Episode.7




《シッポウシティ》


律「着いたな!
…“シッポウシティ”だ!!」

唯「すっごぉい!! 倉庫だらけー!!」

律「本当にすげえな…。街中が倉庫……いや、倉庫の街だ!!」

唯「ジムもあるんだっけ?」

律「ああ! それが目的だしな!」

唯「じゃあ早速、ジムにレッツゴー!」

律「おーっ!!」


…………
………
……

律「んで…」

律「どこにあるんだ!! ここのジムはぁ!!?」

唯「もう街は全部回ったよねえ…」

律「目立つ建物としては、この博物館とあのカフェだけ!!」

唯「…うう~ん、どうしようね」

律「もう次の町に行くか?
ここにいてもなにもないしな」

唯「そうだね。でも、あのカフェに一回行ってみたい!」

律「あのな、唯…」

唯「せっかくこの街に来たのにどこにも行かないなんて、もったいないじゃん!!」

律「ただお前が行きたいだけだろ…」

唯「うん!!」

律「……はあ。まあいいぜ、行くか」

唯「やったあ!!」

………
……

《カフェ・ソーコ》


カランカラン♪

「……」ズズ…


律「どした、唯」

唯「あの人…」

律「ん?」

「……」スタッ

律「“カラクサタウン”で会った…」

唯「N君…だっけ?」

N「……」スタスタ

N「やあ、久しぶりだね」

唯律「……」

N「カフェ…。
紅茶はいいよね。香りやその味でポケモンを心地好くさせてくれる…。僕の友達も喜んでいる…」

唯「紅茶おいしいよね~♪」

N「……」

N「外へ出よう」

唯「ええっ?」

唯「来たばっかりなのに…」オロオロ

律「んじゃー、私はここでお茶してるから唯はあいつに付いていけ」

唯「ずるいよ、りっちゃん!」

カランカラン♪

律「…ったく、なんで私まで…」

唯「外に来て、なにをするんだろうねぇ」

律「さあ…、バトルでもするんじゃねーの?」

N「そう。ポケモンバトルをしようじゃないか」

律「当たった」

N「……」

唯「……へ? 私?」

N「そうだよ。さあ、こっちに来て」

唯「あ…うん」タタッ

N「始めようか。
…オタマロ!」ボム!

オタマロ「マロロ~」クネクネ

唯「か、かわいい~!!」

律「いやいやいやいやいや」

唯「えっと…」ピッ

ポケモン図鑑『オタマロ、おたまポケモン
かんだかい けいかいおんを ほほの しんどうで はっせいさせて なかまに きけんを しらせる。』

N「さあ、君もポケモンを出すんだ」

唯「待っててね、ええと…じゃあムー太!」ボム!

ムー太「ムウウ!」

律「んじゃあ、バトル始めー」

律(なんで私が開始の合図してんだ)

唯「ムー太、“サイケこうせん”!」

ムー太「ムウウ!」ウィン!

N「オタマロ、“りんしょう”」

オタマロ「マロロ~♪」ヴィンヴィン!

ムー太「…!?」ガクッ

唯「ど、どうしたの!? ムー太!!」

N「……」

オタマロ「~♪」ヴィンヴィン!

ムー太「ムウウ…」

唯「もしかして、あの歌からダメージを…?
私は大丈夫だけど…」

律「……」カチャ ピッ

律「! …唯!
あのオタマロの“りんしょう”、私達には普通の歌にしか聞こえないけど、“人には聞こえない音波”を出していてポケモンだけにダメージを与えるんだ!!」

唯「“人には聞こえない音波”!?」

N「オタマロ、もう一度“りんしょう”だ」

オタマロ「~♪」ヴィンヴィン!

ムー太「ムウウ…!?」

唯「ムー太…うっ!」キィーン

律「な、なんだ…? 私達にもこの歌が辛く…」キィーン

唯「それだけの威力ってこと…?」

N「“りんしょう”という技は繰り出す度に威力が上がっていく…、
まさに死の歌、デスソング!!」

N「そう簡単に抜け出せやしないよ」

唯「うぅっ…」キィーン


……………
…………
………
……

《ちかすいみゃくのあな》


ミツル「んあ~…、助かったぜ~thx」

「こんなことはこれっきりにしてほしいな、フフ」

ミツル「ちょっとしくじっただけだろ?」

「フンフフフ…」

サキ「まあ今回はよしとしよう。我々に新たな仲間が加わったわけだからな」

サキ「礼は彼女に言え。お前を助けたのは彼女よ」

ミツル「……」

「“コロぽん”、戻って」

コロぽん(コロモリ)「コロー!」パタパタ

シュウウッ

ミツル「ひゃはは、ありがとうございまひゅ! ………あ//」

「……」

ミツル「なぁーんてね、ありがとうございます。そしてお久しぶりですね、澪さん」

澪「……」

サキ「フンフフフ、なんだお前達。知り合いだったのか?」

澪「さあ、知らないな。こんな弱い奴」

ミツル「覚えてるじゃないですか!」

澪「……」

ミツル「それに誰が弱い奴だってぇ?」

澪「さあな。この中で考えたら断じてお前が弱いけど」

ミツル「ンなにをォ~!?」ピキピキッ

ミツル「助けてくれたことは感謝するがなァ…! 言って良いことと悪いことがあるだろうがァ!!」

澪「だって事実だろ。
…なら、やってみるか?」カチャ

ミツル「望むところだァアアアア!!!」カチャ

サキ「フンフフフ、待たないか。
血の気が多いのはよろしいが、時と場合を考えろ」

澪ミツル「……」

ミツル「チッ…」スッ

澪「……」スッ

サキ「ゲーチス様がお呼びなのよ。急ぐぞ」

タッ!!

…………
………
……

オタマロ「~♪」ヴィンヴィン!

律「ぐぁ…」

唯「うぅっ…」

ムー太「ムウウっ……」

N「そろそろ終わりだね」

唯(なにか…方法は……ないの…?)

唯「……図鑑だ…!」サッ

ピッ!

唯「……!」

唯「…やってみる価値はあるかも!」

律「!」

律(唯のやつ、なにか分かったのか?)

N「でも、なにもできないよ。立つこともできないはずだ」

律(確かに、あいつの言う通りだ…。私も唯もムー太もみんなしゃがみ込んでいる…。
打開策はあるのかよ? なにが分かったんだ、唯…!)


オタマロ「~♪」ヴィンヴィン!

唯「何回も聞いて…覚えちゃったよ。オタマロの歌ってる歌…」

N「……?」

オタマロ「~♪」ヴィンヴィン!

唯「もうすぐ、歌い終わる頃なんだ」

N「なにを?」

オタマロ「♪、……」

唯「歌い終わった! 今だよ、ムー太!!
“りんしょう”!!」

ムー太「ムウウ!!」ヴィンヴィン!!

N「うっ!?」キィーン

オタマロ「マロロ~!?」キィーン

ムー太「~♪」ヴィンヴィン!

N「なぜ…“りんしょう”を…」

N「ムンナに“りんしょう”は使えないはず…」

唯「“シンクロ”だよっ」

N「な!?」

唯「本来は状態異常を相手に移す特性だけど、相手と技がシンクロできたみたいなの。
ただオタマロの歌を覚えちゃっただけなんだけどね~」

N「…!!」

オタマロ「」バタッ

N「ああっ!」

唯「私の勝ちだね!」

律「すごいぞ、唯!」

唯「えへへ~」

N「戻れ、オタマロ。…ありがとう」シュウウ

唯「!」

N「そのムンナ…。普通では有り得ない力を発揮した。それは君のせいなのか?
君といることで完全な力を発揮したのか…?
いや、“ゆめのけむり”の力か…?」

唯「ふぇ?」

N「僕は……誰にもみえないものがみたいんだ。
ボールの中のポケモンたちの“理想”…」

律「……」

N「トレーナーという在り方の“真実”…」

唯「……」

N「そしてポケモンが完全となった“未来”……」

N「まだ未来はみえない……世界は未確定……。
今の僕の友達とではすべてのポケモンを救い出せない……世界を変えるための数式は解けない……僕には力が必要だ……誰もが納得する力……」

N「……必要な力はわかっている……英雄とともに、このイッシュ地方を建国した伝説のポケモン、“ゼクロム”!
僕は英雄になり君と友達になる!」

N「…また会おう」スタスタ

唯律「……」

律「ゼクロム?」

唯「なんの話だろうねぇ」

律「まっ、いいや。次の町いくぞー!」

唯「ええー!! カフェは!?」

律「知らん!」

唯「ふえぇぇ…」

スタスタ…

「アロエさん、もうすぐ博物館に着きますね」

アロエ「そんなこといちいち報告しなくていいんだよ、キイチ」

キイチ「はは。しかし、博物館の中にジムを建てるとはね…。さすがはママ、ユーモラスな発想ですよ」

アロエ「ははっ、そうだろう?」

キイチ「でもこれじゃあ挑戦者は中々気づきませんよねぇ」

アロエ「それなら大丈夫だよ。挑戦者が気づかずに次の町へ行ってもね」

キイチ「…なぜですか?」

アロエ「アーティの奴に言ってあるのさ」

キイチ「アーティさんってあのアーティさんですか?」

アロエ「ああ! ヒウンシティジムジムリーダー、アーティだよ!」


…………
………
……

《ヤグルマのもり》


ヒュウウウッ…

「……」

「さぁて、ハハコモリ。“ヒウンシティ”に戻ろうかぃ」

ハハコモリ「ハッハー」

「今度はどんな挑戦者が来るんだろうねん」




Episode.7 fin



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最終更新:2011年04月05日 22:40