9900番台(KC-LV380L改)は、1996年に導入されたリフト付き大型ワンステップバス。
1990年代半ば以降、病院・公共施設を経由する路線に対して優先的にバリアフリー化を進めるため、先行導入した8900番台に続く新たなリフト付き大型ワンステップバスとして3台が志村・浦和に配置された。浦和に配置された2台は専用塗装が施工され、浦和駅・北浦和駅周辺を循環運行する浦和市内循環で使用されていたが、2003年のさいたま市の政令指定都市移行によって廃止され、一般塗装に戻された上に西浦和管内の一般路線に回された。
相次ぐノンステップバスの導入によって末期は運用を外れることが多く、2010年に9901が運賃箱を下ろした特送専用車へ変更されると同時にさいたま東へ転属したことで、3台全車が埼玉県内に集められた。その後は9902・9903も特送化の上にさいたま東へ転属(後に特送のまま西浦和へ復帰)したが、2011年に除籍された。
中扉がリフト装備のために2枚折戸となっており、中扉の右隣はかつて存在した車掌窓のような引き違い窓となっている。正面には「リフト付低床バス」の行灯が設置され、行先表示の両脇には9000番台と同様に低公害車を示すイルカマークが貼られていたが、後に車椅子対応を示す車椅子シールが右側のみ貼られた。
9902・9903は浦和市内循環専用車に使用するために2両とも異なる専用特別塗装が施工され、さらに9903は行先表示を試験的に液晶表示として登場させた。この液晶表示は後に主流となるLED表示に先駆けたもので、国際興業バスでは唯一の存在だった。この液晶表示は日中晴天時の視認性が悪いために1999年度に他車と同様の方向幕へ戻された。市内循環の専用塗装自体も、さいたま市の政令指定都市化によって路線が廃止されたことで一般塗装に戻された。
9901は前扉~中扉間がワンステップだが、9902・9903は最後部までステップが無い。中扉向かい側は座席が進行方向に対して直角で、折り畳むことで車椅子を搭載できる。
志村の9901は池20(池袋駅西口-高島平操車場)を中心に8900番台と共に充当されていたが、ノンステップバスの増備後は他路線へ回り、最末期は特送専用としてさいたま東へ転属した。9902・9903は浦和市内循環廃止後に一般塗装へ戻され、最末期は志木地区を中心に運行していた。
社番 | 最終配置 | 登録番号 | 転属履歴 | 摘要 | 出入口表示 | 車検月 | 移籍先 |
9901 | さいたま東 |
練馬22か6922 →大宮200か1828 |
←志 | 特送 | 岩手県交通 | ||
9902 | 西浦和 | 大宮22か3125 | ←さ←西←浦 |
旧浦和市内循環専用車 特送 |
岩手県交通 | ||
9903 | 西浦和 | 大宮22か3126 | ←さ←西←浦 |
旧浦和市内循環専用車 元液晶式表示試験車 特送 |
自家用(構内専用) |