…………
………
……


ガチャッ…

梓「…できました!
あとは化石をここに入れて…」

律「なあ梓、なにをしてるんだ?
こんなところで…」

梓「…見ていてください」

律「……」

パキッ……

紬「あ…」

パキッ…パキッ…

律「化石が……」

梓「さあ、誕生しますよ。化石から、古代のポケモンが…!」

ピカアアッ!!!

「プロプロー!」

律「…!!」

紬「わあ♪ かわいいわねっ」

梓「プロトーガですね。うん…、ニックネームは『トンちゃん』がいいです。
よろしくね、トンちゃん!」

トンちゃん「プロプロ!」

律「すげえ…、化石からポケモンが…」

梓「…ポケモンって凄いですよね。
古代でもう絶滅してしまったポケモンも、こうして生き返らせることができる…。他にも色々…。
私、そんなポケモンの凄さを知って、『ポケモン博士になろう』と思ったんです」

律「……」

梓「人も同じですよ! たとえ消えてしまっても、昔からの記憶は……大事な記憶はきっと蘇りますよ!
そう気を落とさないでください! 澪先輩も絶対に大丈夫ですから!!
律先輩らしくないですよ!!」

律「……。へへっ、そうだな。私らしくないよな!
澪も、きっと元に戻るよな!!」

梓「絶対です!!」

律「…ああ!」

紬「ふふ♪」

梓「じゃあ唯先輩を連れて、博物館へ帰りましょう。アロエさんたちも待っています!」

紬「そうね。とりあえず今は…」

ガサッ!

律梓紬「…!!」

「ふふ、ここで帰らせるにはいきませんね」

梓「誰かいます!」

律「誰だ!?」

「どうも」ガサッ

律「お、お前はプラズマ団七賢人の…!!」

カトレア「カトレアです」

紬「プラズマ団!?」

梓「まだいたんですか…!」

律「モール!」カチャ

カトレア「ムシャーナ、“さいみんじゅつ”!」

ムシャーナ「ムゥー!」ミュワアアン

律「!?」クラッ…

律「うっ…」バタッ

梓「律先輩!
くっ…よくも!! ミミちゃん!!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ!

カトレア「……」

ガキイイッ!!!

ミミちゃん「…!」

梓「!?」

ユリ(ユンゲラー)「ユン!」

紬「“リフレクター”…間に合ったわね」

梓「ムギ先輩!? どうしてその人を庇うんですか!!」

紬「待って、梓ちゃん。
このムシャーナっていうポケモン…、よく見たら、前に“ゆめのあとち”で私を助けてくれたポケモンだわ…」

梓「…え?」

カトレア「…ご名答ね」

梓「あなた、プラズマ団じゃあ…」

カトレア「さあ? でも、あなたたちの敵ではないわ」

梓「一体どういう…」

カトレア「この子たち、借りていくわね」ガシッ

梓「!? いけません! 唯先輩と律先輩を返してください!!」

カトレア「心配しないで。少しの間だけよ。
用が済んだら“ライモンシティ”へこの子たちを送るから、あなたたちも来なさい。…じゃあ」シュッ!

梓「ああっ!」

紬「……。梓ちゃん、とりあえず博物館へ戻りましょう。ね?」

梓「…はい」

………
……

《シッポウはくぶつかん》


キイチ「帰ってきませんねえ…、大丈夫でしょうか……」ソワソワ

アロエ「だらしないね、そう慌てるんじゃないよ。
私達ができることは、待つ…それだけだろう?」

キイチ「ですが…」ソワソワ

キイチ「…あれ?」

アロエ「どうした?」

キイチ「ああ! ドラゴンの骨以外の展示品もなくなってます!!」

アロエ「な、なんだって!
なにがないんだい!?」

キイチ「そ、その…あの丸い石です…」

アロエ「……」

キイチ「……」

アロエ「…ならいいか。別に特別、価値なさそうだし」

キイチ「ですよねー」

…………
………
……

《イッシュ地方のどこか》


ゲーチス「そうですか…。あの骨はゼクロムとは何も関係がありませんでしたか…。あてが外れましたねえ」

澪「……」

ゲーチス「そうです、違う任務を与えていた“ダークトリニティ”のみなさんはどこへ?」

デント「ここです、ゲーチス様ァー!!」

コーン「ただいま戻って参りました」

ゲーチス「例の物は?」

ポッド「もちろん盗ってきましたよッ!」スッ

ゲーチス「おお…! これがワタクシが求めていた石!! に近いです。調べてみないと分かりませんが…」

デント「よし! これで我々の株も一気に上がる!」

ポッド「一方、そちらさんはッ…」ジロッ

コーン「任務、失敗しましたもんね?」

澪「……」

デント「さあ! ゲーチス様!! 我々をまた親衛隊に…」

ゲーチス「戻しませんよ」

デントポッドコーン「!!!」ガーン!!!

ゲーチス「第一、ワタクシの勘が外れただけで、澪さんは任務を失敗してませんし」

デントポッドコーン「」

ゲーチス「…さて、この三人は放っておきましょう。
それで…」

ゲーチス「澪さん。どうでした? 彼女にお会いして」

澪「……。やはりゲーチス様のおっしゃる通りでした。律は…私のことなんて……」

ゲーチス「まあそう落ち込まないでください。
あなたがワタクシに従い、ポケモンを解放することで……彼女もあなたを認めてくれるはずです。
そして理解します。あなたの高尚な考えを…、自分がどれほど愚かだったということをね」

澪「はい、ゲーチス様」

ゲーチス「それに、苦しんでいる人はあなただけではありません。同じように心に傷を負っている仲間がいます」

澪「…というと?」

ゲーチス「出てきてください。
……シルバー」

カツカツ…

シルバー「……」

…………
………
……


「う……ん……」

「……」

パチッ!

唯「あれっ! ここは!?」


唯「確か…“ヤグルマのもり”にいて、澪ちゃんが……」

唯「…澪ちゃん……」ギュウッ…

唯「…? でも、ここ…森じゃないよね? ビルがいっぱい…」

トレーナー「……おい!」

唯「ふぇ!? な、なに!?」

トレーナー「お前…ここは初めてか?」

唯「ここって…どこなの?」

トレーナー「…俺にバトルで勝ったら教えてやるよ!!
バルチャイ!」ボム!

バルチャイ「バールチャ!!」

唯「ええ! ええっと…、チー太!!」ボム!

………
……


バルチャイ「」バタッ

トレーナー「ああっ…!」

唯「よかったあ…勝った……」

トレーナー「クソォ…」

唯「それで、ここはどこなの?」

トレーナー「人々の欲望が集う街、“ブラックシティ”だ!」

唯「“ブラックシティ”?」

トレーナー「ああ。全てが金でやり取りされる街さ。ここでは金が絶対だ」

唯「お金かあ…」

トレーナー「あんたも金目当てで来たんだろう?
さあ、バトルの賞金だ。受け取りな」

唯「ええ!? そんなの受け取れないよ!!」

トレーナー「はあ? おかしな奴だな。バトルに勝ったら賞金をもらう。…普通だろ?」

唯「でもでも私、そんなの貰ったことないよ!」

トレーナー「……ふうん。あんた強いのに、もったいないぜ」

唯「私、お金が欲しくてトレーナーやってるわけじゃないからねえ」

トレーナー「じゃあなんのために?」

唯「ポケモンが好きだから!
育てて、一緒に戦って…バトルに勝ったら嬉しいから!」

トレーナー「好き…? ポケモンが?」

唯「え…、あなたも好きでしょ?」

トレーナー「……」

トレーナー(このバルチャイ…。いつか売ろうとしてたんだけどな……)

トレーナー「…不思議な奴だな。この街には絶対にいないタイプのトレーナーだ。
…お前なら勝てるかもしれない」

唯「?」

トレーナー「この街の最強のトレーナー、ランクルス使いのトレーナーに!!」




Episode.17 fin



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最終更新:2011年04月05日 23:08