(…ここは、先程の映画の舞台になっていた、2021年の東京か…?)
白い服を着た、オールバックな髪型の男は1人思案する。彼の名はリュウヤ、時間保護局のレンジャー隊の隊長を勤めている男だ。

(私は、確かに30世紀に帰還した筈…あの神子柴という老婆、何者なんだ…)
この殺し合いに招かれる前彼は、西暦2000年に赴き、時間保護局が開発したものの時間移動実験に失敗、行方不明になった後現代で暴走した生体戦闘ロボットGゾードの破壊任務を、紆余曲折の末に達成。ブイコマンダーを滝沢直人が所有している事を確認したのち、部下達よりも一足早く30世紀に帰還した…筈であった。

(あの老婆達がやっている事は、間違いなく時間保護法に対しての違反行為に当たる。30世紀とは繋がらない…別の時間軸と言うべき世界であるこの場に置いても、時間保護局の人間としては、奴等を時間保護法違反で逮捕すべきだろう)
彼らが属している世界の過去では、2001年に東京付近にて発生した大消滅により、地上の3分の2が飲み込まれて消滅した末、生き残った人類達の手によって徐々に世界が復興していき、30世紀に至っている。その為、彼らの歴史では「天気の子」という映画自体が生まれていない可能性が高く、また2021年に東京が存続している世界が、彼らの世界の過去になる事は、彼からすればあり得ないことであった。

(だが…奴等の技術力が…この私を、30世紀からこの世界にまで移動させれる程の技術力があれば…運命を変える事が出来るやも知れない…)
彼は時間保護局としての使命感自体は持ち合わせている。しかし…彼は自分の運命を…ブイコマンダーを所有した上で2000年に派遣された自分が、現地で殉職する運命を、6年前のGゾードの時間移動実験の際に見てしまっていた。
死の運命を目の当たりにしてしまった彼は、それを回避するために…本来の歴史を改変する道を選んだ。30世紀さえ残っていれば、例え他の全てを犠牲にしようとも…他ならぬ自分が、時間保護法に対して違反していようとも、自分が生き延びる事さえ出来ればそれでいいのだと。
その為に彼は、自分とは無関係な存在である滝沢直人にブイコマンダーが渡るように仕組み、彼を自らの身代わりに仕立て上げようとしていたのだ。
彼にとっては滝沢直人も、あの映画に出ていた森嶋帆高も天野陽菜も、自身が生き延びる為に利用出来そうな存在でしか無い。
森嶋帆高の意思と、彼の選択は、この世界の歴史に大きな影響を及ぼすだろう。だがそんな事は彼の知った事では無かった。

(私を連れて来れる以上、主催陣は出来れば逮捕しておくべきだ。放置すれば間違いなく厄介な事になる。だが…森嶋帆高や天野陽菜にはそこまでの力も、脅威も無い。
2人が会えば東京は沈むのは問題だが…奴を足止めしたい参加者も、奴を保護したい参加者も多いだろう。間違いなく対立も生じる。…なら私は、その隙に脱出手段や首輪の解除手段を探した方がいいだろう。
それらを確保できたとして、可能ならだが…主催の技術を手に入れる事を狙う。それさえ手に入れば、わざわざ滝沢直人を身代わりにする必要も無く、計画を大幅にスキップ出来る。…が無理はしない、何よりもまず優先するべき事は、私が生きて30世紀に帰還する事だ)

自らの方針を定めたリュウヤは、バッグの中身を確認した───



(…まさかクロノチェンジャーが入っているとはな。奴等め…やはり我々の世界への移動や干渉を行う手段を持っているな)
バッグの中を確認したリュウヤは、クロノチェンジャーを腕に付けた後、周辺の捜索を行おうとした…その時である。背後から殺気を感じた彼は咄嗟に横転する。
その一瞬後、両手に刃物を装備した奇怪な襲撃者が奇襲を仕掛けて来た───!



(ロンダーズ…?いや、あのような囚人が収監されていた記録は無い…さては私のようにこの世界とは別の世界から呼ばれた者か。あの様子では対話は不可能だろう…ならば!)
「クロノチェンジャー!」
咄嗟に初撃を回避したリュウヤは思考を纏めながら、クロノチェンジャーのボタンを押す。その瞬間、彼の身体はクロノスーツを纏い、タイムレッドへと姿を変えていた。
刃物を振り回す襲撃者に対抗する為、タイムレッドはクロノチェンジャーの収納機能を使って、時計の長針と短針を模している二ふりの剣、ダブルベクターを手に取る。

「………………………………」
「ふん!やあっ!だぁ!」
互いに剣を振るい合う形になるが、ここで襲撃者は飛び蹴りを仕掛け、予想だにしていなかった攻撃にタイムレッドは吹き飛ばされてしまう。

「ぐぅっ…!!」
(奴め…刃物を振り回すだけでは無いようだな…ならばこちらは…!)
「ベクターハーレー!」
リュウヤは作中での描写から推定するに格闘戦も得意とはいえ、接近戦のリーチは相手の方が長めである、それを踏まえて彼は…ダブルベクターを柄の部分で合体させてツインベクターにした後、エネルギーを放つ飛び道具であるベクターハーレーを使った。
光線は襲撃者にある程度のダメージを与える…も、襲撃者は不利を悟ったのか、ここで撤退する事を選ぶ。

「待てっ!…ちっ、逃げられるとは」
ベクターハーレーを回避しながら撤退していった襲撃者を尻目にリュウヤは、変身を解除しながら珍しく苛立ちを見せる。

(対話が望めない以上、奴を生かしておく意味は無い…だが逃亡されてしまった。これがどう響いてくるか…)
そう思いながら彼は、襲撃者が逃げていった方向を警戒しながら進んでいく。

…暫く先には、身体の上半身と下半身が泣き別れにされて生き絶えている青年の死体が転がっていた。
しかしリュウヤは顔色一つ変えず、冷静に思考を回す。
(先程の奴の犠牲者だろうな。奇襲されてあの刃物で真っ二つになったんだろう。…反応が遅れていれば、私もこうなっていた、か。
…どのみち、こいつのような末路は迎えたく無い物だ。
しかし、バッグの中身が持ち去られている…という事は、あの刃物は着脱式という事か)

襲撃者について推測した後彼は、死体には目も暮れずその場を立ち去った。

【ミハエル・トリニティ@機動戦士ガンダム00 死亡】

【リュウヤ隊長@未来戦隊タイムレンジャー】
[状態]:健康
[装備]:クロノチェンジャー@未来戦隊タイムレンジャー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:自身の生存が最優先、出来ればだが、主催達をどうにかしておきたいところ
1:他の参加者と遭遇する事があれば、襲撃者の事は伝えておいた方がいいだろう。
2:他の参加者が森嶋帆高と天野陽菜の処遇で対立するであろう間に、首輪の解除と脱出手段の捜索を優先するべきだ。
3:我々の時代へ干渉出来るであろう主催の技術力を、手に入れる事が出来るのならあるいは…。
[備考]
※参戦時期はCase File 44「時への反逆」終了後からです。
※襲撃者が別の世界の住人な可能性を考えています。
※天気の子世界は、自分達の30世紀とは繋がらない世界だと思っています。

【クロノチェンジャー@未来戦隊タイムレンジャー】
タイムレンジャーに変身する為に必要な装備。今回リュウヤに支給されたのは彼の先祖である浅見竜也が使用している物であり、彼自身も使用した事がある物である。
収納機能があり、ダブルベクターやボルユニットを取り出す事が可能。
ただし今ロワではレッド用のボルユニットである「ボルブラスター」は取り出す事が出来なくなっている。他の参加者に単体で支給されている可能性あり。
なお、初回起動時には時間保護局の1チームの規定人数である5人がいないと起動できないようになっているが、一度起動すると、以降は単独でも起動できる為問題は無い。



一方襲撃者は、次なる標的を探して動いていた。
襲撃者の名は、奇怪宇宙人ツルク星人。地球に来た理由は「地球侵略が目的」とされているが、それらしき行為を一切せず、言葉を介さずに不特定多数の人間を殺傷する通り魔的な犯行を繰り返している凶悪宇宙人である。
彼…或いは彼女にとっては、天気の子はどうでも良く、森嶋帆高も天野陽菜も、ただ殺す対象でしかなかった。
とはいえ、森嶋帆高については、他の参加者が集まる要因になる為殺す前に利用するつもりだが。
…このロワでのツルク星人の目的はただ一つ、主催も含めた全てを殺し尽くす事である。

【ツルク星人@ウルトラマンレオ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、ミハエルの持っていたランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:ただ全てを殺す。理由など無い
0:発見した参加者を殺しにかかる。先程のように防がれて分が悪いようならその場は撤退。しかしいずれは殺す。
1:森嶋帆高は利用するだけしたら殺す。それまでは後回し。
2:例えウルトラマンが居ようと関係無し。殺すのみ。
3:巨大な相手や、参加者が複数人纏っている場合には、巨大化を試し出来るようなら纏めて殺す。出来ないのなら1人ずつ殺していく。
4:殺した相手の支給品は貰っておく。意志を持つ類の物は殺すが、後回しの方がいいかもしれない。
5:首輪を解除しようとしてる参加者は殺すのは後回し。解除方法が確立されたら可能な参加者を脅して解除させた後に殺す。
[備考]
※参戦時期は後続にお任せします。
※等身大の状態での参戦です。巨大化形態になれるかどうかは不明です。
※ なお、作中ではウルトラマンレオを象った宇宙金属製のレリーフを、通り魔を行った現場にわざと落としたり、ガードレールを飛び越える際に両手の刃物を外していたり、巨大化した際は両腕に手指と刃物が同居している為、ツルク星人の刃物は着脱式か、手先を変化する事が可能なのかのどちらかだと思われます。
最終更新:2021年02月06日 16:31