点数:39P 票数:16票 (2022-01-28) Qruppo
1-66■ヘンタイ・プリズン■+2 SM H2 2960
「ぬきたし」シリーズを世に送り出したことで上がりに上がっていたハードルを、飛び越えるどころか物故ろしてさえ見せた
2022年の最初にして最高の傑作。
陰鬱な仕打ちを受け、絶体絶命の状況に追い込まれてからの大逆転というオタクの大好物をこれでもか、という程に堪能させてくれる。
主人公は鋼の精神力を持った不屈の男であり、どんなに酷い仕打ちを受けても全く動じることなく突き進んでいくので、
絶望感こそ感じさえすれどもストレスは感じなかった。
また、「変態囚人しかいない孤島の監獄」というバカみたいな設定に反して、犯罪者とその罪に対して恐ろしい程に真摯に向き合っている点も自分は高く評価したい。
登場人物たちは皆罪深き咎人であり、このゲームはその事実を嫌というほどに突きつけてくる。
彼らがその咎をどう認識し、そしてどう向き合い、乗り越えていくのか。
このヘンプリはその問題から逃げも隠れもせず、全て堂々と書き切って見せた。これは凄いことだと思う。
単純にヒューマンドラマとしてのクオリティが他の作品と比較しても明らかに抜きん出ているのだ。
登場人物の全員が絡み合い、群像劇を形成している。無駄なキャラが本当に一人もいなかった。
なので評価点はシナリオとキャラクターにしたいところだが、敢えて自分は音楽を推したい。SMって湊柊一郎になるし。
逆転劇を最高に盛り上げる「Excute you」や、聴くだけで容赦なく涙腺を揺さぶってくる「君という存在」といったエロゲソング史上でも屈指の名曲はもちろんのこと。
「Hypervenilation」や「Remains of fire」、「Justice」などなど、気に入った曲を挙げれば枚挙に暇がない。
何より、「The Entertainer」の使い方が非常に上手く、またそれを起用したことについても感心した。
一度は聞いたことがある曲をエロゲーという題材で流すことでそのアンマッチ具合によりシーンが記憶に残りやすくなり、
また、その軽快なテンポによってゲームが暗くなりすぎないよう調整しているのだ。なるほど、してやられた。
しかしまあ、兎にも角にも「Excute you」だ。これまた凄い曲を世に送り出したもんだ。
静かなイントロから始まり、どんどんどんどん楽器が増えていき、ピークに達した瞬間爆発的に盛り上がっていく。
まさにヘンプリそのものじゃないか。凄いぞ。曲調が物語の流れを完全に再現している。そんな構成をしているんだから大逆転劇が盛り上がる盛り上がる。
題名が示す通りの処刑用BGMなのでこの曲が流れた瞬間安心感が来るのも評価点だ。「ああ、逆転するんだな」となる。
お決まりの流れだが効果的に使用しているのでワンパターンだ、とは感じなかった。
また、この曲を敢えてコメディなシーンにも流すことでギャグとしても有効活用している。大活躍じゃないか。
そんな傑作が1月という初っ端から繰り出されたので、「ベストなエロゲー」という観点においてはこの作品が評価の基準となった。
もちろん贔屓目は抜きにして比較したのだが、
自分としてはこの「ヘンタイ・プリズン」に並ぶなり或いは上回るなりした作品は今年はなかった、という結論に至ったので選出はこれ一本とさせていただきたい。
仕方がないだろう。40時間以上もある大作も大作なのにほとんどダレることなく、最後まで面白さを保ったまま突き進んでいく作品とどう対抗しろというのだ。
それこそ絶海の孤島にそびえ立つ監獄から脱獄を果たすこと程に不可能なものだろう。
1-52■ヘンタイ・プリズン■+2 SC H3 2002
地面を踏みしめるたび、イチモツが顔を振った。よーしお前もか!
常夏の楽園が舞台のぬきたしから一転、Qruppo第3作は寒々しい絶海の孤島を舞台とした監獄ものである。
まず慄くのがそのテキスト。何度脳と腹筋がヤバくなったか。
今回の下ネタは神羅万象を性癖に結び付ける、アホな中坊と変態番付上位が悪魔合体したようなスタイルで、
おかげで各所へのイメ損被害も酷いことに。具体的にはマンチカンとかフェラガモとかニュルンベルクとか。
それに伴いパロディや不謹慎ネタも頻度・深度共に前作の上を行く。誰だよちんちん亭語録持ってきたの。
電マを指して「こんなの開発者ですらアダルトグッズだと思ってるぞ!」とかぶっちゃけすぎて爆笑したわ。
大量のBGVネタといい、なんでネタ切れしないのと空恐ろしくなる。
その上で監獄ものとしては大真面目に作っているから頭が痛い。
骨子は孤立無援の主人公が機転と覚悟で運命を切り開いていく王道物語で、
ゴミから必要な道具を作成、壁を削って脱出路を確保、ヤクザとギャンブル対決と、塀の中ならではの展開が揃っている。
そのひとつひとつの描写が細かく、緊迫感や閉塞感といったムショの空気感が描けているから凄い。
まぁそうして作ったものがエネマグラだったり、ヒロインへの贈り物を肛門から取り出したりと
息をするように下ネタを絡めてくるから余計に頭がおかしくなるのだが。
そして外せないのが湊柊一郎という異端の主人公である。
自分のイチモツと会話する露出狂のサイコパスで、許せぬことには地獄の獄卒だろうが食らいつく半面、懐いた相手には幼女ばりに素直。
めちゃくちゃ簡単に騙される一方で窮地では凄まじく頭が切れ、必要とあらば躊躇なく地獄に飛び込める。
そんな世界一ピュアな魂を持つ狂人が数々の経験から世界との繋がりを得て、
ただ一人の孤独な魂がやがて何者にも縛られず、また縛らせない力と心を掴み取る。
根底にあるのは「魂の自由」という監獄もの不変のテーマ。
それこそが、どれほどふざけていようが本作を重厚な人間ドラマたらしめている。
思えば流行りの作風ではない。絵面は陰鬱、ヒロインは年上ばかり、展開は重苦しい。
でありながら純然たる質でぶん殴ってきた本作は、22年を代表するエロゲに相応しいかと。
1-06■ヘンタイ・プリズン■+2 SM H2 1753
ぬきたしで膨れた期待値を大きく超えてきたぬきたし2
そんなぬきたし2でさらに大きく膨れ上がった期待値を超えるのはむずかしいだろう
そう思っていましたが、まったくの杞憂でした
タイトルこそQruppoっぽいですが、雰囲気はぬきたしからガラっと変わった全体的にダークなテイスト
シナリオもぬきたしよりかなり重い
ぬきたしも実は重い設定みたいな話ですが、こちらは最初からずっと重いです
だから人によっては合わないかもしれないです
一応Qruppo特有のパロディネタは満載です
特に遊☆戯☆王パロディは自分のツボにハマりました
そんな笑えるパロディネタがあったとしても、どちらかというと辛い展開の方が多いです
胸の奥がキューっとなるような苦しい展開、先が気になりすぎてやめれなくなり、その先でさらに待ち受ける暗いシナリオ
主人公からして「全裸マン」ですし相変わらずの奇人変人だらけですが、それでも辛い
普通の人間ならとっくに心が折れる、主人公の精神が壊れてるからこそ乗り切れられる、そんな苦難の連続
そんな辛いシナリオの果て、ここまでの暗さから180度反転して100%ハッピーなエピローグ
地獄からの天国、どん底からの楽園、ギャップで脳内物質ドバドバです
本当に主人公は救われてよかった
主人公、湊柊一郎にはおっぱい星人的
2022年ベスト主人公オブザイヤーを進呈してやるぜ、ベイビー
あとぬきたし、ぬきたし2に続いて、またしても曲がカッコいい!
OPテーマはもちろんですが、個人的にグランドEDテーマの「I can't be a superstar」が大好きです
そしてギャップでハッピーなオススメのおっぱいはソフィーヤ・シコレンコちゃんだああああああああああ!!
シコレンコ看守長でシコシコ連呼!
第一印象は最悪!途中でネタキャラ化!最終的には最高の看守長!
純粋に身体付きがエロぉぉぉぉぉい!
ちょっと垂れてるおっぱいがリアルにエロぉぉぉぉぉぉい!!
こちらも独立シナリオでFDお願いしまぁぁぁぁぁぁす!!!
1-13■ヘンタイ・プリズン■+1 SC H2 1576
品性のかけらもないイカれたテキストと、テーマを裏付けるしっかりした軸のあるシナリオ。
相反する要素が混ざり合って出来た本作ですが、エロゲというジャンルにおける一つの到達点と言っても過言ではない、エロゲだからこその最高のエンタメでした。
特筆すべき点としては、言わずもがな下ネタ的ワードセンスが挙げられます。
ぬきたしも大概でしたが、今作も同等かそれ以上のクオリティ。天才かよ。
シナリオ面も読ませる内容で、展開は勿論、キャラクターの内面描写や掘り下げがとにかく素晴らしかった。
歪だったり理解出来なかったりしても、どうしてそうなったのか、またそこでの葛藤等非常に読み応えがありました。
ソフりんなんて序盤の印象は最悪だったのに、掘りに掘った結果、終わってみればめっちゃ好きになってました。
樹里亜もかなり好きで、言ってしまえばナチュラルサイコパスみたいなキャラですが、ちらほら垣間見える人間性が魅力的でした。
彼女のセリフで「もし私にも……あなたたちのような子が、身近にいたのなら」と言うものがありますが、前後の会話と合わせてすごく印象に残っています。
取り乱すシーンも実に可愛くて良き。
他にも、実は作中一番ヤバイまである姫瑠やクソのクソ森等、キャラの強さに事欠かないのが最高です。
というかここまでヒロインズに触れる事が出来ていませんが、それだけアクの強いキャラが多いという事でひとつ。
とってつけたようですが、マジでもれなく魅力的である事は間違いありません。
また刑務所物という事で、犯罪者とその更生について等、物語に落とし込みにくいところがしっかり描写されている点もかなり好印象でした。
演出面も細部までこだわりが見られ、全方面に厚みが感じられる作品だと思います。
総じて非の打ち所がない、最高の作品でした。
A-20■ヘンタイ・プリズン■+1 S- H3 1168
前作「ぬきたし」から一転、シリアスな雰囲気でありながら「燃え」「一貫したテーマ性」
そして「しょうもない下ネタ」という Qruppo らしさは失われていない不思議な作品。
ボイスを全て聞くと50時間を易々と超える大ボリュームでありながらあまり中弛みすることもなく、
一つのまとまりがある骨太な作品に仕上がっているのは本当に脱帽するしかない。
個別ルートでは各ヒロインの問題解決に注力して主人公の精神的な問題についてはヒロインとの関係を築く中で徐々に緩和する程度に留め、
グランドルートでは全ヒロインの問題を解決しつつ主人公の内面にフォーカスを当てる。
最後まで推進力を残しつつすべてのルートが単体でもエンターテイメントとして成り立つ構成は流石。
個別ルートで解決した問題がグランドルートで全部解決するという構成自体はよく見るもの。
しかし本作では、個別ルートはヒロインと主人公が二人で問題を解決するのに対して
グランドルートでは全員で全員の問題を解決していく方針に変わっており、単なる個別ルートの焼き直しにはなっていない。
そのおかげで、長い長いグランドルートもあまり中だるみを感じずに進められた。
ボーガー的にはボーグネタが多くてたくさん笑った。
今後追加の展開があるならば、夕顔看守長の赤眼鏡に射精させてください。
1-24■ヘンタイ・プリズン■+2 SC H2 774
文句のつけどころがない作品。
グランドルートは当然ながら、おざなりになりがちな個別ルートも予想外の展開を見せる。
どこを切り取っても楽しいのだから不満を述べようがない。
娯楽としてだけでなく、テーマにおいてもそう。
看守側、囚人側、死刑囚、刑期を終えた者、監獄に存在するすべての“思い”を描き切っていて、これ以上に何を書けというのか。
『ショーシャンクの空に』が映画界でずっと頂点に居続けているように、監獄モノでこれを超えるものは現れないだろう。
その前に、これを読んだら心が折れて同ジャンルに手を出せない。すべて書いてあるのだから、物書きとして書きようがないのだ。
天才はどこにいる。ここにいる。前作もそうだが、生まれ持った才能がすべてを凌駕する。
凡人は天才には追いつけないのだと思い知らされて、作品を読むと鬱になる。それが唯一の欠点だ。
1-63■ヘンタイ・プリズン■+2 CG H3 704
プレイ前は、ぬきたしを超えられるはずがないと思っていたが、
プレイするとそのクオリティの高さに驚いた。
最初はおっかなく感じたヒロインや看守長陣も
最終的には一番好きなキャラを決められないくらい皆魅力的に描かれていた。
シナリオはもちろん面白く、監獄物というクローズドな舞台でありながら
それを逸脱しない範囲でここまで色々なストーリーが書けるのかと驚かされた。
個別ルートにて結ばれなかったヒロインもそれなりに幸せそうなところに好感を持てた。
コミカルなシーンではテキストには書かれていないセリフを
後ろでボソッと呟くという演出が多用され、
ノベルゲーを読んでいるというより映画を見ている気持ちになった。
それでいて絶対に18禁でしか出せないシナリオなのがよかった。
1-21■ヘンタイ・プリズン■+2 SC H2 598
やりたい放題な変態パロディギャグにブラックジョークは相変わらず。
ハチャメチャなヒロイン達にサブキャラ達の斜め上すぎるやり取りも去ることながら、
シリアスな所は徹底的に暗くなっているのは舞台が変態犯罪者収容施設・プリズンならでは。
どの√でも一度は敗北して絶望するが、その後這い上がって勝利する展開はまさに底辺に落ちた囚人ならではという感じがした。
その上盛り上がりが凄まじく、またパロディギャグも徹底的に行う等面白い所満載。
特にグランド√の終盤は看守囚人モブを巻き込み、最後の最後で前作のキャラを登場させる大脱獄は最高なエンターテイメント。
Qruppoだからこそ作れる傑作。
1-31■ヘンタイ・プリズン■-- -- -- 430
ぬきたし同様めちゃくちゃな設定ですが、だからこそぶっ飛んだ展開も受け入れられる良さがありました。
性犯罪者が収監される特殊なプリズンということで、それらにまつわるギャグとシリアスがあり、そのどちらもが良かったです。
ちなみに
2022年で個人的に一番好きだったヒロインはヘンプリのキャラで『波多江妙花』・・・通称:組長です。
極道の長らしい格好良さや苛烈さ、そことは違った儚さや可憐さがあって、最高のヒロインだと思いました。
1-44■ヘンタイ・プリズン■+1 SC H4 352
重苦しい設定に陰鬱な描写とそこに繰り出される圧倒的な下ネタテキスト
相変わらずライターの語彙力と描写センスは常軌を逸してる
ぬきたしとはまた別ベクトルでエロゲでしか描けない作品をありがとう
シナリオ、キャラに入れるしかなかったので評価項目に入れられなかったけど音楽も相変わらず凄まじいセンス
特にぬきたしからこっちボーカルに神曲しかない
1-41■ヘンタイ・プリズン■+2 S- -- 294
ボリュームがありながら、密度も高くシナリオゲーとして完成度が高く、大満足の一作でした。
先の読めない展開と、ルートごとに敵対・協力する勢力が変わる構成力が目を引くのですが、
そこを支える日常的なプリズン内での生活の解像度が高いのが物語の没入度を深めていました。
次回作も楽しみです。
1-69■ヘンタイ・プリズン■+2 SG H3 260
前作ぬきたしよりメインヒロインのスケベ度が下がっているのは、
有名映画のパロディだから遠慮したのだろうか。
エンジンがかかるのは後半だったが、終わったと思ったらさらにエピローグが数時間とか、
後日配信のミニシナリオとかで、加点式だと文句なしに年一。
1-35■ヘンタイ・プリズン■+2 SC -- 240
シリアス、コメディともに期待に応えてくれた今年の大本命。
ノアルートはノアのダメな子っぷりとそこからの成長、姉妹愛がしっかり描かれていて特に楽しめた。
サブヒロインではシスタージュリアが可愛かったので続編かFD出して恋愛させて欲しい。
1-42■ヘンタイ・プリズン■+1 SC H3 214
各ルートの読みごたえが凄くあって最高でした。
あるルートでは敵だったキャラが別ルートでは味方になって違う側面を見せてくれるのがエモい。
グランドの脱獄も今までの集大成感があってよかった。ラストの独白は卑怯。
1-20■ヘンタイ・プリズン■+1 SC -- 172
近年では突出して長い40時間以上のボリュームも最後まで飽きさせない展開はさすが。
コンシューマ展開は難しいエロゲならではの作品でもあるが、何気に抜けないのは前作と変わらず
1-61■ヘンタイ・プリズン■-- SC H2 66
ぬきたしで物足りなかった部分が解消されてて読んでて楽しかったです。
最終更新:2023年01月30日 01:21