ポケットモンスター、縮めてポケモン。


この星の、不思議な不思議な生き物、草むらに海に空に森に町に、はたまた宇宙にまで。

その種類は、100、200、300、400、500、600、700……いや、それ以上かもしれない。

人間とポケモンはこの星で共に暮らし、互いに支え合い生きている…



~イッシュ編~

Prologue..


さっさっ…

「ポケモンの数だけのドラマがあり、ポケモンの数だけの出会いがある……」

かきかき…

「……今日も晴れやかな天気です!…っと!」

『DIARY・・・azusa』

梓「ふうっ~!」のび~!

がちゃっ

たたっ

梓「ん~…いい天気だねー! ミミちゃん!!」

ミミちゃん(ミミロップ)「ミミロー!」ニコッ

梓「さわちゃんにデビちゃんも出てきて!」ボム!

さわちゃん(サワムラー)「ダーイライ!」

デビちゃん(デルビル)「ワオーン!」

梓「こんな日は芝生に寝転んでお昼寝したいね~」

ぱしぱし!

梓「ううん! ダメダメ!! 今日は大事な日なんだから!!」

梓「それに今日は出かける所があるんだから…」

「あら、随分と早起きね。梓ちゃん!」

梓「ムギ先輩!」

紬「ふふっ♪」

梓「すみません。起こしちゃったみたいで…」

紬「いいのよ。こんないい景色見られたもの」

ひゅううっ…

梓「本当…。いい朝ですね」

紬「早起きは三文の得って言うだけあるわね♪」

梓「えへへ…そうですね」

紬「…梓ちゃん、日記始めたのね?」

梓「え、ええ!? な、なんでそれを!!」アタフタ

紬「さっき梓ちゃんの部屋に行ったら、ちょうど目に入ったから……。中身は読んでないけど。ごめんね?」

梓「…いえ。どのみち言うつもりでしたし」

紬「そっか。…うふふ♪ 三日坊主にならないようにね?」

梓「唯先輩や律先輩じゃないんですから! ちゃんと毎日続けますよ!!」ぷくーっ

紬「あら、それはごめんなさい。でも唯ちゃんとりっちゃんに失礼よ?」ニコッ

梓「あっ…」ハッ…

紬「ふふ♪ …でも、今日は特別な日だものね」

梓「はい! 研究所に来て初日目ですから!!」

紬「うん。ここから始まるのね…。
私も全力でサポートするわ!」フンッ

梓「ありがとうございます!」

紬「それで、今日はこの地方に研究所を構えてる博士に挨拶しに行くんだっけ?」

梓「そうです! あちらも私に用があるみたいで」

梓「イッシュ地方のアララギ博士!!」


……………
…………
………
……

《カノコタウン・・・アララギ研究所》


PiPiPiPiPi!!

ポチッ!

「あら! もうこんな時間!?」

ガバッ!!

「いけない…寝過ごしちゃった! 今日はお客さんが来るのに~!!」

「とりあえず身支度を…!」バタバタッ

タタッ

「よしっ。なんとか終わった…。あとは資料を出しておかないとね!」

「えーと、資料は…」ツツツ…

「あら、あったあった! これね!」グイッ

「あれ…?」

ギュウウウ!

「あら、抜けない…。色々と詰め込み過ぎたかしら?」

ギュウウウ…ギュウウウ…

「…私の力では引き出すのは無理ね」

「チラーミィ! 手を貸してくれる~!?」

タタッ!

チラーミィ「チラー!」

「これを引っ張るのよ! せ~の!!」

グイッ!!

…ポンッ!!!

「やった! 取れ………た?」

ガタッ!

ドドドドドド…!!!

「あらあらあら…」

チラーミィ「チラー!?」

「キャ~!!!」

ドオオオオン!!!

「いだだ…。チラーミィ、大丈夫?」

チラーミィ「チラ~…」クラクラ

「本棚に入ってるもの、全部落ちてきたわ……。ちゃんと整理しておかないと。またパパに怒られちゃうわ」

ピンポーン!

「あら! もう来ちゃったのかしら!?」

「ハ、ハーイ! どうぞ入って~!!」

ガチャッ…

梓紬「……」

「………」

梓「な、何かあったんですか…?」

「え、ええと…」

……………
…………
………
……

アララギ「ハーイ! 私の名はアララギ!! ポケモン博士よ!」

アララギ「ポケットモンスター…縮めてポケモン。この世界にはポケモンという不思議な不思議な生き物が住んでいるわ」

アララギ「その不思議な生き物を研究しているのが私! このイッシュ地方でのポケモンの生態系について研究しているわ!」

アララギ「例えば、このチラーミィ! 他の地方では見られないポケモンよ」

チラーミィ「チラー!」ピョンピョン

紬「本当…見たことないポケモンね」

梓「ここに来るまでに見たポケモンも、すべて知らないポケモンでした!」

アララギ「うん。不思議よね。同じ星なのに、こんなに生息するポケモンが違うなんて…」

アララギ「まあ、そこがポケモンの面白いところだけどね♪」

アララギ「ポケモンだけじゃなく、イッシュに住んでいる人や…自然! まあ自然と言える場所なんてほとんどない所だけどね」

アララギ「この地方に来たからには、楽しみなさい! イッシュ地方を!!」

梓紬「はい!!」

アララギ「ふふ、最高の返事よね!!」

紬(女性のポケモン博士もいるのね~。…あ、梓ちゃんも女の子か…)

アララギ「さて…それで今日呼んだのはね」

アララギ「あなた達にある調査を頼みたいと思ってね」

紬「…調査?」

梓「どんなものですか?」

アララギ「あなた達の研究の主軸となるものよ」


………………
……………
…………
………
……

アララギ「さーて! 二人も帰ったことだし!! 私も研究を……」

アララギ「…その前に休憩がてらお散歩でもしよっか!」

チラーミィ「チラ…」ガクッ…

アララギ「まあまあ、そう言わずに! 行きましょう、チラーミィ!」

チラーミィ「チラチラ…」ヤレヤレ



――――時は遡り、数時間前

《イッシュ地方のどこか》


「………」カツカツ…

「なにかあったのかい?」

「いえいえ。さほどの事ではございません」

「ただ、この我々のイッシュ地方に汚らわしい野ネズミが入り込みまして…」

「ふうん…」

「それで、その野ネズミはどうするの?」

「何もしませんよ。放っておいて大丈夫です。ただの野ネズミですから」

「そう…。じゃあ、僕はちょっと出掛けて来るね」スッ…

「お供します」

「…」

「もう。そんな護衛みたいに張り付かないでよ。僕は逃げも隠れもしないよ?」

「いえ…そんな滅相もございません。我等はあなたをお守りしたいだけなのです」

「はあ…護衛じゃないか」

「……」

「まあ、とにかく君は僕の指示どおりに動いてくれればいいよ」

「さ、行こう」

「はっ! ……N様」

N「ふふ…」

……………
…………
………
……

「ん……」

ムクッ

「あ…れ……?」

ユサッ…

「!」

「うーん…」

「ゆ、唯…?」

唯「ん~…?」ムニャムニャ

律「……」

律「こ、ここは…どこだ……!?」



Prologue..fin



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最終更新:2011年04月04日 03:00