───翌朝

唯「……」

憂「おえーちゃん」つん

唯「ん……うい」

憂「9時だよ」

唯「もう9時か……」くしゅん!

たらー

憂「おえーちゃん、はあみずが」

唯「うお」

憂「あってて」ふきふき

唯「ありがと」

憂「おえーちゃん風邪?」

唯「う~ん……」

はっくしょん!

唯「えへへ…」

憂「おえーちゃん……」

唯『大丈夫』

唯「よっと……うっ」

憂「?」

唯(なんか体がダルい……)

憂「おえーちゃん?」

唯「へへ~……」

*  *  *

憂「おじあだよ、おえーちゃん」

唯「ありがと~うい~」

憂「…」にこ

憂「ふ~、ふ~」

唯「おいしそ~」

憂「あ~ん、って」

唯「あ~ん」ぱく

唯「うんうん」もぐもぐ

憂「…」にこ

唯「んまい!」

唯『おいしい!!!』

憂「よかった♪」

憂「はい、あ~ん」

唯「あ~ん」ぱく

唯「おいひ」もぐもぐ

憂「…」にこにこ

唯「ういにも食べさせてあげる~」

唯『スプーン、パス!』

憂「?、はい」

唯「ふ~、ふ~」

唯「はい、うい、あ~んして~」

憂「あ~ん」ぱく

憂「…」もぐもぐ

唯『おいし?』

憂「…」こくこく

唯「良かったねぇ」

憂「おえーちゃん、スピューン」

唯「はい」

憂「じゃあおえーちゃん、あ~ん」

唯「あ~ん」憂「あっ」

ぽてっ

唯「あちっ!!」

唯「あちちちちっ!!」

憂「ご、ごめんね、おえー…お姉ちゃん」

唯「あちちち……」

憂「……」ぐす

唯「うい!?」

憂「お姉ちゃん……聞こえた」

唯「え?え!?ちょっと待ってて!!氷持ってくるっ!あちちち」たたっ

憂「…あ、あ、あ、」

憂「い、う、え、お……」

憂「聞こえる……聞こえる……」ぽろぽろ

がちゃん

唯「うっ……なんか気持ち悪くなってきた」ぜぇぜぇ

憂「お姉ちゃん……耳が」

唯「治ったの!?」

憂「うん…!」

唯「やったぁぁ!!!…げほっげほっ」

憂「お、お姉ちゃん落ち着いて」

唯「うい!うい!……おえっ」

憂「お姉ちゃん!?大丈夫!?」

唯「ご、ごめん、ちょっとトイレ……」

憂「う、うん…」

唯「なんでこんなときにぃ」はぁはぁ

*  *  *

唯「吐いたらすっきりした!」

憂「大丈夫かなぁ…」

唯「それよりもうい!!……ぐす」

憂「お姉ちゃん……」

唯「さすがうい……私の妹……よくやったよぉ…」ぽろぽろ

憂「お姉ちゃんがずっとそばに居てくれたから…」

唯「うい~!!」ぎゅ

憂「お、お姉ちゃん」

唯「良かった、良かったぁ~…」ぐふ

憂「えへへ…」

唯「は、はやくみんなに知らせないと」ぴっぴ

憂「い、いいよ~、お姉ちゃん」

唯「みんなういのことを心配してたんだよ!」

憂「うん……」

唯「もしもし!?和ちゃん?」

『おかけになった電話は、電波が届かない場所にあるか、電源がはいっていないため、かかりません』

唯「もお……和ちゃん真面目なんだから」

憂「お姉ちゃん、今授業中だしやめようよ」

唯「それどころじゃないよ!」

憂「お姉ちゃんやめて!」

唯「う、うい」

憂「いいよ、お姉ちゃんの声が聞けるだけで私は嬉しいから…」

唯「うい……」

憂「今はお姉ちゃんとゆっくりお話ししたいな……なんちゃって」

唯「…うんっ!うい、お話ししよう!」

憂「えへへ~…」

唯「…」

憂「…」

唯「…なに話そっか」

憂「そうだね……」

唯「う~む…」

憂「お姉ちゃんのけいおん部の話、聞きたいかな~」

唯「軽音部!?いいよー!!」

憂「えへへ~…」

唯「じゃあまずはわたしが軽音部に入ったいきさつを!」

憂「うんっ!」ぱちぱち

*  *  *

唯「というわけで、うい、今からでも軽音部来ない~?」

憂「う、う~ん…」

唯「楽しいよ~、けいおん部」

憂「…考えとくね!」

唯「むぅ……なんか聞いたことある~」

憂「えへへ~」

唯「うい~…」

唯「あっ」

憂「?」

唯「りっちゃんたちにメール送ろっと」

憂「お姉ちゃん」

唯「今お昼休みだし~」

憂「そっか」

唯「ふふ、みんな驚くよ~」

憂「…」

唯「私たちも明日から学校行く!?」

憂「う、うん」

唯「また一緒に行こうね、うい」

憂「うんっ!」

唯「澪ちゃんのおかげで授業もついていけそうだし~」

憂「わたしも、梓ちゃんのおかげで!」

唯「みんなのおかげだね~」

憂「うん!」

唯「ふふふ~」

唯「なんか眠くなってきた…」ふあ~

憂「え」

唯「ちょっと横になっていい?」

憂「そうだ……お姉ちゃんごめんね…」

唯「いいのいいの、ういが治ったらなんか元気になった気がするし!」

憂「えへへ…」

唯「明日は学校行けるように、エネルギーを蓄えておくよ!」

憂「澪さんたちは……」

唯「あ、うん、来るよ~」

憂「お茶とお菓子準備しておこうかな」

唯「ういも一緒に寝ない~?」

憂「えっと…」

唯「あ、風邪移しちゃうかも。やっぱうい近寄らないで」

憂「えっ……う、うん」

唯「はぁ~よかったなぁ~うい~」にこ

憂「お姉ちゃんのおかげだよ」ぎゅ

唯「ういー」

憂「おねーちゃーん」

唯憂「えへへ~…」

唯「ずっと一緒だよぉうい」

憂「うん、お姉ちゃん♪」

あったかあったか


───発症7日目

憂「お茶どうぞ~」

澪「ありがとう」

律「にしても良かった良かった」

梓「部室が唯先輩の家に移動したようなもんでしたよ」

紬「まあまあ♪」

唯「みんな一週間ありがとねぇ」

律「ああ、ぜんっぜん気にしなくていいぞ」もぐもぐ

澪「なんか逆にすまなかったな…憂ちゃんにも」

憂「いえいえ、皆さんのおかげです」

梓「憂は人が良すぎるんだから」ごくごく

律「憂ちゃんはもう完全に回復したの?」

憂「いえ……まだ完全に、ってわけではないんですけど」

唯「ういーそこのクッキーとって~」

憂「はい、お姉ちゃん」

唯「ありがと~」

律「なんだか安心する光景だよな」

澪「安心はする、するんだけども…」

梓「唯先輩、しゃきっとしてください!」

唯「まぁまぁ~」

澪「あ、唯、これが一応最後のコピーだから」

梓「憂にも……はい」

唯憂「ありがとう」

紬「ハモった~♪」

律「2人とも明日から復帰だな」

唯「うん!」

憂「はい!」


───発症から14日目、神社

憂「お姉ちゃんがけいおん部のみなさんと同じ大学にいけますように」

憂「…」

憂(お姉ちゃんと2人で暮らせる日もあと…)

憂(お姉ちゃんが大学に……)

憂(合格しますように)


───平沢家

澪「いい?このthatの先行詞はここに──」

唯「ほうほう」

律「はぁ~」

がちゃ

憂「ただいまぁ」

唯「おかえりー!!」

澪「おう、おかえり」

憂「澪さんも律さんもありがとうございます」

律「あー、いいのいいの気にしないで」

澪「お前は何もやってないだろっ」

憂「お昼買ってきたので…もし良かったら」

澪「一旦休憩にするか?」

唯「うん!」

律「おお!?なになに?」

憂「お寿司なんですけど」

唯「待ってましたぁ!」

憂「ふふ、ちょっと待ってね」

律「こら唯、落ち着け、落ち着くんだ」

唯「りっちゃんだって~」

澪「ところで憂ちゃん、もう耳は…」

憂「はい、おかげさまですっかり」

律「良かった良かった」

澪「それにしても怖いよな、急に聞こえなくなるってのも」

憂「えへへ…まぁ」

唯「お医者さんはストレスが原因!って言ってたけどさ、なぞじゃない?」

律「澪もあんまり体重気にしてるとそのうち…」

澪「ひ、ひぃ」

憂「…」

唯「うい?」

憂「…ふふ、お寿司食べよう?」

唯「うん!」ひょいぱく

澪「…」

律「あ!唯!ちゃんと数をかぞえて食べろよ!?」

憂「いっぱい買ってきたので遠慮せず食べてください」

唯「ん~♪おいし」


───それからしばらく経って

唯「うい~…」

憂「おかえりお姉ちゃ……って!?」

唯「ミスった…」

憂「ど、どうしたのその髪……」

唯「切ってしまいました」とほほ

憂「どうして自分で…?」

唯「だってぇ~……どうしよおーうい~~」

憂「どうしようって言われても」

唯「これだよ!?これが一生残るんだよ!?」

憂「卒業アルバムの撮影、だね」

唯「うぅ……」ぽろぽろ

憂(朝あんなに一生懸命考えてたのに……お姉ちゃんかわいそう)しゅん

唯「はっ」ぴこん

憂「…?」

唯「うい!私に変装して!!」

憂「へ?」

唯「ういが私の代わりに撮られればいんだよ!いや~持つべきものは妹だねぃ」

憂「お姉ちゃん……それはさすがに」

唯「…うえええん」ぽろぽろ

憂「う~ん…髪はあげられないし…」

唯「…」ぽろぽろ

憂「私はお姉ちゃんのその髪型もかわいいと思うけど…」

唯「…そお?」

憂「うんっ」

唯「…えへへ」

憂「だから」

唯「…でもやっぱりやだぁ」ぐす

憂「しょうがないよ、お姉ちゃん」

唯「くぅ……もう絶対自分で髪切らないっ」

憂「それがいいね」


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最終更新:2011年03月18日 23:14