【第2部】※梓視点
ジャジャーン!!
澪「ふぅ…今日はなんだかいい練習だったな」
唯「うん!なんかすごいあってたよね!」
梓「そうですね!こういう練習が毎日続けばいいんですけどね…」
律「………だってさ、唯」
唯「わ、私!?」
梓「あはは…別に、唯先輩どうこうってわけじゃないですけどね」
梓「それじゃあ、すいません。今日は用事があるので、先に帰りますね。お疲れ様でした」
4人「お疲れ様ー!」
ガチャッ
梓「ふぅ…早くしないとドラマ始まっちゃう…」
タッタッタッ・・・
梓「(あ…)」
梓「(トイレ寄ってこ…)」
梓「(やっと着いた…)」
なんでこの高校ってこんなにトイレ少ないんだろ…
けいおん部に一番近いトイレがここだったから来てみたけど…
もう外も暗いし…結構怖いかも…あんまり使われないトイレだってよく聞くし…
梓「(う…すぐ済ませて帰ろう…)」
「あぁん…ぅ……///」
梓「!?!?」
梓「え!?え!?何この声…」
あの個室から聞こえる…
なんだか聞き覚えのある声のような…
「ひゃぁ…///んぁあ//」
梓「(この声、もしかして…あえぎ……声、かな…//)」
だれか…なにかエッチなことでもしてるのかな…//
この声…聴き心地…誰かに…似てるような…
もしかして……純!?!?
「ぁ…うぃ…憂…///」
梓「(う…憂!?!?)」
え?え?今憂って…
まさか…純と、憂が、せっ…セックス…してるとか…?
でも、ここの個室結構小さいから、二人はいったらきついような…
じゃあ、もしかして、純が憂で…オナニーしてるとか…//
梓「(……って!まだ純か決まったわけじゃないし…)」
ガタッ!ガタン・・ガタガタッ!
梓「(って!あ!出てきそう!)」
カササッ!
梓「(あわてて個室に逃げちゃったけど…ばれないよね…?)」
ちょっとだけドアを開けて、誰なのかを…
ガチャッ!
スタスタスタ・・・
梓「(………///)」
純だし…//
梓「(くすっ、純、何もしてないように見せてるけど、顔真っ赤!)」
ぷっ、ふふ。あはは
梓「(……あ……)」
そっか……純、憂のこと考えながら…オナニーしてたんだ……
梓「(…………嘘…)」
もういいや、トイレなんていかなくて……
【次の日】
【昼休み】
梓「はぁ…眠い……」
昨夜は、寝れなかった。
梓「(純…)」
純「梓は?どう?」
梓「(私、もしかして……もう無理なのかな…)」
純「…………梓ぁー?」
梓「…………………ぇ……え?ご、ごめん、なんか言った?」
純「(??)」
【けいおん部へ行く途中】
梓「(純…)」
もう、無理なのかもしれない。
私は、憂のことが好き。
私は、純のことも好き。
友達として?恋愛の対象として?
わからない。
ただ………
梓「(純が……)」
梓「(純が、憂を好きなのは…もう事実…だよね。)」
だって、あんなに顔を赤くしてるんだもん。
ばればれだよ、純。
梓「(……はぁ……)」
遅すぎたんだね。
遅かったんだね、私。
もう、取り返せないんだ。
時間は。
過ぎた時間は。
過ぎ去ってしまった時間は。
遅かった私は無能。
何ができるだろう、私に。
遅れた私に何ができるだろう。
梓「(………)」グスッ
目が熱い。なんだろう…なにか熱い液体が目に…。
梓「(だっ、駄目だ私!今からけいおん部行くのに、目が赤かったら泣いてたのばれちゃう)」
ゴシゴシッ
右手の服の袖で涙をぬぐう。
幸い、周りにはだれもいなくてよかった…。
涙はぬぐったけど。
心には何かが引っ掛かってて。
梓「(遅れてしまった私に出来る、何か…)」
あるだろうか、そんなもの。
自問自答して、なにか報われるだろうか。
……………わからない。
きっと純は悩んでる。
苦しんでる。
ガチャッ
唯「あっ!あずにゃん!」
澪「お、梓。珍しく遅かったな」
梓「すみません…ちょっと用事があったので」
唯「よしっ!それじゃああずにゃんもそろったことだしっ!お茶にしよう!」
澪「っておい!今日は最後の文化祭に向けての曲作りだろっ!」
私が純にできること、あるかな。
でも、それを思いついたところで
私の痛みは………消えないね……
【学校へ行く途中】
純「(梓が応援してくれるとは言ってくれたものの…)」
純「(まぁでも、このままでも、いいんだけどなぁ……)」
純「(って、よくはないんだけどね)」
純「………って、あ!梓!」
私の前には梓が歩いていたけど
純「(なんか…やめとこ。今日は一人でいこっと…)」
【学校】
【放課後】
純「(憂は…もう帰ったね。よし。)」
純「………そのさ………あずさ…」
梓「ん?」
帰り支度をしている梓に話しかける私
純「昨日さ…協力してくれるみたいなこと……いってたじゃん?」
梓「ぁ…」
梓「その…そのことだけど…」
梓「あのね…」
梓「あまり驚かずにに聞いてほしいんだけど……」
純「なっ…何……?」ゴクリッ
梓「唯先輩がね……」
梓「憂に…告白したみたいで……」
純「………は?」
『 「遅れ」は悪 』
梓「憂も……」
梓「憂も……試しで、付き合うだけなら了承しちゃった…みたいで……」
純「」
純「」
ガタンッ
梓「じゅ、純!?」
純の座っていた椅子は勢いよく倒れる
純「……………唯先輩のところ………行ってくるね…………」
梓「純!!」
タッタッタッ・・・・
梓「行っちゃった…」
梓「………純………」
――――
『 「遅れ」は悪 』
ガラッ
教室のドアが大きな音を立てて開く
純「唯先輩!」
唯「ほぇ?えっと……確か…あ!純ちゃん!?」
純「唯先輩…ごめんなさい、いきなり来たりして。」
純「二人っきりで話したいことがあるので……来てもらえませんか?」
唯「ぇ?あ、うん…いいけど…どうしたの?」
純「ここじゃ話せないので…来てほしいです」
唯「ぁ…うん…」
律「おぉ!?どうした、唯!もしかして告白とか?」
澪「やめろ律!結構真剣だぞ…」
【使われていない教室】
純「唯先輩…その……」
唯「どうしたの?いきなり…」
純「その…憂のこと…なんですけど…」
唯「!?」
純「聞いてください…私の……気持ちを…」
カクカクシカジカ
唯「……そっか……そうなんだ…」
唯「でもね、純ちゃん。」
唯「渡さないよ?憂は」
純「………!」
唯「もうね、私と憂、付き合ってるもん。」
唯「お互い愛し合ってるんだぁー//」
唯「フフッ」
唯「クスッ・・・純ちゃん?」
純「………なんですか」
唯「遅かったね、純ちゃん。」
唯「なんだか、すごい哀れだよ。」
純「……クッ!」
唯「私と憂が付き合い始めたのに、今になって、憂をくださいだなんて…」
純「べっ!別に、そういうわけじゃ!」
唯「そうでしょ…?そうだよね?」
唯「……今頃来たって………遅いよ。」
唯「フフッ・・・それにしても…純ちゃんが、レズだったなんてね…アハハ」
純「なっ!そ、そんなの、唯先輩だって!」
唯「いくら女子高だからって…さすがに引くよ」
純「なんでっ!唯先輩だって!」
唯「私は、周りから見たら、単に仲が良い姉妹だもん。」
純「うっ…」
唯「アハハ・・・このこと、広めたらどうなるだろうね」
純「!!!!!」
純「(う…嘘…そんな、広められたりしたら…)」
純「(私が馬鹿にされるどころか………憂にまで完全に迷惑がかかる!)」
純「い、いくら先輩でも…それはひどくありませんか!?」
唯「アハハ」
唯が、純の背後に回り込む
純「って!え!?」
唯「(ごめんね…純ちゃん…)」
純「ハッ!?」
純「………」
純「………………………え?」
純「夢?」
【第2部】終了
最終更新:2011年03月25日 19:46