森の中で静かに暮らすゆっくりの群れの中に1匹の青リボンのれいむが治める10家族程度からなる小さな集落があった
このれいむはれいむ種にしては珍しく、狩りも採集も得意な非常に優れたゆっくりだった
また、かなり長生きしていることもあって、その体高は1mにも達する
もちろん、れいむ種特有の育児やお歌・踊りの腕前もゆっくりの感性では超一流

「むきゅ~・・・れいむぅ、またありすとまりさがすっきりーしちゃったわ」
「ゆゆっ、またなの?・・・仕方ないね、二人と子どもたちを連れて来てね!」
「もうとっくにつれてきてるわ」
「さすがぱちゅりーだね!とってもゆっくりしててれいむはゆっくり出来るよ!」

補佐のぱちゅりーの話を聞いたれいむはふぅ、とため息をつくと大きな体を揺らして広場へと向かっていった
今回こそお仕置きをすべきだろうか?
半端なお仕置きでは対した効果は期待できない
過度なお仕置きや死罰は他のゆっくりに「この群れはゆっくり出来ない」という印象を与えてしまう恐れがある
そうなってしまえば群れが確実に崩壊することをれいむは知っている
たとえ禁止されていても、ゆっくりが目先のゆっくりを追うのは仕方ないこと
だから、ゆっくり殺しや育児放棄でもない限り、仕方のないことに死をもって対処するわけには行かないのだ

「ゆぅ~・・・仕方ないね、いつも通りで行くよ!」
「ゆっくりりかいしたわ」

結局、れいむはこの群れの慣例(と言ってもれいむが一代で築いたものだが)に従うことにした
その慣例はすっきりによって増えた子どもと同数の子どもをれいむが預かり、非常に厳しい教育を施す一見すると甘いもの
しかし、この教育の厳しさは尋常ではなく、無事生きて成体になれるものは100匹に1匹もいない
事実上子ゆっくりに対する死罰も同然で、死罰はゆっくり出来ないという認識と矛盾して見える
が、いくつものゆっくりの性質とれいむの巧妙な嘘によってその事実が隠蔽が認識できないようになっているので問題はなかった

彼女らは目先のゆっくりを求める性質のせいか、我が子との別離よりも死なずに済んだことへの安堵感が上回ること
増えた分を減らされただけであるが故に数を数えるのが不得手なゆっくりには思い出以外の要因による喪失感が少ないこと
その喪失感も新しく生まれる子どもがいることによって未来への希望として好意的に解釈されること
そして、非常用の食糧の備蓄はあれど基本的には自給自足のこの群れでは子どもの数が増えすぎると親としても都合が悪い
そういう意味ではこの制度はある意味口減らしとしても機能していたのだ
もちろん、子どもとの別れを渋る親もいるにはいるが、原因が自分にあることや文句を言うと群れを追放されかねないことから最終的には妥協する

また、死亡率については7割程度と公表すると同時に「立派に育った子どもは集落を出てどこかでゆっくりしている」というれいむの嘘がこの妥協を助ける
この嘘によって変に自信過剰なゆっくり達は自分の子どもがまさか死んでいるとは思わず、自分の子どもならきっと大活躍していると信じてゆっくり出来るのだ
もちろん、れいむがしっかりと群れを纏め上げて、「れいむなら大丈夫」という認識を持たせていることの成果でもあるのだが
ちなみにれいむの補佐のぱちゅりーは天涯孤独の赤ゆっくりをれいむがしっかりと育てた結果であり、彼女の存在がこの新式を更に強化していたりする
れいむがどこまで意図してやっているのかは定かではないが、あらゆる面で細やかなフォローがなされているのだ

「れいむ、ごめんなんだぜ!」
「でもすっきりしちゃったものはしょうがないのよ!」
「「だから、まりさ(ありす)のおちびちゃんをそだててね!」」
「「みゃみゃー・・・ありしゅ、みゃみゃとはなれちゃくないよぉ・・・」」
「「まりしゃもおきゃーしゃんといっちょにゆっくちちたいよぉ・・・」」

もっとも、そのなまじ細やかなフォローが災いして一部のすっきりー好きや組織の置ける順法の重要性を理解しない新参者にはあまり効果がないのだが

「むきゅ~・・・これでよんかいめよ?ほんとうにすっきりーせいげんをまもるきがあるの?」
「ゆっくりごめんなんだぜ!はんせいしてるからおちびちゃんをゆっくりあずけるんだぜ!」
「ゆっくりとかいはーなこにそだててね!」
「「ゆえーん、みゃみゃー・・・」」
「「おきゃーしゃんのばきゃー!」」

それどころか、れいむを都合の良いベビーシッターか何かのように認識している
本来、このようなゆっくりは群れから追放されるものだが、この群れでは気質を理由に追放されることはない
今回のケースならば子ゆっくりの没収と1ヶ月のすっきりー禁止。これに従いさえすれば追放は免れる

「ゆっくり理解したよ!だけど、今度はちゃんと三ヶ月すっきりーしないようにゆっくりしてね!」
「「ゆっくりりかいしたよ(わ)!おちびうちゃんたちはれいむのおうちでゆっくりしてね!」」
「「「「ゆえーん、ゆえーん・・・」」」」

本来の規則では「すっきりーは冬と梅雨の全面禁止以外は一度すっきりーすると3ヶ月間はすっきりが禁止」である
しかし、このまりさとありすの夫婦はそれを破ったところで1ヶ月我慢すれば追放されないのをいいことに毎月のように無断すっきりーをしていた
それどころか子どもが活動的になって面倒な時期からの育児れいむに任せて、英才教育まで受けさせる自分達の賢さに酔いしれていることだろう
が、それでもれいむは彼女らを追放しないし、群れの仲間も彼女らの愚考を見習おうとはしなかった

「さあ、おちびちゃんたち。ゆっくりついてきてね!」
「「ゆえーん、みゃみゃー・・・」」
「どほぢちぇまりしゃをおいてくのー!」
「まりしゃおきゃーしゃんとゆっくちちたいよー」

恐らくあの両親はまともに育児をしていなかったのだろう。生後1ヶ月にしては子ども達の口調は幼い
聞こえているはずのその声を無視して、彼女達の両親は振り返りもせずに楽しそうに巣へと帰ってゆく
それでもしばらく子ども達は泣き続けていたが、やがて泣き疲れて眠り込んでしまった
れいむとぱちゅりーはそれを見て苦笑いを浮かべてから、ゆうゆうと眠る彼女達をれいむの巣へと運んでいった



「さあ、おちびちゃんたち。この穴さんに入ってね!」
「「「「ゆっくちりかいちたよ・・・」」」」

目を覚ました子ども達はれいむの口から新しい生活についての説明を聞かされたあと、ゆっくりにとっては大きくて深い穴へといざなわれた
れいむが言うにはそこで駄目なゆっくりにならないように教育を受けねばならないらしい
ただし、穴の中では姉妹とは一緒だし、食事もちゃんと与えられるので生活に困ることはないとのこと

「だいじょうぶよ!ちゃんとゆっくりできるわ」
「「「「・・・ゆ、ゆっくちおりりゅよ!」」」」

そうして、れいむとぱちゅりーに促された4匹の子ゆっくり達はその穴の中へと飛び込んでいった
その穴が深さ50cm近くもあり、れいむを除いては成体でも入ったら簡単には出られないとも知らずに
今までにもルールを守れなかったせいでれいむに預けられた子ども達がそこで何匹も死んだことを知らずに

「「「「ゆぴぃ!?」」」」

50cm下の地面に底部をしたたかに打ちつけた4匹は小さな悲鳴を上げる
そして、小さな体を痛みのあまりにぷるぷると震わせ、ひっくひっくと嗚咽を漏らし、やがて泣き始めてしまった
助けに来るはずがないのに「おきゃーしゃーん」「みゃみゃー」と自分達を見捨てた母を呼ぶ
しかし、聞こえてくるのは穴の中で反響する自分たちの鳴き声ばかり

「おちびちゃんたち!泣いても無駄だよ!」
「ゆっぐ・・・もうやだ、おうちにきゃえりちゃいよぉ・・・」
「まりしゅをここきゃらゆっきゅちだちちぇね!」
「出てどうするの?おちびちゃんたちは捨てられたんだよ?」

れいむはにやりと陰険な笑みを浮かべて子ども達を見下ろす
が、子ども達はそんなれいむの態度の変化に気づかず、彼女の言葉に反応した

「しょんにゃこちょにゃいよ!おきゃーしゃんは・・・!」
「本当にそう思ってるの?馬鹿なの?死ぬの?・・・あ、ごめんね。おちびちゃんたちはそこで死ぬんだよね?」
「「「「ゆゆっ!?」」」」

驚愕する子まりさと子ありすを見てげらげらと笑うれいむ
実は彼女の後ろでぱちゅりーも必死に笑いを堪えているのだが、子ども達にその姿は見えない
ただ驚きのあまりに大きく見開かれた目で4匹はれいむを凝視していた

「おちびちゃんたちは捨てられたんだよ!ゆっくり理解してね!」
「ち、ちぎゃうよ!おきゃーしゃんは・・・!」
「おきゃーしゃんはちょきゃいはあにゃあありしゅをしゅてりゅなんちぇ・・・!」
「しょーだよ!おきゃちなこちょいわにゃいでにぇ!?」
「れいみゅはいしょつきだよ!ゆっきゅちでていっちぇね!」

れいむの言葉に一生懸命抗議する子ども達

「わかったよ!ゆっくり出て行って二度とここには来ないよ!」
「ゆっきゅちでちぇいけー!」
「ゆっきゅちちにゃいででていっちぇね!」
「でも、二度と来ないからご飯さんも持って来れないね!」
「「「「ゆゆっ!?」」」」

またしても驚愕する子ども達
その様子を見たれいむはにたぁーと不気味に笑い更にまくし立てた

「ご飯さんがないとゆっくり出来ないね!死んじゃうかもね!
 でも出て行け、来るなって言ったのはおちびちゃんたちだよ!
 だからご飯なんていらないよね!れいむのご飯なんて嫌だよね!
 前にそこに入れられた子もれいむにおんなじこと言ったんだよ!
 それで『おきゃーしゃんがたちゅけにきゅるよ!』なんて言ってたよ!
 でも、おかーさんは助けに来なくておなかを空かせて死んじゃったんだよ!
 その子はお前たちと同じおかーさんから生まれたまりさとありすだったよ!
 おかーさんが助けてくれなかったせいで共食いしちゃったんだよ!
 きっとおちびちゃんたちもおんなじ風になるんだよ!
 でも、二度と来るなっていったのはおちびちゃんたちだからゆっくり諦めてね!」
「「「「ゆえーん、どほちぢぇしょんなこちょいうにょおおおおお!?」」」」
「だったられいむにゆっくり謝ってね!謝った子にはご飯さんをあげるよ!」
「「「「ゆゆっ!?」」」」

まくし立てるように「死ぬ」を連呼した後のその一言には魔力が宿っていた
きっと謝ればゆっくり出来る、ゆっくりさせて貰える・・・そう思わせる何かがあった

「あ、ありしゅはあやみゃりゃにゃいよ!」
「しょーよ!みゃみゃのわりゅぐちをいうれいみゅがあやみゃるべきよ!」
「「こにょいなきゃもにょ!」」

が、子ありすたちはこの提案に屈することをしなかった
都会派ゆえの意地なのか、ただ頭を下げたくないだけの安いプライドゆえか・・・
彼女達はれいむに屈する気配を見せなかった。しかし・・・

「まりしゃはあやみゃるよ!」
「だきゃらおはんしゃんもっちぇきてね!」
「「ゆっくちごめんね!」」

まりさ種2匹はあっけなく謝罪した



30分後

「むーちゃむーちゃ・・・ふしあわちぇー・・・」
「まっぢゅ・・・これめっちゃまじゅ・・・」

脱出不可能な穴の中にはれいむの持ってきた葉っぱ(1匹1枚)を食む子まりさの2匹の姿があった
その葉の味は酷いもので、比較的ゆっくりが好む甘味も酸味もなく、ただただ苦いばかり
それでも、子まりさ達は空腹をしのぐためにその葉っぱを咀嚼した

「ゆう・・・おにぇーしゃん、ありしゅおなきゃしゅいたよぉ・・・」
「ゆぅ・・・ありしゅもだよ・・・ねえ、まりしゃ・・・」

空腹を必死に堪えるありす達は思わず物欲しげな目でその葉っぱを見てしまう
そして、これまた思わず「お腹空いた」と口走って、よだれを垂らしてしまう
きっとまりさなら分けてくれる。そんな都合のいい考え抱きながら

「ゆゆっ!謝らないで姉妹から横取りするつもりなんだね?
 さすがゲスの子どもだね!ぜんぜんゆっくりしてないよ!
 こういうのをなんて言うんだっけ?そうだ、田舎者だね!」
「「ゆゆっ!?」」
「あ、ありちゅはいにゃかもにょじゃにゃいよ!」
「だったらどうしてまりさのご飯さんを物欲しそうに見てるの?
 どうして涎なんてたらしてるの?凄く汚らしいよ?
 そんなの都会派のすることじゃないよね?」
「ゆえーん、どほぢてしょ・・・」
「泣けば済むと思ってるの?馬鹿なの?死ぬの?
 泣いて許してもらうのが都会派だと思ってるの?
 自分のことは自分でするのが都会派だよ?ゆっくり理解してね!」
「「ゆぅ・・・」」

しかし、穴の中の4匹をはるか高みから見下ろすれいむはその醜態を悪辣な笑みを浮かべて罵倒した
それも普通のゆっくりの貧弱な語彙とは比較にならない言葉で、まくし立てるように
が、それでもありす達はまだ謝ろうとしない
ぎりぎりと歯を食いしばって、キッと穴の上にいるれいむを睨み付けていた

「ゆゆっ!田舎者がれいむをにらんでるよ!
 おお、こわいこわい。ゆっくり出来ないよ!
 おお、こわいこわい。全然ゆっくり出来ないよ!
 おお、こわいこわい。まったくゆっくり出来ないよ!」

もっとも、圧倒的に優位な立場にいるれいむがそんなことで怯むはずも無いのだが

「そうだ!ねえ、まりさ。ありすがごめんなさいしたらもっと美味しいご飯を持ってきてあげるよ」
「「ゆゆっ!?」」
「あ、ありしゅは・・・」
「ありしゅ、ゆっくちあやまっちぇね!」
「しょーだよ!まりしゃはゆっくちちたいよ!」
「「ゆぅぅう・・・」」
「自分の見栄のために家族に苦しい思いさせるなんてゆっくり出来ないね!
 すっごく田舎者だね!まりさ達もそう思うでしょ?」
「しょーだよ!あやまりゃにゃいありしゅななんていなきゃものだよ!」
「ありしゅとなんちぇゆっくちできにゃいよ!ぴゅんぴゅん!」
「「どほぢちぇしょんなこちょいうにょおおお!?」」

数分後、姉妹の子まりさとれいむに散々罵られたありすは目にいっぱい涙をためながられいむに謝った



「ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」
「さあ、おちびちゃん達!楽しいご飯の時間だよ!」
「「やっちゃあ!これでゆっくちできりゅよ!」」

穴に入ってから2度目の、ありすにとっては初めての食事の時間
それを与えるためにれいむは穴の上から飛び降りて4匹の目の前へと降り立った
いや、正確には3匹だった
普通のゆっくりの三倍にも達する圧倒的な巨体
その体躯を前にしては決して広くない穴の中にれいむが飛び込めばどうなるか・・・

「もっちょ・・・ゆっきゅちちちゃかっちゃよ・・・」
「ゆふっ!これが美味しいご飯だよ!」

れいむは下敷きになって息絶えた子ありすのカスタードを体をゆすって振り払うと穴の上へと跳躍する
巨体に似つかわしくない跳躍力で簡単に目的の場所に着地した彼女は振り返って一言

「ゆっくりたべてね!」

とだけ言い残してその場を後にした
一方、そんな状況に置いてけぼりにされた3匹は悲嘆に暮れるばかり

「ゆええええええん、おにぇええしゃああああん!?」
「どほぢぢぇ!ごはんしゃんは!?」
「まりぢゃおにゃがしゅいだよおおおお!?」

しかし、そこにあるのは姉妹だったものの亡骸
甘いにおいを放つ、ありすの姿をした・・・甘い匂いの・・・

「ゆぅぅぅ!まりしゃがみゃんできにゃいよ!」
「ゆゆっ!だみぇよ!おにぇーしゃんをたべりゅなんてときゃいはじゃないわ!」
「でみょ!まりしゃおにゃかしゅいたよ!がみゃんちたらちんぢゃうよ!?」
「しょーだよ!まりしゃがちんだらどうしゅるの?!」
「ゆぅ・・・でみょ、でみょ・・・」

ためらう子ありすに対して憤りをあらわにする2匹の子まりさ
が、それでもありすは踏ん切りがつかずゆうゆう唸りながら右往左往するばかり
やがて、そんな状況に耐え切れなくなったの泣き出してしまった

「ゆえーん、ゆえーん!みょうわきゃんにゃいよおおお!?」
「「おお、うじゃいうじゃい」」

が、慰めてくれるものは誰もおらず、結局疲れて眠るまで泣き続けた
その後、目を覚ましたときには姉の子ありすだったものは影も形もなくなっていた



「ゆっくりしていってね!」
「「ゆっくちちていっちぇね!」」
「もっぢょ・・・ゆっぐぢ・・・」
「おちびちゃんたち、ゆっくりしてる?」
「まりぢゃのおもうぢょがああああああ!?」
「まりぢゃおにぇええぢゃああああん?!」

翌朝、今日も今日とて穴の中へと降り立ったれいむは不可抗力で子まりさを1匹踏み潰してしまった
が、そのことも泣き叫ぶ姉妹も気に留めず、満面の笑みを浮かべると・・・

「今から美味しい朝ごはんだよ!」

そう言いながら、死んだ子まりさに駆け寄ろうとしていた子ありすを舌で捕まえて、口の中へといざなった

「むーしゃむーしゃ、幸せー!」
「ゆ、ゆゆっ・・・ど、どほぢぢぇまりしゃの・・・」
「妹食べちゃうの?美味しいからに決まってるでしょ?
 れいむはね、子ゆっくりを食べるのが大好きなんだよ!
 特に1日2日苦しい思いをした子を食べるのが大好きなんだよ!
 そうしたらとっても甘くなるって人間さんが言ってたよ!
 だからね、まりさ達はここに来たときから食べられることになってたんだよ!
 ゆっくり理解して死んでね?」
「ゆ・・・いやぢゃああああ!まりぢゃぢにだぐないいいい?!」

子まりさは必死に穴の中を跳ね回るが道は上にしかない以上、彼女に逃げ場は無い
ゆっくりと擦り寄ってくるれいむから必死に距離をとっては一息ついて、あっという間に距離をつめられて・・・
ただひたすらにそれを繰り返して、いたずらに疲弊してゆくばかり

「こっちごにゃいでにぇ!?」
「おちびちゃんとっても速いね!れいむはついて行くのに精一杯だよ!
 だからさっき潰しちゃったまりさを食べるよ!むーしゃむーしゃ、幸せ~!」
「ゆえーん!どほぢぢぇしょんなこぢょじゅるのおおおお!?」

あっという間に子まりさの死体を平らげたれいむは再び子まりさとの鬼ごっこを再開する
先ほどの逃げ回らせるためのそれとは打って変わって、本当に捕まえることを目的とした追跡

「ゆっふっふ・・・捕まえたよ!」
「やめぢぇええええ!まりぢゃおいちくにゃいよおおおお!?」
「ゆっくり理解したよ!じゃあ、食べないであげるよ!」
「ゆっ・・・ほ、ほんちょ?」
「本当だよ!・・・そのかわりすっきりーするけどね!
 んほおおおおおおおおおおおおおお!!」
「やめちぇええええええええええええ!?」

狭い巣の中に最後の1匹になった子まりさの悲鳴がこだました



4匹の赤ゆっくりが全滅してから2週間後

「ゆっぐ・・・まりざ、あんよがうごがないよぉ・・・!」
「れいむ、ありすたちにごはんさんちょうだいね!」
「え、何言ってるの?自分の分は自分達でがここの決まりだよ?
 だから自分で頑張って集めてね!それが嫌なら出て行ってね!」

子供達をれいむに預けたまりさとありすは、大黒柱のまりさが底部に酷い傷を負うという事故に見舞われていた
しかし、この群れにおいて群れる理由は相互監視による秩序の維持、孤児の世話、対捕食種くらいであり負傷時の保障は無い
そのため、このような状況になった場合、家族の力だけで切り抜けなければならないのだ

「おきゃーしゃん!おにゃかしゅいちゃよ!」
「まりしゃも!ごひゃんたべちゃいよ!」
「ときゃいは~」
「まりしゃ、ゆっくちちたいよ!」

が、この家族に今やありす以外にまともに食料を取って来ることの出来るものはいない
当然、成体まで成長して自立した子どもなどのあてもない
近所のゆっくりに頼ろうにもあまりルールを守らないこの一家は煙たがられているのでそれもかなわない

「しかたないわね!ありすがかりにいってくるわ!」

とは言うものの、彼女はレイパーではないのですっきりーをするときはもっぱらネコ
つまり、月1回のにんっしんとその後の子どもの面倒を引き受けていたということである
そのため、彼女の狩りの腕前は彼女が想像する以上に落ちていた

「ゆゆっ!むしさん、ゆっくりまってね!このいながものぉ!?」
「ゆぐぐぐ・・・くささんが、ぜんぜんぬけないわ・・・!」
「ゆふぅ・・・ゆふぅ・・・ぜんぜん、とかいはぢゃないわ・・・」

結局、ありすはまともに食料を集めることが出来ず、3日後にはまりさ共々育児放棄の罪で死刑になった
幸運にも餓死寸前で助けられた子ゆっくり達は食料面で群れの支援を受けながら、親同様にれいむに子どもを提供するすっきりー好きに育ったという


‐‐‐あとがき‐‐‐

じる・ど・れいむ・・・この一言が言いたかっただけですよ、ええ
どうせならひたすら子ゆっくりをいたぶって回る話のほうが良かったか?



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最終更新:2022年04月15日 23:38