花ノ街-ハナノマチ-


どこか別次元に存在する花のまほろば。
花と酒と風流を愛するこの街の住人を、
いつしか“花人(はなびと)”と呼ぶようになった。

そこは一の宮と十二の区から成り、
それぞれを花が囲う。

<合言葉>
「一度はおいで花のまほろば」
「ここはいいとこ、花の都」
「来るもの拒まず」

疲れた旅人を癒す心と体の休息所。
いずれはまた旅路に戻り、また疲れたら寄っていただけることを願って、
街に生きる花人は今日を過ごす。


一の宮と十二の区



  • 花ノ宮
花ノ街の核であり、顔。
大きな宮廷を中心に、温泉や宿、飯屋などの商い街が広がる。

  • 松ノ区
文芸に秀でた区。
アカネ大文書庫(巨大図書館)があり、
花ノ街に関する情報が保管されている。
勉学に対しての取り組みが熱心で、寺子屋を開くなどしている。

  • 梅ノ区
芸事と行事を取り締まる区。
甘味と茶会が有名で、
楽芸・舞芸・武芸などのあらゆる芸事の発表の場が、
カゼマチの壇という大ホールでの、
定期茶会の一貫として行われる。

  • 桜ノ区
楽芸に秀でた区。
稽古場「ヨシノの庭(てい)」で稽古が行われ、
カゼマチの壇に立てた楽師は名手と呼ばれる。
中には花ノ宮専属の楽師もおり、神の楽手と呼ばれる。
鼓楽(こがく/太鼓)・吹楽(すいがく/笛)・弦楽(つるがく/弦楽器)が
三大楽芸と呼ばれる。

  • 藤ノ区
舞芸に秀でた区。
稽古場「マツノの庭」で稽古が行われる。
元々は女性たちの駆け込み寺であったため、
名残で舞妓さんには女性が多い。
そのため、舞妓さんを着飾るための布やアクセサリーや美容法が集まる、
ブランド街に発展した。

  • 菖蒲ノ区
職人芸に秀でた区。
家や神社などの大工業から、
ガラス細工や藤ノ区のブランド物などの小物まで、
手先の器用さと力を要する職人の地。
各区間にかかる八つの橋「矢ツ橋」に関する情報も、
菖蒲ノ区にのみ伝わるもので、松ノ区の大文書庫にもない。

  • 牡丹ノ区
常夏で、水芸に秀でた区。
漁、水中探索、釣り、泳ぎなど水に関する業(しごと)や、
朝市のセリ、真珠の加工、藤ノ区の舞妓による水舞、
常夏地帯ならではのトロピカルフルーツや、
水業に欠かせない船に関する発祥・発展も、
牡丹ノ区の産物。

  • 萩ノ区
農業と食に秀でた区。
米、野菜、穀物、酪農など、花ノ街の食の根源を支える。
気候は昼間が暑く、朝晩は涼しい。
夕焼けの美しさは街で随一。
「朝日の松、夕の萩、月は芒がいい」とは、
花ノ街に伝わる有名な歌である。
(それぞれ、朝日を見るなら松ノ区、夕焼けなら萩ノ区、
月なら芒ノ区がいい、と案内している歌)

  • 芒ノ区
月が美しく見れることで有名。
空が高く、年中秋晴れが続く爽やかな気候。
武芸にも秀でた区であり、
舞芸にも劣らぬ美しい武芸は、月さえかすむほど美しいと評判。
もしもの時の軍力も芒ノ区が所持しており、
花ノ宮の許可が下りた時にのみ活動する。

  • 菊ノ区
酒、味噌、醤油、塩などの加工品が有名で、
とりわけ酒は秘伝の名酒がそろっており、中でも幻の美酒「マツナミ」は、
芸事の発表の場において祝いの酒として重宝される。
酒造りは他区の芸事にも引けを取らぬ芸だとして、
"伝統芸"と称されることがある。

  • 紅葉ノ区
季節・風・気候・星を読むのに長け、占術をあつかう。
能力者が多く、ややマヤカシ染みた者たちの集まり。
人の心を読んだり、神の言葉を預かったり、
未来を夢に見たり、その影響力はすさまじい。
古くからの言い伝えや、アカネ大文書庫にもないような情報を網羅している。

  • 柳ノ区
常に雨が降っている区。
その特殊な気候ならではの侘び寂が多くの花人たちから愛されている。
幻の仙人が住まうとも、竜神が迷い込むともいわれる、
紅葉ノ区以上に謎めいた地。
霊魂も多く彷徨うらしく、噂は絶えない。

  • 桐ノ区
物流の中心地で、大きな郵便局を中心に栄える。
花ノ宮と他の区をつなぐ役目を担い、
大きな市場には各区の産物があちらこちらへと行き交う。
花ノ街の中心地。
最終更新:2013年12月13日 05:02