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殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!! - (2013/01/13 (日) 18:02:33) の最新版との変更点
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* 殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!! ◆i7XcZU0oTM
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「はぁ……」
真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。
その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。
埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。
「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」
がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。
……本当、何で俺がこんな目に。
いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。
何で、俺が。
訳分かんねえよ。
「はぁ……」
ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。
いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。
一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。
(このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?)
俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。
誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。
だって、「殺し合い」なんだろ?
素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。
「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」
思い出して、軽く落ち込む。
……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。
だが、いつまでも落ち込んでられない。
これからどうするか、考えなきゃな。
まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。
じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか?
とにかく、死なないように、生きるしかない。
「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」
何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。
武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。
そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。
一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。
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_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
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::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
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( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
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*「 ! ? 」
あまりにも唐突すぎた。
唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。
そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。
……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。
何て答えればいいんだよ。
(こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……)
何だったかな、どっかのスレで見たような。
答えが、喉元まで来ているのに。
「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」
「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」
「はぁ……」
何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。
……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。
えーっと、こいつらは…………確か…………。
「そうだ!!」
俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
こいつらの名前を、思い出した。
「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」
そうだ、そうだった。
こいつら、あのAAの奴らなのか。
まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。
こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。
「どうだ、合ってるだろ!!」
「な、なんでゆっくり達の名前を……?」
「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」
俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。
……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか?
AAでないなら、何なんだ。
まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか?
そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。
(一体どうなってるんだよ、これは)
……。
訳が分からない。
俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。
――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。
何か、武器があるかもしれない。
もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。
……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか?
手が無いんだから、持てないだろ。
「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」
「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」
未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。
うぜぇ……。
できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。
――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。
だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。
(おいおい、銃って…………本物かな、これ)
ひんやりとした、鉄の感触。
間違い無い。
これは、本物の銃だ。
……しかも、結構デカい。
「……!! こ、こっちにむけないでね!!」
「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」
他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。
とりあえず、この銃があれば何とかなる。
こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。
さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。
……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。
「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」
「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」
「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」
「やる前から答えは明確だろうが……」
……全く。
何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。
俺は、2回目の深い溜息を付いた。
◆
暗い屋内。
僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。
確か、殺し合いだったっけ?
……そんなことよりも、大事なことがある。
(1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………)
1さん……。
僕の、大切な人……。
君が、死んでしまったら、僕は……。
一体、どうすればいいんだい?
「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」
とは言うものの、ここは一体どこなんだろう?
何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。
沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。
1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。
特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。
「…………分からないよ!」
「…………明確だろうが……」
どこかから声が聞こえた。
1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな?
ちょっと、会って話を聞いてみようかな。
……いや、ダメだ。
そんなこと、してる暇なんてない。
僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。
その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。
一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。
僕は、1さんを護る。
その為には、行動あるのみだ。
(よし……行こう)
本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。
でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。
下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。
駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。
とにかく、ここを出てしまおう。
「…………」
階段をゆっくり降りながら、考える。
そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。
確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。
1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。
そこで、何故か僕は気が遠くなって……。
気が付いたら、あそこにいた。
そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。
「…………」
……こんなこと、考えても仕方が無い。
僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。
例え、他の誰かを殺めようとも……。
僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。
◆
「…………」
下へ続く階段が無くなった。
と言う事は、ここが1階か。
今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。
下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。
「うーん、出口は……あ、あそこだ」
ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。
自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。
よいしょ、と力を込めてドアを開ける。
…………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。
「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」
鞄から地図を取り出して、眺めてみる。
……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。
どこかに、ここがどこか書いてないかな……。
「ううん、ここはどこだろう?」
とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。
……暗くて、遠くまで見通せないんだ。
月明かりが、あるにはあるけれど。
太陽の光には、及ばない。
(よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……)
そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。
ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。
何があるのか、まだ良く分かってない。
こう言うのは、はっきりさせておかないとね。
……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。
一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。
これで良し。
(何があるのかな……)
強い武器があればいいのにな……。
武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。
「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」
こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。
残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。
他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。
それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。
PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。
それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。
とりあえず、開いてみると……。
(忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?)
今の所、レベルは0。
それ以外は、特に変わったボタンは……ん?
下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。
……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな?
(と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……)
……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。
さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう?
とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな?
……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。
とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。
急がないと……。
「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」
僕は、月明かりの元走り出した。
――――1さんを、何としてでも護るために。
【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】
【八頭身@AA】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(7/7)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0~2(武器は無し)
[思考・状況]
基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。
1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!!
※八頭身の叫びが辺りに響きました。
相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。
全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。
……だが、今考えてみれば。
やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。
想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。
「ゆっくりしていってね!!!」
だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。
と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。
……こいつら、今の状況分かってんのか?
(今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな)
俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。
……今だって、内心ビビってる。
こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。
いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。
――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。
「……はぁ」
「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」
「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」
「?」
うぜぇ。
本気で、ここらに放置して行こうかな。
そんな事を考えていた時、
「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」
「「!?」」
……何か、大声が聞こえたような。
いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。
(1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ)
――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか?
……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。
(1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ)
まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。
それを、確かめる術もない。
追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。
「…………あいつの事は忘れよう」
そうそう。
変な奴には、関わらない方が身の為だ。
――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。
こいつだって、十分「変な奴」だ。
(どうなんのかな、俺)
ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。
……カーチャン、何してんのかな。
いきなりいなくなったんだから、俺の事心配してんのかな。
(…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな)
【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】
【タケシ@ニュー速VIP】
[状態]:健康、不安
[装備]:イングラムM10(32/32)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP
[思考・状況]
基本:殺し合う気は無い。死にたくもない
1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな……
2:カーチャン……べ、別に心配なんか……
※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです
【ゆっくりしていってね!!@AA】
[状態]:健康、ゆっくり
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0~2
[思考・状況]
共通:ゆっくりしていってね!!!
1:とにかく、ゆっくりしていってね!!!
※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです
※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします
≪支給品紹介≫
【麦茶@ニュー速VIP】
麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。
たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。
【デザートイーグル@現実】
装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。
数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。
それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。
【イングラムM10@現実】
装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。
もはやお馴染みの短機関銃。
|No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]|
|No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[投下順>00~50]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]|
||ゆっくりしていってね!!|No.:[[]]|
||八頭身|No.:[[]]|
||タケシ|No.:[[]]|
* 殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!! ◆i7XcZU0oTM
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「はぁ……」
真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。
その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。
埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。
「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」
がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。
……本当、何で俺がこんな目に。
いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。
何で、俺が。
訳分かんねえよ。
「はぁ……」
ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。
いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。
一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。
(このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?)
俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。
誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。
だって、「殺し合い」なんだろ?
素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。
「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」
思い出して、軽く落ち込む。
……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。
だが、いつまでも落ち込んでられない。
これからどうするか、考えなきゃな。
まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。
じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか?
とにかく、死なないように、生きるしかない。
「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」
何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。
武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。
そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。
一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。
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*「 ! ? 」
あまりにも唐突すぎた。
唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。
そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。
……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。
何て答えればいいんだよ。
(こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……)
何だったかな、どっかのスレで見たような。
答えが、喉元まで来ているのに。
「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」
「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」
「はぁ……」
何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。
……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。
えーっと、こいつらは…………確か…………。
「そうだ!!」
俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
こいつらの名前を、思い出した。
「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」
そうだ、そうだった。
こいつら、あのAAの奴らなのか。
まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。
こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。
「どうだ、合ってるだろ!!」
「な、なんでゆっくり達の名前を……?」
「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」
俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。
……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか?
AAでないなら、何なんだ。
まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか?
そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。
(一体どうなってるんだよ、これは)
……。
訳が分からない。
俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。
――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。
何か、武器があるかもしれない。
もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。
……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか?
手が無いんだから、持てないだろ。
「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」
「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」
未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。
うぜぇ……。
できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。
――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。
だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。
(おいおい、銃って…………本物かな、これ)
ひんやりとした、鉄の感触。
間違い無い。
これは、本物の銃だ。
……しかも、結構デカい。
「……!! こ、こっちにむけないでね!!」
「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」
他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。
とりあえず、この銃があれば何とかなる。
こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。
さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。
……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。
「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」
「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」
「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」
「やる前から答えは明確だろうが……」
……全く。
何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。
俺は、2回目の深い溜息を付いた。
◆
暗い屋内。
僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。
確か、殺し合いだったっけ?
……そんなことよりも、大事なことがある。
(1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………)
1さん……。
僕の、大切な人……。
君が、死んでしまったら、僕は……。
一体、どうすればいいんだい?
「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」
とは言うものの、ここは一体どこなんだろう?
何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。
沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。
1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。
特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。
「…………分からないよ!」
「…………明確だろうが……」
どこかから声が聞こえた。
1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな?
ちょっと、会って話を聞いてみようかな。
……いや、ダメだ。
そんなこと、してる暇なんてない。
僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。
その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。
一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。
僕は、1さんを護る。
その為には、行動あるのみだ。
(よし……行こう)
本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。
でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。
下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。
駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。
とにかく、ここを出てしまおう。
「…………」
階段をゆっくり降りながら、考える。
そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。
確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。
1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。
そこで、何故か僕は気が遠くなって……。
気が付いたら、あそこにいた。
そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。
「…………」
……こんなこと、考えても仕方が無い。
僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。
例え、他の誰かを殺めようとも……。
僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。
◆
「…………」
下へ続く階段が無くなった。
と言う事は、ここが1階か。
今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。
下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。
「うーん、出口は……あ、あそこだ」
ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。
自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。
よいしょ、と力を込めてドアを開ける。
…………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。
「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」
鞄から地図を取り出して、眺めてみる。
……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。
どこかに、ここがどこか書いてないかな……。
「ううん、ここはどこだろう?」
とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。
……暗くて、遠くまで見通せないんだ。
月明かりが、あるにはあるけれど。
太陽の光には、及ばない。
(よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……)
そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。
ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。
何があるのか、まだ良く分かってない。
こう言うのは、はっきりさせておかないとね。
……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。
一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。
これで良し。
(何があるのかな……)
強い武器があればいいのにな……。
武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。
「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」
こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。
残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。
他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。
それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。
PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。
それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。
とりあえず、開いてみると……。
(忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?)
今の所、レベルは0。
それ以外は、特に変わったボタンは……ん?
下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。
……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな?
(と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……)
……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。
さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう?
とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな?
……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。
とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。
急がないと……。
「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」
僕は、月明かりの元走り出した。
――――1さんを、何としてでも護るために。
【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】
【八頭身@AA】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(7/7)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0~2(武器は無し)
[思考・状況]
基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。
1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!!
※八頭身の叫びが辺りに響きました。
相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。
全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。
……だが、今考えてみれば。
やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。
想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。
「ゆっくりしていってね!!!」
だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。
と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。
……こいつら、今の状況分かってんのか?
(今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな)
俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。
……今だって、内心ビビってる。
こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。
いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。
――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。
「……はぁ」
「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」
「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」
「?」
うぜぇ。
本気で、ここらに放置して行こうかな。
そんな事を考えていた時、
「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」
「「!?」」
……何か、大声が聞こえたような。
いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。
(1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ)
――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか?
……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。
(1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ)
まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。
それを、確かめる術もない。
追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。
「…………あいつの事は忘れよう」
そうそう。
変な奴には、関わらない方が身の為だ。
――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。
こいつだって、十分「変な奴」だ。
(どうなんのかな、俺)
ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。
……カーチャン、何してんのかな。
いきなりいなくなったんだから、俺の事心配してんのかな。
(…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな)
【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】
【タケシ@ニュー速VIP】
[状態]:健康、不安
[装備]:イングラムM10(32/32)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP
[思考・状況]
基本:殺し合う気は無い。死にたくもない
1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな……
2:カーチャン……べ、別に心配なんか……
※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです
【ゆっくりしていってね!!@AA】
[状態]:健康、ゆっくり
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0~2
[思考・状況]
共通:ゆっくりしていってね!!!
1:とにかく、ゆっくりしていってね!!!
※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです
※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします
≪支給品紹介≫
【麦茶@ニュー速VIP】
麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。
たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。
【デザートイーグル@現実】
装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。
数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。
それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。
【イングラムM10@現実】
装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。
もはやお馴染みの短機関銃。
|No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]|
|No.12:[[とうとう11月が来てしまった!]]|[[投下順>00~50]]|No.14:[[モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!!]]|
||ゆっくりしていってね!!|No.37:[[僕らはいずれ誰かを疑っちまうから]]|
||八頭身|No.42:[[探し物はなんですか~?]]|
||タケシ|No.37:[[僕らはいずれ誰かを疑っちまうから]]|
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