#現代設定・改正銃刀法後・赤ゆ
※エアガンはルールを守って遊びましょう。
ゆーてぃんぐレンジ 後編
トンネルのような形をした掩体壕に潜り込んだ赤れいむと赤まりさの姉妹は、聞こえてくる姉妹たちの悲鳴に身を寄せ合って震えていた。
「ゆゆうぅ、きょわいよ、まりしゃたちはどうしちゃの?」
「ゆうぅ、おきゃあしゃんはどこいっちゃの?」
姉妹たちの悲鳴が聞こえ、やがて聞こえなくなっていく。
外で何かゆっくりできない事が起こっているとは解ったが、二匹には掩体壕から外に出て確かめる勇気はなかった。
このゆっくりプレイスの中ならば大丈夫だろうと、二匹は来るはずも無い母親の助けを待って震えているのだ。
「ゆっ!?」
突然、何かがぶつかっているような音が響き、壁が僅かに揺れた。
「ゆゆっ、きょわいよ!!」
「ゆぅううう! かべしゃんゆっくちしてね!!」
二匹のお願いにもかかわらず、壁から再びゆっくりできない音が響く。
その音が規則的に数回続いた後に、赤まりさの目の前の壁に小さな穴が開いて外から光が差し込んできた。
「ゆゆっ、かべしゃんにあながあいちゃよ?」
「ゆっくちおしょとがみえるかな?」
赤まりさは外を見ようとして、穴をのぞきこんだ。
「ゆっ、おしょとがみえりゅ――びゃぁあああああああ!!」
赤まりさが覗き込んだ穴から何かが飛び込んできて、赤まりさの右目に突き刺さった。
「おめめがいちゃいいいいいい!! にゃんでえぇえええええ!!」
「ゆゆーーーっ!! れいみゅきょわいよぉおおお!!」
再び音が響き、今度は壁にあいた穴が少しずつ大きくなり始めた。
「――びゃ!!―― いちゃ!! ――ゆぴゅ!!」
それと同時に、穴から飛び込んできた何かが赤まりさの顔に突き刺さって行く。
壁に大きな穴が開くころには、赤まりさは顔を弾けさせて動かなくなっていた。
「ゆぁあああああ!! にゃんにゃのぉおおお!!」
無残な姿になった姉妹を見て、赤れいむが悲鳴を上げた。
壁にあいた穴から、小さな丸いものが飛び込んできてゆっくりプレイスの中を跳ね回った。
「いちゃい!! れいみゅにあちゃるよ!! いちゃいよ!!」
赤れいむに当った丸いものが、床の上をころころと転がっている。
「ゆぅううう!! ころころしゃんはゆっくちちんでね!!」
そういって赤れいむは小さい丸いものを弾き飛ばしたが、それは動かなくなった赤まりさに当って跳ね返ってきた。
「ゆぇえええええん!! こっちにきょないでにぇええ!!」
しばらくすると、今度は赤れいむの前の壁からゆっくりできない音が鳴り出した。
この音が鳴り続けると、やがて隣にいた赤まりさのように成ってしまうと赤れいむは気が付いた。
「ゆぁああああん!! おとしゃんなりゃないでにぇえええ!!」
赤れいむの叫びもむなしく、薄くなった壁を突き破って進入してきた丸いものが赤れいむの額を強く叩いた。
壁を貫通したことで威力が弱まっていたため、赤れいむは痛い思いをするだけですんだのだが、
「ゆぅううううう!! しにちゃくにゃいよぉおおおおおおお!!」
先ほど無残な姿になった赤まりさを見ていたために、赤れいむは慌てて掩体壕から飛び出てしまった。
「ゆぇええん!! れいみゅおうちにかえりゅ!! ――ぴゃ!!」
必死に跳ね進んだ赤れいむは、射撃台の端の壁に追突してしまう。
「ゆぅうう、かべしゃんがあるよ? どうしちぇなのぉおおお!!」
と泣き喚いていると、目の前の壁が大きな音を立てた。
「ゆっ!!」
さらに自分の周りに何かがぶつかって跳ねる音がする。
「ゆぁあああん!! ころころしゃんきょわぃいいい!!」
先ほど飛び出してきたゆっくりぷれいすに潜り込もうとしたが、赤れいむの目の前でゆっくりプレイスは粉々に砕け散ってしまった。
「ゆぇえええええん!! おきゃぁしゃああああああん!! 」
次の瞬間、まるで線のように連なって飛んできた丸いものにより、赤れいむの小さな体は弾け跳んで餡子を撒き散らした。
フルオート射撃により掩体壕にいた赤れいむを吹き飛ばした男は、最後に残った赤れいむへと視線を移した。
赤まりさの餡子を被って気絶した赤れいむは、まだ白目を剥いたまま気絶していた。
ショック死してしまったかと思ったが、ぷるぷると震えているようなので大丈夫だろう。
男はテーブルの上にあるマイクの音量を上げて、「ゆっくりしていってね!!」と声をかけた。
「――ゆぴぴぴゃ!? ゆっくちしちぇいっちぇね!!」
目を覚ました赤れいむは、きょろきょろと辺りを見回して、目の前にある物体を見て首をかしげている。
「--―!? ゆわぁあああん!!」
それが目の前で吹き飛んだ赤まりさだと気がついたのか、跳ねるように後ずさり逃げ出した。
「ゆぇえええ!! みんにゃどこにゃのぉおお!!」
赤れいむは泣き喚きながら姉妹を呼ぶが、誰も返事をしてくれない。
必死に跳ね進むと、何かを踏みつけ滑って転んでしまった。
「――ゆぴっ!! ゆぅうううう、なにかふんじゃったよ?」
足元を見ると、なにか甘い香りがするものが一面に広がっていた。
その中心に赤まりさの帽子が置いてある。
「ゆゆっ、まりしゃのおぼうしだにぇ? まりしゃはどこいったの?」
いつも大事にしていたお帽子を置いて、まりさはどこへ行ってしまったのだろうと不思議に思った。
「ゆぅ……、なんきゃこのおぼうしはゆっくちできにゃいよ?」
赤れいむが帽子を見ていると、なにか言いようの無い不安なようなものがこみ上げてきた。
よく知っているまりさの帽子なのだが、見ていると何かゆっくりできないものがこみ上げてくる。
「ゆぅううう!! ゆっくちできにゃいおぼうしはどっかいっちぇね!!」
赤れいむが帽子に体当たりすると、帽子は何かの上からずるりと転げ落ちた。
「ゆぅ……?」
帽子の下から黒い塊に口がついている妙なものが姿を現す。
赤れいむは同じようなものを最近見たことがあるような気がした。
「――!! なんでまりしゃがちんでるにょぉおおおおおおお!!! ――えれえれえれ」
目の前のものが先ほど弾けとんだ赤まりさと同じものだと気が付いた赤れいむは、あまりのショックに餡子を吐き出してしまった。
餡子を吐いてぐったりとした赤れいむを見ていた男は、スコープから目を離して保温器に入れていたマガジンを取り出した。
マガジンをハンドガンに装填し、スライドを引いていつでも撃てるように準備する。
男は席から立ち上がるとハンドガンを片手にレンジの中に入り、射撃台から五メートル程の所で立ち止まった。
「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっ!? ゆっくちしちぇいっちぇね!!」
蹲っていた赤れいむが男の声に反応して挨拶を返した。
「ゆゆぅ……だれにゃの? ゆっくちさせちぇ、ゆっくちさせちぇね!!」
赤れいむは声の主を探してきょろきょろと辺りを見ている。
「こっちだよれいむ!!」
「ゆゆっ、そっちにだりぇかいりゅの? まぶちくてよくわかりゃないよ!!」
レンジの照明は射撃ブースと射撃台の天井にある蛍光灯の他に、射撃ブースの上から射撃台を照らすようにスポットライトが設置されている。
そのため、スポットライトの光が眩しくて、射撃台のゆっくりからは射撃ブースの人間の姿が見えないようになっていた。
「れいむは一人でどうしたのかな? お母さんはいないのかい?」
男は赤れいむに向けて、できるだけやさしい声を出して話しかけた。
「ゆぅうう、れいみゅはおねーしゃんと、いもうちょたちといっしょだったよ……でも、まりしゃが、まりしゃがぁあああ!!
ゆぇえええん!! おきゃあしゃんはどこなのぉおおお!! おねぇーしゃんたちはどこぉおおお!!」
男の質問に、赤れいむは泣き出してしまった。
「おにいさんはれいむのお母さんを知っているよ! れいむを連れいていってあげようか?」
「ゆゆっ!! おにいしゃんほんちょ!!」
「ああ、れいむがこっちまで来れたお母さんに会わせてあげるよ」
「ゆゆっ!! れいむがいまからいきゅにぇ! まっちぇちぇにぇ!!」
先ほど餡子を吐いたためか、ぺたんぺたんと力なく跳ねながら、赤れいむが射撃台の手前の方に跳ね進んできた。
しかし、射撃台の手前に敷かれたゆっくり避けマットの手前で立ち止まってしまう。
「ゆぅう? とげとげしゃんがはえちゃるよ?」
「どうしたんだいれいむ? 早く来ないとお母さんに会えないよ?」
男は戸惑っている赤れいむを急かした。
「ゆぅうう、とげとげしゃんいちゃくしにゃいでにぇ。しょろーり、しょろーり」
赤れいむが恐る恐るゆっくり避けマットの方へと這って来た。
小さな棘がびっしりと生えたマットの端にあんよを乗せる。
「――ゆぇええ!! いちゃいよ! とげとげしゃんいちゃいよ!!」
棘の上のよじ登ろうとした赤れいむは、悲鳴を上げて後ずさった。
「ゆぇええん!! あんよがいちゃいよ!! しょろーりしょろーりできにゃいよ!!
「おーい、どうしたんだれいむ、こっちに来ないのか?」
「ゆゆっ! おにいしゃん、とげとげさんがいちゃくていけにゃいよ!! ゆっくちつれていっちぇね!!」
赤れいむが姿の見えない男に助けを求めるが、男には赤れいむを助ける気など当然無かった。
「だめだよ!! れいむがこっちに来ないとお母さんには会えないよ!!」
「ゆっ!? とげとげしゃんがいちゃいっちぇいっちぇるでしょおおおおおお!!
どうしちぇれいみゅにいじわるすりゅにょぉおおおおお!!!」
赤れいむが頬を膨らませ、その場で跳ねながら怒り出す。
「そろーりそろーりするからだめなんだよ!! おもいきりぴょーんってしてね!!」
「ゆっ、しょんなことしちゃらあんよがいちゃいよ!!」
「だいじょうぶだよ!! それに早くしないと危ないよ!!」
「ゆっ?」
男はれいむの後ろにある衝立に照準を合わせて、ハンドガンの引き金を引いた。
「ゆゆっ!! にゃんなの?」
赤れいむが突然聞こえた大きな音に驚いて、後ろを振り返った。
男は再び衝立に照準を合わせて引き金を引き、衝立を弾きとばした。
「ゆゆっ!!」
「早くしないとまりさみたいになっちゃよ!!」
と、今度はまりさの残骸に向けて引き金を引く。
まりさの下半身だったものは、残りの餡子を飛び散らせて吹き飛び、後にはあんよの部分の皮だけが残された。
「ゆぇええええええ!!」
それを見て、赤れいむは悲鳴を上げた。
「ほらほら、はやくぴょーんとしないと!!」
「ゆぅうう、ぴょーんするにぇ!! ぴょーんしゅるからたしゅけちぇえええええ!!」
再び引き金を引いて障害物を弾き飛ばすと、、その音に押されるように赤れいむは助走をつけて思いっきり飛び跳ねた。
「ゆっ、ゆっ、ぴょーーん!!」
それは、赤れいむのゆっくり生において最高の跳躍だったのではないだろうか。
「ゆゆっ、おしょりゃを――」
距離にして十五センチほど、時間にすると数分の一秒の跳躍を経て、赤れいむはゆっくり避けマットの上へと着地した。
「ゆぴゃああああああああ!! ゆぴぴ、ぴぴぴ、ゆぴぴぴぴ!!」
赤れいむのあんよにゆっくり避けマットの棘が深々と突き刺さる。
余りの痛さのためか、まるで裂けるように大きく開けられた口からは奇妙な叫び声を上げ、目玉が飛び出るくらいに大きく目を見開いている。
男はしっかりと両手でハンドガンのグリップを握ると、その赤れいむに照準を合わせてゆっくりと引き金を引いた。
「――ぴゃぱ!!」
ハンドガンから発射されたBB弾は赤れいむの口の中に見事に命中し、中枢餡を破壊して後頭部から餡子を撒き散らした。
男は射撃台の上のゆっくり避けマットを裏返すと、赤れいむの残骸を叩き落した。
射撃台の手前に取り付けられたレバーを押し下げて、台の奥にあるダストシュートの蓋を開ける。
脇に立てかけてあるデッキブラシを手に取ると、男は射撃台の上にあるものを全てダストシュートへと押し込んでいった。
ハード素材の障害物は回収された後に洗浄されて再利用される。
それ以外の障害物やゆーてぃんぐ用BB弾、ゆっくりの死骸などは、すべてミキサーでペースト状にされてターゲット用ゆっくりの餌になるのだ。
射撃台の清掃を終えた男が時計を確認すると、まだ三十分ほどしか経っていなかった。
とりあえず次はハンドガンオンリーでやってみようと考えながら、男はターゲットを買うためにラウンジへと向った。
おまけーね
二時間後、ゆっくりを撃ってすっきりーした男が帰ろうとすると、受付嬢に呼び止められた。
どうやら、ありす・ぱちゅりー用レンジのモニターをして欲しいらしい。
時間もあったし興味もあったので、試してみる事にした。
「ゆっ? みゃみゃはどこなの?」
「ゆん、ここはなかなかときゃいはにぇ!!」
などと言っている赤ありすにBB弾を撃ち込んでいく。
「ゆぇえええ!! ありしゅのくりーみゅがぁあああ!!」
「いちゃいぃいい!! ときゃいはじゃないわぁあ!!」
まぁ、反応的にはまりさ種やれいむ種とあまり変わらない気がする。
ただ、ありす種は中身がカスタードクリームのため、体に穴が開くとそこからクリームが漏れ出してしまうようだ。
これはおそらくぱちゅりー種でも同じだろう。
れいむ種やまりさ種だと中身が餡子で流動性が低いため、饅頭肌が裂けても激しく動かなければそれほど餡子が漏れることは無い。
このことを考慮すると、中身がクリームのゆっくりは外傷に対して脆弱なのかもしれない。
「ゆぅううう!! みゃみゃはどこなのぉおおお!!」
「きょわいわぁああ!!ゆっくちさせちぇえええ!!」
とりあえず、もう少し反応を見るために、わざと照準を外して周囲の床へとBB弾を撃ち込んだ。
赤ありすたちは、お互いに身を寄せ合って震えている。
あれ? 何か様子がおかしいな……
「――んほぉおおおおおおお!! ちゅっきりしまちょぉおおおお!!」
「ゆほぉおおお!! ありちゅもかわいいわにぇええええ!!」
どうやら過度のストレスで生存本能が刺激されてしまったらしい。
この場合は種の保存という形で本能が出たと考えればよいのだろうか……
「むきゅ? ここはどきょかちら?」
「むきゅーん……おかぁしゃんがいないわ」
赤ぱちゅりーたちは、目覚めると寄り集まってなにやら相談し始めた。
とりあえず、反応を見るために一発撃ち込んでみる。
「――むぴゃ!! けぷっ……もっちょゆっくりしちゃかったわ……」
一匹の赤ぱちゅりーの左頬を撃ち抜いたのだが、そのまま痙攣して動かなくなってしまった。
ちょっと耐久性に難有りではないだろうか、と思っていると、
「むきゅきゅゆゆゆゆ!! ぱちゅりーのいもーちょがぁあああ!! ――げほっ、えれえれえれ!」
「むきゅ!! おきゃあしゃんたいへんよぉおおお!!」
「――ゆげぇ……えれえれえれえれ!」
なんか阿鼻叫喚の有様になっていた。
「ゆっ!? とげとげしゃんがいちゃいっちぇいっちぇるでしょおおおおおお!!
どうしちぇれいみゅにいじわるすりゅにょぉおおおおお!!!」
赤れいむが頬を膨らませ、その場で跳ねながら怒り出す。
「諦めんなよ……諦めんなよ、お前!!」
「ゆっ!?」
突然響いた男の怒声に、れいむは身を竦めた。
「どうしてそこでやめるんだ、そこで!!」
「ゆうぅ……だっちぇあんよがいちゃいいちゃいににゃるよ……」
「もう少し頑張ってみろよ!!」
「きょわいよ……」
「ダメダメダメダメ、諦めたら!! お母さんのこと思えよ、れいむやまりさのこと思ってみろって!!」
「ゆゆっ、おきゃあしゃんにあいたいよ!!」
「あともうちょっとのところなんだから!!」
「ゆぅうう、まりしゃやれいみゅのぶんみょがんばるにぇ!!」
「お兄さんだってれいむのために待っててあげてるんだよ!!」
「ゆっ!! れいみゅぎゃんばるにぇ!!」
「おもいきりぴょーんしてみろ! 必ずこっちに来れる!! だからこそNeverGiveUp!!」
「ゆゆゆゆっ!!! れいみゅはやるよ!! ぴょーんしゅるよ!!」
その寒天でできた目に闘志を燃やした赤れいむは、助走をつけて思いっきり飛び跳ねた。
「ゆっ、ゆっ、ぴょーーん!!」
それは、赤れいむのゆっくり生において最高の跳躍だったのではないだろうか。
「ゆゆっ、おしょりゃを――」
距離にして十五センチほど、時間にすると数分の一秒の跳躍を経て――
「ゆぴゃああああああああ!! ゆぴぴ、ぴぴぴ、ゆぴぴぴぴ!!」
――無理でした。
最終更新:2022年05月21日 22:46