注意
  • 善良なゆっくりが虐待されます。
  • 虐待自体の描写は薄めです。
  • れいぱーの描写があります。





お兄さんの愛したれいむ





初めてゆっくりというものを飼いはじめた
ハンドボールくらいの大きさのれいむ種というやつだ
独り身の寂しさを紛らわそうと立ち寄ったペットショップで
その愛らしさに一目惚れして衝動買いした

れいむは優しいペットショップのお姉さんやブリーダーのお兄さんに囲まれて
素晴らしくゆっくりと育った
お行儀がよくいつもニコニコ
ペットショップを訪れる人が誰も微笑み返さずにはいられない可愛いれいむ

れいむと一緒に飼育グッズも買った
ゆっくりフードにゆっくりハウス
これからの季節に備えて防寒着のおくるみも
れいむは気に入ってくれるかな

とってもゆっくりしたおにいさんだ
ペットショップからお兄さんの家へと帰る道すがられいむはゆっくりハウスのなかで幸せだった
きょうからあのゆっくりとしたおにいさんといっしょのせいかつががはじまるんだ
れいむの心はぽーかぽーかだった



さあ、ここが新しいおうちだよ
れいむをゆっくりハウスから出して、改めてご挨拶
ゆっくりしていってね
たわいのない言葉だけど、俺の心は温かくなった

とてもゆっくりしたおうちだよ
ゆっくりハウスから出たれいむの心は弾む
ゆっくりしていってね
改めてお兄さんにごあいさつした

可愛いれいむ
お前がうちに来てからなんだか毎日が楽しいよ
柔らかくて温かくて、素直で優しい
綺麗なれいむ

やさしいおにいさん
れいむのこころはぽーかぽーか
すてきでたのもしい
ゆっくりとしたおにいさん

ゆっくりとした日々が続く
仕事帰りの疲れた体も
れいむを見ると癒される
お前と会えて、本当に良かったよ

まいにちがゆっくりしてるよ
おにいさんはよるまでおしごとたいへんだけど
おうちではれいむといっぱいあそんでくれる
おにいさんとであえて、れいむほんとうにしあわせだよ



ただいま
いつも真っ先に迎えに来てくれるれいむがいない
代わりに部屋の奥かられいむのすすり泣くような声が聞こえる
まさか…れいむ!

おにいさんごめんなさい
れいむなにもできなかったよ
まどさんをわってれいぱーがおうちにはいってきても
ふるえるだけで…なにも…できなかったよ…

暗い部屋の隅でれいむは泣いていた
頭からは植物の茎のようなものが何本も伸びている
ゆっくりの妊娠だ
冷たい風の吹きこむ方を見ると窓ガラスが割られていた

おにいさんごめんなさい、れいむはやくたたずだね
おにいさんのおうちあらされちゃったよ
れいぱーがまどさんをわってるあいだ、にげてかくれることしかかんがえられなかったよ
ゆぐっゆぐっ

れいむ、お前は悪くない
今体をきれいに拭いてやるからな
その前にこの汚らわしい茎を引っこ抜くか
ちょっと痛いかもしれないけど我慢してくれよ

おにいさん、まって!
まだひとりいきてるおちびちゃんがいるよ
れいむ、れいぱーはきらいだよ…
でも、おちびちゃんにつみはないよ!

れいむ、何を言っている?
俺はお前を傷つけた奴を殺してやりたいくらい憎んでいる
そしてそいつがお前に植え付けた
その醜い塊も憎い

おにいさん、そんなこといわないで
ほかのおちびちゃんたちはみんなえいえんにゆっくりしちゃったけど、
このおちびちゃんはいっしょうけんめいいきようとしてるよ
れいむ、このおちびちゃんにはしあわせになってもらいたいよ!

れいむ、お前は優しいな
だが俺はその憎たらしい饅頭を養うつもりは無い
引き抜くぞ
れいむを上から押さえつけたとき、俺は涙を流していた

おにいさん、おねがいします
れいむ、もういっしょうほかにはおねがいごとなんてしないよ
おにいさんのいうことききます、おちびちゃんにもいいきかせます
だからおねがい、おちびちゃんのこところさないで!!



その夜一晩、れいむは泣き続けていた
翌朝も朝の挨拶をし、餌を食べて普段通りの生活をしているが、お互いぎくしゃくしている
顔はずっと暗いままだった
子どもと茎の捨てられたゴミ箱を苦しそうに眺めている

おにいさん。れいむ、ぶりーだーのおにいさんからきかされてたよ
おちびちゃんをかってにつくるのはよくないって。かいぬしさんがゆっくりできないって
れいむもね、ずっとそうおもってたよ。おにいさんがゆっくりしてくれるなら、おちびゃんはがまんしようって
でもね、おちびちゃんができて、なにかがかわっちゃったよ。れいぱーのこでも、そだててあげたかったよ…

れいむは俺に恨み言は言わなかった
だがその顔にはいつも影があるようだった
なんだ、その顔は。何が言いたい。
あんなに愛おしかった、あんなに綺麗だったれいむが、別のものに変わってしまったように思えた

おにいさん、いたいよ!
やめてね、ゆっくりやめてね!
ゆっくりごめんなさい!れいむ、なにかわるいことしたならあやまります!
おねがいだから、もうぶたないで!

目の前でれいむが泣いている
気が付くと俺は右手にベルトを握りしめていた
れいむの体中にたくさんの傷がついている
俺は…俺は何をやっているんだ…

おにいさん、なかないで
れいむもおにいさんにべるとさんでぶたれていたかったけど、
おにいさんもきっとかなしいことがあったんだね
ぺーろぺーろ、いつものおにいさんにゆっくりもどってね



その日から俺は度々れいむに暴力を振るうようになった
何をやっているんだ、れいむはこんな仕打ちをうけるようなこと、何もしていないじゃないか
自分に非は無いのに、泣きながら謝っている
それなのに…俺はお前のその目を見ると…

おにいさんはれいむをぶったあと、
かならずれいむをだきしめてなくよ。ごめん、ごめんって言いながら
れいむ、わからないよ
どうしてこんなにやさしいおにいさんが、あんなことするのか

最近れいむの俺を見る目が変わってきた
まるで俺を憐れむような、俺を見下すような目だ
俺はお前の飼い主だぞ
いや…理不尽な暴力を振るうような男は、飼い主失格か

おにいさん、れいむはおにいさんのこと、にくんでなんていないよ!
おにいさんのこと、みくだしたりなんてしてないよ!
どうしてそんなこというの!?
このままじゃ…れいむ、ほんとうにおにいさんのこときらいになっちゃうよ!

そうか。それなら俺のことを嫌えばいい。さあ憎め。
俺がお前のことをどれだけ愛しているのか、
お前が襲われたあの日、俺がどれだけ悲しんだのか、お前にはわからないようだな
だからそうやって、口には出さなくても、俺を恨めしそうな顔で睨むんだろう

そんなことないよ!
黙れ。お前は俺よりも、レイパーの子どもが好きなんだろう
そんなことないよ!
黙れ…黙れ…黙れ…



金バッチを毟り取られ、れいむは外に放り出された
体中は痣だらけ、うっすらと餡子のにじみ出ている部分もある
れいむは察した。おにいさんはれいむがいないほうがゆっくりできるんだね
それなられいむはでていくよ、きょうまでほんとうにありがとう、ゆっくりさようなら、おにいさん

れいむのいない生活が、また始まった
だがれいむは俺の心にこびり付いて離れない
朝、誰も食べないゆっくりフードを用意してしまう
夜、誰も待っていない部屋に向かって、ただいまと言ってしまう

冬の街は何もかもが冷たい
商店街の路地裏の無造作に捨てられた新聞紙にれいむは包まる
途中のゴミ捨て場で拾ったキャベツの芯を、ゆっくりと咀嚼すると涙があふれた
餌が不味いから悲しいのではない。一人ぼっちの食事が悲しいのだ

れいむよ、俺を憎むがいい
俺を憎めば憎むほどお前は俺のことを忘れられまい
俺はお前のことを生涯忘れない
お前もその体中の傷が疼く度俺を思い出すことだろう、その度に俺と同じ苦しみを味わえ

れいむは改めて思い出した
ブリーダーのお兄さんやペットショップのお姉さんに教えてもらったことを
野良のゆっくりは弱く惨めで無様な生き物なのだ
特に人間の助け無しで生きていく術をしらない「元」飼いゆっくりは

れいむは考えた
すっきりを強要されることも冬の寒さも、不潔な住処も不味いご飯も
愛する者から受ける暴力に比べれば何ということは無い
そう思い込んで残りわずかのゆん生を、ただ遣り過ごそう





お兄さんの愛したれいむ 終

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最終更新:2022年04月17日 01:32