Episode.1



唯「あれ…? ここどこ…?」ムニャムニャ

律「今更かよ…」

唯「タウンマップでみればいいんだよ!」ポンッ!

ガサゴソ…

唯「あ…れ……?」

唯「タウンマップはあるけど…」

唯「ない! ない!! モンスターボールがない!!!」アセアセ

律「…はあ」

唯「ど、どうしよう? りっちゃん!! ボール、どこかで落としちゃったみたい!!」

律「私もなんだよ」

唯「え…?」

律「私もモンスターボールがなくなったんだ。手持ち全部な」

唯「ええええええええええええええええええええ!!!」

律「……」

唯「ど、どうするの!? 知らないところに来ちゃってポケモンもいなくて…」

律「落ち着け、唯。まずは状況を整理しよう」

唯「……うん」

律「私達はさっきまで…実際には“さっき”かどうかも分からないけど、とりあえずさっきまではウバメの森にいた。
そしてウバメの森で謎の光を浴びて、気を失ってしまい、目覚めたらここにいた…。
手持ちポケモンは多分、森に落としていっちまったんだろ。でも図鑑があるのが唯一の救いかな」

唯「そうだね…。図鑑を落としたら大変だし…」

律「唯…。一つ気になることがあるんだ」

唯「なあに?」

律「私達が浴びた謎の光は森全体に広がっていた。なら、森にいた…澪やシルバーはどうなったのか?」

唯「あ…」

律「私達と同じように知らない土地に放り出されてるかもしれない」

唯「大変だ!!」

律「ああ。澪とシルバーを探さないとな」

唯「じゃあ早く…」

律「待て、唯。このままやみくもに探しても見つからないと思うし、それに野生ポケモンに出会ったら終了だ。
まず優先するべきは、ポケモンの捕獲だ」

唯「ポケモンを…?」

唯「でもポケモンを持ってないのにどうやって…」

律「そこなんだよなー…」ウーン…

「ハーイ! そこの少女と少女!!」

律「ん?」 唯「ふぇ?」

「なにかピピッときて、話し掛けてみたけど…なにか困ってるのかしら?」

律「…あなたは?」

アララギ「私はアララギよ! このイッシュ地方でポケモン博士をやっているわ!」

唯律「イッシュ地方!?」ズイッ

アララギ「あらあら?」

……………
…………
………
……

アララギ「ふーむ、なるほどねぇ…。あなた達が置かれている状況、大体把握できたわ」

唯「どうもどうも長い話を…」

アララギ「ううん! いいのよ」

アララギ「んーと、まずは私の研究所に来ない? あとのことは着いて話し合いましょう!」

律「え…でも、」

アララギ「遠慮はいらないわ!」

唯律「……」

唯「じゃあ…お言葉に甘えて…」

アララギ「OK! 最高の返事よね!!」

アララギ「研究所はこっちよ!」

律「…唯、いい人がいて良かったな」

唯「へ? あ、うん!」

律「じゃあ行こうぜ」

唯「う、うん!」

タタッ

唯(うう~ん…なにか忘れてるような……なんだろう?)


…………
………
……

《アララギ研究所》


アララギ「ここが研究所よ!」

アララギ「どうぞ入って」カチャ

唯律「お邪魔しま~す…」

アララギ「それで、あなた達はポケモンが必要なのよね?」

律「はい」

アララギ「じゃあ私があなた達にポケモンをあげてもいいけど…、でもそれはダメね」

唯「な、なんでですか?」

アララギ「ポケモンは自分の力で捕まえなさい! ってこと」

律「自分の力で…」

アララギ「そうよ。それにあなた達、最高なもの持っているじゃない!」

唯律「??」

アララギ「その腰につけているモンスターボール!」

律「あ…」

唯「ガンテツさんにもらったやつだね」

律「これは落とさなかったのか…」

アララギ「ボール職人ガンテツ!! どの地方でも有名な職人よ! その人が作ったボールなら安心して使えるわね。性能もバッチリよ!」

律「どの地方でも…? そうだ…、このイッシュ地方ってどこなんですか? 私達、聞いたことがないんですけど…」

アララギ「あなた達はジョウトからここへ来たんだっけ? イッシュ地方はね…ジョウトやカントー、ホウエン、シンオウから見たら“外国”にあたる地方ね」

唯律「外国ぅ!?」

アララギ「そうよ。あ…でも言葉が通じないってことはないから安心して!
多種多様なポケモン・人種が集まり、それらが一種にみえる…それが“イッシュ地方”なのよ!」

唯律「……」

アララギ「まあとにかく! あなた達は早くポケモンを捕まえてきなさいっ!」

…………
………
……

《1ばんどうろ》


律「ん~…でもどうやって捕まえりゃいいんだ」

唯「図鑑もアララギ博士がイッシュ版にするとかで、今はないからねえ…」

律「とりあえず、今はこのガンテツさんからもらったボールを信じるしかないな」

唯「私のは“フレンドボール”だって! りっちゃんのは?」

律「“ヘビーボール”だな」

唯「りっちゃんりっちゃん!」

律「なんだ?」

唯「私ね、捕まえたいポケモンがいるんだ!」

律「へえ、どんなポケモンだ?」

唯「研究所で偶然みたんだけどね、とってもかわいいポケモンがいたの! 私、あのポケモンを捕まえたい!」

律「でもそんなに都合よく現れるわけ…」

「チラー!」タッタッ

唯「いたあ~!!」

ダッ

律「お、おい唯!」

律「……」

律「…行っちまった」

律「まあ私も自分のポケモンを捕まえるか…」

律「さあてどのポケモンを…」

ボコッ!

律「…ん? なんだ?」

ドオオオオン!!

律「うおっ!?」

タッ!

「グリュー!!」

律「なんだこいつ…地面から!?」

律「ヒート…!って、いないんだっけ…」

「リュー!!」バッ!

律「!」

律「げほっ! くそう…“どろかけ”か…」

律「! 消えた…!?」

ドバッ!!

「グリュー!!」ギュルッ

律「! うわあっ!」ダッ

「グリュー…!」ズザザッ

律「“こうそくスピン”か! 危ねえ!」

「グリュー!」ギロッ!

律「……」

律「よし! 決めた!!」

律「お前をゲットしてやるぜ!!」

「グリュー!」

ダッ!!

律「!」

「リュー!!」ドババッ!!

律「また地面に潜った!」

律「あいつの得意技は“あなをほる”だな!」

(図鑑がないなら、自分で相手を見極めるだけだ!)

律「どこから出てくる…?」

「グリュー!!」ドバッ!!

律「! 後ろか…!」

「グリュー!」

ドガッ!!

律「ぐあっ…」ドサッ!

「グリュリュー!」ケラケラ

律「くそお…穴に落とされちまったぜ…」

律「ん…結構深いんだな」

律「…そうだ!」

コト…

律「これでよし!」

律「さて、まずはここから出ないとな」

ガッ!

律「よいしょっと…」

「グリュー!!」ババッ!!

律「!?」

律「ゲホッゲホッ!! このやろ…出てきた所を攻撃(どろかけ)するなんて…」

「グリュー!!」バッ!

律「く…“ひっかく”か!」

律「…!」ピラ…

律(かすっただけでこの切れ味…!)

「グリュー!!」ギュオッ

律「ぐあっ!」

「グリュー!」ケラケラ

律「へへ…どうした? この程度かよ。小技じゃなく、大技で向かってこい!!」

「…!!」

「グリュー…」ムカムカ

「リュー!!」ドババッ!!

律「! また地中に潜ったか!」

律「へへ……、
…かかったな!!」

「「リュー!?」」シュウウウ!!

律「お前に穴に落とされた時、“ヘビーボール”を仕掛けておいたのさ。
挑発したら見事に私の真後ろの穴から飛び出そうとしてくれたワケだ」

律「へへ…」スッ…

律「ゲットだ…!」

唯「りっちゃあん!!」タタタッ

律「ん? 唯」

唯「ポケモン、捕まえたの?」

律「ああ! バッチリだ!」

唯「すご~い!」

律「唯はどうなった?」

唯「私も捕まえたよ! すぐに懐いてきてくれて……あれ? りっちゃん泥まみれだよ?」

律(私のバトルはなんだったんだ…)

唯「?」

律「まあ無事捕まえたし。アララギ博士んとこに戻ろうぜ」

唯「うん!」


律「」タッ


律「…?」ピタッ

律「…どうした? 唯」

唯「りっちゃん! せっかく捕まえたんだし!」カチャッ

律「…ああ!」カチャ

唯律「いっけえ!!」

ボム!!!




Episode.1 fin



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最終更新:2011年04月04日 03:01