メタ表現苦手な人はにげてー!はやくにげてー!









私は自宅警備員という非常に重大でかつ危険度の高い仕事に就いている。
閉ざされた空間で空き巣などの凶悪犯罪者やネットワークに潜む犯罪者を燻りだし
それらの脅威から任された家を守るため、日々昼夜を問わず激務に追われている。
この仕事は徹底的な秘密主義と過酷な環境下でも揺れる事のない強靭な心が必要なのだ。


そんな私もたまには職を休んで外に出てみたくなる時もある。
といっても職業柄、あまり人の多いところや知人が居る場所にはいけない。
なのでもっぱらちょっと遠くにある大きめの森に行くのだ。



森の中を馴れた足取りで進むと、見覚えのない集団に出会った。
いや正確に言えばその種自体はよく見かける。ゆっくりだ。
この森でもよく見かける。ただ普通の集団と違うのは


「ゆっきゅり!ゆっきゅり!」
「どすはおっきくてゆっくりできるね!!!」
「とかいはなどすに、おはなのぷれぜんとをもってきたわ!」

「ドスはとってもうれしいよ! みんなありがとう!!」


そう、ドスである。けして怖いお兄さんが持ってる物ではない。




なんとなく閃いたような気がした俺は、その集団に声をかけた。


「いよっす。」
「ゆ! ゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくりしていってね!!!」
「べ、べつにゆっくりしていってもいいのよ!」


反応は上々である。若干一名を覗いて。


「ゆ! にんげんさんはでていってね!!! ゆっくりできないよ!」


ぷんぷんと怒りながらこちらに近づいてくるドス。ドスの話を聞いて他のゆっくり達もざわめき出した。


「ゆ? ゆっくりできないのぉ?」
「れいむたちとゆっくりできないならかえってね!!!」
「いなかものはゆっくりでていってね!!!」


「はやくでていってね。でないとまりさおこるよ!」


早くも臨戦態勢なドス。しかしまだ慌てる時間ではない。



「なあ君たち?ドスの傍はゆっくりできるかい?」
その問いにゆっくり達はさも当然のごとく答える。


「ドスのそばはとってもゆっくりできるよ!」
「ドスといっしょだといちにちじゅうゆったりだよ!」
「むーしゃむーしゃできるよ!」
「みんなですりすりできるよ!」


ゆっへん!とふんぞり返りつつドスを誉めたてる。



「ふむ。でも俺はドスの近くにいたせいでゆっくりできなくなったゆっくりを大勢知っているのだが。」
この言葉に激しく抗議したのはドスだった。


「いいかげんなことをいわないでね!!! ゆっくりていせいしてね!」
「いやホントだって。試しに見せようか?ちょっとこっちに集まってごらん?」
のそのそと集まってくるゆっくり達。


「ゆぅー?」
「なにするの?」
「わからないよー!」


ポケットから携帯を取り出すと、とあるHPに繋いだ。そしてちょちょいと目的のページを探すと
ゆっくり達に画面を見せた。



「ゆ?どすってかいてあるよ!!」
「ほんとだね!ちあわちぇー!だって。かわいいね!」
「れいむもこんなゆっくりしたあかちゃんをうみたいね!」
「でもどうしてもじだけなの?」


「そういうもんなのさ。読みやすいし別にいいだろ?」
すかさずフォローを入れる。


「ゆっくりしてるね!」
「もじだけでもすーぱーゆっくりたいむなのがわかるよー」






そして十分後。




「どうじでぜんめづじでるのぉおおおおおお!!!」
「どすがはやぐぎづげばよかったんでしょおおおおおおおおお!!!」
「どすがわるいばりざをじがらないからぁあああああああ!!!」
「わがらないよぉおおおおおおお!!!ぜんぜんわがらないよぉおおおおおお!!!」
全員目からまさしく滝のような涙を流していた。
オチが全滅物だったのがよほどショックだったのか。


「まだあるぞ。こっちは制裁物だ。」
そして次へ。


「どうじではだけあらじじゃうのぉおおおおおおおお!!!」
「ぞんなごどじじゃだめでじょおおおおおおおお!!!」
「ゆっきゅちできゅないよぉおおおおおおお!!!」


この後、5作品ほど見せると、ゆっくり達の口からこんな言葉が漏れ出し始めた。


「どすのそばはゆっくりできないよ!」
「どすのそばにいるのはしぼうふらぐなのよ! ぱちゅしってるわ!」
「はやくにげようね!」
「どちゅのちょばはきょわいよー!」
一斉に反旗を翻すゆっくり達。これにはさすがのドスも驚きである。


「なにいってるの! そんなわけないでしょ! おちついてねみんな!!」


しかし一度生まれた不信感はそう簡単には消えず、ゆっくり達は身支度を整え始めた。
一度行動すると意外と早く、ゆっくり達はあれよあれよと言う間に身支度を整えると
ドスから全速力で逃げだした。


「ついてこないでね!ついてこないでね!!!」
「ゆっくりしないでにげるよ!」
「まってね! おねがいだからまってね!!!」

ドスの必死の説得も空しく、みなまっすぐ逃げてしまった。
追いかけるか。





ドスの元から逃げたゆっくり達。といっても100m程度しか離れていない。


「やっとゆっくりできるね!」
「ここでゆっくりしようね!」
「ここはとかいはのゆっくりぷれいすにするわ!」
「まりちゃはゆっきゅちおきゃーしゃんとしゅーりしゅーりするよ!」
皆の顔は人間で言う良い笑顔であった。本当にゆっくりしている。

しかし甘いのです。まだ続くのです。


「まあ待て待て。赤子どもよ。親の傍にいるとゆっくりできるか?」
その問いに赤ちゃんゆっくり達はさも当然のごとく答える。


「おきゃーしゃんとおとーしゃんはちょっちぇもゆっきゅちだよ!」
「いちゅにちじゅうゆっきゅちだよ!」
「すーりすーりできゅるよ!」
「むーしゃむーしゃしゃせてくれるよ!」


ゆっへん!とふんぞり返りつつ親を誉めたてる。



「ふむ。でも俺は親の近くにいたせいでゆっくりできなくなった赤ちゃんゆっくりを大勢知っているのだが。」
この言葉に激しく抗議したのは親だった。


「いいかげんなことをいわないでね!!! ゆっくりていせいしてね!」
「いやホントだって。試しに見せようか?ちょっとこっちに集まってごらん?」
のそのそと集まってくる赤ちゃんゆっくり達。


「ゆぅー?」
「なにするの?」
「わからないよー!」


ポケットから携帯を取り出すと、先ほどと同じHPに繋いだ。そしてちょちょいと目的のページを探すと
ゆっくり達に画面を見せた。



「ゆ?おきゃーしゃんってかいてあるよ!!」
「ほんとだね!ちあわちぇー!だってうらやましいね!」
「れいむのいもうとたちとおなじぐらいのこだね!ゆっくりしてるね!」
「でもどーちてみょじだけにゃの?」


「そういうもんなのさ。読みやすいし別にいいだろ?」
すかさずフォローを入れる。


「ゆっくりしてるね!」
「ときゃいはなせいきゃつね!」



20分後。


「どうちてれーみゅたちをきょろちゅのぉおおおおおおお!!!」
「おきゃーしゃんがそんなきょとしちゃだめでしょおおおおおおおお!!!」
「れいむのいもうとをいじめないでえええええええええ!!」
「いきゅじほうきよ!」


全員目からまさしく滝のような涙を流していた。
どうやら親が自分の子を殺したことが相当ショックなようだ。

「まだあるぞ。こっちは制裁物だ。」
そして次へ。


「どうじではだけあらじじゃうのぉおおおおおおおお!!!」
「ぞんなごどじじゃだめでじょおおおおおおおお!!!」
「ゆっきゅちできゅないよぉおおおおおおお!!!」


「まだあるぞ。次はレイパ―物な。」

この後、5作品ほど見せると、赤ちゃんゆっくり達の口からこんな言葉が漏れ出し始めた。


「おきゃーしゃんのそびゃはゆっきゅちできないよ!」
「きょわいよぉおおおおおおおおおおおおお!!!」
「にげるんだよぉおおおおおおおおおおおお!!!」」
一斉に反旗を翻す赤ちゃんゆっくり達。これにはさすがの親も驚きである。


「なにいってるの! そんなわけないでしょ! おちついてねおちびちゃんたち!!」


しかし一度生まれた不信感はそう簡単には消えず、赤ちゃんゆっくり達は身支度を整え始めた。
といっても整えるほどのものもないので、さっさと親元から逃げて行った。


「ゆっきゅりにげるよぉー!」
「ちょこのうーぱっきゅ! まりちゃをのせちぇえね!」
「のせちぇね!」


「もどってきておちびちゃんたちぃいいいいいいいいいいいい!!!」



あっという間に偶然通りかかったうーぱっくに乗って赤ちゃんゆっくり達はどこかへ行ってしまった。




当然親たちはがっくりである。我が子がユダだとはリハクですら見抜けなかっただろう。
そんな彼らに優しく声をかけた。



「なあ。君たちは自分がゆっくりできると思ってるのかい?私はゆっくりしてるゆっくりを見たことがないんだ。」
「なにいってるの! ゆっくりしてるにきまってるでしょ!」
「……そう。ならちょうど見て欲しいページがあるんだ。」











一週間後。近所の森からドスの変死体が発見されたそうだ。何をトチ狂ったのか頭を木にぶつけ続けたらしい。
その後に、森の中でこれまた変死体のゆっくり達が見つかったそうだ。
こちらはどうやら共食いのようだ。しかし食糧が豊富な森で何故だと皆が首をかしげていた。
最後に、うーぱっくに乗った赤ちゃんゆっくり達、偶然にも俺の仕事場である部屋の中にたどり着いたようだ。
せっかくなので手厚くもてなしている。


彼らに見せたHPに投稿するSSのネタの為に。







【あとがき】
何がしたかったのだろうか。
これを書くならさっさと溜まったSSを(ry
でも思いつくものは仕方ない。

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最終更新:2022年04月17日 01:23