回想・・・
「・・・ここから先へは行かせません・・・!人間はここから立ち去ってください。」
睨むように目の前の相手を威嚇する。だが、相手はまったく聞く耳を持たない。そのままツカツカと前進してくる。
ここは、
妖怪の山。なのになぜそんな余裕な顔で前に進む?目的は?一体何だ?
一瞬考えすぎてしまった。
まさか、妖怪の山を消しに来たの?・・・・・・・・・・そんなはずがない。だが、可能性はある。椛はそう心の中で思った。
しかし、その相手というのは人里の人間ではないし、外の世界から来た人間でもない。
そう、その相手というのは幻想郷の中にある博麗神社の巫女、『博麗霊夢』自称「楽園の素敵な巫女」であるのだ。
ただし、その性格は人間、妖怪、妖精、神をも差別しない性格なのだが。つまり、これは相手が何だろうが問答無用で徹底的に叩き潰すわと言う性格とも言える。
その凄まじい性格(差別しない部分)故に、意外と面倒見がいい為、なぜか彼女の神社にはいつも様々な妖怪や妖精が寄って来るという。
ということは、本来の神社そのものの役目(妖怪を寄せ付けない、厄を寄せ付けない)が見事に破壊されている。
そもそも、博麗神社には最も重要である『神』が居ないのも原因なのだが・・・
こんなのが巫女さんであるはずがない。きっと誰もがこう思うだろう。
恐怖は感じる。だが、肝心の安心感の欠如は無い。つまり、何も感じない。
無。
恐らくそれは、彼女が〝無差別の塊だから〟なのかもしれない。
そんな巫女は椛の警告を無視し、そのまま頂上へ向かう。
「ち・・・ちょっと!?警告無視ですか?あなたが来ている山は、妖怪の山なんですよ!?危ないんですよ?登ってる山間違ってませんか!?」
必死に止めようとする椛。(ちょっとかわいい・・・ハッ!?これは失礼・・・)
しかし、霊夢は無視し続け、歩き続ける。だが顔には少しの笑顔があった。
「け・・・けい・・・警告を聞いてくださいってば!!!」
「あ~もうしつこいわねー、アンタは私の飼い犬なの?どこぞの忠犬ですか?玄関でずっと待つんですか!?」
「ひっ!・・・忠犬だなんて酷いです、私は狼ですよ!?・・・て話がちょっとずれてます!!だから~止まって下さいってばぁー」
すると、無視し続けていた霊夢が椛に言った。
「じゃぁ弾幕決闘で良い?ルールは簡単。私が勝ったらそのまま行かせてもらう、そんでアンタが負けたらこの小説書いてる人にキスね?」
「嫌ですよ!ていうか私の負け前提で話を進めないでください!そもそもこの小説書いてる人って誰ですか!?キスなんて嫌ですよ!」
「あーそんな事言うと、この小説書いてる人がこの小説の続きを書かなくなっちゃうわよ?それでも良いの?」
「良いです、この小説書いてる人なんて馬鹿です、人間の風上にも置けない屑です、空から降ってきた少女に激突して死ねば良いです。」
「最後のだけなんかジブリ臭がするんだけど・・・」
そして、この小説を書いてる人がこれを書いた後、1時間もトイレで泣き崩れたのはあまりにも有名。
って・・・そんな訳ないだろォオオ!?
話を戻します。すんません。
ドゴォッ!!
激しい破裂音。
「ふッ!!遅いですね!地上戦だったら速度は私が上なんですよッ!!」
「確かに速いわね、でも速いだけですべてが埋まる訳ではないでしょ!」
ゴッ!!
爆発が起き、爆煙の中で二人は弾幕戦を繰り広げている。
一人は人間で、ただ単に空を飛ぶ程度の能力。もう一人は妖怪で、千里先まで見る程度の能力。
力の差で言うと、圧倒的に霊夢の方が大きかった。
しかし、速度面において椛は霊夢を凌駕していた、狼なだけに。
しかし、椛は負けた。ものの2分で。
「はぁ・・・はぁ・・・う・・・・・・ウソ!?・・ケホッカホッ!・・・何で!?」
「だから言ったでしょう?速さだけが全てじゃないのよ?」
「で・・・でも・・・はぁ・・・おかしいです・・・2分で私が負けるなんて・・・。そんな描写どこにも無かったですよ・・・!?」
「補正って言葉を知らない?」
「ほ・・・補正?」
そう、この小説を書いてる人は霊夢に補正を与えた。主人公補正という補正を。
「ひ・・・卑怯な!?」
何事も全てうまくいくはずが無い byどっかの偉い人
- 面白い回でしたw -- ユウ (2010-03-03 17:10:34)
最終更新:2010年03月03日 21:50