琴吹ビル。

唯「あ!ムギちゃんだぁ!」

律「おーい!ムギー!」

紬「あ、みんな来てたのね!琴吹家クリスマスパーティーにようこそ!」

澪「す、凄いな……」

梓「人いっぱいいますね!」

憂「あ、お姉ちゃんケーキがあるよ!」

唯「わぁ~本当だ!」

律「ケーキの他にも色々あるな……あっー!コレ見ろよ澪!」

澪「七面鳥だ……」

梓「美味しそうですね!」

憂「私まで来てすみません」

紬「うふふ~いいのよ~」

唯「うわぁ~このケーキ美味しー!」

紬「沢山食べていいのよ~」

唯「うん!パーティーに招待してくれてありがとう!」

律「しかしムギのお父さんの会社ってこんなに凄かったんだな……」

澪「また太る……」

梓「あれ?あの人ってムギ先輩のお父さんですか?」

紬「そうよ~お父様~私の友達がいらしたわよ~」

紬父「おぉー!アナタ達が紬の友達ですか」

律「は、はい!」

紬父「私はジョセフ・コトブキ・タカギだ。何時も娘がお世話になってるみたいでありがたいよ」

澪「い、いえ!お世話になってるのは私達です」

紬「お父様。お母様は来たの?」

紬父「それがまだみたいなんだ。まぁゆっくり待つとするよ。あの子みたいにケーキを食べながらね。ハッハッハッ」

憂「お姉ちゃんチーズケーキもあるよ!」

唯「わぁ~本当だ!」

紬父「ハッハッハッ元気な子達だ」

梓(うぅ……恥ずかしい……)

ハリー「おやぁ~おやおやぁ。紬さんではございませんか」フンッフンッ

紬「あ……こんばんは……」

紬父「ハリー。娘に近寄るな」

ハリー「アハハ……今日はパーティーじゃないですか。そんな固い事は言わずに……ね、社長?」フンッフンッ

紬父「いいから……」

紬「お父様いいんです……」

ハリー「ほら、娘さんもこう言ってる事ですしね?社長?」

律「ムギ……この方は?」

紬「ハリー・エリスさんよ」

澪「日本語ペラペラですね」

ハリー「あぁ、僕にしてみたら日本語なんかちょろいもんさ……で、この人達は誰だい?」

紬「私の友達です」

ハリー「あそこに居るケーキをドカ食いしてる人もそうなのかい?」

紬「えぇそうですよ」

ハリー「おやおや、随分品の無い食べ方だなぁ~紬さん友達は選ばないと」フンッフンッ

紬「…………」

唯「ムギちゃーん!このケーキ美味しいよ~」

紬「ありがとうね唯ちゃん」

憂「お姉ちゃん口にケーキがついてるよ」フキフキ

唯「えへへ~ありがとぉ~」

唯「あれ?ムギちゃんこの人達は?」

紬「私のお父様と平社員のハリーさんよ」

ハリー「平社員?ハハハもう一度言ってくれ僕が平社員だって?」フンッフンッ

紬父「もういい!黙れスピーチの準備をするお前も着いて来い」

ハリー「まったく仕方ないですねぇ~あ、後でさっきの言葉は訂正させて貰うよ。勿論お友達の前でね」

律「何だか嫌味な人だったなぁ~」

紬「私もあの人嫌いなの……コカインやってるって噂だし……あ、今のは聞かなかった事にしてね」

澪「あぁ、わかった。私達も何か食べないか?」

梓「そうですね。七面鳥食べてみたいです」

憂「あ、私も七面鳥食べてみたいなぁ~」

唯「私も!」

梓「ムギ先輩、コレどうやって食べたらいいんですかね?」

紬「ナイフでお肉を切り取って食べるのよ~」

律「そっか~こんなの初めて食べるから楽しみだな!」

澪「あ!あっこにお寿司もあるぞ!」

唯「本当だぁ!コーンサラダあるかなぁ?」

梓「それは無いと思いますよ」

唯「アイスはあるかな?」

律「それも無いぞ~。お、七面鳥美味いな!」

紬「うふふ~ありがとお~」

梓「こんな美味しい料理食べたの生まれて初めてです!」

憂「本当美味しいね~あっ!」ピチャ

憂(うぅ……どうしよう。私の洋服にソースがついちゃった)

唯「憂ーどうしたの?」

憂「洋服にソースがついちゃった……」

梓「向こうの部屋に洗面所があったから洗って来たら?」

憂「うん!シミになったら嫌だしそうするよ!」

唯「憂~行ってらっしゃい!」

憂「すぐ戻って来るから待っててね~」

唯「うん!」


―――

憂「梓ちゃんが言ってた部屋って何処だっけ?」

憂「ここかなぁ~」ガチャ

男「早く脱げよ~」

女「アナタが脱がしてよ~」

憂「きゃっ!」バタン

憂「へ、変なの見ちゃった……ここかなぁ?」ガチャ

憂「誰もいない……多分ここだよね」

憂「ふぃ~」ジャバジャバ

憂「汚れ取れないなぁ~お気に入りの洋服なのに……」

憂「はぁー……お姉ちゃんが私に似合うよって言ってくれた洋服なのに……」

パララララララ。

憂「…………!!」

パララララララ。

憂「何だろうこの音……」


カール「てめぇら全員下がれ!」

エディ「死にたく無けりゃあ床に伏せろ!」

パラララララララ。

憂「ほぇ?な、何コレ?」

フリッツ「おい!あそこの部屋に誰かいないか探せ!」

カール「うるせぇわかってる!」

憂「こ、こっちに来る!隠れなきゃ!」

憂「えーっと隠れる所は……クローゼット!」

ガチャ

カール「フーッフーッ」

憂「…………」ドキドキ

カール「誰もいないな……いねぇ!誰もいねぇ!」

フリッツ「ちゃんと探したか?」

カール「辺り前だ!」

フリッツ「クローゼットの中もか!?」

憂「…………!」ドキドキ

カール「ヘヘッ!ブギーマンでも居るって言うのか?」

フリッツ「馬鹿にすんな!そろそろボスのスピーチが始まる行くぞ」

カール「あぁ!」

ガチャバタン。

憂「ふ、ふぅ~よかった見付からなくて……鉄砲持ってたよね……あの人達……」

ハンス「皆さんこんばんは」

憂「こ、今度は何!?」

ハンス「君達には申し訳無いがね。私達の目的達成の為にこのビルを占拠させてもらったよ」

憂「占拠?……鉄砲持ってる怖い人達が沢山いるしまさかテロリスト!?」

ハンス「この中にタカギ社長はいるかね?」

憂「どうしよう……怖いよぉ!そうだ!警察に通報しよう!」

憂「くっそぉ!繋がらないよぉ!」

憂「どうしよう……」

ハンス「……やがて会社を立ち上げた後に17歳の娘が生まれる」

紬父「もういい!社長は私だ」

ハンス「おぉ、これはこれはアナタがタカギ社長ですか」

憂「うぅ……どうしよう……テロリスト怖いよ!」

唯「誰かあああ!助けてええ!」

ハンス「おや、まいったな」

唯「誰かああ!」

ハンス「黙りなさい。ここはビルの46階。いくら助けを呼んでも無駄だと分からないのかね?お嬢さん」

唯「うぅ……」

ハンス「それに携帯電話で警察に通報しない事だ……あまり血は流したくないのでね」

憂「お姉ちゃん……お姉ちゃんを助けなきゃ!」

ハンス「それではタカギ社長。少しお話がある。上まで着いて来なさい」


憂「あ……リーダーっぽい人が何処かに行く」

憂「この隙にお姉ちゃんを助けられないかなぁ?」

憂「んーダメだ。怖い人が沢山見張ってるよぉ~うぅ……どうしよう」

憂「携帯電話も家に置いて来ちゃったし……」

憂「あ!とりあえず……上の階に行こう。まだ、テロリストに捕まっていない人がいるかも知れない!」フンス

ガチャ。

テロリスト1「あー慎重に運べよ」

テロリスト2「わーってる」

憂「くそっ!くそっ!くそっ!何人いやがんだコンチクショウめ!」

憂「もっと上の階に……携帯電話持ってる人がいるかも……」

憂「待っててねお姉ちゃん!」

ガチャ。

ハンス「私としては仕立ての良いスーツを汚したくは無いのだがね」

紬父「知らん……私は知らん!」

憂「あれ?あの人は……」コソコソ

憂(銃を紬さんの父親に向けてる……)

ハンス「三秒数える間に言う事だ。いいか?四秒目は無い」

憂(ま、まさか!)

ハンス「三……」

紬父「………」

ハンス「二……」

憂(うぅ……)

ハンス「一!」カチャリ

紬父「知らん!本当に知らないんだ!」

ドンッ。

憂「ひっ……」

ハンス「……ん?」

ハンス「鼠が一匹迷い込んだようだ。探せ」

憂(逃げなきゃ!)

カール「おい!誰かいるのか!」

憂(あ、あそこの部屋に……)

カール「おい!いるんなら出て来い!」

憂(見付かりませんように!見付かりませんように!)

カール「ボス!誰もいないみたいだ」

ハンス「そうか。まぁ居た所で何も出来っこ無いさ金庫室へ向かおう」

憂(うぅ……死んだ人が死んだ……)

憂「どうしてだ!どうしてだ憂!何故、出て行って紬さんの父親を救わなかった!」

憂「馬鹿言え!出て行ってたら自分も殺されてた!考えろ……考えろ……」

憂「どうやったらお姉ちゃんを救える?」

憂「救う?ハハンッあんなテロリスト相手に私がお姉ちゃんを救う?」

憂「今日はクリスマスだってのに冗談が過ぎるぜぇい憂」

憂「ん?……あれは?火災報知機!」

憂「あれを鳴らせば……何とかなるかも!」

憂「お姉ちゃん必ず救うからね待っててね!」

憂「本当に神様は最高のクリスマスプレゼントを用意してくれたよね!」フンス

憂「神様の馬鹿あっ!」

・・・・・・

カール「ボス、無線ですぜ」

ハンス「……何だ?」

ハンス「何……50階から火災報知機が反応している?」

ハンス「近くに誰かいるか?……わかったそいつを50階に向かわせろ」

ハンス「構わん抵抗するようだったら殺せ」

・・・・・

憂「わぁ~ここから見た景色綺麗だな~」

カンカンカン。

憂「ほぇ?」

カンカンカン。

憂「だ、誰か来る!隠れなきゃ!」

カンカンカン。

憂「こ、怖いよぉ……」

トニー「誰か居るのは分かってる出て来い!」

憂「…………」

トニー「殺しはしない……早く出て来い」カチャリ

憂「…………」

トニー「そこか!」

パララララララ。

憂「きゃあっ!」

トニー「見付けたぞ!」

憂「ま、待って下さい!殺さないで!」

トニー「ダメだ私達の計画を阻止しようとした……お前は殺す」

憂「どうせ……どうせ殺すなら……私を犯して下さい」

トニー「は、はぁ?」

憂「私……処女のままで死ぬのは嫌なんです!」

トニー「むふぅ……仕方ないな……」

トニー(裏があるのは分かる……だが非力そうな女だいざとなれば力ずくでもイケるだろう)

憂「あ、ありがとうございます……」ダキッ

トニー(柔らかいそれに良い匂いだ……)

憂「えいっ!」シュパッ

トニー「……え?」

憂「よ、よかった……洗面所から剃刀持って来てて……」

トニー「………」バタッ

憂「誰がお前何かの世話になるか……ヘヘッこんなマヌケじゃ世話にもなりゃしねぇな」

憂「……あ!私、人殺しちゃった……」

憂「うぅ……いや!めそめそ何かしてられないよ!」

憂「それより……この死体どうにかしなきゃ!」

憂「そっか……今日はクリスマス……お姉ちゃんを怖がらせたテロリストに罰を与えないと!」フンス

憂「その前に鉄砲とか無線とか使えそうな物は色々いただいておかなきゃ!」


―――

カール「トニー!おいトニー!くそっ!トニーの無線が繋がらねぇ!」

ハンス「カールその心配は無いようだ。エレベーターを見て見ろ。もうすぐ戻って来る」

ウイイインチーン。

カール「……!!」

唯(し、死体!……何か書いてある!妹から愛を込めてメリークリスマス)

唯(憂!?趣味の悪いプレゼントだよぉ!)

カール「トニー!トニー!うわああああ」ガシャン

澪「…………」ビクン

ハンス「おい!カール!落ち着け!」

カール「これが落ち着いてられるかってんだ!俺の弟を殺した奴を殺す!」

ハンス「落ち着け!まずは計画を成功させる。その後で殺せ!計画が再優先だ分かったか!?」

カール「フーッフーッ」

ハンス「おい、フリッツ!トニーが殺られた事を無線で私の部下に知らせておけ」

ハンス「お前らは鼠を探し出せ。このハンス・グルーバーの計画を邪魔する者を何としてでも探しだせ」

憂「ヘヘッ……情報ありがとさんよぉ~ハァンスゥ~」カキカキ

憂(エレベーターに忍び込んでおいて正解だった……)

ハンス「私はテオの所へ様子を見に行く。カールが何かしでかさないかちゃんと見張っておけよ」


2
最終更新:2011年03月31日 21:16