Episode.6




《3ばんどうろ》


園児「わぁ~い!」タタッ

先生「あんまり遠くに行っちゃダメよ~!」

園児「うん!
行こう、ヤブクロン!」

ヤブクロン「ヤブー!」

タタタッ

園児「……へえ~、ここが“ちかすいみゃくのあな”かぁ!」

ヤブクロン「ヤブヤブー!」アセアセ

園児「大丈夫だよ。ちょっと覗くだけだよ」

ヤブクロン「ヤブ~…」

園児「どれどれ…」ヌソッ

園児「…!?」

園児「わあああぁぁ…!!」


……………
…………
………
……

律「この道、長いなあ…」

唯「もう疲れたよう…、休みたい~!!」

律「ああ~、まったく…」

律「でもここら辺で休めるところなんて…」キョロキョロ

律「お…、あの建物…」


…………
………
……

《ようちえん》


先生「はぁーい、お茶どうぞ~♪」

唯「わぁ~い♪」

律「すみません…。いきなりお邪魔して、お茶まで…」

先生「いいのよいいのよ、“ようちえん”はみんなのものだから!」

律「みんなのもの、ですか」

先生「それに職業が幼稚園の先生だからか…この子を見ていると、つい面倒みてあげたくなっちゃうのよね」

唯「えへへ…」テレテレ

律「褒められてないぞ~」

ユリ先生「ふふ、私の名前はユリよ。よろしくね♪」

律「私は田井中律で、こっちの齧歯類が平沢唯です」

唯「ええ~!?」

ユリ先生「ふふっ」クスッ

律「はははっ!」

唯「…えへへ♪」

ドンッ!!

唯律ユリ「!!?」

「ヤブ~!!」アタフタ

唯「こ、このポケモンは…?」ピッ

ポケモン図鑑『ヤブクロン、ゴミぶくろポケモン
ゴミぶくろが さんぎょうはいきぶつと かがくへんかを おこした ことで ポケモンとして うまれかわった。』

唯「すごぉい、不思議なポケモンだね」

律「いやそんなことより、唯…。
コイツ、なんか慌ててないか?」

ユリ先生「ああっ! このヤブクロンはうちの園児のポケモンです!」

唯律「!」

ヤブクロン「ヤブヤブ~!」アセアセ

律「…どうしたんだ? ヤブクロン。
なにかあったのか? お前の持ち主はどうしたんだ?」

ヤブクロン「ヤブヤブ!!」アセアセ

ユリ先生「そうだわ…!
あの子、“ちかすいみゃくのあな”に行ったのかもしれない!!」

唯「“ちかすいみゃくのあな”?」

ユリ先生「ええ、ここからずっと西の方に行ったところにあるんだけど…。まずいわ…」

律「なにがまずいんですか? そこに何があるんですか?」

ユリ先生「うん、最近ね…あそこに怪しい人達が出入りするようになって……。園児達には近づかないように行っておいたんだけど…。
多分あの子は興味本位で探検しに行ってしまったんだわ……」

唯「りっちゃん、怪しい人達って…もしかしてプラズマ団じゃ…」

律「確信はないけど、可能性はあるな。それにこのヤブクロンの様子…」

ヤブクロン「ヤブヤブ~…」オロオロ

唯「りっちゃん!」

律「おう、唯!
ユリ先生! 私達が…」

ユリ先生「シキジカ!」ボム!

シキジカ「シカシカ!」

ダダッ!!

律「って、ええ!? はやっ!!」

唯「追いかけよう、りっちゃん!」

律「ああ!」

……………
…………
………
……

《ちかすいみゃくのあな前》


ユリ先生「……」

唯「はあはあ…やっと追いついたぁ……」

ヤブクロン「ヤブヤブ…」ゼエゼエ

律「ユリ先生、ここが…?」

ユリ先生「ええ、ここが“ちかすいみゃくのあな”よ」

ユリ先生「シキジカ、行くわよ!」

律「待ってください!」

ユリ先生「…!!」

律「怪しい人達がいるんなら、これ以上いったら危険です!」

ユリ先生「じゃあ…どうすれば…!」

律「私が行きます!!」

ユリ先生「!」

律「大丈夫です、絶対に無事に連れて帰る!!」

律「唯、お前はユリ先生を頼んだ」

唯「分かったよ、りっちゃん!」

律「じゃあ…行ってくる!
ヤブクロン、お前も来てくれ!」

ヤブクロン「ヤブ~!」

タタッ!

ユリ先生「……」

…………
………
……

《ちかすいみゃくのあな》


「せっかく、人があのヤブクロンを解放してやろうと思ったのによォ。
面倒なことしやがって」

園児「うぅ…」

「まあいいや。気晴らしにお前で遊ぶか」ツカツカ

園児「ひぃ…」

ボコッ!

「…!」

「グリュー!!」ドンッ

「…っと!」スッ

「グリュー!?」

律「後退しろ、モール!」

モール「グリュー…」シュッ

「…誰だ?」

律「その子を離せ!」

「生憎、俺達が解放するのはポケモンだけでねぇ」

律「…やっぱり、プラズマ団か!」

「へえ! 俺達を知っているのか!
そうとも!!」

「俺サマはァ!
元ホウエン地方リーグチャンピオン!!」

ミツル「ミツル様だァ!!!」プラーズマー!

律「ミツル…!」

ミツル「……ん?」

ミツル「あっ、“黄色のカチューシャ”! お前は、『あの人』が言っていた要注意トレーナーだな!!」

律「…?」

ミツル「そういうことなら話は別だなァ…!
ロゼリア!!」ボム!

ロゼリア「ローゼ!」

律「このポケモンは…」ピッ

ポケモン図鑑『ロゼリア、いばらポケモン
ホウエン地方のポケモン。げんきな ロゼリアほど はなから いい かおりを かもしだし かいだ ひとを とても リラックスさせる。』

ミツル「ロゼリア、“ギガドレイン”!!」

ロゼリア「ローゼ!」ビュッ

律「モール、“ひっかく”!」

モール「グリュッ」シュッ

ロゼリア「ローゼ!!」ビュワアア

モール「」ドサッ!

律「モール!」

ミツル「ヒャハハ☆
今までの噛ませの俺サマとは一味も二味も十味も百味も違うぜ!!」

ミツル「ポケモン側の雑魚はァ!!
もう、キョウだけだぜェ~!!!」

ミツル「ロゼリア! “ヘドロばくだん”!」

ロゼリア「ローゼ!」ビュワッ

律「!!」

ヤブクロン「ヤブ~!」バッ

ビチャッ!

ヤブクロン「ヤブ~!」ブルブルッ

律「ヤ、ヤブクロン!」

ヤブクロン「ヤブ~!」キッ

律「…そうだよな、自分のトレーナーは自分で守らなきゃな!」

ヤブクロン「ヤブ!」

園児「ヤブクロン…!」

ミツル「へっ☆
かなうかよォ!!」

ロゼリア「ローゼ!!」ダッ!

律「ヤブクロン! “アシッドボム”!!」

ヤブクロン「ヤブ~!!」ビュッ!

ロゼリア「ローゼ!?」バタッ

ミツル「なっ!?」

園児「いいぞ、ヤブクロン!」

ミツル「ナメてんじゃあねえぞオオオオオオオオ!!!!」

律ヤブクロン「!!」

ミツル「サーナイトオオオオオオ!!」ボム!

サーナイト「ナーイ!!」

ミツル「“サイコキネシス”ウウウウウウウウ!!!」

サーナイト「ナーイ!!」ヴオオオン!!

ヤブクロン「!!」

律「や、やべえ!」

園児「ヤブクロォーン!!!」

パアアアン!!

律ミツル園児ヤブクロン「!!?」

シキジカ「シカッ…」クラッ

ユリ先生「うっ……」ヨロッ…

律・園児「ユリ先生!!?」

律「ユリ先生! どうして…!」

ユリ先生「私はあの子の先生だもの…。守りたいじゃない…」

律「ユリ先生…」

ミツル「相手が何人になろうと、ぶっ倒すだけだァアア!!
サーナイト! “サイコキネシス”ウウウウ!!」

サーナイト「ナーイ!!」ヴオオオン!!

ユリ先生「!!」

律「…!!
唯いいいい!!!」

ダダッ!!

唯「ムー太ぁ!!」ボム!

ムー太「ムウウ!」バッ

ユリ先生「!」

サーナイト「」ヴオオオン!

ムー太「ムウウ…!」ジリッ

律「遅いぞ、唯!」

唯「ごめんごめん、でもりっちゃんに言われた通り、ユリ先生を守ったよ!」

律「おう!」

ミツル「チッ…、次から次へとッ…!」

ユリ先生「ごめんなさい…、私……足手まといになっちゃって…」

律「……いいえ、足手まといなんかじゃないですよ」

律「ユリ先生のおかげで、あいつに勝てます!」

ユリ先生「え…?」

ミツル「戯言をッ!!
どうやって俺サマに…」

ドスッ!!!

ミツル「…!?」

ヤブクロン「ヤブ~!」

ミツル「ぐはっ…、いつの間に背後に……!?」

律「言っただろ、ユリ先生のおかげって」

ミツル「…ぐう……」

律「最も…そのサーナイトの体の光……“未来を予知する”レーダーだろ。
お前のサーナイトは気づいていたみたいだな」

ミツル「…!!」

サーナイト「ナ、ナイ…」ピカアアッ

ミツル「サーナイトオオ…! 何故すぐに俺サマに知らせなかったァ…!!」

律「ポケモンを責めるな!! ポケモンの合図に気づけなかった自分を責めろ!!
そんな奴にポケモン解放がどうとか、言われたくない!!」

ミツル「ぐ…」バタッ

律「……」

唯「やったね、りっちゃん!」

園児「ヤブクロォ~ン!!
せんせぇ~!!」ブワアアッ!

ヤブクロン「ヤブヤブ…」ナデナデ

ユリ先生「よかった、無事で…」

園児「これからはちゃんと先生の言うこと守るよぉ、恐かったよぉ…」

ユリ先生「うん…、いい子ね…」ナデナデ

律「さあて、後はコイツを警察につきだして…」

ビュウウウッ!!!

律「!?」

ユリ先生「きゃあっ!」

園児「うう…!」

唯「す、すごい風!!」

律「ま、前が見えな…」

ヒュウウ……

律「…あれ…? 収まった…」

唯「ああっ! あの人がいないよおっ!!」

律「なに!?」

……………
…………
………
……

《ようちえん》


ユリ先生「今回は本当にありがとう。おかげでこの子もヤブクロンも無事だったわ♪」

律「いえ」

園児「また遊びに来てね!」

ヤブクロン「ヤブ~!」

唯「うん! その時はよろしくね?」

園児「おねえちゃんとバトルしてあげる!」

ヤブクロン「ヤブヤブ!」シュッシュッ!

唯「えへへ♪」

律「…それじゃあ!」

ユリ先生・園児「さようなら~!!」


…………
………
……

律「……」

唯「りっちゃん、結局あの人は消えたままだけど…」

律「う~ん…」

律「まあ、また悪さするようなら私がとっちめてやる!」

唯「そうだね♪」

律「さあ、目指せ“シッポウシティ”だぁー!!」

唯「おーっ!!」




Episode.6 fin



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最終更新:2011年04月04日 03:09