シロクロイルカSS@ ウィキ内検索 / 「第11.5話」で検索した結果

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  • 第11.5話
    ~ある加害者のモノローグ・4~ 両親は、私に一緒に来るように勧めた。このマンションにいると、兄さんのことを思い出してしまい辛いから、と。 『真実……真人(まさと)のことはもう忘れよう』 『お父さんの言う通りよ、真実。貴女、最近めっきり食欲もなくなってるし――』 両親は、何とかして私をここから遠ざけたかったらしい。ふさぎ込む私を見る度、兄さんのことを思い出してしまうからだろうか。 『……私は、残る。まだ……気持ちの整理が、着かないから……』 心から思った。 この人達はもう死んだ兄さんのことなんて、どうでもいいんだろうな、と。 無理もない。世間から兄は女子高生に痴漢をした挙げ句、自殺したどうしようもない人間――そういう風に知られてしまったのだから。 勿論、大きな事件ではなかった為、そこまで兄さんのことを知っている人間はいなかった。それでも、居心地が悪いのは事実だ。 だ...
  • 嘘と真実
    ...第10話 第11話 第11.5話 第12話 第13話
  • 第11話
    ~ある加害者のモノローグ・3~ 兄さんが、死んだ。 葬式はひっそりと行われて、兄さんの友達は殆ど来なかったらしい。 両親は早く式を終わらせたかったらしく、私が寝込んでいる間に全てが終わっていた。 「…………兄さん」 もう兄さんがいない部屋で、兄さんの使っていたタオルケットに包まれる。 ……許せない。ただそれだけが私の感情を支配していた。 私がもっと兄さんを支えることが出来たら……無力な自分が許せない。 両親が兄さんを信じてあげられたら……ろくでなしな両親が許せない。 周りが兄さんをおとしめたり苦しめなかったら……無慈悲な周囲の人達が、許せない。 そして何より―― 「…………許せない」 頭の中を反芻する名前。駅員がメモしていた、痴漢の"被害者"とされている……兄さんを死に追いやった"加害者"の名前。 「藤塚……弥生……」 見...
  • 第5話
    ~ある犯人のプロローグ・1~ 許せないと思った。あの人はあんなにも苦しんでいたのに。 だから同じ目に……いや、それ以上の苦しみを与えなければならないと思った。 あの人の代わりに私が思い知らせてやるんだ。 5話 学校が終わってすぐ、俺と晃と辻本さんは市内の中央病院へ向かった。 中条が意識を取り戻したのだ。一刻も早く会いたい。それに―― 「なあ、委員長。中条が俺たちに会いたいって、言ってたんだよな」 「うん。だから今日は私たちだけで行くことになってるわ。私はクラスの責任者として、だけど」 「中条……」 どうやら中条も俺たちに会いたいらしい。だからこそ一刻も早く病院へ向かわなければならないんだ。 それなのに俺は怖かった。果たしていつも意地悪くて何処か憎めない中条は、俺の知っている姿をしているんだろうか。 「…………」 首を振って嫌な想像を隅...
  • 第1話
    ~誰かのエピローグ・1~  どうしてこんなことになってしまったのか。今でもはっきりとした理由は分からない。 いつから間違いを犯していたのだろう。いくら後悔しても、もう元には戻れないのにいつまでも立ち尽くしていた。冷たい雨が容赦無く俺を打ち付ける。このまま俺も、俺が犯した罪も流れて消えてしまえば良いのに―― ―嘘と真実― 1話 父親の急な転勤でこの桜山(さくらやま)市に引っ越してきて早半年が経つ。 以前住んでいた地域と違って市内は気温が低く、11月上旬で既に一桁代を記録する程だ。俺達家族の住んでいる場所は海が近いので、海風も合わさって余計に寒さを感じる。 「ママ、行ってきまーす!」 「……行ってきます」 朝の通学路ほど、歩くことを憂鬱に思う場所もない。一旦学校に着いてしまえば室内だし多少はマシになるのだが、どうにもこの早朝の寒さには半年経っ...
  • 第10話
    ~ある加害者のモノローグ・2~ 人が死ぬのに、大層な理由なんていらないのかもしれない。 傍から見たらちっぽけに思えるその理由だって、本人からしたら大問題だからだ。 僕が死んだら、もしその理由を知ったら、多くの人が僕を否定するだろう。 でも、僕にとってはもうこの世は生きるには……厳しすぎる―― 「兄さん?ちょっと良い?」 ドアのノックと共に妹の声が聞こえる。 誰もが、両親でさえも信じてくれなかった僕を、たった一人信じていると言ってくれた妹。 その声に一瞬縄にかけた手が止まる。 「昨日も言ったけど、私は信じてるよ、兄さんのこと」 それでも僕は妹の言葉には耳を貸さず、もう一度縄に手をかける。 ――もう誰も信じられない。 それが僕の応えだから。確かに妹は本当に僕の無実を信じているのかもしれない。 でも、だからなんだ。妹が信じてくれたってそんなの無意味だ。 もうこの世に僕...
  • 第12話
    12話 「……っ」 気が付くと目の前には壁が広がっていた。ベッド以外には目立つものは特にはない、簡素な部屋。 まだはっきりとしない意識のまま、立ち上がろうとするが出来ない。 よく手足を見ると、今座っている椅子に縛り付けられていた。 「……なんだ、これ」 状況が理解出来ない。縛られた手足に見慣れない部屋。 そもそも何で俺はこんな所にいるんだ。確か俺は真実の家にいたはず―― 「あ、起きたんだ司君。おはよう、ってもう夜だけどね」 壁と同じような灰色をした扉が重苦しい音を立てて開き、真実が部屋に入って来た。 笑顔の真実を見た瞬間、ぼーっとしていた頭がはっきりとした。 そうだ、俺は真実に……薬入りのゼリーを食べさせられたんだ。 ということはここは真実の家なのだろうか。 「……ここは、何処だ」 「ここは私の家だよ……兄さんが、よくいた部屋なの」 真実は愛おしそうに壁...
  • 第13話
    13話 あれから、真実が俺達を監禁したあの事件から一年が経ち、俺達は高校三年生になった。 世間はクリスマスが近付いているせいか、浮かれた気分になっている人が多いが、俺達受験生は例外だ。 今日も日課のように放課後の教室で参考書と睨めっこをしている。 「司くぅーん、まだぁ?早くラーメン食べに行きましょ」 「…………」 「無視なんて……酷いっ!こうなったら嫁に電話してやるわっ!」 「うるせぇ!!黙って待てねぇのかこのエロゲ野郎が!」 目の前で俺をおちょくってくる晃と口喧嘩をしながら、俺は目の前の参考書と格闘する。 「……くそ、分からん」 「ああ、それx=6だよ」 「適当なこと言ってんじゃ…………合ってる」 呆然とする俺に晃はピースをしてくる。悔しいがコイツはかなり頭が良い。 俺が今目指している大学も、推薦で合格してしまった強者なのだ。 なので一般受験で同じ大学を...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ツムツム攻略Wiki|ゲームエイト - Game8[ゲームエイト] 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) アイプラ攻略Wiki|アイドリー...
  • プラグイン/編集履歴
    更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
  • きみとわたる 第12話
    午後11時15分。海上娯楽施設『アクアマリン』内、アクアポート前。 …何かがおかしかった。 元々アクアマリンにはモノレールでしか来られないため、この時間になると人はほとんどいない。 モノレールが動かない夜中は、本島に帰れないからだ。 おそらくライムもそこを考えてアクアポート屋上を指定したのだろうが…。 「…!またか…」 全く人が、それこそ警備員までいないのはおかしい。 アクアポート前の警備室にも人影すらなく、ここへ来るまでに通った全ての警備室がもぬけの殻だった。 「まあ入りやすかったけどさ」 ここまでは問題無く来れた。後は屋上を目指すだけ。青白くライトアップされたアクアポートに向かう。 「……一人、か」 里奈や桃花、神谷には黙ってここへ来た。 今このアクアマリンにいるのは、俺とライムの二人だけかもしれない。 「…神谷には教えておいても良かったかな」 思えば...
  • きみとわたる 第8話
    車だと僅か20分程度でライムのマンションまで着いた。 運転手に礼を言って彼女の部屋へ急ぐ。 「待ってろよ」 部屋の前までたどり着き左手でインターホンを鳴らす。右腕はしばらく使えない。 「………?」 応答がない。もしかしたら何かあったのだろうか。嫌な汗が頬を伝う。 「まさか…」 嫌でも思い出してしまう。事務所の関係者が殺された。 犯人は近辺にいる可能性があって…。もう一度インターホンを押すが反応はない。 「…ライム!」 痺れを切らして扉を叩こうとした瞬間 「…わ、亙?」 扉が開き中からバスタオル姿のライムが出て来た。 「ライム!…良かった。…つーか何でそんな格好なんだ?」 「眠気覚ましにお風呂入ってたの。そしたら急に誰か来たから、亙だと思ってとりあえず出て来たんだ」 「そっか、悪いな…遅れちゃって」 「ううん、約束守ってくれて凄く嬉しい」 どうやら杞憂だった...
  • きみとわたる 第7話
    屋敷に戻り一度部屋へ行こうとすると声をかけられた。 「やあ、姉さんの新しい召使さんかな?」 そこには藤川さんの弟が立っていた。スラッとしたモデル体型に端正な顔立ち。 髪は金髪の天然パーマだった。名前は確か… 「はい、自分は里奈様の執事の遠野と申します」 「知ってるよ。僕は弟の藤川英(フジカワハナ)。以後お見知りおきを」 「かしこまりました、英様」 「英様って…。まあたまには良いかな。…君、気に入ったよ。彼によく似ているし」 「彼…ですか?」 「ゴメン、こっちの話。それよりも一つ質問してもいいかな?」 「はい」 藤川英は笑顔を崩さぬまま俺に言った。 「昨日は何処へ抜け出したの?」 「……質問の意味がよく分かりませんが」 …落ち着け。ボロを出すな。相手の出方を窺え。 「そうかい?深夜、君が塀をよじ登って出ていったところを見たんだけどな」 「…………」 「ふふっ...
  • きみとわたる 第1話
    いつの時代にも必ずいるアイドルと呼ばれる女性達。 昭和にピークを迎え平成に入ってからはしばらく下火だったが2010年4月、 日本の歌謡史に残るであろう国民的アイドルが登場した。彼女の名は… 「みんな、今日は来てくれてありがとう!!!」 約55000人の収容数を誇る東京ドーム。 その日本でも有数のドームがたった一人のアイドルのライブで使われていた。 彼女が回りを見回すとそこには溢れんばかりの人、人、人。そして轟くばかりの大歓声。 老若男女を虜にする彼女の歌声と外見は収容数を越える集客力をみせていた。 『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』 三回目のアンコールが聞こえる。ライブ終了時刻の9時はとっくに過ぎており、 尚且つ二週間で日本全国を回る強行ツアーの最終日。彼女の体力は限界を超えているが 「じゃあ次の曲行ってみよう!!」 途端に再度沸き上がる大歓声。 ...
  • Case2『鮎樫らいむ関係者殺害事件』
    こんにちは。僕の名前は藤川英(フジカワハナ)といいます。 とある高校の二年をやっています。 今回は少し特殊なケースをご紹介します。 決して交わるはずのない二つの物語が交わった極めて特殊な事件です。 Case2『鮎樫らいむ関係者殺害事件』 僕、藤川英が通っている県立東桜(トウオウ)高校は県内でトップの公立高校で大学への進学率も高い。 そんな俗にいう「頭の良い高校」の2年4組に僕は所属している。 「明日からテストだ!部活は休みで学校も午前中で終わりだ。だからといって気を抜くなよ?もしテストで赤点でも取ってみろ…」 教壇では理系主任にしてウチの担任である黒川先生が熱弁をしている。 黒川先生は25歳と新任教師にも関わらず、その鬼教師っぷりで僅か一年で理系主任にまで上り詰めた人だ。 そのドSぶりと美貌のおかげでファンの生徒も多いとか。 「…起きろこの...
  • 第6話
    ~ある犯人のプロローグ・2~ 計画は綿密に練らなければならない。 途中で頓挫してしまっては意味がないし、アイツを苦しませることが出来なくては成功とはいえない。 まずは孤立させよう。少しずつ侵食していき、恐怖を与える。 そう、まるでばれないよう食卓に毎日毒を盛るように。 6話 「ふわぁ……」 腕時計を見るとちょうど正午を指していた。約束の時間だ。 桜山市はどちらかといえば田舎で、待ち合わせ場所といえば駅前の時計塔の下くらいしかない。 休日ということもあり、時計塔の下は結構な人がいる。 「藤塚君っ!」 「あ……」 「ゴメン、待ったかしら?」 「……い、いや!待ってないよ」 女の子の私服は意外とドキドキしてしまうものだ。しかも相手が学校の中でもかなり美人な女の子であれば尚更だと思う。 肩までかかる黒髪に白いワンピース、目の前の辻本さんは形容し難い程輝...
  • リバース 第15話
    「いきなり全校集会とは……。誰かやらかしたのかな」 翌日、突然全校集会をやるということで俺達は体育館に来ていた。周りも突然の全校集会の話で騒がしい。 「やらかしたって……。この学校で会長に逆らう奴がいたら見てみたいぜ」 亮介がおどけながら言う。まあ東桜に半年も通えば会長の手腕と彼女に逆らうことの恐ろしさを十分に理解出来るだろう。 「まあ連絡事項か何かだろうよ。……お、来たぞ」 会長が壇上に姿を現した。気が付けば話している愚か者は一人もいず、皆が前を向いて会長が話すのを待っている。 ……時代が時代なら立派な恐怖政治だな、これ。 「今日はいきなり全校集会を開いてしまって申し訳ない。君達に早急に伝えなければならないことがある」 全体に緊張が走る。英の言った通り、本当に誰かが万引きでもしたのだろうか。 「その前に……2年4組の白川要、こちらへ!」 「……はい?」 視線が一気に...
  • きみとわたる 第13話
    時刻は午後11時57分。俺は今屋上へと続く扉の目の前にいる。 「間に合ったか…」 ライムが指定したリミットまで後3分。ギリギリだがどうにか間に合った。 この扉を開ければライムに会える。 「……ふぅ」 息を吐いて緊張をほぐす。思えばこの三週間、色々なことがあった。 そしてこの扉の先が、その三週間の結末のような気がして中々開けられない。 「守ってみせる」 例え俺の導き出した結末が間違っていても関係ない。今度こそ、彼女を守り通してみせる。 「…行こう」 俺はゆっくりと扉を開けて屋上へ行った。 いつまでも衝撃が来ない。不思議に思い神谷が目を開けると、目の前に背中が見えた。 「…駿…にぃ……?」 それが神谷が意識を失う直前に見た光景だった。 「…誰かと思ったらまさか桃花だったなんてね」 ちょっと計算外だったな、と藤川英は自分の甘さを呪った。 目の前...
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