ゆっくりと人間の続編に当たります。
言われる前に言っとくぜ!!テンプレ乙パクリ乙


 一面に広がる野菜の群れを見渡して、その青年は概ね満足していた。
小作人たちからの報告では今年の野菜は皆順調に育っており例年にない豊作になりそうだ。
という報告を受けている。
 実際この大地主も小規模ながら自分で畑を耕しており、その野菜の出来は今までに無いほど
すばらしい出来なると確信していた。
とはいえ、小作人からあがってくる報告には気になる報告もいくつかあった。
ゆっくりによる被害である。

その報告書によれば、10匹規模のゆっくりによって地主の管理下の畑を襲撃されたとの事である。
しかし、その被害は野菜を2,3個駄目にされた程度で襲撃というにはいささかお粗末なものであった。
にも係わらず地主がその報告に注目したのはゆっくりの群れが森の近くにあるかもしれないという懸念である。

幸いにして今までこの村では野生のゆっくりには縁が無かった。
しかし、群れの中にドスが居るとなると非常に厄介である。
話によれば武力による条約を結ばされることも有るそうな。
この村は村と冠するのが不適切なほど規模が大きく、念と為簡単ではあるが
軍備的なものも備えている。

(ただ饅頭ごときに動かすのもなぁ、それにただでもないし。)

と様々な状況を考えながら、取りあえず襲撃していたゆっくり共は捕獲されたらしいので
話を聞きに地主は足を進めた。


 ここで時間を2週間ほど遡らせていただく。時間は真昼、肌寒さを感じさせながらも
 太陽が万遍に降り注ぎ非常に心地の良い。目の前には一面の畑があり、全ての畑で野菜が青々と茂っている。
 ここを耕している小作人・鬼意さんはその出来栄えに満足していた。
 そして、ここで手を抜いてはならぬと畑を見回って虫が居ないかなどの整備をしていた。
 畑の整備も終わり、昼ごはんでも食べようかと思っていると視界の端でこの村ではあまり見かけない
 物が愚かにも鬼意さん畑に近づいているのが目に入った。


 れいむは涙した。目の前に広がる一面の野菜。これだけあれば越冬の心配をしなくていいどころか、
 一生狩すら行かなくていいかもしれない。
 そんな愚かな妄想をしながら、その饅頭の一団はゆっくり種特有の傲慢さを持って
 あるいは勘違いをもって宣言した。

 「ここをれいむたちのおうちにするよ!ゆっくりしていってね!!」
 「むきゅ。すごいかずのおやさいさんだよ。たべきれないよ。ゆっくりしていってね!!」

 とほざいているのは長であるれいむを補佐していた参謀役であるぱちゅりーである。
 他にも数匹―割合的にれいむ種が2匹,まりさ種が1匹、ぱちゅり1匹、ちぇん1匹―を伴って
 わかるよーだかゆっくりしていってねだとかこのやさいさんはまりさのものなんだぜとか
 好き勝手のたまっていた。そして皆今までの疲れを忘れたように喜び勇み畑へ駆けていった。 
 この旅はけして簡単なものではなかった、群れの皆に心配をかけないように秘密裏に群れを出発した。
当初は10匹いた仲間たちも半数まで減っていた。しかしたどり着いたのだ。困難を乗り越え
れいむたちは・・・!!これでれいむたちの繁栄は約束されるだろう!!永遠に!!

そして畑に入り込み野菜を食べようとしたその時、信じられない程大きな物体ーれいむには物体
としか認識できなかったーがれいむの頭をつかみ持ち上げた。
「ゆぅ?ゆぅーーーー!!」
「驚いたなぁ。ここら辺のゆっくりはいなくなったと思ったんだけど・・・。まぁいいや。」
驚くべきことにこの村では今までゆっくり達による被害にあったことが無かった。なぜならこの鬼意さんが村周辺のゆっくり
達を皆殺してしまったのである。ちなみに鬼意さんの家の地下―自力で作り上げた―にはその時に捕獲したゆっくり達の
子孫がたくさん存在している。

 「で、お前らここでなにしてんの?」

 男はつぶれない程度にれいむの頭に指を食い込ませる。
 れいむの頭皮がみちみち音を立てて、今にも男の指が皮を突き破りそうである。
 「ゆ、ぐぐぐ・・・なにするの!おにいさんれいむのみつけたおやさいたべさせてね!!」
 「はいはいゆっくりゆっくり。」
 そう適当に相槌を打つと、他のゆっくりが野菜にかじりついているのが目に入ってしまい男は頭を抑えた。
 野生のゆっくりは農耕という概念を知らない。ここで理解させてやってもいいが時間もかかるし、万が一人が通りようものなら
 白い目で見られかねない。
 「うっめ、むっちゃうめぇ!!」
 そう喚きながらまりさ種が意地汚く野菜を食い散らかしている。犬だってもう少し行儀よく物を食べるものだ。
 他のゆっくりどものしあわせーだのうめぇだの喚きながら野菜にかじりついていた。
 あまり大人数で押し寄せてこなかったことは不幸中の幸いと思いつつ男は一番近くにいたまりさの頬を思い切り踏み抜いた。
 「うっめ、うっmぎゃぁぁぁぁあああ゛あ゛あ゛!!」
 まりさの頬から餡子が大量に噴き出した。
 「ばり゛ざにな゛にずるの゛ぉぉぉおおお!!!」
 その尋常でない叫び声に野菜にがついていた他のゆっくりたちも何事かと振り向いた。
 その様子を見た他のゆっくりは一斉に男に向かって罵声を浴びせかけ、体当たりをはじめた。

 「じねぇぇぇええ゛!!じじいはゆっぐりじねぇ!!!」
 「むきゅぅぅぅう!!」
 「わからないよー!!わからないよぉぉおお!!」

 各々思うがままの雄叫び(?)をあげ、男に体当たりを仕掛ける。当たり前だが男には微塵も効いてはいない。
 絶望的な戦力差に気づきもしないでれいむとちぇんは
 「じね゛ぇ!!ばりざをいじめたじじぃはじねぇ!!」
 「わかるよー!!わかるよー!!」と体当たりを続けている。
 ぱちゅりーは攻撃に参加したのは最初の一撃のみで後は ―体力の限界なのか二匹で十分に倒せると思っているのか―
 「けほっ・・・、むきゅ!きいているわ!もうすこしでたおせるわ!!」
 などと後方で応援に回っている。
 頬を踏み潰されたまりさは「ばりざのがわい゛い゛お゛がお゛がぁぁぁあああ゛あ゛」
 と喚いている。

 男の手につかまれている長れいむは勇敢な仲間たちを見て勝利を確認した。
 そして最終通告を男に言い渡した。
 「ゆっへっへ。こうさんするならいまのうちだよ!しにたくなかったら、れいむたちのゆっくりぷれいすからでていってね!!」
 当然、この長れいむこれで男を許すつもりなど無かった。しかし今この状況はれいむにとって不利である。したがって圧倒的な武力を利用し拘束を解き、れいむもすぐに攻撃に加わるつもりでいた。

 しかし、男はそんな饅頭どもを無視し周りに他のゆっくりが居ないか確認した。
 「こいつらだけか。ま、いいや他に居るかどうかは後でこいつらに聞きゃいいか。」
 そう呟くと足元に体当たりを仕掛けているれいむを捕まえて持ち上げた。

 「ゆゆ、おそらをとんでるみたい」

 悲しきかな餡子脳、今まで自分が何をしていたのかそして今どういう状況にあるのかを一瞬にして彼方へ忘れ去ってしまった。
 そして次の瞬間男はそのれいむを―死なない程度に―地面にたたきつけた。

 「ゆべぇ!!ゆっゆっゆっ・・・エレエレエレエレ」
 「おお、弾む弾む。」

 たたきつけられたれいむは2,3回地面を跳ねてその場で餡子を吐いて痙攣し始めた。
 一瞬の静寂。ゆっくりたちは目の前で何が起こったか理解できずに、男は次にどのゆっくりを選ぼうかと品定めをして。
 一泊遅れてゆっゆっゆっと痙攣しているれいむの泣き声だけがあたりを支配していた。

 「よし、次は君に決めた。」
 そういうと足元で呆然としているちぇんのしっぽをつかみグルグル回し始めた。ここにきてゆっくりたちは弾かれたように騒ぎ出した騒ぎ出した。ここに来て初めて目の前の生き物が自分より強い(その認識も大分程度の問題というところで間違えているのだが)ということを認識したのである。
 「わ゛がだな゛いよ゛ぉぉぉぉぉおおお゛。」
 ちぇんはそう叫びながらグルグル回っている。それをみてぱちゅりーは
 「むきゅー!!やめてあげてぇぇぇえええ!!げほっげほっげほっエレエレエレエレ」
 むせたのか、残酷な(?)光景に我慢できなくなったのか餡子を大量に吐いて倒れてしまった。細かく震えているので
 死んでは居ないだろう。

 「そろーり。そろーり。」

 まりさは頬から餡子を垂れ流しながらその場から逃げようとていた。
 今の戦力ではこの人間にはかなわないと判断したまりさは群れに戻って態勢を整えてもう一度戻ってこようと決心した。
 その判断は奇跡的に一部分だけ正しいと言わざる得ない。
 (ゆぅ・・・!もっといっぱいのかずでせめるよ!つぎはあやまたってゆるさないよ!!)
 しかし、このまりさはいくつか思い違いをしていた。
 まず第一に、群れ全員で攻めたところで人間にはかなわないこと。
 次に今回の被害は単に自分たちの油断から招いたことであるという勘違いをしてること。
 3つ目に今の状態のまま逃げても群れにたどり付く前に餡子が大量消失で死ぬであろうこと
 そして重大な勘違いは・・・
 「お前それ何のつもりだよ・・・。相変わらずお前らの行動は理解できねぇなぁ・・・。」
 そういうと、男はつぶれない程度にまりさを踏みつけた。
 男は左手に長れいむ―男の指がれいむの皮を少し裂き餡がもれ始めている―右手に回しすぎで既にぐったりしているちぇんのしっ
 を掴み右足でまりさを踏みつけているという一種異様な状態になっていた。
 「な゛んでぇぇぇええええ゛え゛!!な゛んでばでだのぉぉぉおお!!!」
 「それはねーまりさが馬鹿だからですよー」
 「ばりざはばがじゃないぃぃぃ!!」
 「ははは、これからまりさじゃなくてお前ばかさな。お前にぴったりのいい名前だろ?」

 そういうと普段農耕具などを入れるかごに長れいむ、ちぇん、まりさ、そして痙攣して伸びているれいむ、ぱちゅりと
 入れていった。

 ―――――重大な勘違いは人間から逃げれると思っていることである。



 続く

 ・・・ばかさはねぇよ・・・

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最終更新:2022年05月21日 23:31