憂「こんなに暗くなっちゃったし……雨も降ってるし……犯罪者とか変質者とか怖いし」

純「暗いのは怖いけど……雨が降ってれば、悪い人達もちょっとは大人しくなるんじゃない?」

憂「それは関係ないと思うけど」

純「でも、放火魔とかは大人しくなるよね」

憂「…………」

純「でしょ?」

憂「それは……そう……かも……」

純「そー考えると雨も良いモノだよねぇ♪」

憂「そういう事を言ってるんじゃなくてっ」

純「ゴメンゴメン、分かってるって。心配してくれてありがと」

憂「もう~」

純「憂って時々からかいたくなるんだよね。梓と違って」

憂「梓ちゃんの事はいつもからかってるもんね」

純「だって梓ってリアクション良いんだもん。あれはからかいたくなるよ」

憂「ふふっ でもやり過ぎちゃ駄目だよ?」

純「その辺は大丈夫だと思う」

憂「うん、横で見てると二人とも楽しそうだし」

純「梓って可愛いよねぇ。真面目だし、ちっこいし」

憂「うんうん♪」

純「あ、もちろん憂も可愛いよ?」

憂「純ちゃんもね♪」

純「あたしは可愛いよりカッコいいがいいなぁ」

憂「じゃぁ……純ちゃんはカッコいいよ♪」

純「『じゃぁ』って何よ『じゃぁ』って」

憂「さぁ?」

純「むぅ」

憂「えへへっ さっきからかったお返しだよ♪」

純「憂もやるようになったじゃない」

憂「わたしだって成長してるんだよ♪」

純「ふむ……確かに成長している」

憂「うんうん♪」

純「じぃ~」

憂「?」

純「じぃ~~っ」

憂「……っ! じゅ、純ちゃんどこ見てるのっ!?」

純「主に胸周り? いやぁ、成長著しいなぁ……と」

憂「も、もう~っ!」

純「あとお腹周りも」

憂「えっ! 嘘っ!? 何で分かったのっ!?」

純「…………」

憂「…………」

純「憂? 普通に考えて、コートの上からそこまで分からないと思うよ?」

憂「……だよね」

純「聞かなかったことにしてあげる」

憂「あ、ありがと……」

純「ちょっとは運動とかしないと駄目だよ?」

憂「結構動いてるつもりなんだけどなぁ」

純「食べ過ぎとか?」

憂「そんなことない……はず……だと思う……かも」

純「ふむ……心当たりがある、と」

憂「う……ん」

純「どんな理由?」

憂「えっとね……わたしがよくお姉ちゃんにご飯作ってあげてるの、知ってるよね?」

純「うん」

憂「でね? お姉ちゃんって凄く美味しそうにご飯食べるんだよ」

純「うんうん」

憂「それを見てると何だか楽しくなってきて……一緒になってつい……」

純「あ~……分かる分かる。美味しそうに食べる人と一緒だと、食が進むってあるよねぇ」

憂「だよねっ」

純「ということは、唯先輩も……」

憂「あ、お姉ちゃんいくら食べても太らないから」

純「なにそれズルイッ!」

憂「凄いよね~♪」

純「いや、凄いっていうか……反則でしょ、それ」

憂「えへへ~♪」

純「あたしにもその体質があれば甘いものをもっと……いや、お小遣い的に厳しいか……」

憂「でもさ?」

純「うん?」

憂「実は純ちゃんも成長著しいよね」

純「へ?」

憂「じぃ~」

純「ちょっ! どこ見てるのよ!」

憂「主に胸周り?」

純「や、やだ……見るなー!」

憂「自分が見られるのは恥ずかしいんだ……」

純「当たり前だよっ」

憂「……ふふっ♪」

純「な、何よ……」

憂「じぃ~♪」

純「あ、こらっ やだってばぁっ」

憂「じぃ~~♪」

純「この~っ」

憂「えへへ~♪」

純「じゃぁ、あたしも見てやるっ」

憂「わたしだってっ」

純「じぃ~っ」

憂「じぃ~っ♪」

純「まじまじ」

憂「まじまじ~♪」

純「…………」

憂「…………」

純「……ぷっ あははは♪」

憂「ふふっ あはは♪」

純「何やってるんだろうね、あたし達」

憂「だね♪」

純「あはははっ」

憂「えへへ♪」

純「……っと、もうすぐ憂の家だね」

憂「あ、本当だ……」

純「お喋りしてたらあっという間だったね」

憂「うん……もう着いちゃったんだね」

純「何でしょんぼりしてるのさ。こんな雨だもん……早く着いた方がいいでしょ?」

憂「う、うん」

純「とか言っても、体感で短く感じるだけだけどね」

憂「本当にあっという間」

純「んじゃ、さっさと平沢家に行きますか」

憂「うん……って、純ちゃん車っ」

純「え?」

≪ゴォ~ッ バシャーッ≫

純「とぅわぁっ!?」

憂「きゃぁっ!?」

≪ゴォ~……≫

純「デンジャーッ!」

憂「純ちゃん大丈夫っ!?」

純「わっ! わぁっ!? これマズイッ! 染み込んで来たっ! 冷たい冷たいっ!」

憂「大変っ 早く家まで行こうっ!」

≪バシャバシャッ≫

純「ちょっ 走ったら憂まで濡れちゃうってっ!」

憂「そんなこと言ってる場合じゃないよっ!」

純「ぅわぁっ!? そんな引っ張らないでぇっ!」

憂「早く早くっ!」

純「うわーんっ コートが重いーっ! 中まで染み込んで来たーっ!?」

憂「頑張って純ちゃん!」

≪バシャバシャバシャバシャッ≫


・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

          ○ 平沢家 ○

憂「ただいまーっ! 純ちゃん早く早くっ」

純「待って待ってっ! 靴まで濡れてるからこのまま上がれないってばぁ」

憂「後で拭くからそんなのいいよっ!」

唯「憂、おかえり~……お? 純ちゃんも一緒?」

憂「姉ちゃんただいまっ」

純「お邪魔してますっ」

唯「ほいほい~……って、どうしたのそれ? この季節に水浴び?」

純「いやいや」

憂「すぐそこで純ちゃんが車に水かけられちゃったんだよっ お姉ちゃんタオル……じゃなくて、バスタオル持ってきてっ!」

唯「らじゃ~」

≪とてとてとて≫

純「うぅ……さ、寒いぃ~」

憂「コートとマフラーは脱いじゃおう」

純「う、うん」

≪ぬぎぬぎ≫

憂「ベースは大丈夫?」

純「とっさに庇ったから多分……うん、平気そう」

憂「ふぅ」

純「まぁ、そのせいでびしょ濡れになったんだけど」

憂「もぅ、純ちゃんってば」

純「いや、だってさ? 高かったんだよ? ついつい庇っちゃうって」

憂「それはそうかもだけど……」

唯「おまちどーさま~」

≪とてとてとて≫

憂「お姉ちゃんありがと……はい、純ちゃん」

純「さんきゅ……唯先輩、ありがとうございます」

唯「いえいえ~♪」

純「……ぅわ~、駄目だ。完全に中までしみ込んでる……くしゅんっ」

憂「このままじゃ風邪引いちゃうよ。とにかく上がって上がってっ」

純「待って待って、まず足拭いちゃうからっ」


・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

          ○ リビング ○

憂「濡れたものは全部脱いでね。乾燥機に入れてくるから」

純「下着まで濡れちゃってるんだけど……」

憂「…………」

純「…………」

憂「じゃ、じゃぁ、下着も……」

純「……うん」

≪ぬぎぬぎ≫

憂「…………」

純「…………」

≪ぬぎぬぎ≫

憂「…………」

純「……あのさ」

憂「え?」

純「その……じっくり見られてると、さすがに恥ずかしいんだけど……」

憂「ご、ごめんなさいっ」

≪くるっ≫

純「えと……こっちこそ迷惑かけてゴメン」

憂「い、いえ……お気になさらず……」

≪ぬぎぬぎ≫

純「…………」

憂「……終わったら言ってね?」

純「うん」

≪ぬぎぬぎ ガチャガチャッ≫

和「憂? 帰ったの?」

唯「着替えもって来たよ~」

憂「あ……」

純「え」

和「…………」

唯「…………」

憂「…………」

純「…………」

和「……お尻」

唯「おっぱい」

憂「…………」

純「……き」

和「き?」

唯「き……喜多方ラーメンっ」

純「っきゃあぁぁぁぁぁぁっ!!?」

憂「の、和ちゃんただいまっ お姉ちゃん着替えありがとっ! でも今は入ってきちゃ駄目っ!」

和「そ、そうみたいね。ごめんなさい」

唯「ほ~い……あ、ここに着替え置いていくね~」

≪ガチャガチャッ ばたばたっ≫

純「ぅうーっ」

憂「だだだ大丈夫だよっ 女の子同士だしっ」

純「……見られた……ぐすっ……全部見られた……くしゅんっ」

憂「えっと……えっとぉ……わ、わたし、服を乾かしてくるね?」

純「ひっく……うん、ありがと」

憂「……あの……元気出してね?」

純「うん……くしゅんっ」

≪ガチャッ たたたたっ≫

憂「…………」

憂「…………」

憂「見ちゃった……全部見ちゃったよぉ……」


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・・・・・・・・・・
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最終更新:2011年04月13日 23:04