8900番台

8900番台 (全車引退)

8900番台(U-LV324L)は、1994年に導入されたリフト付き大型ワンステップバス。

車両

増備が続いていた7500番台にリフトを装備した車両で、1994年に2両が志村へ導入された。外観は同時期に並行導入していた7500番台に準じていることと、導入予定だった7585・7586が欠番となっていることから、当初の計画に変更が生じ、この2両をリフト装備へ変更したことで尺長が8000番台となったために、新区分として8900番台となった。

2010年にノンステップバスの増備によって廃車されるまで一生涯を志村で過ごした。引退後はそれぞれ別の道へ進み、8901が山梨交通へ、8902が秋北バスへ移籍したが、8902は部品調達用車両としての移籍となり運用入りは叶わなかった。

外観

WB5.0mのL尺車であることから8000番台に区分されたが、窓構造は銀色サッシの2段窓、座席もハイバック仕様ではなく、外観的特徴はむしろ7500番台に準じている。 空調用コンデンサは低床構造上、床下に搭載できないため屋上設置とされ、これに伴い非公式側側面中央のルーバーは省略された。

前面には行灯が設置され、紺地に黄色文字で「リフト付き新低床バス」と表示された。この措置により、従来車に見られた乗車位置表示は省略されている。行灯はプレート差込式であり、末期には白地に青文字の「前のり」表示が掲出されていた。 また、導入初期においては方向幕の両端に車椅子マークが付されていたため、正面方向幕脇の紺地部は無地であったが、後年車椅子マークが追加されている。

中扉はリフト機構の搭載によりドアレールを設置できず、グライドスライドドア方式が採用された。さらに、中扉直後の側窓はリフト操作スペースの関係から、車掌台搭載車に類似する横引きの引違い窓が採用されている。

内装

座席配置や内装の配色、床材は7500番台に準ずるが、前扉から中扉にかけての区画は一段低く造られた低床部となっている点が大きな相違である。 低床部の非公式側には車椅子固定装置が設置され、最大2台まで収容可能であった。固定方法は、壁側に設けられたタイヤ押さえ金具と、通路側床面に設置されたD環による併用方式である。搭載スペースの床面はリノリウム貼りとされ、通常床材と異なる色調を呈していた。なお、このスペースには折畳式横向き座席が設けられ、可動式肘掛けで区切られた1人掛と2人掛が各固定装置上に配置されていた。前扉直後のホイールハウス上には、車椅子固定金具を収納する金属製の収納箱が設置された。優先席の仕様は一般車と同様である。

中扉以降は一段高く造られ、ステップ部には段差を示す警告ランプが設けられた。この高床部の床材は通常と異なり凹凸のない仕様で、座席もホイールハウス直上を除き2列配置となっている。なお、国際興業のLV324系列は、最後部までフラットな高床仕様を採用していたが、本8900番台については例外的に、他事業者車と同様の最後部に小段差を設けたメーカー標準仕様であった。

細部では、降車ボタンが一般車の三陽電機(現レシップ)製ではなく、9000番台や2000番台と同様にオージ製を採用している点が挙げられる。また、前中扉間が低床化されているため、シフトリンケージを通すことができず、国際興業の路線車としては例外的にACT(フィンガータッチシフト)が採用された。

運用

志村へ1両が導入された9900番台(残り2両は浦和に配置、後に西浦和へ転属)と並んで、池20(池袋駅西口-高島平操車場)などのバリアフリー推進路線に積極的に充当された。

平成6年式 U-LV324L

社番 最終配置 登録番号 転属履歴 摘要 出入口表示 車検月 移籍先
8901 志村 練馬22か6559 B 2 山梨交通
8902 志村 練馬22か6560 B 2 秋北バス(非登録)

FrontPage >> 車両配置状況 >> 8900番台
最終更新:2025年08月21日 18:08