• 前編は愛でパートです
  • HENTAIお兄さんのお話


それは画期的な方法だった。

茎に生った蕾の状態からゆっくりを育てる。
これによって育て方次第では人に馴染まなくなってしまうゆっくりを従順にさせることができるのだ。

この方法にはインプリンティングを利用している。
インプリンティングとは、本来鳥などの動物が初めて見たものを親と認識することだが、
ここでは、赤ちゃんゆっくりが目を開けて初めて見た者を親と思いこむ習性のことを指す。
しかし、人間とゆっくりでは姿、声など、色々違う点が多い。すると、そう簡単に親と認識しないことも多々ある。
そこで茎の状態から育て、眠っている赤ゆっくりに呼びかけることで、その赤ゆっくりは人間を心の拠り所とするようになる。

愛玩動物として。
労働力として。
食糧生産機として。

ゆっくりと人間は円滑な関係を築いた。「円滑な関係」とはあくまで衝突が起こらない、という意味である。
人間は私欲のためにゆっくりを利用することもある。
それでもゆっくり達は喜んでついてくる。
男たちを「おとーさん」、女たちを「おかーさん」と呼びながら。

そして今日もまた店頭で新鮮な茎付きゆっくりを購入していった男が一人…


(ゆゆ…)

夢だ。

ふわふわと漂うような感覚。
幸福感に満たされている。

(しあわせ~)

生まれた後はお母さんやお父さんにすりすりしてもらうんだ…
一緒に一杯遊ぶんだ…
どんどん広がる想像。
でも親の顔は浮かばない。


『お父さんだよ』

(ゆゆっ)

これがお父さんの声。

とってもゆっくりしてるよ…


『ゆっくりうまれてね』

(ゆゆ~ん!ゆっくりうまれるよ)

自分を呼ぶ声。
待っていてねお父さん。
ゆっくり待っててね。



「ゆっくち!!」
「おお…やっと目を開いた…」
「ゆっくち!!」
「まだ喋れないんだな。ゆっくりしていってね!!」

これがお父さんなんだ。
お父さんゆっくりしていってね!!
赤れいむは目を覚ました。そしてその男の子供としてこの世に降り立った。
横を見ると、まだ眠っている3匹のゆっくりがいる。

みんなとってもゆっくりしたお帽子を被っている。
見上げると自分にもちゃんと白黒の素敵なお帽子が乗っていた。
そう言えばお父さんにはお帽子がないよ?

自分の頭の上に視線が向けられているのを感じた男は、赤まりさの心中を察するとそれに応えてやった。

「僕は帽子を無くしてしまってね…だけれどもゆっくりできるお父さんだから大丈夫だよ!!」

親が帽子なしでも赤ゆっくりは気にしない。
自分にゆっくりを分け与えてくれる、ゆっくりした存在ならばそれでいいのだ。
安心した赤ゆっくりはもう一人、自分と強い結びつきを持つ者を探し始める。

お母さんはどこだろう。

母親を見つけ出そうとする赤ちゃんまりさ。
茎を目で辿っていく。茎の根元にいるはずの母親。
しかしそれは、ぼってりとしていて、顔や帽子こそあるものの生気の感じられない物体だった。

それは確かに生きていた。しかし、全体がまんべんなく焼かれてパリパリである。どこも動かすことはできない。
舌も抜かれているので赤ゆっくり達と話すこともできなくなっている。
「茎付きゆっくり」はこの饅頭と冷凍保存された茎がセットで売られる。
茎をこの饅頭に差し込み、適度に餡子を補充すれば、あとは勝手に赤ゆっくりが育っていく。

男が一生懸命世話してやったこともあって、一週間もするうちに赤ゆっくり達はぷるぷると震え始めた。もうすぐ産まれる合図だ。

「ゆゆゆっ!ゆっくちうまれりゅよ!!」
「ああ、無事に産まれてくれよ…」

茎の下にはしっかりとタオルが敷かれ、落ちた衝撃で赤ちゃんゆっくりが怪我をしないように配慮されていた。
もちろん野生のゆっくりは地面に直接産み落とすため、
本来このような物が無くとも問題はないのだが、念には念を入れてということなのだろう。

「ゆー!!」

ぽとりと自重で茎から落ちてきた赤ちゃんまりさ。

「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」
「ゆっくりしていってね!!」

眠気を覚ますかのように体をぶるぶると震わせた後、父親と最初の挨拶を交わす。

「ゆっくちうまれちゃよ!!」
「ゆゆぅぅぅ!!」

「「ゆっくりしちぇいっちぇね!!」」

次々に産まれおちてくる残り3匹の赤まりさ達。
目の前の父親に向かって産まれたことを伝える言葉を発した。

「ゆゆ…おかーさんはどこ?」

無事に生まれることができたとはいえ、赤まりさ達の心の中には一つの疑問が残っていた。
自分たちを産んでくれた母親が必ず近くにいるはずなのだ。
それは母親にも挨拶がしたいという根源的な欲求から来る疑問であった。

「これがお母さんなんだよ…」
「こんにゃのおかーしゃんじゃにゃいよ!!」

確かにお父さんの指さすそれには茎が生えている。帽子もある。顔もある。しかし、やはりそれは生きているとは思えない代物であった。

「実はね…君達のお母さんは死んじゃったんだよ」
「どうしちぇえええ!?」
「君達が産まれてくる時に自分の中の栄養分を使い果たしてしまってね…」

過度のすっきりや、体力不足の状態でのすっきりによって母体が朽ちてしまうことは自然界でも良くある。
そのタイミング次第では、子が生き残って、母親だけが死んでいく場合もある。
男はこの事実を利用して赤まりさ達に納得させようとしたのだ。
もちろん、母体まりさは死んだわけではない。
甘さを持っていかれた分、男が後に食する時に不味くなっていることは考えられるが。

「ゆぅ…」
「なに、落ち込むことはないさ。君達には僕がいる。僕が愛情込めて育ててあげるよ、お母さんの分もね」
「ゆっくち!!」

男がまだ生きている饅頭から茎をずぼりと引き抜き、赤ゆっくり達に与える。
赤まりさ達の生まれて初めての食事。

「むーちゃむーちゃ!!」
「美味しいかい?」
「おいちーよ!」
「それは良かった」

こうして4匹の赤まりさと男の共同生活が始まった。




「ゆんゆん!!」
「ゆっくちあしょぶよ!!」

ぽよんぽよん跳ねる赤ちゃんまりさ達。
本当に「ぽよん」という表現が最も相応しいくらいにその体は柔らかく、床に接地する度に体が楕円に変形する。
俺は暇を見つけると赤まりさ達が跳ねているのを眺めて和んだ。
また、跳ねまわるだけではつまらないだろうと思ったので、部屋の中にはふわふわのボールがいくつも置いてある。毛糸玉だ。

「ゆっくちまっちぇね!!」
「しゅーりしゅーりしゅるにぇ!!」

赤まりさ達は毛玉を転がして追いかけっこをしている。
また、大きめに作ってある毛玉はまりさ達のすりすり用だ。
顔を埋めてあんよを振りながら毛糸の海にダイブしていく。そうしていると、とっても気持ちが良いらしい。

「おとーしゃんもしゅりしゅりちてにぇ!!」
「おー!!お父さんもすりすりしてやるぞー!!」
「ゆーん!!まりしゃも!!」
「ゅゅぅ…」

それでも親子の触れ合いは欠かせない。
きっとすりすりの際の感触だけで言えば、毛玉の方が人間の手なんかよりも極上の触り心地を与えてくれるだろう。
だけれども、毛玉は無生物である。温もりがない。
俺が唯一の肉親と信じている赤まりさ達にとって今、心を許せる存在は兄弟と俺だけなのだ。

「まりしゃもしゅりしゅりちてよぉ!!」
「おねーしゃんばかりずりゅい!!」
「ゆわあああああん!!」
「ちょっと待っててな~今やってあげるからな~」
「もっちょしゅりしゅりちて!!」

赤ゆっくりの時期は基本的に我がままである。
そのせいか、この時期に優しくされないと親であっても「ちね!!」などと言ってくることが多々ある。
それだけ敏感な時期だということなのだろう。

だから俺はまだ小さなまりさ達に出来るだけ付き添ってやった。
休みの日は全て彼女たちの為に時間を割いていたと言っても過言ではない。
しかし、人間である俺は仕事に出かけなければならないので、昼間は大体家を空けることになる。
もちろんゆっくりには仕事の概念が無い。だから初めは苦労した。
帰ってくるとみんな顔をくしゃくしゃにさせてゆーゆー泣いていることもあった。
そんな時は結構きつい言葉も飛んでくるものだ。正直、結構凹んだ。それでも俺はまりさ達への接し方を変えなかった。

毎日少しずつでも優しく接してやることで、そういった事も少なくなっていった。
帰り道では必ずまりさ達の大好きなシュークリームを買って帰った。
「今日もお父さんは自分たちのために頑張ってあまあまを取ってきてくれた」と思いこませるのだ。
甘やかし過ぎのように見えるかもしれないが、それで赤まりさ達が俺の出かけている間、悲しい思いをせずに居られるならば良いと思う。
彼女達はペットではない、自分の子供なのだから。


そしてまりさ達はすくすくと成長した。
今やリンゴくらいの大きさ。まりさ達もいよいよ子ゆっくりだ。
子ゆっくり、という表現では成長段階が想像しにくいかもしれない。人間でいう「子供」だとすれば分かりやすいだろう。
食べ盛り、やんちゃ盛り、そして遊び盛りの時期。
この頃になるとすっかり俺に懐いていたゆっくり達だったが、その向上した身体能力で俺を度々困らせた。

「ゆゆ~ん!!ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」
「ふかふかでゆっくりできるね!!」
「まりさがおやまさんのてっぺんだよ!」
「ゆっくりぃぃぃぃ…」

ある日、俺が帰宅すると、まりさ達はティッシュ箱の中のティッシュ全部と家にあった雑貨を使って「おやまさん」を作っていた。
もぞもぞと中に潜り込んだり、上に乗ったみたり、思い思いに楽しむまりさ達。
しかし、そのゆっくりプレイスは日用品を消費して作られたものだ。
今回はティッシュだから良かったものの、大切な書類などでやられてもたまらない。
だからこういう時はしつけも必要なのだ。人間社会で生きていく上で、まりさ達に知って貰わなくてはいけないルールもある。

「ゆびぃ!!」

デコピンでおやまさんの一番上にいたまりさを弾き落とす。
そこまで強くない上に、もう子ゆっくりなので体への大きな悪影響は無いだろう。
弾き飛ばされたまりさはべたんと仰向けに倒れ込んだ。

「どうしてこんなことするの!?」
「おとーさんひどいよ!!」
「みんなでゆっくりしてたのに!!」

俺は黙っておやまさんを解体すると、まりさ達に説教を始めた。
家の物を勝手に使って遊んではいけないということ。
それにはまりさ達には理解できない、重要な役割を持ったものがあること。

説教を聞いている間、まりさ達はずっとしょ気ていたが、
俺が遊び場所を奪った代わりに、と新しい遊び道具を与えてやると一瞬でニコニコ顔へと変わった。
トランポリンの上でぼよんぼよんと跳ねるまりさ達。その顔に先ほどまでの陰りはない。
ゆっくりとは本当に天真爛漫な生き物だ。
人間とゆっくり。双方に変な先入観が無ければ、これほど一緒に過ごしていて楽しい生き物はいないのではないかと思う。
だからこそ俺はまりさをペットとしてではなく、子供として家に迎え入れたのだが。





まりさ達は幸せだった。
毎日狩りに出て、美味しいあまあまを持ってきてくれる凄いお父さん。
いつでも自分の要望に応えてすりすりしてくれる優しいお父さん。
時々怖いけれど、自分たちの知らないことを教えてくれる物知りのお父さん。
母親はいなかったけれども、今の生活に大満足していた。


時々お父さんが自分たちを散歩に連れて行ってくれる。
外の世界は見た事のない物で溢れていた。
色んな建物。
お父さんと同じような格好をした人達が行き交う道。

そこで男の飼いまりさ達は、大きなまりさが小さなまりさを連れて這っているのを見かけた。
自分たちと同じ様な形をした彼女たちは全体的に薄汚れ、皮も破れていて、見るからにゆっくりできていなかった。

「ゆゆ…もうあるけないよ…」
「しっかりあるいてね!!ごはんをとりにいかなくちゃいけないんだよ!!」

小さなまりさが愚図っている。それも仕方がない、なぜならそのまりさのあんよは既に茶色に変色して動かせなくなっていたからだ。
そんなまりさを帽子に乗せて這っていく大きなまりさ。良く見ると大きなまりさも痩せこけていて、目の下にくまができている。

「ゆぅ…」
「かわいそうだね…」
「見ちゃだめだ。さあ行こう」

お父さんに連れられてその場を後にした。
ちょうど大きなまりさに人が躓き、そのまま蹴りあげられているところであった。

「どうしてあのまりさはゆっくりできないのかな…?」
「それはお父さんやお母さんがいないからだよ」

男はこの話題を止めさせようとしていた。二匹の野良まりさは親子であったからだ。
ゆっくり達の頭でそこまでたどり着くかは分からないが、自分の父親が他のゆっくり達と全く違う形をしていると疑念を持たれるとまずいのである。

「まりさ達にはお父さんがいるから大丈夫だよ」
「ゆゆー!!おとーさんだいすき!!」

まりさ達の頭の中にはそんな疑念は少しも存在しなかった。
今、この瞬間、自分たちが幸せでいられるのはこのお父さんのおかげ。
そのゆっくりしたお父さんを疑うような思考は一切持たなかったのだ。


しかし、同じように散歩に出ている時、
自分よりも大きなゆっくり二匹が木の下でお互いの肌をまさぐり合っていた時には何とも言えない不思議な感情を抱いた。
自分たちとは違う、赤いリボンを付けたゆっくり。お父さんによれば、それは「れいむ」というそうだ。

「ゆゆ~♪れいむもまりさのおうちでゆっくりしていってね!!」
「ゆゆっ!!まりさのおうち、とってもゆっくりできるよ!!」

自分たちが住んでいる所に比べれば狭そうな家である。何がそんなに嬉しいのか、まりさ達には理解できなかった。
でも、二匹はとても幸せそうにしている。なんだか自分の中に欠けているものを見せつけられているような気分になった。

「ゆゆ~ん♪れいむのほっぺ、ゆっくりしてるよぉ~」
「ゆゆゆっ!!だめだよまりさ!!すっきりはおうちのなかでするものだよ!!」

まりさ達はお父さんに彼女たちは一体何なのか、なぜ二匹でべたべたしているのかを聞いてみることにした。
きっと博識なお父さんなら知っているだろう。
それに対して父親はいつも見せないような難しい顔をしながらも丁寧に答えてくれた。
家を巣立った二匹は巡り合い、結婚をしていっしょに暮らしているのだそうだ。
そうして出会った二匹はすっきりー!をして赤ちゃんを作るらしい。

まりさ達はまだ見ぬ自分の赤ちゃん達に思いを馳せた。
もし自分たちに子供ができたら、お父さんが自分たちにしてくれたように大切に育てよう。
そうして、子供が大きくなったらお父さんにも見せてあげるんだ。
きっと喜んでくれるだろう。

まりさ達は知らなかった。それを父親が望んでいないことを。





色々な事を学び、まりさ達は大人になる。
そろそろ成体ゆっくりと呼べるくらいにまで大きくなったある日の昼間。
父親が出かけている時にまりさ達は話し合った。

「そろそろおとーさんのおうちをすだつときがきたね!!」
「さびしいけど…しょうがないよね…」

まりさ達は今日、家を旅立つことを決めていた。
お父さんが帰ってきたらそれを伝えるつもりだ。
その日、まりさ達は家の中を跳ねて回った。
決して忘れないように。もし、帰ってこれないようなことがあってもお父さんとの思い出をいつでも思い出せるように。
いつの間にか4匹は泣いていた。
今まで一緒に暮らしていたお父さんと離れ離れにはなりたくない。
しかし、本能的にいつかは自立しなければいけないと感じていたのだった。



ある日の夜、随分と大きくなったまりさが達がばいんばいんと俺の書斎までやってきた。

「どうしたんだ?みんな揃って?」
「まりさたちね…」

お互いに顔を見合わせるまりさ達。

「「すだつことにしたんだよ!!!」」
「えっ!?」

俺は驚きを隠せなかった。
こんなに優しくしてあげたのに、巣立つだなんてそんな…
俺は正直な話、落胆していた。
まりさ達に裏切られたような気分になったからだ。

「まりさたちね、いつまでもおとーさんにめーわくかけるわけにはいけないよ!!」
「だから、きょうでおとうさんとはばいばいだよ!!」

そうか。
そうだよな。
俺はまりさ達の父親。
親の元から巣立っていくのはゆっくりとしては当然の営みなんだ。
それは当たり前のこと。それを再認識した俺は多少安堵した。
しかし、それと同時に何かまりさ達がいつの日かふっと居なくなってしまうような不安に駆られた。
そんな不安な気持ちを押し殺すかのように、一呼吸置き、まりさ達に話しかける。

「いいんだよ、そんなことは気にしなくて。僕はずっとまりさ達にこの家にいて欲しいな」
「ゆゆっ!?」

まりさ達の驚きの表情。
その中に喜びの色が混じっているのを俺は見逃さなかった。

「いいの?おとーさん?」
「ああ、ずっとお父さんと一緒だ!!」
「いっしょだね!!」

一匹のまりさが広げられた俺の腕にびょーんと飛び込んでくる。
他のまりさ達は羨ましそうにこちらを見ている。

「ずっといっしょだよ!!」
「ああ…一生だとも!!!!」

ああ、こんなに近くにまりさがいる。吐息を感じる。
本当に大きくなったなぁ。
これだけ成長したならば…



もう始めてもいいかな?



つい手に力がこもる

「ゆ゛っ!いだいよ!!おとーさん」
「あっ!ごめんね…」

一瞬泣き顔になるまりさ。
いつもの媚びたような表情が崩れる瞬間。俺を抑えていた枷が外れてしまった。
何度となく、虐めたい衝動に駆られた。
まりさ達の幸せを裏切ってやりたかった。
しかし、それでは駄目なのだ。俺を心の底から信頼してくれるようになるには成体になるまで待たなくてはいけなかった。
子ゆっくりだって親に裏切られればすぐに愛想をつかせてしまう。
そんなことは過去にゆっくり一家を捕まえてきて幾度となく試したので分かっている。

「ゆゆ?どうしたのおとーさん?」

まりさの視線に心をかき乱される俺。
胸の鼓動が高鳴ってくるのがはっきりと分かる。
このやるせない気持ち。まりさにも伝わっているだろうか?
いや、それはないだろう。まりさは俺を父親として愛している。

それが一層俺の嗜虐心を煽る。
今まで見てきたまりさの愛らしい姿。
全てが二倍、いや三倍になってこれから返ってくる。
それを思うと俺は今、事を始めずにはいられなくなるのだ。
まりさ。
ああ…もう我慢などしていられない。

今日でバイバイなんてしないよ。

これからの為にずっと育ててきたんだから。

今日が始まりの日なんだよ、まりさ。


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最終更新:2022年05月21日 21:46