がちゃ

唯「おまち~」

憂(早っ)

唯『寝てて~』

憂「…」こく

唯『うい、耳はどお?』

憂「…」ふるふる

唯「そっかぁ」

唯『びょーいん行く?』

憂「…」

唯『ねんのため』

憂『だいじょーぶ、おうちでゆっくりしてるよ』

唯『ok!』にこ

唯『気分はどう?』

憂『だいぶよくな』唯「あー」すっ

憂「?」

唯「うい、爪伸びてるよ~」

憂「…?」

唯「爪だよ、きる」つんつん

憂「あ…」

唯『切ってあげよう 手だして』

憂「…」

唯「うい?」

憂「えん…」

唯「ペン?」これ?

憂「…」こくこく

唯「はい、どうぞ」

憂「…」にこ

憂「…」かきかき

唯「うい…」

憂「…」

『お姉ちゃん、色々やってくれてありがとう
 でも私ひとりでも大丈夫だから、お姉ちゃん今日から学校行っていいよ』

唯「ええ!?なんでなんで…ってそうだ」

唯『そんなこと言わないで!なんかいやなことあったら言ってよ~(>人<;)』かきかき

唯「…」ちらっ

憂「…」にこ

唯「ほっ」

憂『そうじゃなくて、お姉ちゃん学校行きたいのに悪いかなって』

唯「むぅ…」

唯「…」かきかき

『たしかに学校には行きたいけど、ういが耳聞こえなくて
 体ちょうも悪いのにほおっておくわけないよ!(`ε´)』

憂「おえーちゃん…」

憂「…ふふっ」

唯「えへへ…」てれ

『ほんとにいいの?』

『ほんとのほんと!それにもう休むって言っちゃったし!』

『それは別にいいんじゃ』

『だめだよ~!だからうい、二週間以内に治しちゃだめだよ~』

『どうかなぁ!?』

憂「ふふ」

唯憂「あははは!」

唯「…」かきかき

『絶体早くなおるよ!ういならよゆー!』

唯「ういー」

憂「ふふっ」

唯「ぴーす!」

憂「うん!」ぴーす!


───発症5日目、平沢家

和「憂?」

憂「?」

和「いちたすいちは?」

憂「2」

唯「ほら~!」

和「さんかけるさん」

憂「9」

唯「ね!?ね!?」

憂「えへへ~…」

和「……まあ、楽しいならいいんだけど」

唯「読唇術なんて、ういかっこいいよ~」

憂「えっと…?お、う、…?」

和「…唯はもう明日から学校に行っても大丈夫なんじゃないの?」

唯「えー!ういが耳聞こえないのにー!?」

和「それを楽しんでるでしょ、あんた」

唯「誤解だよ~和ちゃん」

憂「おあいあ…誤解だよ、お、お…和ちゃん」

唯「すごーい!!まるっ!」まる

憂「えへへ…」

和「やれやれ」

和「ところで唯、勉強の方はどう?」

唯「そ、それは…」

和「ノート写してやった気になってる場合じゃないよ?私たち一応受験生なんだから」

唯「じゅ、受験生!?」

和「そうよ?」

唯「あ~~」ぐで~

和「その力の抜けた顔は何よ」

唯「えへへ」

憂「…」ぐ~

憂「あ」

和「ご飯にしましょう」

唯「和ちゃんありがと~!」

和「そんな多くは持ってきてな」憂「サンドイッチ!」

和「そう。食べましょう」

唯憂「いただきまーす!」

和「ハモったわ」

唯「おいし」もぐもぐ

和「食べながら言わなくてもいいよ」

憂「もぐもぐ」にこ

和「…良かった」

唯「もらっていい?」

憂「いいよ~」

唯「わーい!ありがとお!」ひょい

憂「え…」

唯「ん~♪うま」

憂「…おねえちゃ~ん」

和「読唇できてなかったようね」

唯「ん?」もぐもぐ

憂「ま、いっか♪」にこ

和「しかしこうして見る分には憂が難聴には見えないわね」

唯「だよね~」

憂「?」

和「あぁ、いいのよ」

憂「そお?」もぐもぐ

唯「和ちゃん、もう無いの?」

和「これでおしまい。…というかあんたたち朝なに食べたの?」

唯「何にも?」

和「一体なにしてたのよ…」

唯「発音と読唇の勉強ですっ」

和「つまり夢中で遊んでたのね」

憂「ふ~」げふ

和「憂はお腹いっぱいになったみたいよ」

唯「ういは朝に私の作ったおにぎり食べたんだよ」

和「唯のおにぎり?」

唯「そうだよ~。しゃけ、こんぶ、うめぼし、たまご、ましゅまろ、ちょこ、きむち、ごはんですよ」

和「チョコとかマシュマロってどうなのよ」

唯「うい、朝のおにぎりおいしかったよね?」

憂「ええっと」

唯『おにぎりおいしかったよね!?』かきかき

憂「うん!」

和「…」

唯「どうだぁ!」

和「…ごはんってのはなんなのよ、またごはんはおかずとか言って…」

唯「ごはん?ごはんですよですよ」

和「は?」

唯「だからぁ、ごはんですよだよ~」

和「唯?」

唯「ごはんですよ!っていうの、のり」

和「はいはい」

唯「今持ってくる!」たたっ

がちゃん

和「なんなんだか」

憂「…」

和「…憂、まだ聞こえないの?」

憂「…ま、だ、い、…?」

和「聞こえないのね…」

和「今は治っても、これがまた卒業式、入学式近くになって発症しなければいいけど」

憂「い、ま、ま…」

和「ふふ、健気なんだから」なでなで

憂「和ちゃん?」

和「でも、2人のためにもあれは悪くない選択肢だと思うわ……」

和「まずは唯が受からなくちゃだけどね」くす

憂「?」きょとん

がちゃん

唯「ごはんはおかず!」

和「あぁ、あった?」

唯「じゃなかった、ごはんですよ!」

和「あぁ、桃屋のこれね」

唯「ごはんですよ!」

憂「ごはんですよ?」

唯『和ちゃんのために持ってきたの』かきかき

憂「これ好きなの?和ちゃん」

和「いいや、そうじゃなくて」ふるふる

唯「ごはんはすごいよ なんでもあうよ」

憂「ほかほか♪」

和「すごいわね」

唯「ラーメン うどんに お好み焼き」

憂「これこれ♪」

和「けいおん部らしいライブだったわ」

唯「和ちゃんも何か喋ってくれれば~」

和「あそこでいきなり振られても困るわよ」

唯「そうかなあ」

和「そうよ、唯じゃ無いんだから。ところで最後の…U&I、だっけ?良かったわ」

唯「えへへ~…」

和「う、い、なんでしょ?U&Iの元は」

唯「ふふ、ど~でしょ~」

和「あなたと私、にも掛かってるのよね」

唯「和ちゃんすごーい!」

和「誰でもわかるわよ」

唯「そお…?」しゅん

和「あ、いや、でもあれ唯が一人で考えた歌詞なんでしょ?凄いわよ」

唯「えへ…」

憂「…あの」

和「ああ、ごめんね憂」

憂「ううん」

唯「…よっと」

和「唯のギターね」

唯「ギー太だよ」

和「ふふ、でもなんで憂の部屋に?」

唯「ういが寝てる間練習しようと思って」

唯「…照れちゃいますなあ」てへ

和「聞こえないわよ」

唯「そっか」

憂「…!」わくわく

唯「~♪」

唯「きみがいないと なにもできないよ」

唯「きみのごはんが食べたいよ」

唯「もしきみが帰ってきたら」

唯「とびっきりの笑顔で だきつくよ」

憂「…」

*  *


憂(ずっと届いてるよ……お姉ちゃん)


───

憂「……」がさごそ

唯「うい!?」

憂「…」

唯「なにしてんの……うい」とん

憂「おえーちゃん…」

唯『薬?』

憂「…」こく

唯「うい……」

唯『食後だけだよ』

憂「うぅ……」

唯『焦らなくても、絶対治る!大丈夫!』

憂「……」ぽろぽろ

唯『寝よう、まだ4時だよ』

憂「うん…」

かたんっ

唯「あっ」

びちょ

憂「あああ……おえーちゃん」

唯「コップあったの気付かなかった」

憂「お水拭かあいと」

唯「うん、ごめんねうい」

憂「おえーちゃん、大丈夫?」

唯「うん……って紙濡れちゃった」

憂「?、タオル持ってくるえ」たたっ

唯「ありがと~」

唯「…あ~あ」

憂「おえーちゃん、服変えたほうがいいえ」

唯「ふふ、うい、後は私が自分でやるから」

憂「??」

唯「…紙~」きょろきょろ

憂「はい」

唯「おお、チラシの裏」

唯『自分でやる、ういは戻って寝てて』

憂「え」

唯「おっけぃ」ぐー

憂「大丈夫?」

唯「大丈夫!」ぐー

憂「じゃあ戻ってうえ」とたとた

唯「うん」

唯「まずは床を拭こう」

唯「…こぼしたのが水で良かった」ふきふき

唯「…ねむ」


唯(さむ…)

唯「あー……早く着替えよ」

唯「あれ?私のペンどこだ?」

唯「ペン~…」


6
最終更新:2011年03月18日 23:07