6話 憂「冬の日」
梓「はい、これ」
純「あぁ、うん」
梓「あと・・・これも・・・」ガサゴソ
純「?」
梓「ムギ先輩が憂に、って・・・」ワタシ
憂「え?私?」ウケ
純「なになにー憂にだけなにー?私にはーあずさー私にはー」
梓「純にも・・・不本意だけど・・・澪先輩から・・・」ワタシ
純「やったーーーありがと!あずさーーうれしいから不本意って言葉は聴きながしとくー」ウケ
憂「なにかな・・・?」ペラッ
純「なにかなー(まぁ、音源と一緒ってことは大体予想ついてますけどね!)」
憂「あ」
純「(はい!ktkr!予想的中!そして澪先輩の字はあいも変わらずかわいい!)」フヘヘ
梓「・・・」
憂「楽譜だ・・・しかもキーボードのパートの・・・・」
憂「・・・なんで・・・?」キョトン
梓「私もどうしてかわからないけど、澪先輩もムギ先輩も渡せばわかるからって・・・」
梓「純はなんでかわかる・・・?前回も澪先輩からもらってたけどさ・・・」
純「へ?」
梓憂「」ジー
純「(え!?そんないきなり2人に見つめられたら・・・・)」
純「(照れちまう・・・・///)」テレテレ
憂「?」
梓「(なぜ照れる!?)」
憂「純ちゃん、なにか心あたりある?」
純「う~~ん・・・心あたり・・・・」ポクポク
梓「・・・」
純「あ!」ピーン
純「わかった・・・心あたりあるわ・・・・もう私、確信犯だわ・・・」ザワッ
梓「え?なになに!?」
純「憂!うい!うぅ~~い!!耳かして!みぃみぃ!!」チョイチョイチョイ
憂「?」トテテ
純「ゴニョゴニョゴニョ」
憂「うんうん」
梓「(一体、なんなの・・・?)」
純「ゴニョゴフーフーニョゴニョ」
憂「うんうn、ふはは・・・純ちゃん、くすぐったいよぅ」ケラケラ
純「あ、ごめん、わざとだわ、ほら、憂かわいいから。私ってば、今、確信犯だし」
憂「純ちゃん・・・///」
梓「いや、ほんとになんだよ、これ」
純「・・・・ゴニョ・・・まぁ、っていうわけだから。おk?憂ちゃんよう?」
憂「うん、わかったよ~!けいおん部のみなさんって本当に優しいんだねぇ~」ニコニコ
梓「え?何なの?けいおん部がどうしたの?私にも教えてよ、純」
純「・・・」
純「やーだーよー」
梓「え?」
純「梓には教えてやんないよ」
憂「純ちゃん」アセッ
梓「え?・・・・・え?」
純「・・・・」プイッ
憂「じゅ、純ちゃん、そういう言い方しちゃダメだよ・・・」オロオロ
純「・・・・」プイプイッ
梓「」ムカムカ
憂「梓ちゃん、あのね・・・」
梓「いいよ、憂」
憂「え?」
梓「別に、先輩方から純が楽譜もらおうがどうでもいいし!!」ガタタ
梓「じゃ、私もう帰るから!!今日部活ない・・・てか、今私がないって決めたし!!!」ダッ
憂「・・・・行っちゃt」
梓「」ヒョコ
憂「あ、梓ちゃ・・・」
純「・・・」
梓「モップヤロウ」ボソッ
純「!?」
梓「」ダッ
純「あずさーーこのやろーーーだれがモップだーーーー」ダッ
憂「えっ!?ちょっと!?2人とも!?」タッ
―――
純「ゼーハーゼハーゼハーーー」グッタリ
憂「だ、大丈夫?純ちゃん」
純「梓のやつ・・・足速すぎるだろ・・・あいつ・・・」ゼーハーゼハー
憂「あっというまに見えなくなったね・・・」
純「モフモフはまだいい・・・・我慢する・・・」
純「だがしかし・・・モップだけは・・・モップだけは・・・・クゥ」ダンダンダンダン
憂「純ちゃん・・・」ヨイショッ
憂「純ちゃんも悪いんだよ?」
純「・・・、わかってるよ・・・それくらい」ハーハー
憂「どうしていきなりあんなこと言うの?梓ちゃん、傷ついたよ?きっと」
純「・・・・私なりの・・・・愛情表現だよ・・・・」フーフー
憂「梓ちゃんへの?」
純「・・・・うん、そうだよ。てか、あれで憂への愛情表現だったらおかしいでしょ。
梓、ホントにかわいそうでしょーが」ハフー
憂「うん、たしかにおかしいね。まぁ、でもさっきのも端から見てて十分おかしかったけどね」
純「ほんとにね。梓、なんかかわいそうだったね」ハハハ
憂「うん。かわいそうだったよ。悲しそうな顔してたよ」
純「うん・・・だね」
憂「どうしても梓ちゃんから誘ってもらわなきゃダメなの?」
憂「それって純ちゃんのエゴの押し付けじゃない?」
純「・・・」
純「うーいー」
憂「うん。なに?純ちゃん」
純「よく、わからん」ハー
憂「うん、私も考えてるけどよくわかんない」フー
純「とりあえず、胸がくるしいや」
憂「そっか」
純「久しぶりに走ったからかな・・・?」
憂「昨日、体育でマラソンしたよ?」
純「・・・・憂はたまに、本当にたまに、もうすこし、空気よもうね?」ハハハ
憂「?」
純「まぁ・・・・いいや。やっぱそのままでいてくれ」
憂「梓ちゃん、大丈夫かなぁ」
純「さぁ」
憂「無責任」
純「グゥの音もでねぇ」
―――
梓「~~~~~~!!!!」ダーッ
梓「なんなのさ、あのモップめ!!モップめ!!!」ダーッ
梓「(どうして、どうして、どうして!!!!!みんな・・・みんな・・・・)」ダッ
梓「(澪先輩もムギ先輩も律先輩も、憂も純も、・・・・唯先輩も!!!!!どうして私を仲間はずれにするの!?)」グスッ
梓「(もうなんだ・・・なんなんだよぅ・・・・なんか嫌だよぅ・・・・)」グスゥグスゥ
梓「(こんな気持ちになるために音楽してきたわけじゃないのに・・・・」
梓「こんな気持ちになるためにけいおんがく部に入ったわけじゃなかったのに・・・・)」グスッ
梓「(私の心・・・いつのまにかこんなに不細工になっちゃったんだろう・・・・)」ウゥウウ
ーイ
梓「(もう5人でいられる時間、少ないのに・・・こんなことで悩んでる暇ないのに・・・)」ダーッ
オーイ
梓「あれ?なんか呼ばれるこえが」チラッ
唯「あ、やっときづいたよ!!!オーイ!!!あずにゃん、やーーーい!!!」タッタッタッタ
梓「ゆ、唯せんぱい!?な、なんでおっかけてくるんですか!?」ダー
唯「え?だって、何回呼んでもあずにゃんがなかなかきづいてくれないからおっかけるしかないじゃん!!」タッタッタッタ
梓「た、たしかに・・・てか、なんでいるんですか?(今、こんな気持ちで先輩に会いたくないよ)」ダッ
唯「あ、こらスピードあげるんじゃないよ!?」ダッ
唯「おーい、こらーきみはかんぜんにほういされているぅーーー!!とまりなさーーい!!」タッタッタ
梓「いや、どうみても隙だらけですから!!!それにとまれ、と言われてとまるほど私はバカじゃないです!!!」ダッー
唯「なるほど!じゃあ、私がとまってみようかな~~もうおっかけるのやめちゃおうっかなぁ~~」ニヤニヤ
梓「えっ・・・・!?」タッタッタ
唯「(お!あずにゃんのスピードが落ちてる!?)」
梓「・・・・唯先輩もやっぱり・・・・私のこと・・・・」
唯「(あ、あとちょっと、あとちょっとでおいつきますぜ!!!)」フンヌゥゥ~
梓「(1人にするんだ・・・・」ダッ
唯「あ・・・・!!」
梓「もういいです!!!私は1人でいいです!!!もう誰にも頼りません!!!唯先輩にも!!!!」
唯「え・・・」
唯「あず・・・にゃん・・・?」
梓「うっさいです!!!もう追ってくれるなです!!!」シッシッ
唯「・・・・」タッタッタ
唯「・・・・」タタタ
唯「・・・・」トテテ
唯「・・・・」ピタ
梓「・・・・!」チラッ
梓「(なんだ・・・なんだよぅ・・・・私が悪いわけじゃないのに・・・・)」
梓「(さっきより、もっと悲しいよ・・・・胸が・・・・痛いよ・・・・)」グスッ
梓「(いや、いいんだ、だって、だって!!!!
とまったってことは唯先輩だって、むこうの人だってことなんだ!!!!だからこれでいいんだ!!!!)」ダッ
唯「・・・・あずにゃんがシッシッてした」
唯「・・・・グスゥ」
唯「!!うぅううううう!!!!!!」ゴシゴシゴシ
唯「私・・・・あずにゃんに頼られてたんだ・・・・知らなかった・・・・」ハハハ
唯「そんなに・・・グス・・・いい先輩じゃないのに・・・いっつもあずにゃんに怒られてばっかりなのに」グスッ
唯「でも、・・・・」
唯「あずにゃん・・・・私、やっと気づいたんだ。この1年は楽しいことだけじゃないんだね」
唯「おいかけなくちゃ」トテテ
唯「1人にしたくないけど、1人にしちゃうよ」タタタ
唯「どうしたらいいんだろう」タッタッタ
唯「あずにゃんはどうしたいんだろう・・・」タッタッタ
―――
梓「ハッァッハァッハァ」タタタ
梓「ハァ・・・・ハァ・・・うぅううううううう」タタタ
梓「ううぅうううう・・・・グスッ・・・・ハァ・・・グスッ・・・・」タタタ
梓「最低だ・・・・私・・・・グスッ」ピタッ
梓「唯先輩は悪くないのに・・・・おいかけてきてくれたのに・・ヒック・・八つ当たりしちゃったよ・・・・」
梓「シッシって・・・・犬かよ・・・バカじゃないのかな・・・わたし・・・グスッ」
梓「純だって憂だって、先輩たちだって自由に音楽してるだけなのに・・・」
梓「どうしてそこに入れないってだけでこんなに悲しいんだろう・・・グスッ」
梓「今でもこんなに悲しいのに、来年から1人でなんてできるわけがないよ・・・・うぅうううぅ」
梓「どうすればいいの・・・ほんとに・・・・どうすればいいの・・・」
梓「わかんない、わかんないよ・・・うぁぁああああああ」ポロポロポロ
ギュ
梓「ふえぇ!?」
唯「あずにゃん」ゼェゼェ
梓「どぅいぜんばいぃいい・・・・だ、だんでぇ・・・・!?」ポロポロポロ
唯「だんで?え?私ってダンディーかな?そんなこと言われたことないんだけどな」ハハハ
唯「あ、でも、ギー太と出会ってからちょっとはムキムキになったかもしれないけどね!」
梓「い、いや・ヒック・・・そうじゃなぐでぇ・・・・だっ・・・ヒック・・・ダッ」ボロロロロ
唯「ゆっくりでいいよ?いったん泣いちゃうとなかなか止まんないよね」アルアルー
梓「グスッ・・うううう・・・・・ぐぅ・・・はぁ・・・ズズズゥ」
梓「だっ・ハァ・・っな、なんで、ごごにいるんですがぁ?」ズズッ
唯「うん?」
梓「わだし・・・さっっぎ、ぜんばいびひどいごどぉをしだのにぇ・・・」
唯「私、あずにゃんのこと、好きだらけだから、追ってくるなって言われてやめるほどバカじゃないんです」ハハハ
梓「なんですか、ぞれ・・・」ケホッ
梓「でも・・・でも・・・」ジワッ
唯「?」
梓「ぞれなら・・・追うのやめるとか・・・言わないでぐだざいよ・・・」
唯「・・・うん」
梓「卒業しちゃうぐぜに・・・ひっ・・・ひどりにするぐぜにっ・・・」グスッ
唯「・・・・ごめんね、あずにゃん・・・ひとりにしちゃう・・・・」ぎゅ
梓「うぅうううううううううう」ポロポロポロ
唯「・・・・ごめんね」
梓「」ポロポロポロポロ
唯「(言葉って・・・・無力だ・・・)」
梓「うわぁああああああああああん」
唯「(違う・・・私が・・・・)」
唯「無力なんだ・・・」ポロッ
―――
純「あ、憂、雪だ」ホゥ
憂「あ、ほんとだ。今日降るって言ってたもんね」ハフゥ
純「どうりでNIKUMANの暖かさが心にしみいるわけだよ」モグモグ
憂「うん。寒いときのあったかいものって心がほっこりするね」モグモグ
純「梓、ちゃんと帰れたかなぁ?」ムグムグ
憂「電話かけてもでないもんね」ハフハフ
純「まぁ、だからこうして今梓ん家むかってるんだけどね」ムグゥ
憂「ちょっと寄り道しちゃったけどね」モグゥ
純「私たち、心から梓が心配だよね」モグモグ
憂「うん。でも、寒さには勝てないね」モグモグ
純「ぬくもりって偉大だ」ゴクン
憂「偉大だぁ」ゴクン
憂「ん・・・?」
純「どした?憂」
憂「あれ・・・!!」
純「ん?・・・・あ!!」
唯「うぅぅ・・・・グスッ・・・」ズリズリズリズリ
憂「お姉ちゃん!?」タタタタ
純「ほんとだ・・・、すごい泣いてる!?」タタタタ
唯「うい・・・・も・・・じゅんぢゃん・・・グスッ・・・どうしているの?」ズリズリズリズリ
憂「ど、どうして泣いてるの!?」
純「(も・・・)」
唯「う、うい・・・・そ、その・・・ヒック・・・ウック・・・」ポロポロ
憂「うん、お姉ちゃん大丈夫だから、ね?おちついて」
唯「・・・うううぅうう・・・グスッ」
純「・・・てか・・・・唯先輩がさっきから背負ってズリズリ引きずってるのって・・・・・」
梓「zzz」
憂「・・・・」
純「・・・・」
唯「シクシクシク」ポロポロポロ
純「あずさだね」
憂「うん、まぎれもなく梓ちゃんだね」
憂「ほっぺたがまっかっかだ・・・・それに・・・泣きあと・・・・」
唯「あ、・・・・私が・・ヒック・・あずにゃん泣かしちゃって・・・うぅうう・・・」ポロポロ
憂「お姉ちゃんもほっぺたまっかっか・・・・」
純「・・・・・」
唯「あずにゃん、泣きつかれて・・・・寝ちゃったから・・・ズスッ・・・」
憂「それで運んでたんだね?」
唯「うん・・スンスン・・・・」コクン
憂「とりあえず・・・寒いしみんな風邪ひいちゃうから、うち帰ろうか?」
憂「私、梓ちゃん、背負うよ」
唯「え、あ、うん・・・ありがと・・・」
純「あ」
純「私が・・・梓・・・・背負いますから・・・」
唯「じゅんちゃん・・・」
憂「・・・・じゃあ、純ちゃん、梓ちゃんお願い、私は梓ちゃんのギター持つから」
純「・・・ん」
唯「ごめんね?純ちゃん」ヨイショ
純「いえ、ズリズリひきずられる梓、なんだかかわいそうなんで・・・」ヨイショッ
憂「じゃあ、うち行こうか。ちょっと歩くけど・・・」
純「うん」
憂「お姉ちゃん、大丈夫?これ、ティッシュ」
唯「めんぼくねぇ・・・」ズピピピピピピピ
純「・・・・」
純「(あずさ・・・・軽いな・・・・背負ってる感じがしないや)」ハハハ
純「・・・・」
最終更新:2011年04月05日 18:47