全ての雨が空中で停止していた。
まるで時間を止めたかのように雨が微動だにせず動きを止めている。
そんな停止した雨の中を進み歩く黄金の甲冑を纏った男がいた。
彼の名は黒崎一誠、仮面ライダーコーカサスに変身し
クロックアップによって時間の流れを操作し
あたかも時間が止まっているかのように見えるのだ。
数秒ほど経ったタイミングでクロックアップは解除され
停止していた雨は再び降り続ける。
「妙な事になってますね」
屋内に入った黒崎一誠は変身を解除し近くにある椅子へ腰かけた。
変身した理由はライダーシステムに異常が無いかの確認、それと
単に白いタキシードを雨や泥で汚したくない、という理由である。
その結果、クロックアップの使用時間が普段より短くなっている事と
ハイパーゼクターがどこかへ消えてしまっている事に気が付いた。
「あの老婆の仕業ですか。小癪な真似をしますね」
主催者たちにはくだらぬ小細工を仕掛けた罪をその血で償わせよう。
だが今は他にやらなければならない事がある。
「森嶋帆高、あの少年を始末すればそれで終わる」
信憑性は定かではないが老婆の言う事が本当なら一人の少年の命を奪うだけで
他の全ての参加者が助かるという事になる。
「……それでは面白くありませんね」
黒崎一誠、彼は自分が頂点に君臨さえしていれば
人類が滅びようと何とも思わない究極のエゴイストである。
会場に集められた幾人の猛者達を目にして生かすつもりなど無かった。
「参加者達はあの少年の命を奪おうと、または保護しようと動くでしょう。
必然的に少年の周りに強者が集まる事になる」
森嶋帆高は殺さない。
むしろ囮として生かし、彼に近づく参加者を狩り続けよう。
そして他の全ての参加者が死に絶えた後で最後にこの少年を殺し
唯一の勝利者となった私一人が生還すればそれでいい。
「他に強者はいらない。最も強く、最も美しいのは私だけです」
懐から取り出した青い薔薇を見つめる。
薔薇は最強の証、即ち薔薇に愛された私こそが最強。
【黒崎一誠@仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE】
[状態]:健康
[装備]:カブティックゼクター
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1、青い薔薇
[思考・状況]
基本方針:全ての参加者と主催者の殺害。
1:森嶋帆高の確保。
2:森嶋帆高を囮として利用し、他の参加者を狩る。
[備考]
※参戦時期は原作登場前です。
最終更新:2021年01月18日 23:23