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答えのない自問自答 - (2013/09/09 (月) 20:18:34) のソース
答えのない自問自答 ◆i7XcZU0oTM ---- (あいつの事以外で、また考え事が増えたわ。一体、さっきの音と光は何なの?) 辺りを見回しながら、マッマは考える。 息子……やきうのお兄ちゃんを探していた道中、聞こえて来た、あの爆音と、光。 あれは、一体なんなのだろうか? (……あの音のした方向には、必ず誰かがいるはずよね。火の無いところに、煙は立たないし。でも、 あんな、辺りに響き渡るくらいの爆発なんて、よっぽどの事が無い限り起こりはしないでしょうし…… かなり大規模な争いがあったのかしら……) いくら考えた所で、ここからでは爆発のあった地点を見る事は不可能。 何を考えた所で、想像の域を出る事はできないのだ。 (直接、見に行ければ楽だけど……そうも、いかないわよね……) あれほどの爆発を起こせる武器……。強力な爆弾か、ロケットランチャーか。 どちらも普段見かける事など全く無い物だが、この状況では……あっても可笑しくはない。 そう言う物を、こちらに使われでもすれば。 ……最悪、三人まとめて死ぬ可能性も、大いにあり得る。 それだけは、なんとしても避けなければならない。 死んでしまっては、何にもならないのだから。 「いい加減、やる夫もチハの中に入れて欲しいお! 外はどう考えても危険だお!」 車外から、やる夫の声と同時に、チハの車体をコンコンとノックする音が聞こえた。 「男の子でしょ? もう少し頑張りなさいよ。根性無いわね」 「それ、何回言うつもりだお……と言うか、根性の問題じゃないお」 爆発音が聞こえるほんの少し前。 見失った息子を探すために、3人で街中を探索していた時に、例の爆発音が聞こえて来たのだ。 当然、外にいたやる夫は驚きと恐怖で飛び上がり、チハの中に逃げこんだ。 マッマも、念の為にチハの影に隠れ、辺りの様子を伺った。……そうしている事、約5分。 誰かがこちらに来ることもなく、また銃弾なんかが飛んでくることもなかった。 その後、チハの中で震えていたやる夫を外に追い出し、マッマが代わりに乗車したのだ。 ……その時、マッマに対してやる夫はかなりゴネたのだが、その内容は割愛する。 「考え事してるんだから、邪魔しないで。分かった? どうしても分からないなら、体に教えてあげてもいいけど?」 「うぐっ…………せ、せめてあと5分したら、入れてほしいお!」 「仕方無いわね。それまで、頑張って探しなさい」 そう言い終わると、マッマの意識は、再度先程の事へと戻る。 (……) "爆発のあった場所へ行く"と言えば、チハもやる夫も、一応従いはするだろう。 だが……果たして、見に行く必要はあるのだろうか? もし近くに、まだ犯人が潜んでいたのならば、そして、襲われでもすれば。 先程も挙げた通り、下手すれば3人とも死ぬ可能性があるのだ。 それ以外にも、その場に負傷者がいたとしたらどうだろうか? 怪我の程度にもよるが……あの時の男性の様に、何も出来ずに看取るだけになるかもしれない。 そして、この2つの理由以外にも、爆心地に向かうのに二の足を踏む理由が、マッマにはあった。 (…………っ) 無意識に、ぬるぽハンマーを握る手が震える。 例え畜生なマッマとて、所詮は普通の主婦。死のリスクには、当然怯えもするし、恐れもする。 ――――そう。ただの、主婦だ。 だからこそ、よほどの事態でもない限り、思い切った行動を……取りたくても取れない。 その考え事態は、何らおかしい物ではない。 平和に暮らしているのであれば、死を覚悟の上での行動など取る事など、有りはしないのだから。 しかし……。マッマには、"それでも前に進もう"と言う意思がある。 それがあるからこそ、今まで過酷な現実に直面しても、折れずに歩み続けられたのだ。 (……正念場はこれからかもしれないけど、私はまだまだ負ける気なんて無いわ) ~~~~ (……散々すぎて、もう愚痴る気にもなれないお) チハの中で、口に出さずにただただ愚痴るやる夫。 どうして自分がこんな目に遭わなきゃいけないんだ……。 どうして、自分が……。 こんな事を、何度考えただろう。 だけど、どれだけ考えても、答えなんか出やしない。 (あぁ、どうしてこんな事になっちゃったんだお? やる夫はただ、普通に暮らしてただけじゃないかお…… 別に、やる夫じゃなくったって良かったハズだお……) ……そうして、やる夫は一人、心の中へと籠っていく。 それが、何も生みはしない行為だと、心のどこかで思っていながら。 「いないわねぇ……チハももうちょっと良く探してよ」 (一応、ちゃんと探してるよ……) 外から、マッマの声が聞こえる。やる夫と交代で、外に出たのだ。 ……ああ、あの2人のように、自分ももう少ししっかり出来たなら。 そんな思いが、やる夫の中に、どこからともなく湧いてくる。 このままじゃ駄目なんだ。そう頭で考えていても、体がそれに従ってくれない。 思いは言葉にしなければ伝わらないように、"行動"しなければ、何も変わらないのだ。 「ない夫…………ない夫なら、こういう時、どうするお……?」 ボソリ、と誰にも聞こえないように。ここにはいない、友に呼びかけるやる夫。 ……だが、当然答えてくれるはずもない。 小さな声は、虚しく消えるだけだ。 (……どうすりゃいいんだお……) 孤独な問いの答えは、まだ出ない。 【C-3/一日目・朝】 【やる夫@ニュー速VIP】 [状態]:負傷(中程度)、血が付着、テンションsage、擬似賢者モード [装備]:無し [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~2(確認済み)、しょうゆ一㍑(1/4消費)@現実 [思考・状況] 基本:性欲喪失。とりあえず今は生き延びる 1:やる夫は、一体どうすりゃいいんだお……? 2:アイツ(やきうのお兄ちゃん)は怖いけど……でもマッマの言う通りにする 3:チハからは離れたくないけど、畜生マッマから離れたい。今のとこ出来そうにないけど 4:やらない夫がちょっと心配。でもやっぱりおにゃのこには会いたい ※擬似賢者モードによりテンションが下がり、冷静になってます。性欲が回復すれば再び暴走するかもしれません。 【畜生マッマ@なんでも実況J】 [状態]:健康 [装備]:ぬるぽハンマー@AA [道具]:基本支給品一式×2、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~1(治療に使えそうなものは無いようです)、ハイヒール一足@現実 [思考・状況] 基本:殺し合いを止める 1:あのバカを追いかける。 2:爆発も気になるけれど…… 3:とりあえず、やる夫を戦闘要員兼弾除けにする。グンマーはどうしようか…… 4:やる夫の友達のやらない夫に親近感 【チハ@軍事】 [状態]:損傷無し、燃料残り77%、内部が少し醤油臭い [装備]:一式四十七耗戦車砲(残弾無し)、九七式車載重機関銃(7.7mm口径)×2(0/20) [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品1~3(治療に使えそうなものは無いようです) [思考・状況] 基本:死にたくない 1:マッマの言う通りにする 2:殺し合いに乗った人には会いたくない 3:やきう兄に強い警戒。グンマーは…… ※チハは大戦中に改良が施された、所謂「新砲塔チハ」での参戦です。 ※チハは自分の武器の弾薬が無い事にまだ気づいていません。 |No.91:[[ハルトシュラーのパーフェクト説得教室]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|No.93:[[マザー・オブ・ラブでつきぬけろ!]]| |No.91:[[ハルトシュラーのパーフェクト説得教室]]|[[投下順>51~100]]|No.93:[[マザー・オブ・ラブでつきぬけろ!]]| |No.75:[[アクシデントは突然に]]|やる夫|No.:[[]]| |No.75:[[アクシデントは突然に]]|畜生マッマ|No.:[[]]| |No.75:[[アクシデントは突然に]]|チハ|No.:[[]]|