「ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛はんぜい゛じまずがらゆるじでぐだざい゛い゛い゛い゛い゛」
一匹のゆっくりれいむがお兄さんに捕まった。お兄さんの家に忍び込み大切な母の形見を壊したからだ。
ここまではよくある風景だがこのゆっくりはちょっと違った。
「でいぶはどうなっでもい゛い゛がらおながのあがじゃんだげはだずげでぐだざい゛い゛い゛い゛」
このれいむ実は胎生型妊娠をしていたのだ。幸いなことにお兄さんは虐待お兄さんではなかったので
子供が生まれるまで生かしてもらえることになった。
− − − 1 日 目 − − −
「むーしゃ、むーしゃ…」
れいむは逃げないよう檻に囚われ餌として野菜くずを与えられた。
くずといっても野生の食べ物に比べればはるかに美味しかったがれいむは幸せな気持ちになれなかった。
もうすぐ人間さんに殺されてしまう。そう思うと美味しいはずの食事も味が良く分からない。
「ゆゆっ?あかちゃん?」
その時れいむの腹の中の赤ちゃんが動いた。
「れいむのかわいいあかちゃん、げんきにそだってね」
死の恐怖に怯えていたれいむだが赤ちゃんそ存在がれいむの心を支えていた。
− − − 7 日 目 − − −
「うーん、うーん、うまれるよ…」
お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむのおなかに痛みが走る。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。
「れいむのあかちゃんうまれるんだね…れいむとってもうれしいよ」
だがその時お兄さんの言葉を思い出す。
『子供に罪はないから生まれるまで待ってやる。だが子供が生まれたらお前は殺すからな』
「ゆゆっ!だめだよ、あかちゃんまだうまれないで!」
れいむは腹に力を込めて生まれてこようとする赤ちゃんを押し戻した。
やがて赤ちゃんも諦めたのかれいむの産気は収まった。
「あかちゃんうまれるのはもうちょっとだけまってね…」
− − − 1 0 日 目 − − −
「うーん、うーん、うまれるよ…」
お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむのおなかに痛みが走る。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。
「れいむのあかちゃんうまれるんだね…」
だがその時お兄さんの言葉を思い出す。
「あかちゃんおねがいだからうまれないでええええ」
れいむは腹に力を込めて生まれてこようとする赤ちゃんを押し戻した。
だが赤ちゃんは前回より強い力でれいむの体から出ようとする。
「おねがいだからやめてええええ」
自分の力では抑えきれないと思ったれいむは野菜の芯で自分のまむまむに蓋をした。
そのかいあってかしばらくして産気は治まった。
「あかちゃんがうまれるとれいむがこまるんだよ。おねがいだからうまれないでね」
− − − 1 2 日 目 − − −
「うーん、うーん、うまれるよ…」
お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむのおなかに痛みが走る。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。
「おねがいだからう゛まれないでっていってるでしょお゛お゛お゛お゛」
だが今回は赤ちゃんもなかなか諦めようとしない。
まるで『なんでうんでくれないの?じぶんはいらないこなの?』と言っているようだった。
「わがままなあかちゃんだね!れいむそんなわがままなあかちゃんいらないよ!」
怒ったれいむはお腹の中の赤ちゃんを罵倒しはじめた。れいむの気持ちがわかるのか赤ちゃんは大人しくなった。
「こんなできのわるいあかちゃんがいるなんてれいむはふこうだよ」
赤ちゃんは寂しそうにごろりと動いた。
− − − 1 7 日 目 − − −
「い゛だい゛い゛い゛い゛、でいぶのおなががい゛だい゛い゛い゛い゛い゛」
お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむは激痛でのた打ち回った。
お腹の子供が成長しすぎたせいでれいむの体を圧迫しているのだ。
「れいむをいたいいたいさせるあかちゃんはしね!」
れいむは壁や床にお腹を叩き付けた。何度も何度も…
あかちゃんは『いたいよ、なんでこんなことするの?』と言う様にもぞもぞと抵抗したが
その動きがよけいにれいむのお腹を痛くし怒りを買うことになった。
「あかじゃんあばれるな!はやくしね!はやくしね!」
やがてお腹の赤ちゃんは動かなくなった。壁に叩きつけられたダメージで死んでしまったのだ。
れいむのまむまむからチョロチョロと餡子が漏れる。
「なあれいむ・・・」
「ゆ、ゆぴっ!!」
気がつくと背後にお兄さんが立っていた。
「れいむの赤ちゃん中々生まれないな」
「し、しらないよ!れいむはあかちゃんになにもしてないよ!」
「…」
「お、お兄さん?」
「なあれいむ…」
「れれれ、れいむはなにもしてないよ、あかちゃんはげんきにそだってるよ!」
「…そうか」
お兄さんは無言で部屋から立ち去った。
− − − 2 0 日 目 − − −
「うーん、うーん」
お腹に痒みを感じれいむは目を覚ました。何だろうと思いお腹を見ると…
れいむのまむまむにウジ虫が入り込もうとしていた。
どうやら腐った赤ちゃんの餡子の臭いに釣られて湧いてきたらしい。
「やめでえ゛え゛え゛!むしさんれいむのなかにはいらないでえ゛え゛え゛!」
れいむはまむまむを壁に擦りつけウジ虫を引き剥がした。
ほっとしたのもつかの間腹の中にちくりとした痛みを感じる。
どうやら気づいたのが遅かったらしくすでに数匹体内にウジ虫が入り込んでいたのだ。
チクチクとした痛みはやがて激痛に変わる。どうやらウジ虫が中枢餡子のあたりまで入ってきたらしい。
「いだいよお゛お゛お゛お゛!むしさんでいぶをだめないでえ゛え゛え゛え゛!」
「なあれいむ・・・」
「ゆ、ゆぴっ!!」
気がつくと背後にお兄さんが立っていた。
赤ちゃんを殺したことをお兄さんにばれないようにしなければならない。
れいむは痛みをこらえて平静を装った。
「れいむがこの家に来てからもう20日になるな」
「れ、れいむのあかちゃんはゆっくりしているからなかなかうまれないんだよ」
自分が疑われていると思ったれいむは聞かれてもいないのに言い訳を始めた。
「俺あれから考えたんだけどさ。れいむ、赤ちゃんが生まれてもお前は助けてやるよ」
「ゆ、ゆゆっ!?」
「俺も幼い頃母親が死んでさ。だから形見が壊されたときすごい怒ったけど
やっぱりゆっくりでも母親は必要だと思うんだ。」
「…」
「生まれてすぐ母親がいなくなるのって悲しいからな。お前の赤ちゃんにもそんな思いさせたくないんだ」
「……」
「あの時のことは水に流してゆるしてやるからお前も赤ちゃんのこと大事にしろよ」
「…ゆ、ゆぐっ」
「れいむ?」
「ゆ、ゆげええええええ!!」
「おいれいむ?どうしたんだ?しっかりしろれいむ!」
最終更新:2022年05月18日 22:30