5-1話 純「五月雨二重相」
純「ねぇ、梓、私、今梓にすんごく言いたいことがあるんだけど~」クネクネ
梓「えっ…何?」
純「いや、そんな嫌な顔瞬時にしなくても」
梓「だって…純っていつもしょうもないことしか言わないんだもん…日頃の行いが悪いよ」
純「ぐはっ!!まるでオオカミ少年みたいな言われよう!!!!心に突き刺さるわっっっ!!!!」グサッ
梓「…で、言いたいことってなにさ?」
純「よくぞ聞いてくれました~あずさぁーあのさっあのさっ」ヤイノヤイノ
梓「あ、傘ならかさないよ?」
純「えっ」
梓「いや、えって言われても私、1本しか傘持ってきてないし」
純「ちょっと、待って!!」
梓「な、なに?」
純「梓、今のもう1回言って?はいっ!Say!ワンモワセッ!!!!」
梓「えっ…1本しか傘持ってきてない」
純「もう1つ前!!」
梓「え…。かっ、…傘ならかさないよ?」
シーン
純「あ、ごめん。あんま面白くなかった。流して流して。気のせいだった。気のせいだった」ソイソイソイ
梓「な、なんなの、一体…」ズーン
純「ムリヤリに話を戻そう!!うん、1本しかないのは知ってる!!!!」
梓「…なら諦めて他をあたって。憂とか」
純「憂もう帰っちゃった…『お姉ちゃん、濡れて帰ってくるかもしれないからお風呂沸かさないと』って」
梓「あー、その憂ならあり得るね」
純「うん。憂はいつも予想を裏切らない。だから傘かして」
梓「だから、傘1本しかないってば」
純「私はその1本すらない(キリッ」
梓「キリッとするタイミングおかしいでしょ…てか、どうして傘持ってこないかな。朝の天気予報でやってたじゃん、今日夕方から雨降るって」
梓「見ろ、髪の毛セットする時間削ってでも見ろ」
純「それは私のぽりすぃーにおいて拒否する!!!!」
梓「はいはいはい、拒否でもなんでもしてください。じゃあ、私帰るね」
純「あれ?帰るの?今日部活は?」キョトン
梓「今日は3年生が二者面談の日らしいからないんだ」
純「へ~そうなんだ。でも、二者面談ってクラス全員するんでしょ?2人くらいは先輩たち、部活来るんじゃない?」
梓「希望順らしくて、4人とも今日にしてくれたんだってさ。まぁ、私としてはそれでも部活したいけど、来てくれた人が先着順で律先輩と唯先輩だったら練習できないのなんて目に見えてるからね」
純「ふーん(このセリフ、2人が聞いたら何て言うんだろうか…)」
梓「昨日から今日部活なしってのは決まってて、今日は雨だし、むった…」
純「むった?」
梓「ケホケホ!む、ムスタング!!ギターね!ギター!!ギター持ってきてないんだよ!!」アセアセ
純「言われてみるとたしかに、今日ギターないね」
梓「うん!だから私は今日は帰るよ!もう光の速さで帰るよ!じゃあね、純!」ピューン
純「あ、っちょと!」
純「……本当に帰りやがったよ、あのネコ娘…」ポツーン
純「…くそぉ…傘どうしようかなぁ…」
純「どうせカラオケにでも行くんだからおいてけばいいのに…」
純「…」
純「でも、いいこと聞いたぜ!」グッヘッヘッ
=職員室=
純「しつれーしまーす」ガチャ
純「えーっと…」キョロキョロ
純「あ、アレッ!?もしかしていない!?」
純「って、あの先生ってたしか担任だったっけ!?」アチャー
ドアガチャ
さわ「ふうっ、面談に必要な書類忘れるとは…私も年かしら」ブツブツ
純「あ、ベリベリナイスなタイミンGOO!さわこセンセー!!!」スタタタタ
さわ「あら?そのモフり方はたしか…」
純「(モフり方…私の認知度相変わらずひでぇ…)そ、そうです、
私は梓の友達の
鈴木純ですよ!さわこセンセー…!!以後、お見知りおきを!!!!」シュタッ
さわ「そうそう鈴木さんだったわね。(思い出したわ、梓ちゃんの友達の変な子…)」
さわ「何かしら。私すぐにまた戻らなくちゃいけないんだけど…あと、そのポーズは何?」
純「雰囲気的にポーズ決めてみま~したっ!!」キュイーン
さわ「そ、そうなの、で、何かしら?(ちょっとイラッとくるものがあるわね)」
純「時間はかけさせません!!!!単刀直入!!願わくば、音楽準備室の鍵、つまり軽音楽部の部室の鍵を貸してくださいっ!!」ズビシッ!!
さわ「部室の鍵を…。どうしてかしら。一応部外者には貸せない決まりになっているんだけど…」
純「あ、梓が部室になんか忘れ物したらしいんですよね。で、さわこセンセーから鍵取ってこいって」
純「いわば、私はパシりです、はい。パシり以外の何者でもないです」ペラペラペラッ
さわ「あぁ…忘れ物ね。それなら仕方ないわね。えっと、ちょっと待ってね…部室の鍵は…」ジャラジャラ
純(ふはっwwwここまで順調ですwww純だけにwww)
ドアガチャ、スタスタスタスタ
純(ん!誰か来たな。さわこセンセーのクラスの人?こっちに来るよ、っと!
邪魔になっちゃうからよけないとね。私はパシり梓のパシり…)サッ
「さわこ先生」ボソッ
さわ「あ、若王子さん」
若王子「早く二者面談はじめてください。部活、行かないといけないんで」
さわ「あ、ごめんね、すぐに行くから、待っててちょうだい」
若王子「…」
スタスタ
さわ「あっ…」
純(センセー相手にだんまりとか、パネェwww)
若王子「モフモフ…」ボソッ
純「」
ドアバターン
純(すれ違い様に『モフモフ』ってつぶやかれた…!!!!)ガーン
さわ「あ、あったわ、鈴木さん、はいこれ、部室の鍵」スッ
純「あ、はい。ありがとございます」ショボン
さわ「(なんだかさっきまでの元気がない?)」
さわ「じゃ、私はもう行くから。鍵は机の上においといてね。ここらへんに…」
純「わかりましたー(鍵の管理ずさんだな!ヲイ!)」
純「それではまたー!にしゃめん頑張ってください」スタタタタ
さわ「あ、ありがと。じゃあね」スタスタスタ
純「よし!心に傷を負いつつもなんとか部活の鍵、ゲットだぜ!!」グッヘッヘッ
| 壁 |д・)ジー
純「ん?(さっきの若王子って人・・・いったい何をして・・・)」
| 壁 |д・)<モフモフ ボソッ
純「…………!!」キッ
| 壁 |三 サッ
純「」プルプル
純「くそぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
純「親父にも言われたことないのにっ!!ウワアアアアアアアアアアン」ダッ
5-2話 純「五月雨二重想」
=軽音楽部部室前=
ジャラジャラ
純「ふぅ・・・ここまでの道のりの長かったこと長かったこと・・・」
純「心に傷はおいまくりだけど、私は元気です」
純「さて・・・」ジャラリッ
ガシャ
純「失礼しまくりますよーーーっと」
シーーーン
純「……」
スタスタスタスタ
ピタッ
純「なんか…こう…」
シーーーン
純「どっ、どえらい静かな場所やないかい!!」
シーーーン
純「(・・・あの5人がいないと)」ポスン
純「(全然違う場所なんだなぁ、ここは…)」ホワァ
トンちゃん「プクプクなう」
純「ここに一人は寂しすぎるだろうよ・・・・まったく・・・・」ポリポリ
純「・・・」
純「……」ハッ
純「いかん、いかん!!よくわからない感情に時間を費やしてる場合じゃなかった!!」
純「とりあえず・・・・せっかくジャズ研で余ってるの借りてきたんだし・・・」
純「誰もこないだろうし、楽器ひこう!!」
純「誰かきたときはそれはそれで考えよう」ヒャッホウ
=扉の向こう=
「なにか・・・中から声が聞こえるぅううううううう」ガクガクガクガクガク
純「・・・・ん?ドアの向こうから今声がしなかった?」スッ
純「まさか、もうにしゃめんが終わったわけじゃないだろうし・・・梓かな・・・・?」スタスタスタスタ
「え!?ちょちょちょちょちょっと!?人影がこっちにきてるんだけど!!!!???」ギャアアアアアアアア
純「あれ?やっぱ誰かいるよね?」
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!なんか2つモフモフが頭についてるーーー!!??」
純「へ?」
純「また・・モフモフって・・・・っくっそぉぉおおおおお!!!!あずさぁー!?」ドアガチャ
「ごめんなさいごめんなさい!!!今度からお菓子は少なめにして自分にまけないようにがんばりますから
本当にがんばりますから!!!!」コワクナイコワクナイコワクナイコワクナイ
純「あれ・・・・梓じゃなくて・・・・」
「へ?」ピタッ
「あ、あれ・・・」
純「澪先輩・・・」
澪「モ・・・」
純「モ?」
澪「・・モ・・モフモフ・・・・」キュウ
純「あら?これがうわさに聞く、澪先輩お得意の瞬間気絶っすか・・・まいったなぁ」
澪「」キュウ
純「とりあえず・・・このままにしておくわけにはいかないからな、中に運ぶか!!」
純「では・・・・グヒヒヒヒヒ・・・・この鈴木純の在住中に現れたのが運のツキっ!!!!」フヒッ
純「付き合ってもらいますよ!!澪先輩!!!!」ムギュムギュ
=軽音楽部部室ソファー辺り=
ペチペチペチ
澪「んあっ・・・・」パチッ
純「お!目覚ましましましたか?」
純「ってか、今私がそのやらかいほっぺっぺを叩いて目を覚まさせたんですけどね」ヒヒヒヒ
澪「・・・・えっと・・・・どちらさんで・・・・そして私はなにを・・・・」ゾゾゾ
純「私は鈴木純いいます」
澪「鈴木・・・あぁ・・・・梓の友達の鈴木さん・・・」
純「純でいいです。もしくはじゅんじゅん」
澪「純ちゃんで」キッパリ
純「うん。さっきまで気絶していたわりにはいい判断、さすが、澪先輩です」
澪「えっと・・・///・・それで純ちゃんがどうしてけいおん部の部室にいるのかな・・・」
澪「今日は部活は休みのはずなんだけど・・・・」
純「うーーーん・・・照れ隠しして話をそらす澪先輩もキュートでかわいい・・・
じゃなくて、その件についてはですね、
サラッというと3文字もしくは2文字ですんじゃうんで詳しく言うとですね」
澪「あ、いや、2文字、3文字ですんだほうがいいんだけど・・・」
澪「(最初に言ったことは聴かなかったことにしよう)」
純「まぁ、それにつきましてはまた後で言うとして・・・・」
純「澪先輩、今日は楽器はもってきてますか?」
澪「楽器・・・・エリザベっ・・・・ベースならもってきてるけど・・・・」
純「(エリザベ?)それでこそ澪先輩!!!話が早くていい!!じゃあ、さっそくですけど」スッ
澪「あれ・・・・ベース?純ちゃん、ベース弾けるのか!?」
純「趣味でかじる程度ですから澪先輩には遠く及ばないですけどね」
澪「いや・・・自分をそんなに卑下するのはよくない・・・楽しんで弾くからこその音楽なんだから」
純「まぁ・・・・楽しむには技術も必要だと私は思いますけどね」
純「特にレベルの高い誰かと弾くってことになると・・・」ボソッ
澪「?」
純「まぁ、とにかく!澪先輩!!!今から私、1曲弾くんで聴いててください」
澪「あ・・・・う、うん・・・・?」
純「よっし・・・・まずはこの曲!!!!」
ベース「ぴゅあぴゅあはーーーと」
澪「え・・・・この曲は・・・・・」
ドゥアーン!
純「ふぅ・・・」
純「どうでした?」
澪「えっと・・・ところどころよかったんだけどな・・・」
純「ふむふむ」
澪「あとは全然ダメだな」どーん
純「ぎゃあwww意外にも辛口www」ガーン
澪「あ、えっと・・・・なんかごめん」
純「いえ・・・いいんです・・・」
純「覚悟はできてなかったけどしっかりと現実を受け止める力を養いたいです、はい」
澪「えっと・・・(な、なんかキマヅイ・・・・)」
澪「い、今の曲は練習を始めてどれくらいなんだ?」
純「これは一昨日梓から音源をもらったので・・・・実質1日・・・盛って4日ぐらいですかね?」ウーン
澪「え?」
純「え?」
澪「1日でこれ・・・?」
純「あ?」
澪「あ、い、いや・・・そんなニラまなくても(全然現実受け止められていないんじゃないか!!)」ガクガクガクガク
純「あ、すいません、つい癖で」テヘペロ
澪「い、いや・・・(癖って・・・しかも私関連のギャグ・・・)」
澪「『1日でこれ』っていうのは、言葉が足りなかったけど、その・・・」
澪「バカにしたんじゃなくて・・・すごいなって思ったんだよ」
純「すごい?私が?」
澪「梓からは楽譜はもらったの?」
純「いえ・・・梓はケチなんでいつだって音源だけです」
澪「音源だけか・・・なら本当にすごいよ・・・・」
純「はぁ・・・」
澪「あのさ、Bパートのところでちょっと左手をさ跳ねる感じにしただろ?」
純「あぁ・・・ここですね」ボボットッ、ボーン
澪「そこはどうしてそういう風に弾こうと思ったんだ?」
純「・・・・えっとですね、まぁ、才能が開花したっというか、」
純「こうちょっろと思い浮かんできたっていうか、アドリブっていうか・・・」
澪「アドリブ・・・・純ちゃん・・・・本当にベースの才能あるんじゃないのか?」ブルッ
純「え・・・そ、そうですかね・・・?私もちょっとそう思うっていうか、もうむしろ前世からの因縁っていうか・・・」
澪「あの箇所は私がプロの人の演奏を参考にして演奏に取り入れてみたところなんだよ・・・それを自分で考えてやってしまうなんて・・・」ゴクッ
純「あははは・・・・マジですか?私、とんでもないですね」hahahaha
純「(本当は梓の撮った澪先輩の弾いてる映像をズームで見まくって練習しただけなんだけどね!)」
澪「純ちゃん・・・私よりすごいや・・・」
純「(もうあとにはひけねぇな、こりゃ♪)」タハッ
最終更新:2011年04月05日 18:43