無事に成長できたのは目の前のまりさがひとえにまりさでありゲスであったからだろうな、男はふと思った。

生まれた頃に周りに親も群れの大人ゆっくりも居なければ、自分より強いゆっくりはいない。
つまり自分が一番なのだ。たとえそこに幼い兄弟達がいたとしてもまりさ種であれば一番の座は揺るぎない。
まりさ種は他のゆっくりよりも力があるからだ。それはご飯を集める能力の高さからもわかる。また力はそれだけでゆっくりにとって生き延びる可能性を高める。
自分が一番が一番強い、自分が一番ゆっくりできる。幼いゆっくりがそう思いこむの当然の流れだろう。
そしてその思い込みからまりさは幼い頃からゲスな行動をとり続けたのだろう。
他のゆっくりから搾取することを覚え、自分の欲望の捌け口を探し、追ってくるゆっくりを撃退する。こうやって生きてきた。
むしろゲスでなければ生き残れなかったのだ。
まりさ以外にゲスがあまり見られないのはゲス行動をとってもどこかで反撃にあってしまい死ぬことが多いからだろう。
このまりさはまりさであり、そしてゲスだった。

奇妙な偶然で出会って今こうして一人と一匹が仲良く風呂に入っていて、どこか運命めいているなと感傷に浸るほど男も甘くはない。
男のまりさへの虐待はそれから季節が二回変わる事まで続いた。
痛みをともなう食事。しーしーうんうん制限。寸止めすっきり。
そしてまりさは痛みを幸せと思う体、しーしーうんうんを我慢する心、じらされるとすぐにすっきりしてしまう技を手に入れた。
大旨男の求めていた結果を得られてとても満足している。
まりさはすでにゲスまりさではなかった。
しかし只の飼いゆっくりでもない。
男が作り出したゆっくりはSMプレイ的な意味で調教されたゆっくりである。



少しずつ日々の気温も上がっていき、生物全体が活発になってくる新緑のころ、
一匹のゆっくりありすが家族のためにご飯集めに精を出していた。
巣には冬を一緒に越えたれいむとの子供がおり、れいむと散り散りになりながら沢山のご飯を集めているのだ。
冬が始まる前にどこからともなく現れたまりさに蓄えていた大半のご飯を食べられた時はどうなることかと思ったが、優しい人間さんのおかげで助かった。
そのあとに出会ったれいむはゆっくりできるれいむで仲良く越冬し、春には子供をたくさん授かった。
今は少し忙しいが子供の笑顔を見るだけでいつも疲れなんて吹っ飛んだ。
そんな幸せそうなありすの目に入ってきたのはとても素敵なまりさだった。

「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっ、ゆっくりしていってね!!」
なんて美ゆっくりなまりさだろう。
三つ編みに付けられたリボンは他のまりさに比べ大きく純白で、帽子はピシっと皺もない。
肌は張りが良く艶やかに輝き、体はふくよかできっと狩りが上手いからご飯もたっぷり食べているのだろう。
そして潤んだ瞳はまるで乙女のそれだ。
ありすはれいむという存在がありながら、ありす種の宿命かこのまりさに一目惚れをしてしまった。

「あ、あのまりさ。ちょっとうちにごはんをたべによっていかないかしら?」
「いいのかだぜ!? おなかがくるしいからやすめるところをさがしてたんだぜ」
ああ、なんて好都合な展開。ありすはもはや有頂天だった。
しかもこのまりさどうやらまだ巣もない独り身の様子である。
ありすは新しいパートナーに既に心を奪われ、れいむとの関係を忘れつつあった。

これからの生活を妄想していたありすがまりさを連れて巣に戻ると自分の子供を発見し現実に引き戻された。
「「「ゆっきゅりしちぇいちぇね!!」」」
「とてもゆっくりしているわね」
巣の中にはれいむとありすそれぞれ三匹ずつが両親がご飯を持って帰るのを待っていた。
そして帰ってきた親ありすを迎えるとその後ろから見知らぬゆっくりがついて入ってきた。
「おかーしゃん、そにょひとだりぇ?」
「ゆっくりできるまりさよ」
「「「まりしゃおねーしゃんゆっきゅりしちぇいっちゃね!!」」」
「ゆう、ゆっくりしていっていくぜ……」
「どうしたのまりさ? くるしいの? すーりすーりしてあげるわからはやくよくなってね!!」
そういうとありすはまりさに近寄ってすーりすーりしてあげた。
痛かったり苦しいときはとりあえずすーりすーりしておけば気持ちよさにより一時的に楽になれる。
しかもありすにとってはとても気に入ったゆっくりまりさである。すーりすーりの仕方にも余念がない。
普段のそれとは少し愛情のこもったものをまりさに施してやった。
まりさにとっても今まで味わった事のないゆっくりからのスキンシップにどこか懐かしさと体の奥からの疼きを感じていた。

ありすはあまりの気持ちよさにすっかり二匹の世界に入っていたがそこに邪魔が入る。
「おかーしゃん、おにゃかへっちゃよ!!」
「ゆっきゅりごはんちょうだいにぇ!!」
「わすれてたわ……。ごめんなさいねまりさ、ちょっとまっててね」
赤ゆっくり達からのご飯の催促にありすは渋々応じてご飯を保存している部屋に向かう。
そのありすの背に向かって、意中のまりさは切なげに叫んだ。
「ありすぅぅ!! じらさないでぇぇぇ!!」
「ゆゆっ!! まりさったらもうありすにめろめろなのね!!」
まりさのその大胆な発言を告白と受け取りありすは興奮を隠しきれない。
「でもあかちゃんたちにごはんをあげなきゃ。あかちゃんたちはごはんまでまりさおねーちゃんにすーりすーりしてあげてね」
そう言って残念そうに巣の奥の部屋に消えていった。
残されたまりさは全身を体液まみれにして口からよだれを垂らしている。
その異常な状況になんの疑問ももたない赤ゆっくり達は二匹ずつまりさの頬を両側からすーりすーりし始めた。

「「しゅーり、しゅーり」」
「すっきりー!!」
「「しゅっきりー!! ゆげぇ……」」
「「うゆ? どうしちゃの? しゅーり、しゅーり」」
「すっきりー!!」
「「しゅっきりー!! ゆげぇ……」」
「「ゆっきゅりししゅぎだよ! しゅーり、しゅーり」」
「すっきりー!!」
「「しゅっきりー!! ゆげぇ……」」

赤ゆっくり二匹が苦しんでいたまりさにすーりすーりした瞬間にまりさにすっきりさせられた。
続いて近寄っていった赤ゆっくり達はすっきりが何なのかわからないので動かなくなった姉妹達に代わってまりさにすーりすーりをする。
するとまたまりさにすっきりさせられた。
そしてあっという間に六個の小さい黒い塊が巣に転がった。

そのとき口いっぱいのご飯を抱えたこの巣の住人が帰ってきた。
紅白の髪留めが目印のゆっくりれいむである。
この巣にいるありすの番であり、まりさがすっきり殺した赤ゆっくりの親でもある。
自分の巣に見慣れないゆっくりがいるかと思えばその足下には見慣れた赤ゆっくりが物言わぬ塊と化していた。
「ゆぎゃああああああ!! でいぶとあでぃずのあがぢゃんんんんん!!」
口に入れていた子供のためのご飯を一瞬で飲み込みまりさの元に近づく。
誰によって殺されたか考えるよりもまず殺された事を嘆くのが先だ。
れいむの悲鳴を聞き、ありすも奥の部屋から飛び出てくる。
困った様子で立ちすくむまりさとそのまりさの側で泣き崩れるれいむ、そして六個の黒い塊。
「ゆゆっ!! どぼじであかぢゃんがずっきりしぢゃったのおおお!!」
「ゆわ゛ーん、ゆわ゛ーん」

涙で水たまりを作っていくれいむとありさに横からとんでもない言葉が投げかけられた。
「どうしてすっきりしたらうごかなくなるんだぜ?」
巣の番は一瞬で泣きやんだかと思うとまりさを鋭く睨んできた。
まりさはゆっくりにこんな目で見られるのは初めてだ。
今まではそんな表情を見る前に一目散に逃げていた。そして男との生活でそんなことはすっかり忘れていた。
「ばでぃざがずっきりじだのね゛えええええ!!」
「どぼじですっぎでぃじだのおおおおお!!」
「ありすがわるいんだぜ? じらされたらすっきりしちゃうんだぜ」
「ゆゆっ!! ありすはなにもしてないじゃないの!!」
「ありすはまりさとすっきりしようとしたぜ」
「ゆ゛っ!!ほんとなのありす?」
「まりさ、なんでうそづぐのぉぉぉぉ」
「うそじゃないぜ。すっきりをじらされたからすっきりしちゃったんだぜ」
「ゆがあああああ!! あでぃずのうわぎもの゛おおおおぉぉぉぉ!!」
「でいぶぅぅぅぅ、ごがいよぉぉぉぉ!!」
まりさの言葉足らずな説明のおかげで巣の中はあっという間に修羅場と化した。
確かにありすに少し浮気心が生まれてしまったがまだ手をつけてはいないのに。
今まであんなに優しかったれいむが豹変したように襲ってくる理由がわからなかった。
れいむもあんなに愛を誓い合ったありすにこんなに簡単に裏切られるとは思わなかった。
とにかく誤解を解きたいありすはれいむに反撃するわけにもいかずじっとれいむの体当たりを我慢する。
しかし一旦火のついたれいむを止められるものはいない。
その素直で純粋な性格は聞いた事を疑わずそのまま鵜呑みにしてしまう傾向にあるし、
自分の考えが正しいと思えば覆さない頑固さもある。
「ゆっ……ぐりや゛めで……ね」
「ゆるざんんんん!! ごろじでやるぅぅぅぅぅ!!」
「もっど……ゆっぐ……りしだがっ……」
ほどなくしてありすはれいむによってひしゃげた形に変えられた。
その顔は苦痛と悲哀に満ちて、涙と口から出したカスタードでドロドロになっている。

「ここはゆっくりできないぜ、そろーりそろーり」
二匹が突然喧嘩を始めた理由も分からないまりさはひとまずこの巣を離れる事にする。
ここではないどこかでゆっくり休みたいのだ。
そんなまりさをれいむが見逃すわけがない。
浮気をしたのはありすだが子供を殺したのはまりさだからだ。
「ばでぃざもじねぇぇぇぇぇ!!」
「ゆゆっ!! れいむ、ゆっくりやめてね!!」
まりさが振り返ると鬼の形相でれいむが体当たりをしかけてくる。

「じね、じね、じねぇぇぇぇええええ!!」
れいむはまりさに対しても容赦ない攻撃を与えていく。
突然のことに避ける暇も無かったまりさはれいむその攻撃を甘んじて受ける。
「ゆぐっ、ゆげぇ、ぐあぁ、でも、しあわせ〜」
「ゆゆっ!? しあわせ?」
「れいむ、もっと、いたくしてくれだぜ」
意味の分からないまりさの言葉にれいむの手は止まる。
れいむはまりさに何度も勢いをつけて体ごとぶつかっていたが体格差からかまりさに致命的なダメージを与えてなかった。
むしろまりさにとっては幸せな痛みを何度も与えてくれるれいむはまりさを愛しているとまで思うほどだ。

しかし事情を知らないれいむはまりすを気味悪がり始めた。
「きもちわるいまりさはゆっくりでていってね!!」
「なぜだぜ? もっとぶつかってくれだぜ。いたくしてくれたらしあわせだぜ」
「ゆゆ゛っ!! それがぎもぢわるい゛よ!!」
攻撃したら幸せと言うまりさには生理的嫌悪が沸きこれ以上ぶつかりたくない。
でもこの巣からはさっさと出て行って欲しいのでれいむは仕方なくまりさを押し出す。
「ゆーしょ、ゆーしょ」
「ゆぎぎ、おなかはおさないでぇぇぇ。ぐるじいぃぃぃぃ」
口では苦しいといいながら顔は幸せに満ちたまりさをさらにれいむは気味悪がりさらに力強くまりさのお腹を押す。
「まりさはゆっくりでていってねぇぇぇぇ」
「そんなにされたらがまんできないいいいい!!」



「おーい、まりさーどこだー」
「ゆゆっ、おにいさんここだよ」
散歩をしていたら不意にまりさを見失ってしまっていた男は、すぐ近くのゆっくりの巣から顔を出したまりさを見て安心する。
「お前そんなところで何してたんだ?」
そう男が尋ねると、
「すにしょうたいされて、すっきりして、しあわせ〜して、さっぱりきもちいいーしたよ」
「いまいちよくわからないな」
男が巣の中を覗くと巣の中の惨状から大方の予想はついた。
「しかし、このれいむはこんなことになるとは思わなかったろうな」
頭の上部から顔の前面にかけて削り取られて動かなくなっているれいむが巣の入り口近くにいた。
「しーしーしたられいむがいなくなったんだぜ」
「お前にはそう見えるのな」
目の前であれだけの水圧のしーしーをされたらゆっくりの皮が溶けるどころかえぐれてなくなるのか。
顔が無くなるとまりさはれいむを認識できなくなったようだった。
もはやれいむの飾りがついた何かにしか見えないということだろう。

「さて、それじゃ家に帰るか」
「ゆゆっ!! きょうもおふろはいろうね!!」
一人と一匹はそう言いながら仲良く家路についた。
よく調教されたゆっくりを野良に放てばどうなるかという実験もそこそこ面白い結果になった。
少し常識がずれたゆっくりはやはり野生ではトラブルメーカーになるようだ。
今度またゲスまりさを捕まえて別の癖を覚えさせてみることにしよう。
男のゆっくり調教はこれからもまだ続きそうだ。




あとがき
ゲスまりさって実はすごい従順かもよって思って書いた結果がこれだよ。
それゆえゲスっぷりをそんなに発揮できてないのが残念(´・ω・)
調教したまりさ達を野生に放てばゆっくりをその天然思考で駆逐していくかも。
ところでお風呂にまりさを入れてみたけど三つ編みをほどくとゆっくり的にはどうなんでしょ?
そんなSSが既にあるかもだけど……。

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最終更新:2022年05月18日 22:07