澪「なぁ、律」
律「ん~?」
律「はぁ~またそれかよ。お前ここ二年間そればっかじゃねぇか。もういい加減耳にたこが出来たわ」
澪「いやいや、だって唯の可愛さっていったらもう異常だろ。むしろ唯を見てなんとも思わない律のほうがおかしいんだ」
律「いや、そりゃまぁ唯は確かに同性の私から見ても可愛いと思うよ。だけど澪、お前は大げさすぎるだろ」
澪「はぁ?大げさ?どこが?お前が鈍いだけだ。私は唯を一目見たときから気づいてたね。
あぁ、この子はきっと地上に舞い降りた天使なんだなって。まぁ今じゃ女神にまで上りつめているけどな」
律「…………」(うぜぇ…)
澪「おい、律聞いてるのか?律」
律「あぁはいはい聞いてますよ。つかそんなに好きならもう告白しちまえよ」
澪「いや、そんな告白なんて畏れ多い…」
律「畏れ多いってお前……」
澪「だってさ私なんかじゃ釣りあわないって」
律「ファンクラブまであるお前がそれを言うか」
澪「い、いいんだよ私は見てるだけで!」
律(じゃあ、私を巻き込むなよ…)
澪「っていうか、嫌じゃないか振られたら」
律「やっぱそれかよ」
澪「ところでずっと前から気になってたんだけど…」
律「なんだ?」
澪「律、お前ってその…女同士でもあんまり驚かなかったなって…」
律「!そっ…それは…」
澪「?」
律「べ、別にどうでもいいだろ、そんなことは」
澪「そうだな、そんな事より今は唯の可愛さについて語りたい」
律「それももういいって…」
翌朝
唯「澪ちゃん、おはよ~」
澪「お、おはよう唯(今日も一段と可愛いな…)」
唯「あれ?今朝は律ちゃんと一緒じゃないんだ」
澪「あぁ、なんかあいつ寝坊したみたいで先に行っててくれって」
唯「あははっ。律ちゃんらしいね」
澪「そういう唯も憂ちゃんは一緒じゃないのか?」
唯「うん、なんか学校に用事があるみたいで先に行っちゃった」
澪「そうか」
澪(どうしよう。そういえば唯と二人っきりになるのってかなり久しぶりじゃないか)
唯「そういえば澪ちゃんと二人っきりってなんだか久しぶりだね」
澪「!そ、そういえばそうだな」
澪(や、やった!唯と思考がシンクロした!心が通じ合ったんだ!)
澪「あ、ゆ、唯髪跳ねてるぞ」
唯「え、ほんと?」
澪「ほら、私が直してやるからじっとしてて」
唯「えへへ、澪ちゃんありがと~」
澪(可愛い…)
澪「髪の毛寝癖ってるよ、どうしてかな可愛くてほっとけない好き好き大好き…」
唯「澪ちゃん、それ新しい歌詞?」
澪「え?き、聞こえてたのか?」
唯「うん、今のすごくいいと思うよ!」
澪「そ、そうか?ありがとう、そういってくれるのは唯だけだよ」
唯「きっと私と澪ちゃんの感性は似てるんだね」
澪「そうだな、唯は最高のパートナーになれるかも」
唯「えへへ、不束者ですがよろしくお願いします…」
澪「ば、バカ…何言ってるんだ」
唯「え~だって澪ちゃんが言ったんじゃん」
澪「そういう意味で言ったんじゃ…ない…」
唯「もう澪ちゃんのいけずぅ~」
澪「まったく…」(うぅ…素直になれない自分が憎い)
キーンコーンカーンコーン
律「ハァハァ…あぶねーギリギリセーフ!」
澪「律」
律「ハァハァ…何だ?説教なら…ハァハァ…後にしてくれ」
澪「唯が可愛すぎて生きるのが辛い」
律「やかましいわ」
……
律「あームギがいないとティータイムが出来なくて暇だなぁ…」
澪「しょうがないだろ、進路指導なんだから。っていうかティータイムが出来ないんだったらさっさと練習始めるぞ」
唯「えーお茶しないと力が出ないよぉ」
律「そうだそうだー!」
澪「おまえらなー」
律「あぁっ!」
澪「な、何だ急に。びっくりしただろ」
律「書類まだ出してなかった…」
澪「またか」
律「ちょっと生徒会行ってくるわ。早くしないとまた和にどやされるからな」
澪「あ、あぁ分かった」
唯「えへへ~また二人っきりになっちゃったね~」
澪「そ、そうだな」
澪(本日二回目って…もしかしたらこれは神様のお導きじゃないのか。よしこうなったら思い切って…)
唯「練習しよっか?」
澪「いや、その前にさ唯」
唯「ん?なぁに?」
澪「あの…もしよかったら次の日曜日にでもどこか遊びに行かないか?」
唯「え?珍しいね、澪ちゃんがそういう誘いするのって」
澪「いや、勉強の息抜きにいいかなぁと思って」
唯「ふぅん、でもその日はちょっと……あずにゃんにきいてみないと…」
澪「え?梓?ちょ、ちょっと待ってくれ。何でそこで梓が出て来るんだ」
唯「あ、それは…」
がちゃ
梓「こんにちはー」
唯「あっ、あずにゃん!!ひさしぶりー」ダキッ
澪「あっ、唯!」
梓「にゃっ!もう、久しぶりって土日挟んだだけじゃないですか」
唯「えー二日間も会ってなかったら久しぶりだよぉ…
それでなくても夏休みの間あずにゃん分が不足してたんだから、その分いっぱい補給しないと」ギュウ
梓「ふふ…まったくもう…」
澪「あ、あの…唯…」
唯「あ、そうそう。あのねあずにゃん、澪ちゃんも日曜日一緒に遊びたいって言ってるんだけどどうかな?」
梓「え?澪先輩がですか?」
澪「いや、先約があるんだったら私は別に…」
唯「ねぇどうかな?あずにゃん」
梓「あの、すいません澪先輩。本当に申し訳ないんですけど今回は遠慮していただけませんか?」
唯「そっかー、ごめんね澪ちゃん。また今度遊ぼう?」
澪「あ、あぁ」
梓「本当にすいません」
澪「い、いや、いいんだよ気にするな。二人で心行くまで楽しんできてくれ」
…
澪「なぁ、律」
律「ん~?」
澪「梓って一体何なんだ」
律「な……ど、どうしたんだ突然」
澪「あいつ最近唯にすり寄りすぎだと思うんだ」
律「いや、どっちかつーと唯の方が梓に迫ってるんじゃ…」
澪「最初はな。だけど今じゃあいつ完全に唯にぞっこんだよ」
律「ぞっこんって…お前。大体何を根拠に…」
澪「日曜日にさ…」
律「うん?」
澪「日曜日に遊びに行こうって誘ったんだ。唯に」
律「へぇ…それで?」
澪「そしたら唯、先に梓の方と約束しててさ、梓の奴『私は唯先輩と二人で楽しみたいので澪先輩は遠慮してください』って……」
律「なるほど…」
澪「それに演芸大会のときなんて…」
律「あぁ…まぁ、たしかにあれはな…」
澪「信じられるか?あのゆいあずっていうユニット名って梓が付けたらしいぞ」
律「そ、それは初耳だな」
澪「なんだよゆいあずって!明らかに狙ってるだろ!私へのあてつけかっ!」
律「ちょ、澪、とりあえず落ち着け」
澪「クソッ…梓がやらかす前に早いとこどうにかしないと…」
律「どうにかって…澪お前見てるだけでいいって言ってたじゃんか」
澪「でっでも、唯が誰かに取られるのは嫌だ!」
律「……はぁ、そうかい」
澪「という訳で協力してくれ律」
律「拒否権は?」
澪「……もう勉強見てやらないぞ?」
律「はぁ、はいはいわかりましたよ…」
律「で、具体的にどうするんだ?」
澪「とりあえず、明日梓に牽制をかける」
律「牽制って…頼むから円満に解決してくれよ?」
翌日
律「よし、今日の部活はここまで、各自かいさーん」
唯「ふぅ、それじゃあ皆帰ろー」
澪「あ、私は梓と話があるから先に帰っててくれ」
梓「え?私ですか」
紬「?それだったら話が終わるまで待ってるけど…」
澪「いやちょっと長くなりそうだから先に帰ってくれ」
唯「えぇ~ちょっとくらい大丈夫だよ」
律「まぁまぁ…澪があぁ言ってるんだし、さっさと帰ろうぜ二人とも」
紬「……えぇそうね。それじゃ二人ともまた明日」
唯「ぶー…それじゃバイバイあずにゃん、澪ちゃん」
澪「あぁ、また明日」
梓「お、お疲れ様です」
梓「あの、それで話って」
澪「あぁ、それだけどな、単刀直入に聞く。梓、お前唯の事好きだろ?」
梓「なっ!?」
澪「とぼけたって無駄だぞ。お前が最近唯に色目使ってたのはバレバレなんだからな」
梓「それが…どうしたって言うんですか…」
澪「なんだと?」
梓「私が唯先輩の事好きでも澪先輩には何の関係もないじゃないですか!」
澪「関係なくはないだろ、私達は同じ部活の仲間なんだから。お前は自分の事しか考えられないのか」
梓「そっ、それは…」
澪「ふん、唯もこんな自己中心的な奴は嫌いだろうな」
梓「うっ……」
澪「とにかく唯の事は諦めるんだな。でないと部活全体に迷惑がかかる」
梓「!?それとこれとは話が別です!」
澪「別じゃないだろ。これは軽音部全体の問題なんだ。それに唯もかわいそうだろ。後輩に欲情されてたなんて知ったら」
梓「そ、そんなんじゃありません!それに唯先輩の気持ちなんて分からないじゃないですか」
澪「分かるさ、唯はお前のことなんてなんとも思ってないよ」
梓「そんなことありません!唯先輩は私のこと可愛いって言って抱きついてきてくれるし、私のこといつも考えてくれています!」
澪「それはただ単に唯がスキンシップ好きなのと唯がやさしいだけだ。先輩後輩以上の感情なんて唯はお前に持ってないよ」
梓「っ!!さっきからどうして私と唯先輩の関係を否定するようなことばかり言うんですか!」
澪「だ、だから部活が…」
梓「嘘ですっ!澪先輩からはもっと個人的な感情が感じられます!」
澪「うっ…そ、それは…それは……」
梓「?」
澪「私も……私も唯の事が好きだからだよぉぉぉーーー!!!」
梓「!!??」
澪「はぁはぁ……」
梓「そ、そんな…」
澪「梓お前は唯のお気に入りだからって調子に乗ってるみたいだけどなぁ…
お前は所詮後輩。私の方が一年分唯とは親しいんだよ!」
梓「じ、時間の長さは関係ありません!出会ってからの時間は短くても質でいえば私と唯先輩の関係の方が断然上です!
大体澪先輩は唯先輩とのスキンシップ乏しいじゃないですか」
澪「そ、そんなことないぞ!一年生の頃は唯が私の指ぷにぷにって…」
梓「指wぷwにwぷwにwそんなの唯先輩のハグに比べたら百万分の一にもなりませんよwwww」
澪「う、うるさいっ!肉体的な関わりだけが全てじゃない!
大体唯がお前にだきつくのは可愛くて抱き心地がいいからだろ?所詮お前は体だけの女だってことだwww」
梓「なっ…!」
澪「精神的には私の方が唯を支えてるはずだ!そもそも最初に唯にギターを教えたのは私だしな」
梓「で、でも私だって唯先輩にはいっぱいギター教えましたし、去年の合宿のときなんて夜中に二人っきりで練習しました。
そのとき唯先輩あずにゃんに出会えてよかったなんてて言ってくれたんですから!」
澪「な、そんな事をやってたのか…でも、所詮二番煎じ。私が最初にギター教えたことには変わりは無い!」
梓「うっ……で、でも…演芸大会のときは私が唯先輩を…」
澪「それは唯がお前に頼ったんじゃ無くてお前から手伝いを申し出ただけだろ。
私は二年のときの新歓ライブで歌詞を忘れた唯をリードしてあげたし勉強を教えるのだって基本的に私の役目だ。唯が本当に困ったときに頼るのは私なんだよ!」
梓「わ、私だって唯先輩のこと何度も助けてあげたし唯先輩も私のことを気にかけてくれています!
唯先輩はしょっちゅう私に電話やメールをしてくれるし修学旅行のときなんか無意味に電話かけてきました。
つまりそれだけ無意識レベルで私のことを想ってくれてるということです!」
澪「くっ…ああいえばこういって…」
梓「それに覚えていますか?唯先輩は私にキスまで迫って…」
澪「だ、黙れぇっっ!!!!」バンッ
梓「っ!?」ビクッ
最終更新:2011年02月21日 02:04