梓「んぅ……あっ、何ですか……ちょ、っとぉ」
唯「えへー、あずにゃーんあったかー」
梓「離してください……まだ唯ワンのこと怖いんですから、ほらお肉かたくなりますよ」
唯「そんなことないもーん、あずにゃんは緊張したら尻尾がピーンってなるもーん」
唯「でもほら、いまは」サワサワ
梓「ふぁ……や、やめ……」
唯「ね? ぴくぴくってしてる」
梓「触らないでください」
唯「おいしくなーれ、おいしくなーれ」ナデナデ
梓「うぅ……不健康な生活してやる」
唯「あ、そうだ。そろそろ味見の時間だね」
梓「えっ……またですか」
唯「毎日きちんと調べとかなきゃ、これは憂にも任せられた私の仕事なのです!」
そういうと唯ワンは手慣れた手つきで私を一糸まとわぬ姿にし、
ふわふわのワラの布団の上に仰向けに寝かせます。
梓「あの……恥ずかしいんですけど」
唯「よーし、はじめるよ! んじゃ今日はここから。んむ、ペロッ」
梓「ひゃっ、そ、そこはっ」
唯「んむ、ペロ、ちゅむ、ペロペロ」
唯ワンのざらついた舌が私の小さなふくらみの上を優しく這う。
皮膚がとけちゃうんじゃないかと思うくらいに丹念に丹念に舐め回され、
恥ずかしさでだんだん自分の顔が紅潮していくのがわかります。
梓「んにゃっ……や、やめて……っ」
唯「んふーおいひー、やっぱここは美味しい部分だからしっかり育てていきたいなー」
梓「な、なめちゃヤです……んむっ」
唯「ねーねー、さきっちょも舐めていい? いいよね?」
唯「どんな果実よりもおいしいもんね!」
ちゅむっ、という音とともに唯ワンは無邪気な顔で私のひかえめな胸の先端を口にふくむ。
そのまま舌先でちろちろと転がしたり、ちゅうぅっと吸って引っ張ったり。
そんなことをされてるうちに私のそこはだんだん血があつまってきて……
唯「うふ、あずにゃんどうしたのかなー、もしかしてただの味見でおかしな気分になってる?」
梓「ちがっ、あっ、やんっ」
唯「ほれほれー、もっとおいしくなーれ」
ちゅむ、ちゅぷ、チュウウウッ
梓「あああっ、んぁっ、やめてくださっ、いっ」
唯「むー、もっとにゃーにゃー鳴いていいんだよ」
梓「そ、そんな……」
唯「これでお乳がでたら完璧な家畜だったのになー、ちゅ、ちゅむ」
梓「でるわけないですっ、だ、だからやめ……ひゃうっ」
唯「んー、もっとー」
ちゅ、ちゅぅ、ペロ、チロチロ
ざらついた舌による長い長い蹂躙。
そうして体の至る所を舐め尽くされるころには、私はいつも放心しきっています。
唯「んはー、おいしかった。早くむしゃむしゃっと食べちゃいたいなぁ」
梓「あ……あっ……う」ピクピク
唯「え、どうしたの? ベタベタ気持ち悪い?」
梓「うにゃ……」
唯「あー、温泉入らなきゃね」
梓「は、はひ……」
温泉
唯「ほれ、入ろうよ。寒いでしょ」
梓「……」
唯「あ、まだおもらしのこと引きずってるんだ、あははは」
梓「うー!!」
唯「あずにゃん温泉はおしっこするとこじゃないのにあはははは」
梓「ひどいです!」
唯「うそうそ、ごめんって。あははははは、怒らないでっあはは」
梓「唯ワンのせいですから!」
唯「はいはい、私が全部悪い。いいから入ろうよ」
梓「……はい」
チャプ
唯「ふー、あったかー、さいこー!」
梓「……くんくん……大丈夫かな」
唯「このお風呂はねー、身体にすっごくいいんだってさー」
梓「そうなんですか」
唯「私のために憂が勝ちとってくれたんだよ」
梓「唯ワンのために? どういうことですか?」
唯「あ、ううん、なんでもないの。忘れて」
憂「あ、お姉ちゃんたちこんなところにいたんだ」
梓「う、憂ワン!」
憂「ん? どうして怯えた顔するのかな?」
梓「あうあうあう……」ガタガタ
唯「大丈夫だよあずにゃん。憂はあずにゃんのこと食べたりしないよ」
梓「そうなんですか?」
唯「春まではね」
梓「ひぃっ」
憂「私も一緒していい?」
唯「みんなで一緒に入ろうよ」
憂「うん!」ヌギヌギ
梓「……」
憂「うん?」
唯「どったのあずにゃん」
梓「い、いえ……その」
唯「あ~ずにゃん、言ってごらん」ムギュッ
梓「うっ……姉妹揃って胸のあたりとか私よりよっぽどおいしそうなお肉してるじゃないですか」
唯「ほえー」
憂「そんな目でお姉ちゃんのこと見てたんだ。この肉」
梓「ひっ、ご、ごめんなさい」
憂「お姉ちゃん。しっかりしつけなきゃだめだよ。餌には餌の振る舞い方があるんだから」
唯「うん!」
憂「私なら日が暮れるまでにビシっとバシっとできるけど、代わりにしてあげようか?」
梓「け、結構です!!」
憂「お姉ちゃんは甘すぎだよ」
唯「えー、でもあずにゃんにはすくすく健康に育って欲しいし」
憂「それはわかるけど……」
唯「えへへ、明日はあずにゃんと森の服屋さんにいくんだよー」
梓「えっ、そうなんですか?」
唯「うん、いつまでもバナナの葉じゃ寒いでしょ」
梓「たしかにそうですけど……」
唯「可愛いのがあるといいねー」
梓「可愛い必要あるんですか」
憂「お姉ちゃんなんだか嬉しそう……」
唯「あずにゃんといると楽しいよ! いい匂いするし! お腹はすくけどね」
憂「あ、じゃあ少し狩りにでる時間ながくしても大丈夫? 最近は遠出しないとなかなか見つからなくて」
唯「うん、わかった」
憂「それと、前もいったけど私もうすぐ縄張り争いだからね。しばらく空けるけどお姉ちゃん大丈夫?」
唯「留守はまっかせなさい!」
梓「縄張り争いって?」
唯「ほら、私たちは縄張り意識が強いから」
憂「またお庭広がるといいね」
唯「憂はこの森で一番強いから大丈夫!」
憂「えへへ、お姉ちゃんのためならいくらでも強くなれるよ」
唯「あずにゃんは前はぴゅあぴゅあの森にいたんだっけ?」
梓「あ、はい。でももうあんまり食べ物がなくて」
唯「それでふらふらしてたらこっちまで来ちゃったと」
梓「そういうことです」
唯「んふー」ナデナデナデナデ
梓「にゃっ、なんですか」
唯「可愛いお客さん、ようこそふわふわ森へー」
梓「そのお客さん食べようとしてるんでしょ!!」
唯「えへへー。私たちはなんでもおいしく食べちゃうグルメだから」
梓「最低です」
唯「このあと少しお散歩して晩ご飯たべてー、あずにゃん味見してー、おやつたべてー」
憂「たべてばっかりだね」
唯「冬に備えて体力つけなきゃ!」
梓「間違えて私を食べちゃうなんてことにならないでくださいよ」
憂「でも手が滑ってお料理しちゃうかも」
唯「ういー! あずにゃん勝手にたべちゃだめだよ。私のなんだから」
憂「もうっ、わかってるってば、うふふふ」
梓「こ、怖い……」
唯「ほら憂! あずにゃん怖がらせたらまたおもらししちゃうでしょ!」
憂「そうだったね。すぐもらすもんね」
梓「うぅ、うるさいです! だいたい誰のせいだと思ってるんですか!!」
憂「あれー? いまなんて言ったのかな?」ギラリ
梓「 」ジョボボボ
唯「あー、もう憂は爪も牙も隠しなよー」
梓「あうあうあううあ」ビクビク
翌日
森の服屋さんさわちゃん
さわ子「んー、次はこれ着てみてー」
梓「うぅ……あと何回きせかえたら気が済むんですか」
ヌギヌギ イソイソ
さわ子「あ、ぴったり。さすが私」
唯「ねーさわちゃん、あずにゃんには桃色が似合うんじゃないかな」
さわ子「そうねぇ……あ、これなんてどう?」サッ
唯「あ、かわいいね! このふりふりどうやってつくったの?」
さわ子「内緒! でもとってもいい葉を使ってるのよ」
梓「あの……私もっと動きやすいやつのほうが」
唯「そうだねぇ、私も脱がせやすいやつがいいかな、毎日味見するし」
さわ子「ふーん。そういうもん? てか味見って何よ」
唯「あんまり持ち合わせもないし、もういま着てる奴にしよ?」
さわ子「えーほんとにそれにしちゃうの? もっと可愛いのあるのに」
唯「いいじゃんいいじゃん! また買いに来るから」
さわ子「ちぇー、これなんて自信作なのに」
梓「うっ……なんかドギツイ色ですね」
さわ子「あのね子猫ちゃん。意中の相手を誘惑するには視覚効果の高いキツイ色を選ぶべきなのよ」
梓「全然意中の相手じゃないです」
唯「餌!」
梓「それ言い切らないでくださいよ」
さわ子「なぁんだ、つまんないの。唯ちゃんにも春がきたと思ったのにー」
唯「え? もう冬だよ? あ、そうだ。はいさわちゃん、お支払いはこの果物の盛り合わせで」
さわ子「はいどーも、って全然足りないわよ」
唯「ごめーん、春払いで! 春になったら絶対払うから!」
さわ子「しかたないわね。この時期だものね」
梓「なんか、すいません」ペコリ
唯「じゃあねー」
――――
梓「うっ、外寒っ……」
唯「わぁ、今年は厳しいぞー。雪ふるかなー」
梓「冬をのりきれない動物って一体どれくらいいるんでしょうね」
唯「さー、私も憂がいなかったらやばかったかもー」
梓「唯ワンはさすがに働かなさすぎです。いつもゴロゴロして」
唯「でへー、だってぇー」
梓「あ、帰ったら何します? たまには憂ワンのためにご飯とか用意しないんですか?」
唯「するけどさー、またお姉ちゃん材料無駄にしてー! なんて怒られるもん。特にこの時期はね」
梓「あぁ……なるほど……うっ」ブルブル
唯「寒いねー。あ、そうだ、こうやって」
ギュ
梓「んにゃ」
唯「抱きつきながら帰れば多少マシ、はうーあったかー」
梓「……帰るまでですからね」
唯「帰ったらすぐ温泉はいろう温泉!」
梓「ですね」
唯「そのあと味見してーまた温泉かなー」
梓「もう、ほんとやることない人ですね」
唯「んお!? あ、ちょっとまって。この木」
梓「? 随分おっきい木ですね」
唯「おーい和ちゃーん!」
梓「のどかちゃん?」
唯「和ちゃーん! 私だよー! 降りてきてー!」
梓「なんなんです?」
唯「のーどーかーちゃーん!! あ……駄目だ、まだ明るいから寝てるんだ」
唯「あのね、ふくろうの和ちゃんがこの木の上に住んでるんだよ」
唯「森一番の博識でね。私たち姉妹にいろんな事を教えてくれるんだよ」
梓「へぇ、そうなんですか……ふくろう……じゅるり」
唯「えっ」
梓「い、いえなんでもないですよ」
唯「あずにゃん……」
梓「ただ贅沢ながら最近魚と果物ばかりというのも飽きてきまして」
唯「だ、だめだよー、和ちゃんはお友達なんだから」
梓「お友達……で、私は?」
唯「餌」
梓「ですよねぇ」
唯「さて、和ちゃんはまだまだ起きる気配ないし、帰ろっか」
梓「はぁ……このまま一生春なんか来てほしくないです」
唯「はーるよ来い! はーるよ来い!」
唯「ぽかぽかぬくぬく、たくさんの命が芽吹く最高の季節だよぉ!」
梓「ここに一つ終わる命がありますけどね」
唯「わおーん♪」
最終更新:2011年04月08日 23:24