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殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!! - (2013/01/13 (日) 18:02:33) の最新版との変更点

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* 殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!!  ◆i7XcZU0oTM ---- 「はぁ……」  真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。  その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。  埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。 「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」  がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。  ……本当、何で俺がこんな目に。  いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。  何で、俺が。  訳分かんねえよ。 「はぁ……」  ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。  いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。  一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。 (このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?)  俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。  誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。  だって、「殺し合い」なんだろ?  素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。 「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」  思い出して、軽く落ち込む。  ……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。  だが、いつまでも落ち込んでられない。  これからどうするか、考えなきゃな。  まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。  じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか?  とにかく、死なないように、生きるしかない。 「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」  何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。  武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。  そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。  一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。 #aa(){{{    _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_ -''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   < ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄  |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______  |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 _,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、 ::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .|| `!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i | ,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|  (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| / ,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ }}} *「    !    ?    」  あまりにも唐突すぎた。  唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。  そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。  ……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。  何て答えればいいんだよ。 (こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……)  何だったかな、どっかのスレで見たような。  答えが、喉元まで来ているのに。 「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」 「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」 「はぁ……」  何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。  ……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。  えーっと、こいつらは…………確か…………。 「そうだ!!」  俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。  まぁ、そんなことはどうでもいい。  こいつらの名前を、思い出した。 「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」  そうだ、そうだった。  こいつら、あのAAの奴らなのか。  まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。  こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。 「どうだ、合ってるだろ!!」 「な、なんでゆっくり達の名前を……?」 「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」  俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。  ……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか?  AAでないなら、何なんだ。  まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか?  そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。 (一体どうなってるんだよ、これは)  ……。  訳が分からない。  俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。  ――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。  何か、武器があるかもしれない。  もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。  ……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか?  手が無いんだから、持てないだろ。 「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」 「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」  未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。  うぜぇ……。  できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。  ――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。  だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。 (おいおい、銃って…………本物かな、これ)  ひんやりとした、鉄の感触。  間違い無い。  これは、本物の銃だ。  ……しかも、結構デカい。 「……!! こ、こっちにむけないでね!!」 「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」  他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。  とりあえず、この銃があれば何とかなる。  こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。  さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。  ……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。 「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」 「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」 「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」 「やる前から答えは明確だろうが……」  ……全く。  何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。  俺は、2回目の深い溜息を付いた。 ◆  暗い屋内。  僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。  確か、殺し合いだったっけ?  ……そんなことよりも、大事なことがある。 (1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………)  1さん……。  僕の、大切な人……。  君が、死んでしまったら、僕は……。  一体、どうすればいいんだい? 「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」  とは言うものの、ここは一体どこなんだろう?  何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。  沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。  1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。  特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。 「…………分からないよ!」 「…………明確だろうが……」  どこかから声が聞こえた。  1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな?  ちょっと、会って話を聞いてみようかな。  ……いや、ダメだ。  そんなこと、してる暇なんてない。  僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。  その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。  一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。  僕は、1さんを護る。  その為には、行動あるのみだ。 (よし……行こう)  本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。  でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。  下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。  駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。  とにかく、ここを出てしまおう。 「…………」  階段をゆっくり降りながら、考える。  そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。  確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。  1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。  そこで、何故か僕は気が遠くなって……。  気が付いたら、あそこにいた。  そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。 「…………」  ……こんなこと、考えても仕方が無い。  僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。  例え、他の誰かを殺めようとも……。  僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。 ◆ 「…………」  下へ続く階段が無くなった。  と言う事は、ここが1階か。  今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。  下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。 「うーん、出口は……あ、あそこだ」  ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。  自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。  よいしょ、と力を込めてドアを開ける。  …………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。 「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」  鞄から地図を取り出して、眺めてみる。  ……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。  どこかに、ここがどこか書いてないかな……。 「ううん、ここはどこだろう?」  とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。  ……暗くて、遠くまで見通せないんだ。  月明かりが、あるにはあるけれど。  太陽の光には、及ばない。 (よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……) そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。  ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。  何があるのか、まだ良く分かってない。  こう言うのは、はっきりさせておかないとね。  ……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。  一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。  これで良し。 (何があるのかな……)  強い武器があればいいのにな……。  武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。 「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」  こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。  残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。  他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。  それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。  PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。  それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。  とりあえず、開いてみると……。 (忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?)  今の所、レベルは0。  それ以外は、特に変わったボタンは……ん?  下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。  ……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな? (と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……)  ……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。  さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう?  とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな?  ……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。  とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。  急がないと……。 「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」  僕は、月明かりの元走り出した。  ――――1さんを、何としてでも護るために。 【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】 【八頭身@AA】 [状態]:健康 [装備]:デザートイーグル(7/7)@現実 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0~2(武器は無し) [思考・状況] 基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。 1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!! ※八頭身の叫びが辺りに響きました。  相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。  全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。  ……だが、今考えてみれば。  やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。  想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。 「ゆっくりしていってね!!!」  だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。  と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。  ……こいつら、今の状況分かってんのか? (今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな)  俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。  ……今だって、内心ビビってる。  こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。  いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。  ――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。 「……はぁ」 「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」 「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」 「?」  うぜぇ。  本気で、ここらに放置して行こうかな。  そんな事を考えていた時、 「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」 「「!?」」  ……何か、大声が聞こえたような。  いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。 (1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ) ――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか?  ……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。 (1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ)  まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。  それを、確かめる術もない。  追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。 「…………あいつの事は忘れよう」  そうそう。  変な奴には、関わらない方が身の為だ。  ――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。  こいつだって、十分「変な奴」だ。 (どうなんのかな、俺)  ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。  ……カーチャン、何してんのかな。  いきなりいなくなったんだから、俺の事心配してんのかな。 (…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな) 【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】 【タケシ@ニュー速VIP】 [状態]:健康、不安 [装備]:イングラムM10(32/32)@現実 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP [思考・状況] 基本:殺し合う気は無い。死にたくもない 1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな…… 2:カーチャン……べ、別に心配なんか…… ※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです 【ゆっくりしていってね!!@AA】 [状態]:健康、ゆっくり [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0~2 [思考・状況] 共通:ゆっくりしていってね!!! 1:とにかく、ゆっくりしていってね!!! ※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです ※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします ≪支給品紹介≫ 【麦茶@ニュー速VIP】 麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。 たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。 【デザートイーグル@現実】 装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。 数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。 それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。 【イングラムM10@現実】 装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。 もはやお馴染みの短機関銃。 |No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]| |No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[投下順>00~50]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]| ||ゆっくりしていってね!!|No.:[[]]| ||八頭身|No.:[[]]| ||タケシ|No.:[[]]|
* 殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!!  ◆i7XcZU0oTM ---- 「はぁ……」  真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。  その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。  埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。 「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」  がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。  ……本当、何で俺がこんな目に。  いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。  何で、俺が。  訳分かんねえよ。 「はぁ……」  ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。  いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。  一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。 (このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?)  俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。  誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。  だって、「殺し合い」なんだろ?  素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。 「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」  思い出して、軽く落ち込む。  ……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。  だが、いつまでも落ち込んでられない。  これからどうするか、考えなきゃな。  まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。  じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか?  とにかく、死なないように、生きるしかない。 「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」  何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。  武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。  そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。  一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。 #aa(){{{    _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_ -''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   < ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄  |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______  |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 _,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、 ::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .|| `!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i | ,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|  (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| / ,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ }}} *「    !    ?    」  あまりにも唐突すぎた。  唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。  そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。  ……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。  何て答えればいいんだよ。 (こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……)  何だったかな、どっかのスレで見たような。  答えが、喉元まで来ているのに。 「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」 「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」 「はぁ……」  何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。  ……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。  えーっと、こいつらは…………確か…………。 「そうだ!!」  俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。  まぁ、そんなことはどうでもいい。  こいつらの名前を、思い出した。 「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」  そうだ、そうだった。  こいつら、あのAAの奴らなのか。  まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。  こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。 「どうだ、合ってるだろ!!」 「な、なんでゆっくり達の名前を……?」 「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」  俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。  ……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか?  AAでないなら、何なんだ。  まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか?  そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。 (一体どうなってるんだよ、これは)  ……。  訳が分からない。  俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。  ――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。  何か、武器があるかもしれない。  もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。  ……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか?  手が無いんだから、持てないだろ。 「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」 「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」  未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。  うぜぇ……。  できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。  ――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。  だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。 (おいおい、銃って…………本物かな、これ)  ひんやりとした、鉄の感触。  間違い無い。  これは、本物の銃だ。  ……しかも、結構デカい。 「……!! こ、こっちにむけないでね!!」 「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」  他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。  とりあえず、この銃があれば何とかなる。  こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。  さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。  ……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。 「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」 「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」 「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」 「やる前から答えは明確だろうが……」  ……全く。  何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。  俺は、2回目の深い溜息を付いた。 ◆  暗い屋内。  僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。  確か、殺し合いだったっけ?  ……そんなことよりも、大事なことがある。 (1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………)  1さん……。  僕の、大切な人……。  君が、死んでしまったら、僕は……。  一体、どうすればいいんだい? 「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」  とは言うものの、ここは一体どこなんだろう?  何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。  沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。  1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。  特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。 「…………分からないよ!」 「…………明確だろうが……」  どこかから声が聞こえた。  1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな?  ちょっと、会って話を聞いてみようかな。  ……いや、ダメだ。  そんなこと、してる暇なんてない。  僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。  その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。  一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。  僕は、1さんを護る。  その為には、行動あるのみだ。 (よし……行こう)  本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。  でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。  下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。  駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。  とにかく、ここを出てしまおう。 「…………」  階段をゆっくり降りながら、考える。  そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。  確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。  1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。  そこで、何故か僕は気が遠くなって……。  気が付いたら、あそこにいた。  そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。 「…………」  ……こんなこと、考えても仕方が無い。  僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。  例え、他の誰かを殺めようとも……。  僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。 ◆ 「…………」  下へ続く階段が無くなった。  と言う事は、ここが1階か。  今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。  下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。 「うーん、出口は……あ、あそこだ」  ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。  自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。  よいしょ、と力を込めてドアを開ける。  …………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。 「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」  鞄から地図を取り出して、眺めてみる。  ……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。  どこかに、ここがどこか書いてないかな……。 「ううん、ここはどこだろう?」  とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。  ……暗くて、遠くまで見通せないんだ。  月明かりが、あるにはあるけれど。  太陽の光には、及ばない。 (よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……) そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。  ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。  何があるのか、まだ良く分かってない。  こう言うのは、はっきりさせておかないとね。  ……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。  一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。  これで良し。 (何があるのかな……)  強い武器があればいいのにな……。  武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。 「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」  こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。  残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。  他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。  それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。  PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。  それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。  とりあえず、開いてみると……。 (忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?)  今の所、レベルは0。  それ以外は、特に変わったボタンは……ん?  下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。  ……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな? (と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……)  ……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。  さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう?  とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな?  ……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。  とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。  急がないと……。 「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」  僕は、月明かりの元走り出した。  ――――1さんを、何としてでも護るために。 【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】 【八頭身@AA】 [状態]:健康 [装備]:デザートイーグル(7/7)@現実 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0~2(武器は無し) [思考・状況] 基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。 1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!! ※八頭身の叫びが辺りに響きました。  相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。  全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。  ……だが、今考えてみれば。  やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。  想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。 「ゆっくりしていってね!!!」  だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。  と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。  ……こいつら、今の状況分かってんのか? (今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな)  俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。  ……今だって、内心ビビってる。  こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。  いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。  ――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。 「……はぁ」 「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」 「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」 「?」  うぜぇ。  本気で、ここらに放置して行こうかな。  そんな事を考えていた時、 「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」 「「!?」」  ……何か、大声が聞こえたような。  いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。 (1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ) ――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか?  ……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。 (1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ)  まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。  それを、確かめる術もない。  追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。 「…………あいつの事は忘れよう」  そうそう。  変な奴には、関わらない方が身の為だ。  ――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。  こいつだって、十分「変な奴」だ。 (どうなんのかな、俺)  ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。  ……カーチャン、何してんのかな。  いきなりいなくなったんだから、俺の事心配してんのかな。 (…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな) 【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】 【タケシ@ニュー速VIP】 [状態]:健康、不安 [装備]:イングラムM10(32/32)@現実 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP [思考・状況] 基本:殺し合う気は無い。死にたくもない 1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな…… 2:カーチャン……べ、別に心配なんか…… ※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです 【ゆっくりしていってね!!@AA】 [状態]:健康、ゆっくり [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0~2 [思考・状況] 共通:ゆっくりしていってね!!! 1:とにかく、ゆっくりしていってね!!! ※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです ※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします ≪支給品紹介≫ 【麦茶@ニュー速VIP】 麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。 たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。 【デザートイーグル@現実】 装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。 数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。 それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。 【イングラムM10@現実】 装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。 もはやお馴染みの短機関銃。 |No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]| |No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[投下順>00~50]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]| ||ゆっくりしていってね!!|No.37:[[僕らはいずれ誰かを疑っちまうから]]| ||八頭身|No.42:[[探し物はなんですか~?]]| ||タケシ|No.37:[[僕らはいずれ誰かを疑っちまうから]]|

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