青の世界

【青の世界】

エピソード:プロローグ・オーシャンブルー

「侵攻」というにはあまりに弱く、「迎撃」というにはあまりに苛烈。
彼らの戦いは、多くの者にそう評される。
敵に敏感なのだ。彼ら──海の世界、「青」の住人は。環境に合わせ進化した水棲生物を始め、人魚や海鳥といった種族が多いのが特徴の世界である。

さて、この世界は5つの島国と、それを囲む大海原で構成される。
北の島「ノースディン」、東の島「イースタル」、西の島「ウェスタリア」、南の島「サウスフルグ」、そして、中央の人工島「ノーウェア」だ。それぞれ違った気候や特徴を持つ。
東西南北の四島は大昔に戦争をしていたが、あわや全滅という局面まで進んだ後に終戦、協定を結んでいる。その際に造られたのがノーウェアだ。

それから長い時間が流れ、今では戦争を直接知る者は少ない。

そんな経緯があるためか、この世界では外の者には無関心だが、住を侵すものに対しては殲滅をという不文律がある。
つまり、六星入り乱れるこのアスタリスク世界に取り込まれた「青」の民は、嫌が応にも剣を取ることになる。なにせ、外の世界全てが敵と言って差し支えない環境なのだから。
最終更新:2021年01月05日 22:48