Episode.28




《フキヨセシティ》


律「到着…って、なんかやけに騒がしくないか?」

唯「なんだろう…」

「「大変だー! フキヨセジムジムリーダーのフウロさんがー!!」」

唯「ジムリーダー!?」

律「なんか事件か!? よし、行ってみるぞ!」

唯「うん、りっちゃん!」

………
……

《滑走路》


「ダースダス!!」

「キャー!!」

「うおお!?」

タタタッ

唯「な、なにあれ?」

律「あのポケモンは…」ピッ

ポケモン図鑑『ダストダス、ゴミすてばポケモン
ヤブクロンの進化形。ゴミを すいこんで からだの いちぶに してしまう。 みぎうでの ゆびさきから どくえきを ふんしゃ。』

律「すごいポケモンだな…」

「む! それはポケモン図鑑!?」

律「え?」

「ふむう、君たちが娘の言っていたトレーナーか」

唯「娘って…あなたは?」

アララギパパ「私はアララギ! 君たちが会ったアララギ博士は私の娘だ!」

律「ってことは…アララギ博士のお父さん!?」

アララギパパ「そうだ!
で、あっちの女性がフキヨセのジムリーダーのフウロだ!」

唯「あの人がジムリーダー…!」

律「…めっちゃ襲われてるんですけど……」

ダストダス「ダースダスー!!」

フウロ「キャー!」

アララギパパ「しまった! いかんいかん!!」

律「なにがあったんですか!?」

アララギパパ「あのダストダス、この滑走路に迷い込んでしまったようでな…。我を見失っているようなんだ!」

律「とりあえず、フウロさんを助けましょう!」

アララギパパ「そうだな…。君たち、戦えるか?」

唯律「もちろん!」

アララギパパ「よし。なら、私をサポートしてくれ!
ツタージャ!!」ボム!

ツタージャ「タージャ!」

唯「かわい…ふごっ!」

律「いいから、黙っとけ!」

アララギパパ「ツタージャ、“つるのムチ”だ!」

ツタージャ「タージャ!」シュバッ!

ダストダス「…!」

バシバシッ!

ダストダス「……」シーン

ツタージャ「タージャ!?」

律「ダメだ! くさタイプのツタージャじゃ、どくタイプのダストダスに相性が悪いんだ!!」

アララギパパ「戻れ、ツタージャ!」シュウウッ

アララギパパ「ふむう…。ここは、ほのおか…みずか……」

唯「ああっ、考えてるうちにダストダスが!」

ダストダス「ダースダス!!」ガシッ!

フウロ「ひぃっ!?」

アララギパパ「ダストダスはゴミを吸い込んで体の一部にするというが…」

ダストダス「ダースダス!」ピタッ!

フウロ「…!?」

律「くっついちまったぞ!」

ダストダス「ダースダス!」

フウロ「いや~! 私ゴミじゃないよお~!!」

唯「なんかすごい光景だね…」

律「言ってる場合か! あれじゃあ攻撃しようにも、フウロさんにも当たる危険があるぞ!!」

唯「私たちのポケモンの攻撃じゃあフウロさんを傷つけちゃう…」

ダストダス「ダースダス!」

フウロ「うう…どうにかしてぇ…」

アララギパパ「いや…あるぞ! フウロを引きはがし、ダストダスに攻撃を当てる方法が!」

律「! なんですか!?」

アララギパパ「人間にはほとんど害がないタイプ! それは…みずタイプだ!!
ミジュマル!!」ボム!

ミジュマル「ミジュマー!」

アララギパパ「ミジュマル、“みずでっぽう”だ!」

ミジュマル「ミジュマー!!」ブシュウウ!!!!!

ダストダス「ダスー!?」

バシャアアッ!

律「これなら上手くフウロさんを引きはがせる!」

フウロ「って、結構冷たい…!」

アララギパパ「我慢しろ! 今だ、“シェルブレード”!!」

ミジュマル「ミジュー!!」シャキッ!

ガキイイッ!!!!

ダストダス「ダスー!?」

ドサッ!

フウロ「うわあっ!」

フウロ「…っとと!
は、はがれたあっ!」

アララギパパ「さあ、あとはお仕置きの時間だ! ミジュマ…」

唯「待ってください!!」

アララギパパ「!!」

ダストダス「ダス…?」

唯「私思うんだけど…その子、恐かったんじゃないかなあ…。
自分の知らない場所に来て…」

アララギパパ「……」

律「確かに、それで我を見失ったのかも…」

フウロ「…私もそう思う。
引っ付いていた時、ダストダスが怯えているように感じたから…」

ダストダス「ダス…」

唯「恐かったんだねえ、よしよし」

ダストダス「ダスー!」パアアッ

アララギパパ(…なるほどな。娘の言うとおり、面白い子たちだ)

………
……

唯「じゃあね、ダストダスー!」

ダストダス「ダスー!」

律「ふう…。これで一安心だな」

フウロ「私の服びしょ濡れだけどね…」ハア…

アララギパパ「ハハッ。まあいいじゃないか。ダストダスも街も無事だしな」

フウロ「アララギ博士は容赦なさすぎなんですよお! 助けてくれたのは感謝しますけどぉ…」

アララギパパ「まあそうカッカするな」

フウロ「…着替えてこよう」

唯「あっ、私手伝います!」

フウロ「そう? じゃあお願いね」

スタスタ

律「……」

アララギパパ「…ふむう」

律「? どうしたんですか、アララギ博士」

アララギパパ「いや…気になることがあってな」

律「…?」

アララギパパ「本来ダストダスは、滑走路のようなゴミのない所には迷い込んだりしないはずなんだが…」

律「…っていうと?」

アララギパパ「…誰かが、ダストダスをここへ来させるように仕向けた…とかな」

律「……」

アララギパパ「なーんてな。考えすぎか」


…………
………
……

《フキヨセジム》


唯「すご~い! 砲台がいっぱい!」

フウロ「ふふ、私の趣味よ。挑戦者にはこの砲台に入って、私の所まで飛んできてもらうんだ」

唯「楽しそうだねえ」

フウロ「まあ人間大砲なんて離れ業、できるのは限られた人だけなんだけどねー。
だからこの大砲は別の使い方で役立ててるわ」

唯「どんな?」

フウロ「ええっとね…」タタッ

フウロ「えいっ!」ポチッ

ドドン!!

パサッ…

唯「おおっ! 服が飛んできた!」

フウロ「大砲の中には私の所有物を入れてるの。
ボタン一つでパパッと飛んでくるんだ~。面白いでしょ?」

唯「こうなるとあれこれボタンを押したくなるね…」ウズウズ

フウロ「ちょっと待っ…」

ドドン!!!!

パサッ…

唯「また服だ!」

唯「…あれ? 同じ服だね」

フウロ「それは飛行服よ。今着てるのもそうだけど」

唯「へえ~」

ボム!

「アヒッ」

唯「…ボールも飛んできたの?」

フウロ「あれれ、ボールも入れちゃってたか」

「アヒャ!」

ピッ

ポケモン図鑑『コアルヒー、みずどりポケモン
せんすいが とくいな とりポケモン。 こうぶつの みずゴケを たべるため すいちゅうを およぎまわる。』

唯「かわいい~!」

フウロ「ふふ、でしょう?
私のお気に入りのポケモンなんだよ」

コアルヒー「アヒッ!」

唯「ひこうタイプだね」

フウロ「そう。私の得意のタイプはひこうタイプ!」

唯「ひこうタイプ…。
そういえば、飛行機が外にあったね」

フウロ「私はジムリーダーであり、パイロットでもあるんだー」

唯「パイロット…!
だから飛行服なのか!」

フウロ「そうそう。まあ私が飛ばすのは人じゃなくて、物なんだけどね」

唯「すごいねえ…」

フウロ「ふふ、どう?
私と戦う気になった?」

唯「ふぇ?」

フウロ「知ってるよ。カミツレちゃんから聞いたから。
あなたたちはジムバッジを集めてるんでしょ?」

唯「…うん!
じゃあ戦おう!」

フウロ「オッケー。
勝負は2対2のバトルね! コアルヒー!」

コアルヒー「アヒッ!」

唯「よおーっし! ムー太…」

ドオオン…!

唯「ふえっ!?」ビクッ

コアルヒー「アヒッ!?」

ゴオオオ……

フウロ「! この音…! まさか!!」

ダダッ!

ガチャッ

フウロ「…! やっぱり!」

唯「ど、どうしたの!?」

フウロ「…ジム戦は中止よ」

唯「え…?」

フウロ「私の飛行機…貨物機が盗まれたの!!」

唯「…!!」

………
……

《滑走路》


アララギパパ「な、なぜだ! なぜ貨物機が飛んでいるんだ!?」

律「…なんかおかしいんですか?」

アララギパパ「ああ…。貨物機は一日一回しか飛ばない!
それに…その操縦士はフウロなんだ!!」

律「フウロさんが!?」

アララギパパ「フウロはジムリーダーとパイロットを兼ねている!
今日はまだ一度も貨物機は飛び立っていないが…、しかしそれでもおかしい!!
フウロは今、ジムにいるはずだ!!」

律「じゃあ…」

アララギパパ「貨物機が盗まれた…と考えるのが普通だろうな」

律「…!」

タタタッ

唯「りっちゃあん! アララギ博士ー!」

律「唯!」

アララギパパ「フウロ!
やはりあの貨物機は…」

フウロ「見ましたか!?」

アララギパパ「ああ…、盗まれたのだな?」

フウロ「はい…。私としたことが…貨物機を盗まれるなんて…!」

律「つーか、こんなことする奴って…」

唯「やっぱりプラズマ団?」

フウロ「プラズマ団…!」

律「じゃあ、ダストダスを滑走路に迷い込ませたのもプラズマ団か!」

唯「許せない!」

アララギパパ「プラズマ団か…。私もフウロとともにカミツレに聞いたよ。
…とりあえず今はここでゴチャゴチャ言っていても仕方がない!
貨物機を追いかけるぞ!!」

唯律「はい!!」

フウロ「ううん。全員が行ったらダメよ」

アララギパパ「なぜだ? 追いかけるのにはそれなりの人員が…」

フウロ「…相手はそれなりの組織です。もしかしたらまだ街に仲間がいるかもしれない」

アララギパパ「なるほどな…。その可能性はあるな…」

アララギパパ「よし!
フウロと唯は貨物機を追ってくれ! 律は私と残って、街を守ろう!」

皆「はい!!」

フウロ「行きましょう!」

唯「うん!」

タタタッ

律「アララギ博士…」

アララギパパ「油断するなよ。
畑の方を見ろ」

ズブブッ…

「ノークタス!!」バッ

律「あれは…!」

アララギパパ「カカシぐさポケモン、ノクタス。
やはりまだプラズマ団のポケモンがいたか!」

ノクタス「ノークタス!」ギロッ

…………
………
……

《7ばんどうろ》


ゴオオオ…!

「ひゃはは☆ チョロイもんだなー。貨物機ゲットだぜ!」イェイ!

「これでポケモン解放も楽々できるなーオイ」

「ジムリーダーもノクタスを置いてきて足止め…。あとはフキヨセのトレーナーから奪ったポケモンをばらまくだけだな」

「なあ? ロゼリア、サーナイト」

ロゼリア「ローゼ」

サーナイト「ナーイ」

ミツル「澪さんもサキも頑張ってるようだし、このミツル様も頑張らないとな!」

ブロロロ……




Episode.28 fin



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最終更新:2011年04月05日 23:27