特訓から数日後
澪の手が、梓の顎を優しくつかんで、強制的に顔を上げさせた。
澪が、梓の濡れた唇を奪う。
舌をねじ込んで、戸惑う梓の舌を絡め取る。
反射的に逃れようとする梓の体を、そっと抱くように押さえ込んで。
口の中を犯すように、かき回し、梓の唾液を吸い上げる。
長いキスを終えると、梓の顔はすっかり火照っていた。
「梓、可愛いよ」
熱に浮かされたような澪の言葉が終わらぬ内に、梓はベッドに押し倒された。
梓の唇の端に残った唾液を啄んだ澪は、さらに喉元にキスをして舐めあげる。
「ぁ……!」
か細い梓の嬌声を楽しみながら、首周りからうなじへと、口付けては、優しく啄み、舐めて辱める。
弱い刺激は、けれどもひどく官能的で、梓は己の内側からゾクゾクとわき上がる快楽を感じていた。
「梓は私のものだからな」
「……はい、澪先輩」
「ふふ、これからその意味を体で教えてあげる」
その一言で、梓の体は小さく震えた。
顔が熱くなるのを感じて、澪から視線をそらす。
ベッドの上で無防備に組み敷かれる梓は、唇もうなじも澪の口付けに濡れていて、
桜色に染まった肌は、普段からは想像も出来ないくらい扇情的だった。
ゆっくりと梓のシャツのボタンを外していく澪。
梓はその手の動きをじっと見つめるだけで、抵抗する様子はさほどもない。
全てのボタンを外すと、澪の手は下半身を覆うパンツに伸びた。
ベルトを緩めてそれを剥ぎ取ると、梓のピンク色の下着が露出する。
シャツを開かれ、上下の下着を晒された梓のあられもない姿が、無作為に澪の情感を煽る。
しばらく腰や胸の下あたりを指で優しく愛撫しながら、梓の体を眺める澪。
やがて触れるか触れないか程度に、下着の上からスリットに指を這わせた。
しっとりとした気配に満足そうな表情を浮かべた澪は、くいっと指を押し込んだ。
「……っあぅ……!」
「梓、少し濡らしてるな。可愛いよ」
その状態に、梓はもうどうして良いかまるで分からなかった。
それらしい行為はまだ始まったばかりなのに、体が先走るように感じてしまっている。
ただ戸惑う気持ちを抱えて、赤面するくらいしか出来ることはない。
澪は梓の上に覆い被さって、再び優しくキスをした。
小鳥が啄むような浅いキスを二、三度繰り返し、両手を梓の後ろに回す。
抱きしめるように回した手でホックを外し、上の下着をずらすと、まだ未成熟な梓の胸が外気に晒される。
その頂点はピンと勃って自己主張していた。
澪は優しく胸に手を這わせて、やんわりと何回も揉みしだく。
桜色の頂点には触れられていないが、梓は胸全体からじんわりとした快楽を感じていた。
澪に両手で撫で回された胸から来る快感が、頭に直接響くような錯覚。
知らずに呼吸が微かに乱れていた。
澪の細い指がようやく梓の乳首を捉える。
けれど、直接触れることはなく、ただその周りを軽く摘むように刺激するだけだ。
梓にとってはもう痛いくらいに勃っているそこの疼きを、早く鎮めてほしいのに、澪は優しく愛撫するだけ。
なんと言って良いか分からないまま、黙って澪を見つめる。
切なそうな梓の様子を楽しむように、澪は舌を胸に這わせる。
優しい、粘つく愛撫。
双丘の頂点の周りを何度も舐めあげ、しかしそこには決して触れない。
生まれて初めての焦らされるという快楽が、梓の思考を確実に蝕んでいた。
「……ぁ……澪先輩……」
「ん?」
「……いえ……その……」
素直になれなくて口を噤む。
不意に澪が、自身の唾液でたっぷり濡れた柔らかい唇で、優しく梓の乳首を咥えた。
甘噛みよりもささやかなそれは、しかし梓を喘がせるのに十分すぎる程の刺激だった。
「ぁうっ……!」
「ちゃんと言わないと、これ以上してあげないぞ」
少しだけ憮然としたふりを見せる澪。
梓は怯えたような眼差しで澪を見つめて口を開いた。
「澪先輩……胸が切ないです……」
口に出した瞬間、梓は恥ずかしくてたまらず視線を逸らした。
しかし顎に手を添えられて、強引にキスをされると、澪の熱っぽい視線を見返さないわけにはいかなくなる。
「どうして欲しいんだ?」
梓は澪が自分の心まで徹底的に辱めるつもりだと直感した。
どうしてほしいか、など分かっていながら、あえて言葉に出させて愉しんでいるのだ。
逃れることなど出来るはずもない。
「体で教えてあげる」なんて言葉が頭の隅で残響した。
まさにその通りだ。
与えられた快楽を拒むことなど出来ず、ただそれに翻弄されるだけ。
けれど本当はそんなこと、教えてもらわなくても分かっていた。
――この体も、心も、もとより澪先輩のもの。
「体を澪先輩の好きにしてください。私を澪先輩のものにしてください」
「分かった」
今度はどちらともなくキスを交わす。
口付けては、そっと離れて、再び息が詰まるようなキスが続く。
梓はあまりにもその瞬間が愛おしくて、意味もなく泣き出してしまいそうだった。
幸福だと人は泣くのだということを、改めて実感する。
けれどその穏やかな時間は、不意に終わりを告げた。
澪が梓の胸の蕾を口に含んで転がした瞬間、部屋にくぐもった喘ぎ声が響いた。
ずっと押さえつけてきた快楽に火をつけるようなその行為で、梓の体は瞬く間に火照りを取り戻した。
澪の執拗な愛撫は続く。
敏感になった乳首に吸いつき、時に唇で挟んで扱きあげる。
口に含まれていない方は、澪の指に摘み上げられ、くりくりと転がされていた。
先ほどまで焦らされた分、余計に感じてしまう梓の口からは、必死に押し殺そうする艶かしい声が絶えず零れ落ちる。
「……ぁ……はぅっ……! ……あ……あっ!」
澪はその旋律を楽しみながら、巧みに刺激を与えていた。
両方の胸の先端をたっぷりと口で可愛がった後には、唾液でべとべとになったそこを指で摘みあげる。
きゅっと鋭くつみ取って、あるいは弄ぶように転がして。
すっかり堅くなった双丘の頂点を、唾液を潤滑油に擦って扱くと、梓から一際大きな喘ぎが漏れた。
「あぅ! ……ゃ……いっ……や……んぅ……っん!」
梓のショーツは愛液に濡れて僅かに変色していた。
澪は片手で梓の胸を弄びながら、舌でへそを舐め、そして秘所に手を添えた。
中指を下着の上からスリットに押し込ませると、チュプリと水音を立てて沈み込んだ。
びくっと梓の体跳ねて、その手が澪の腕を反射的に掴む。
「……澪先輩、そこは……」
乱れた呼吸を整え、梓が恥ずかしげに視線で懇願する。
今まで一度として経験したことない快楽を、本能的に避けようと。
「駄目だ。梓は私のもの。手、離して」
けれどそんな梓をたしなめるように、にべもなく答える澪。
梓の力の入らない両腕を握って、肩より少し上の位置に押しつけた。
「肩から下に手をだすのは禁止。手はこの位置に固定だ」
「そんな……!」
「口答えもダメ。梓は誰のもの?」
「……澪先輩のものです」
「だったら逆らったら駄目だろ?」
「……はい」
「素直で良いな。約束破ったら、お仕置きだぞ?」
「お、お仕置きですか?」
「そうだな。私の指で梓が泣いて許しを請うくらい可愛がってあげる」
にこにこと笑う澪。
お仕置きで可愛がられるという言葉に、梓は無意識に不穏な気配と淫靡な期待を覚えてしまう。
下着越しに梓の秘所に当てられた指が、ゆっくりスリットを撫でた。
愛液でべとべとになった下着で、クリトリスを擦られる形になり、思わず体が仰け反る。
「敏感だな。可愛いよ、梓」
「ダメっ……です。澪先輩、やめ……ん……っく……あぁっ!」
制止をかけようとした梓の陰部を、澪の手がさらにまさぐった。
粘液とざらざらした布で、断続的に肉芽を責め立てられた梓は、声を押さえることもできなかった。
繊細で柔らかな甘い官能が、直接脳に響いて思考を蕩けさせる。
両脚の間には澪の体が割って入っていて、その細い太股を閉じることも出来ず、手は先ほどの制約で、ベッドに張り付けになったまま。
梓には何の抵抗も出来はしない。
「あ……やだ……んんっ! ……あ……あ……んっ……あああっ!」
漏れる嬌声を手で押さえようとして、澪に見咎められた。
慌てて手を元の位置に戻すと、澪は機嫌良く淫行を再開する。
もはや梓は完全に無抵抗であるにもかかわらず、澪の責めには容赦がなかった。
下着をずらして秘所から指で愛液を掬い取り、クリトリスにたっぷりと塗りつけると、
布越しにも分かるほど勃起したそれを幾度も擦って刺激した。
数十回も指が往復する頃には、呼吸はすっかり乱れ、梓の体はじっとりと汗ばんで、時折小さく痙攣するように震えだした。
「も……ダメ……です……! そこ……ばっかり……っく……あ……あぅぅ」
梓の下着は、秘所からあふれたもので愛液まみれになっていた。
お尻のあたりまですっかりぬるぬるになっている。
息も絶え絶えになっている梓、澪はその一番敏感な肉芽の周りを指でなぞって、一旦責めを中断した。
「ぁ……はー……はー……もう……やめ――ひぅ!」
「やめないよ。こんな可愛らしい梓、私が逃がすと思った?」
一息つけると思った梓の心を弄ぶように責めが始まる。
左手の指で梓の秘所を広げながら、下着の上からクリトリスを指で軽く叩く。
そのまま指で押しつけるようにぐりぐりと刺激される。
梓の喘ぎがだんだんと短い間隔になっていく。
両側から押さえるように肉芽を摘むと、一際大きな嬌声があがった。
腰が跳ねて、とろりと愛液が流れ出た。
絶頂が近いのだろう。梓の目は虚ろで、荒い息づかいが澪の耳をくすぐる。
指でクリトリスを擦りながら、澪は秘所に顔を近づけ、下着に口付けた。
澪の唇が、愛液でしっとりと濡れる。
クリトリスの上をちろちろと舐めて繊細な刺激を与える。
梓はその光景を見ただけで達してしまいそうになって、何とかこらえようとした。
しかしさらに、澪が舌でぐりぐりと肉芽を押しつぶしては転がし、吸いつかれた時には、もうとても耐えられるものではなくなっていた。
「あ、あっ! んあ! やっ、……い……っく! ああ!」
「……まだイっちゃ駄目だ」
達する寸前のところで、澪の愛撫が途切れる。
が、すぐに再開され、しかもその責め自体はまったく緩められることはなかった。
徹底的にクリトリスを責められる。
下着をつけたままとはいえ、舐められ、吸い付かれ、舌でいたぶり倒された梓はすぐに絶頂近くまでたどり着き、
「あ、も……だめ……や……ッッ――!!!」
限界まで我慢した快楽が一気に解放され、声をあげることも出来ずに絶頂を迎えた。
びくびくと体が痙攣している。
澪は、あまりの刺激にぐったりしてまだ息の乱れている梓を、ぎゅっと抱きしめた。
唇を拭って優しくキスをすると、梓が潤んだ瞳で見つめる。
「……やだ、私……」
「気持ちよかった?」
「う……はい」
恥ずかしそうに頷いて、澪の唇を塞いだ。
とりあえず、キスしている間だけは目を閉じていられるので、それが唯一の梓の逃げ場だった。
「じゃあ、再開だな」
「……え?」
「まだ駄目だと言ったのに我慢出来なかった罰だ。下着、脱いで」
抵抗かしようかという逡巡、はすぐさま消えた。
もはや無駄だと悟ったのである。
諦めてショーツを脱ぐと、秘所から愛液が糸を引いた。
梓が顔を赤らめると、愛おしそうに澪が頭を撫でる。
「まだたっぷり可愛がって上げる」
「……ほどほどにお願いします」
澪は秘所を優しく刺激しながら、ぬるぬるした愛液を指に絡める。
さきほどさんざん嬲られて敏感になっているクリトリスを直接触られると、梓の中でずくりと官能が首をもたげた。
体の準備はとうに出来ている。
澪の指がスリットを這い、中に入った。
「んっ……」
微かな痛みと快楽が同時に梓を責めるが、すぐに快楽が勝り始める。
澪の細い中指を根本まで入れられ、中で折り曲げられた指がひだを撫でると、ずくずくと快楽が広がる。
クリトリスよりも緩やかで、じわじわと溜まっていくような官能に、梓は軽く恐怖を覚えた。
このまま機械的に指で刺激されるだけでも達してしまいそうだと、本能的に感じた。
実際ゆっくりピストン運動しているだけの澪の指で、体は自然と反応してしまっていた。
愛液は徐々にあふれ、息が少ずつ乱れ始めている。
指の往復運動がだんだん早くなっていく。
「……ん……ぁ……あ……」
鼻から抜けるような小さな喘ぎが漏れ始めた。
こうなってしまえば、後は快楽の坂を転がり落ちるだけだ。
一度絶頂を覚えてしまった体は、その刺激に抗うこともできない。
折り曲げた指で、クリトリスの裏側あたりをひたすら重点的に責められる。
「っふ……ん……いぅ、なんでこれ……こんな……ぁんん!」
快感がどんどん蓄積されていく感覚に、思わず梓は身悶えした。
クリトリスの快楽が瞬間的なのに対し、この刺激は鈍痛のように徐々に体を侵していく。
さらに澪はピストンの速度を上げた。
初め、歩くようにゆっくりと犯していた指は、今やちゅぽちゅぽと水音が立つくらい激しく梓の膣を責めていた。
「んっ……! ぁん……うそ……もぅ……ぁ……あっ! っはー……っん!」
途切れ途切れの喘ぎが、梓がかなり追い込まれていることを端的に示していた。
「なんだ、もうイきそうなのか?」
「はい、はっ……んぅ……」
「まだ駄目だよ、我慢しないと」
「だって……ぁ……いゃ……指が……澪先輩の……」
「ん?」
「指……あ……や……ダメ……いっ――」
話しながらも責め続けられていた梓の腰が跳ねる。
その寸前、澪の責めも中断されていた。
達する手前で止められた快楽に、梓がとまどいの表情を見せると、まだ膣の中にあった澪の指が再び小さく動いた。
「あぅ……っくぅ……」
微かな指の蠢動に、信じられないくらい大きな刺激を受けて、梓が可愛らしい悲鳴を上げた。
中を細かく振動するように指で刺激されると、ゾクゾクとした快感が梓の体中に広がっていく。
ちょうど肉芽の裏側にある一点に触れられると、鋭角的な刺激が、体に突き刺すような快楽をもたらした。
「はぅっ! ぁ……はー……」
「ここが良いんだな」
「ちがっ、っんん……!」
くっと澪の指が曲げられて、そこを柔らかに圧迫され、押し殺された嬌声が響いた。
自分では全く制御できない澪の与える肉の快楽に、ただ従うしかない。
ゆっくりとした前後運動でそこを嬲られると、抵抗する意欲すら失われてしまう。
さらに澪の指は、そこを強弱をつけて押さえたり、振動させたり、
前後に、あるいは小さな円を描くように擦りあげて、けっして梓をその快楽に慣れさせない。
緩急のある責めはたやすく梓の理性を蕩けさせた。
弱い圧迫、前後に擦る運動、一旦休んで、小さく振動させられ、耐えきれずに声を上げたところで、
緩慢に円を描いて擦られ、徐々に激しいピストン運動にかわっていく。
「あっ……ぁあ……あっ! ……ぅ……ぃやあ! ……あ……あっ……」
「もう完全に私の為すままだな。可愛いよ、梓」
梓を絡め取る快楽の波は、しかしけっして満足させることはない。
達しそうになる度、澪はその責めを緩めて、僅かに時間をおいて再度責め始める。
無限に続くような極上の快感で、梓の意識は徐々に希薄になっていった。
指を動かされれば、嬌声を上げて鳴き、息を乱し、体を反らせ、秘所はクチュクチュと水音をあげる。
澪の与える刺激に翻弄されるまま、ただ女の悦びを貪る。
梓はまるで澪に従順な性の奴隷のようだった。
「ぃや……ああっ! っい……もっ……やめ……やぁっ! ……また……イきそ」
「まだ、ダメ」
澪に甘く囁かれて、思わず梓は達してしまいそうになった。
いや澪が責めさえ緩めなければ、確実に絶頂を迎えていただろう。
ぞくりとするほど艶やかな澪の声音が、梓の被虐的な官能を炙って、体が意志とは関係なく反応してしまうのだ。
最終更新:2011年03月23日 21:09