昼休み
キーンコーンカーンコーン…♪
紬「うふふ、さぁ~て行きましょ☆」タッタッタッ…
唯「最近ムギちゃん昼休みになるとどっか行っちゃうよね?何かあったのかな?」
律「あれ、唯知らないの?」
唯「ほぇ?」
澪「ムギのやつ、昼休み限定で校内のお悩み相談室開いてるんだってさ」
唯「えー?なにそれ初耳ー」
律「先月からやってるんだ、『シスタームギのお悩み相談室』って、早くも校内で人気高いんだって」
和「なんでも恋愛相談から進路相談、友情関係家族関係部活の悩み、今日の献立まで幅広く請け負ってるそうね」
澪「これまで解決された悩みは述べ数10件、結構信頼されてるんだと。」
和「まぁ生徒会長としては、生徒の悩みを聞くのが仕事だから少し複雑なんだけどね…あはは。」
澪「……別に和の力が足りないわけじゃないと思うけど…」
唯「へー、私も何か相談乗ってもらおっかなぁー?」
律「じゃあ聞くけど唯、お前悩みなんてあったのか?」
唯「え?……ぁー…なにもなかったー、あはははは☆」
澪律和(だよなー…)
律「でも、せっかくだし面白そうだから覗きに行こうぜー!」
唯「はい!りっちゃん隊長賛成ー☆」
澪「律、唯!ムギは遊びでやってるわけじゃ…」
律唯「えー、ヤダヤダ行きたい行きたい~~~~」ジタバタジタバタッ
和「みーお、いいじゃない。それに…あの二人が一度言ったら聞かないでしょ?」
澪「まったく…和が言うなら仕方ないか…」
澪(……いつから私と和は二人の保護者になったんだ…?)
2階廊下
律「確か2階の空き教室だったな…あったあった、ここだ……って、なんだよこの人数…」
ガヤガヤ…ワイワイ…
「ねーねー、何占ってもらうの?」
「私は…進路、そっちは?」
「私は…恋愛…かな?///」
澪「すごい行列だな…」
和「僅か1ヶ月でここまで並ぶなんて、すごい人気なのねー」
唯「あ、誰か出てきた」
1年A「(ガラッ)…ありがとうございました!!」
1年B「よかったねー、前向きに頑張って…だってさ」
1年A「うん…私、今度この気持ちを先輩にぶつけてみるっ!」
1年B「うん!当たって砕けろだね!」
1年A「そこは砕けちゃ駄目ぇ~~」
律「しかもめちゃくちゃ本格的っぽいと」
澪「今の1年生、どこかで…」
和「はぅ…私の立つ瀬が……」
唯「だいじょーぶだよ!和ちゃんは和ちゃんでしっかりやってるよ!」
和「唯…うふふ、ありがとうね。」
律「おい唯、あそこ見てみ」
唯「んん…?あの子は…?」
純(…………ドキドキ///)
澪「あの子、確かジャズ研の…」
唯「純ちゃんだよ、あずにゃんと憂のお友達の」
律「声かけてみよーぜ」タッタッタッ…
澪「りーつ!ちょっ…」
律「やっほ~☆」
純「え?…あ、律先輩?」
律「どーしたのさ?悩み事?」
純「ええ、まぁ…」ドキドキ…
律「私達も相談乗るよー、なんたって梓の友達なんだしさ☆」
澪「律ー、それをムギに話しに来てるからここに並んでるんだろーが。」ゴチンッ
律「あいた、もー澪なんだよー?」
純「あの、先輩方は?」
唯「私達、ムギちゃんがここで悩み相談してるって聞いてさ~」
律「ふふん…やはり部長としてはー、部員が何をしているのかをだな~」
澪「見え見えの嘘をつくなって」
純「あはは、みなさんありがとうございます♪」
純「でも大丈夫ですよ、そこまで深刻な悩みじゃないですし、どっちかって言うと愚痴に近い感じですしね。」
純「……でも、ムギ先輩の悩み相談けっこう頼りになるって評判だし、試しに行ってみようかな~なんて、ホントそんなノリですから。」
純「心配かけちゃってすみません、でも、ありがとうございます☆」
紬「次の方ー、どうぞー☆」
女生徒「…はい!」
和「しかし、初めて見たけどすごい人気ねぇ~」
キーンコーンカーンコーン……
律「あ、もう昼休み終わりか。」
「ちぇー、今日こそ相談できると思ってたのにー」
「私、明日から頑張ってみる!」
「まずは…目標から頑張らないと…」
ガラッ
紬「ん~~、今日も楽しかったわぁ~☆」
唯「あ、ムギちゃん☆」
紬「あれ?みんなどうしたの?」
律「お疲れさん。いやぁ~、ムギの相談室がここまで人気だったとは知らなかったな~」
澪「ごめん、こっそり付いてきたんだ」
和「もしかして、お邪魔だったかしら?」
紬「いえいえ、みんなも何かあったら私に是非話してね☆」
唯「うん!でも、どうしてお悩み相談室なんて開こうと思ったの?」
紬「私、前からテレビとかラジオとかでやってるお悩み相談室を開くのが夢だったのよー☆」
紬「それで、○のさんとか、細○先生みたいになれればなーって思ってねー」
律「あんまり…参考にしちゃいけなさそうなのを参考にしてる気がするが…いいのかそれは?」
澪(って事は……私なんかがもし行ったら…)
~~~
澪ワールド
黒紬「次の方ー」
澪「(ガラッ)あの…悩み相談があるんですけど…」
黒紬「…まずアンタの場合……悩み云々よりもその引っ込み事案な性格を直す事が大事ね」ギロリ
澪「え?」
黒紬「いいから、オドオドしてんじゃないよまったく!アタシの目ぇ見な!」バンッ!
澪「ビクッ…ひいぃぃ!!」
黒紬「大体アンタは…田舎のお母さん泣いてるよ!良い歳してビクビクして…まったくアンタは…」
澪「は…はぃ……」
黒紬「もうね、いっそ部活辞めなさい、部活辞めてアタシん所でね、修行しなさい、修行。」
澪「でもでも…文化祭も…ライブハウスだって…その……」
黒紬「そんなんどーだっていいでしょ!!でないとアンタ…地獄に落ちるよ?」
澪「ぅぅぅぅ………」グズッ
~~~
澪「……そ…そんなのムギじゃないいいいい!!!!」ガクガクッ
紬「あのー、澪ちゃん?」
律「またいつもの澪ワールドが始まったか…おーい澪戻ってこーい!」
澪「ムギー!お茶もお菓子もいらないから、いつものムギに戻ってくれえぇ~…うっうっ…」
律「戻って来るのはお前だーー!!」ゴチンッ!
澪「む~ぎ~~~!」
唯「あははは…澪ちゃんってたまに変わってるよねぇ~」
和「澪も唯にだけは言われたくないでしょうね…」
紬「澪ちゃん、だいじょーぶよ?」
澪「ほ…本当に?」
紬「ええ、私は変わらないから、安心して…ね?」
澪「う…うん。」
放課後、部室
梓「え?ムギ先輩のお悩み相談室ですか?」
唯「そ、あずにゃん知ってた?」
梓「そりゃ噂ぐらいは聞いたことありますけど…でも、私達がわざわざ行く必要もないんじゃないですか?」
梓「だって、そもそも仲間なんですし。そうやって改まって悩み相談に行かなくても、ここにはみんながいてくれますし…」
律「お…大人な意見だな~」
唯「あずにゃんステキだよぉ~☆」スリスリ
梓「だからって抱きつかないで下さい…!」
紬「一応安心して貰えるように、お客さんとは薄布一枚挟んであるから。みんなも気にしないで来てくれて構わないのよ?」
澪「プライバシーも守られてるのか、本格的だなー。」
唯「ねえムギちゃん、もし良かったら私達にもお手伝いさせてもらえないかな?」
紬「わぁ~、嬉しいわ☆」
澪「唯…受験勉強は…?」
唯「澪ちゃん!世の中には…勉強よりも大事なことが…いっぱいあるんだよぉ!」グッ!
律「そーだぞ澪!それを分かってくれないとは…はぅっ…お母さん悲しいわっ」ウルウル…
澪「お前ら単に勉強サボりたいだけだろーがっ」
紬「まぁまぁ澪ちゃん…実際お茶の準備だったり照明の準備だったりアロマテラピーの用意だったりと一人では手が回らない事もあったから…」
紬「だから、人手が増える事は大いに嬉しいわ☆」
梓「お茶出して…アロマだったり…しかも照明って、もうどこの占い屋敷ですか…」
澪「それかもはやカウンセリングルームだな…」
律「それじゃー、明日から私達でアシスタントやりまーす☆」
唯「いぇ~い☆」
澪「まったくお前らは…わかったよ、ムギ、私にも手伝える事があったら言ってくれ、出来る限り協力するから」
梓「みんなずるいです!私も…何か協力したいですっ!」
紬「うふふ、みんな…ありがとう☆」
律「もはやムギのお悩み相談室じゃないよな…いっそ昼休みティータイムのお悩み相談室にでもするか?」
唯「あはは、縮めてHTTだね、放課後ティータイムと上手くかかってるねぇ~」
澪「わかってると思うけど…相談する側は何かしら弱みがあるんだから、デリケートに扱うんだぞ?特に律」
律「むぅ~、なんで私だけ~」
梓「でもそれだと、複数の人にその…自分の悩みを聞いてもらうことになりますよね?…それってなんていうか…恥ずかしい気が…」
紬「大丈夫よ、みんなにお手伝いはしてもらうけど…基本的に相談中部屋には私とお客さんしかいないようにするから」
紬「だから、アシスタントにはお客さんの出入りがあった時だけ手伝ってもらうようにして、相談中には別室か外で待っててもらうようにして貰うわ。」
澪「それなら、プライバシーも大丈夫そうだな。」
梓「考えてますね~…」
律「これが功を成して上手い事やれば部外活動が認められて…もしかして部費アップに繋がったりして…」ニヤリ…
唯「あー、りっちゃんが悪い顔してる~」
翌日早朝 正面玄関
澪「……ん?」
パラッ…
澪「靴箱から…手紙?」
澪(……………まさか、ら……ららら…)
澪「……………らぶれたー?///」
澪(………ドキドキ…///)
律「おーす澪おっはよーって…どーしたんだよ固まって?」
澪「(ビクッ)律!いや、なんでもないよあははははh!」ガサゴソッ!
律「ふーん。変な澪~」
澪「さ、さぁ、早く教室に行こう…」ドキドキ…
律(…?)
澪(えと…放課後…講堂裏で待ってます…か)
澪「誰かの冗談…だよな、きっと……」
澪(………………………)
昼休み アシスタント・唯
紬「じゃあ唯ちゃん、お香を炊いてそこに置いておいてくれるかしら?」
唯「ムギちゃん、これ、もしかして全部自前?」
紬「ええ、もちろんティーセットもね」
唯(暗くても安心できる香りに優しい色合いの照明…なんか本当に専門のお店みたいだねー…)
唯「…ムギちゃんの家って本当にすごいんだね~…」
紬「うふふ、そんなことないわよ☆ それじゃあ…始めるわね。唯ちゃんは外でお待たせしてる方にお茶をお配りして貰えるかしら?」
唯「うんわかった、それじゃあ呼んで来るね~☆」ガチャッ
唯「お待たせしましたー、どうぞー☆」
1年「は…はい!よ…よろしくおねがいします!!」
紬「はい、それで…どんなご相談かしら…?」
1年「あの…以前相談をしてもらった者なんですけど…///」
紬「ええ、覚えていますわ…確か憧れの上級生がいると仰っていた…」
1年「はい…それで、今日の放課後に…先輩に…私の気持ちを伝えようと思うんですけど…」
紬「それはそれは…素敵な事ですねぇ☆」
1年「ですが…上手く伝えられるか不安で…」
紬「あなたは…勇気が…欲しいのですね。」
1年「…はい、シスター、私に勇気を下さい…!」
紬「…うふふ。では…」
紬「―大丈夫よ、自信を持って伝えれば…結果は必ず応えてくれます―」
1年「………あ…ありがとうございます!私…なんだかできそうな気がしました☆」
紬「良い結果が出ると良いですね…もしまた何かあれば、遠慮なくここをお尋ねなさい。私はいつでも待ってますから☆」
1年「はい!あの…シスター、ありがとうございました!」
紬「はい、では、お気を付けて…」
1年「失礼しました!」ガラッ!
唯「ありがとうございましたー☆」
1年A「どうだった?」
1年B「うん、私…やるよ☆」
紬「唯ちゃん、次の方を…」
唯「はーい、それじゃあ次の方~!」
唯(あの子すっごく元気そうだったな~、やっぱムギちゃんすごいや☆)
放課後
澪「…あのさ律、私、少し遅れるから、先行っててくれ。」
律「ん?ああ、いいけどどーしたんだよ?」ニヤニヤ
澪「ちょっと、野暮…コホンッ、用事があってさ///」
律「ふーん、まぁ、あまり遅くならないよーになー?」
澪「うん、すぐに戻る。」
律(…………………。)
講堂裏
澪(…………ドキドキ///)
律(気になって付いてきてしまったが…やっぱマズかったか?)
律(いや…でも、うん、澪の人気に嫉妬した不良の罠ってこともあるし…用心しとくに越したことないよな…うん!)
1年「あの、秋山先輩!」
澪「あ…もしかして、手紙くれたのって……………」
1年「はい!私、入学してからずっと秋山先輩に憧れてたんです!」
澪「そ…そうなんだ、いや、嬉しいような…照れくさいような…」
1年「あの…私…前から秋山先輩に伝えたかった事があったんです…!」
澪(来たか…っ!///)ドキドキ
1年「あの…秋山先輩!!」
澪「は…はい!///」
1年「わ…私の……」
澪(…………)ゴクリッ
1年「師匠になって下さい…!!」
澪「そ…そんな私…!!って……へ?」
律(ズルッ!!)
1年「秋山先輩のベースに憧れてるんです!どうすれば秋山先輩みたいなかっこいいベーシストになれますか!?」
澪「あ…あの…もしかして、それを伝えるために??」
1年「はい、どーかしましたか?それとも…やっぱり無理なんですか??」
澪「い…いや…無理じゃないけど…その…」
澪「…じゃあ今度、放課後にでも軽音部の部室、覗いてみない?」
1年「…いいんですか?」
澪「うん、弟子とか師匠ってのは無理だけど、私に教えられる事なら教えてみるからさ…☆」
1年「あ…ありがとうございます!秋山先輩!」
澪「いつでも待ってる、じゃあ、私はこれで…」
澪(変な汗かいた…部室でムギのお茶頂こう……)
律(………………)
律(まったく、私しゃなーに期待してたんだか…早く部室行こ行こ…)
最終更新:2011年04月06日 01:09