にちようび!

唯「やっほー、おまたせあずにゃん!」

梓「もう、おそいですよっ」

唯「ごめんごめん、出かけるの久しぶりだったんだもん」

梓「・・・・」


唯「・・・・あずにゃん?」

梓「は、はい!」

唯「もしかして私にみとれちゃってたぁ? やだなあもうあずにゃんったら!」

梓「そんなことないですから早く行きましょう!」

唯「どこに?」

梓「そ、それは…えっと……」

唯「じゃあアイスでも食べに行こっか」

梓「・・・そうですね。はい!」

唯「あずにゃんみてみてー! 三段重ねだよっ」

梓「こぼしますよ、そんなことやってると。ていうかはやく食べちゃいましょうよ」

唯「あ、あずにゃんチョコチップだね! ひとくちー」

梓「ひゃっ」

唯「ふむぅ・・・やぁらはい、あいふのなかにほりほりとかはいひょこひっぷが・・・・」もぐもぐ

梓「もう、溶けちゃいますよ?」

唯「んーじゃああずにゃん私のも食べてよぉ」

梓「え・・・いいんですか?」

唯「はやくー、溶けちゃうってば!」

梓「あ、それじゃあしつれいします・・・はむっ」

唯「どう、どう? お味の方はっ」

梓「……甘くて、なんかほっこりしますね」くすっ

唯「でしょでしょー! このお店のストロベリーミックスは絶品だよ!一年分たべちゃいたいぐらい!」

梓「ふふ、おなかこわしちゃいますよ?」
唯「ふっでぺーんふっふー♪」

梓「道でうたわないでください・・・まったく、小学生ですかっ」

唯「だってあずにゃんと一緒にでかけるの久しぶりなんだもーん」

梓「そういえば・・・そうですねー」

唯「ちょっと前まではよくデートしてたのにぃ」

梓「デートじゃないですよっ」


唯「……ぎゅ」

梓「ひゃっ」

唯「あずにゃんの手、あったかいね」

梓「な、なんでいきなり・・・」

唯「だって手をつないだら、デートみたいなんだもん」

梓「……変なこと、言わないでくださいよぉ・・・」


唯「あ、ついたよ!」たったっ

梓「きゃっ?! 突然走らないでください!」


唯「あずにゃんみてみてー! 三段重ねだよっ」

梓「こぼしますよ、そんなことやってると。ていうかはやく食べちゃいましょうよ」

唯「あ、あずにゃんチョコチップだね! ひとくちー」

梓「ひゃっ」

唯「ふむぅ・・・やぁらはい、あいふのなかにほりほりとかはいひょこひっぷが・・・・」もぐもぐ

梓「もう、溶けちゃいますよ?」

唯「んーじゃああずにゃん私のも食べてよぉ」

梓「え・・・いいんですか?」

唯「はやくー、溶けちゃうってば!」

梓「あ、それじゃあしつれいします・・・はむっ」

唯「どう、どう? お味の方はっ」

梓「……甘くて、なんかほっこりしますね」くすっ

唯「でしょでしょー! このお店のストロベリーミックスは絶品だよ!一年分たべちゃいたいぐらい!」

梓「ふふ、おなかこわしちゃいますよ?」


唯「ふぅ・・・食べたねー」

梓「なんか唯先輩とデートするといつもアイス屋さんに行ってる気がする…」

唯「え、デート?」きらきらっ

梓「こっことばのアヤです!」あたふた

唯「なぁんだー、やっぱりあずにゃんもデートだとおもってたんだー」だきっ

梓「ま、まちなかで抱きつかないでください!」

唯「あずにゃんかわいいー!」ぎゅう

梓「もう・・・クラスの子に見られたら、はずかしくてしんじゃいますよ」

唯「みつけたら紹介してよねっ。桜高軽音部の天才ギターボーカル、平沢唯先輩ですって!」

梓「調子のりすぎですっ」がばっ

唯「あうっ……あずにゃんしどい・・・・」

梓「だいたいAmもおぼえてないのになにが天才ですか。もっと練習してくださいっ」

唯「あうー・・・あずにゃぁん・・・・」

梓「じゃあ、次は楽器屋さん行ってみましょうよ」

唯「そうだね!」



がっきてん!

唯「みてみてこのギター、さわちゃんのとおんなじ!」

梓「わ、フライングVがこの値段かー…中古かな」

唯「ぎゅいーん! おぉまえらかぐごじろぉ゙ぉ゙おおおっ」

梓「店内で騒がないでください!」

唯「だってー、ギター持ったらやりたくなっちゃうじゃん、鏡の前とかでさー」

梓「そ、それは……」

唯「あずにゃんはないの? 小さいころ、ギターはじめてもった時に」

梓「う・・・・」

唯「小4のあずにゃんが、鏡のまえで・・・・ぎゅいーん!」

梓「ぎゅいーんはしてません!」

唯「他はやったんだねー」にやにや

梓「うぅ・・・!」

梓「あ、これ欲しかったんだ」

唯「なあに、それ」

梓「これ、自分が弾いた音をその場で録音できるんですよ」

唯「ほぇー・・・」

梓「えっと……ちょっと試しにやってみますね」

じゃーん♪

梓「こうすると」

じゃーん♪ じゃーん♪ じゃーん♪

唯「わ、一人で合わせられるんだね! 私もやってみる!」

梓「はい、ここをこうですよ」

唯「こ、こうかな?」

じゃきみょーん

唯「あ、まちがえちゃった」

じゃきみょーん じゃきみょーん じゃきみょーん じゃきみょーん

唯「あずにゃーん、これどうやってとめるのー?!」うるっ

梓(お客さんの視線がいたい・・・!)

唯「はぁっ・・・はあっ……」

梓「ふぅ…」

唯「あずにゃあん・・・急に走り出さないでよぉ……」

梓「視線がいたたまれなかったんです! もう、みてらんないですよっ」

唯「ごめんなしゃい・・・」

梓「これにこりたらちゃんと練習するんですからねっ」

唯「うん・・・あれ?」

梓「?」

唯「雨、降ってきたかも…」

梓「あ・・・傘、もってますか?」

唯「……ない」

梓「……すいません、私もです」


唯「――はしれえっ!」

梓「ひゃっ、はい!」



唯「……ふぅっ、ここなら雨宿りできるね」

梓「でもここって立ってたら邪魔になりますよ」

唯「んー、じゃあもう電車乗ってどっか行っちゃおっか?」

梓「あ、それもいいかも・・・・」

唯「私ね、あずにゃんと行ってみたかったところあるんだあ」

梓「え……あ、はい。どこですか?」

唯「?」

梓「いえ、なんでもないです。それより唯先輩の行ってみたかったとこって――」

唯「それは着くまでのないしょ! さ、あずにゃん切符買って」

梓「あ、私パスモなんで大丈夫です」

唯「あー、いいなあ! なんか都会人みたい!」

梓(私と、って……どういう意味なんだろ……?)

唯「あずにゃん?」

梓「ひゃ、はい!」あせっ

唯「なんか暗くなってきたねー」

梓「はい……まだ5時なのに」

唯「陽が沈むの、早くなったよねえ」

梓「もう12月ですもんね…」

唯「・・・・来年は、大学生かあ…」

梓「・・・・」

唯「……想像つかないなあ」

梓「・・・・」


ぎゅ

唯「……あず、にゃん?」

梓「なんでもないです」

唯「手、あったかいな」

梓「・・・・唯先輩だって」

唯「あ、着いたよ!」

梓「……はい」

唯「……いこ! ドア閉まっちゃうよっ」ぐいっ

梓「あっはい!」


唯「……えーっと」

梓「どうしたんですか?」

唯「……こっから、どっちだったかなあ」

梓「はぁ・・・大丈夫かなあ・・・」

唯「心配しないであずにゃん! ちゃんと連れてってあげるからねっ」

梓「はぁ・・・」


梓「・・・・ふふっ」

唯「?」

梓「ほら唯先輩、いきましょう!」

唯「うん!」


唯「あれ、こっちだっけ? いやでもこっちだったような……」

梓「……」

唯「うーん…たしかあの看板が見えたとこだから・・・・」きょろきょろ

梓「……」にこにこ

唯「……あずにゃん? えへ、どしたの?」

梓「えっと………」


梓「……なんでもないです」くすっ

唯「……そっか」にこっ


唯「あ、あった!」

梓「ここは…?」

唯「プラネタリウム。むかし、今のうちに越してくるずっと前に来たんだよ」

梓「そうなんですか・・・・」

唯「結構混んでるなー……あ、よかった。きょうやってるって!」

梓「そんなあせらないでください、子どもみたいですよ」

唯「あずにゃんの方が子どもだもん」

梓「唯先輩の方が子どもですー」

唯「むぅ……あ、そろそろ次の上映はじまっちゃうって!」

梓「あ、待ってください。チケット買わなきゃ」

唯「あはは……そうだったね」

唯「あずにゃんがいなきゃ忘れちゃうところだったよ」

梓「・・・えへへ」

梓「わあ……思ったより広いんですね」

唯「でしょ? この天井いっぱいに星空が広がるんだよ!」

梓「なんだか楽しみですね」

唯「Cの12と13だから・・・・あずにゃん、こっちだよ」

梓「あ、はい……きゃっ」

ぎゅっ


唯「あ、あずにゃん大丈夫?」

梓「はい……ちょっと、つんのめちゃって。すいません」

唯「ここ段差あるから気をつけてね?」

梓「・・・・はい」

唯「あずにゃん?」

梓「・・・・あ、はい!」

唯「ほんとにだいじょうぶ?」

梓「……だ、だいじょうぶです!」

唯「ふう! 着いたねっ」

梓「はい・・・・って、席けっこう近いですね」

唯「そうなんだよぉ、だからこうやって、ぎゅーって!」だきっ

梓「もっもうはしゃがないでくださいよぉ・・・・」

唯「あずにゃんあったかーい…」

梓「そんな、・・・・はずかしいですからっ」

唯「えー。ぎゅってするのだめー?」

梓「だーめです。ていうか変だと思われちゃいますよ」

唯「むー・・・・じゃあ、なにならいいの?」

梓「へ?!」

唯「あずにゃんはなにならしていいの?」

梓「へ、えっ、えっと……そのっ」

唯「ちゅー?」

梓「だっだめです! それは絶対にだめ!」ぶんぶんっ


唯「そっか…」しゅん

梓「あ……」


唯「……むぅ」

梓「……その、えっと」

唯「?」


梓「……手なら、つないでても、…いいですよ」


唯「……はい」にこっ

梓「・・・・」かあっ

唯「あずにゃん、顔まっかだよ」

梓「唯先輩は……ずるいです。ずるいですよっ」

唯「……あずにゃんだって、手をはなさないくせに」

梓「……しりませんっ」ぷいっ


唯「……」

梓「……」


唯「…ぷふっ・・・ふふふっ……」

梓「くふふっ・・・・なにが、おかしいんですか……ふふっ」

唯「あずにゃんだって……くふふっ」

唯「あ。はじまったね」


梓「……わあ…!」

唯「ね。……すごいよね」

梓「はい…!」


唯「私ね、おぼえてるんだ。あっちがオリオン座でね、あれがペテロ……なんだっけ?」

梓「ペテルギウス、ですか?」

唯「そうそれ!」

梓「ぜんぜん覚えてないじゃないですか」くすくす

唯「そんなことないもん……あ、あそこがおうし座かな」

梓「……」

唯「……」


唯「……」

梓「……」


梓「……唯先輩」

唯「なぁに、あずにゃん」

梓「……いえ、やっぱなんでもないです」

唯「そっか…」


梓「唯先輩も、東京いくんですか?」

唯「・・・・そう、かな」


梓「……」

唯「……」

ぎゅ


2
最終更新:2011年04月11日 22:53