梓「純遅いよ」

純「ごめん、髪型が決まらなくって」

私が待ち合わせの場所に行くと、既にみんな揃っていた。

今日は、軽音部のメンバーと遊園地に行く。

一人だけ部外者な気もするが、楽しみでしょうがなかった。

憧れの澪先輩と一緒に遊園地だなんて。

おまけにムギ先輩からチケット貰ったので無料。


澪「おはよう」

純「おはようございます///」

純(澪先輩から私に挨拶してくれるなんて)

紬「じゃあ、全員揃った所でペア決めましょ」

純「ペア?ペアって何です?」

澪「あれ?聞いてない?二人一組になって遊園地でデートするって」

純「え?そんな話聞いてないです、梓ーっ!」

梓「だって話する前に純が電話切っちゃうから」


~回想

紬「新規オープンする遊園地のペアチケット3組分貰ったの。今週の日曜日みんなで行きましょ」

唯「わーいムギちゃんありがとう」

紬「ただし、せっかくのペアチケットなんだから。園内は二人一組のペアで行動するのよ」

律(ムギビジョン楽しみたいだけだろ・・・)

澪「二人一組?私達5人だし、一人足りないぞ?」

梓「憂はどうです?」

唯「憂は、日曜日は和ちゃんとお出かけするって言ってたから」

唯「さわちゃんは?」

澪「年齢差があってどうも・・・」

律「佐々木さんはどうだ?」

澪「ウチのクラスの?でも私のファンクラブの女の子ってのもな」

律「じゃなくて、梓の友達のモコモコちゃん」

唯「純ちゃん?」

澪「鈴木さんだろ、いい加減名前覚えてやれよ」

律「そう、その純ちゃん」

梓「じゃ、私純に電話してみますね」

純『軽音部のみんなと遊園地?』

梓『うん、ムギ先輩がチケットくれるからタダだって』

純『行く行く、絶対行く!』

純(やった、澪先輩と遊園地!)

プツッ

梓「あ、切れた」

梓「OKみたいですよ、集合場所とかは後でメールしておきます」

律「良し、これで六人決定だな」

回想終わり


純(待てよ?澪先輩とペアになれば誰にも邪魔されず二人きり、そっちの方が・・・)

純「その条件乗った!」

律「で、どうやってペア決めるんだ?」

紬「公平にくじ引きにしましょ」

紬「この箱の中に、A、B、Cと書かれた紙が各2枚ずつ入ってるわ」

梓「同じのを引いた人同士がペアって事ですね」

紬「そう言う事」

紬「やり直しは無しよ。一発勝負」

純(勢いでOKしちゃったけど澪先輩とペアにならなかったらどうしよう?)

純(唯先輩なら憂の家に行った時にちょくちょく会ってるから良いけど、律先輩や紬先輩と二人で話した事無いし)

純(ううん、そんなネガティブな考えじゃ駄目。私はくじ運が良いはず、駄菓子屋で一等引いた事あるもんね)

唯(ペアになるならやっぱ、あずにゃんと組みたいな)

律(澪と二人だけで遊園地行った事何度もあるしたまには、唯やムギや梓とでも良いかな?)

紬(うふふ、私は誰でもOKよ)

澪(純ちゃんと話した事あんまり無いし、ペアになったら気まずいかな?)

梓(純とは、この前憂と一緒に遊園地行ったし、どうせなら軽音部の先輩達と組みたいかな)

律「クジ引く順番どうする?」

純「あ、先輩方先に引いて良いですよ」

純(残り物には福がある)

律「出席番号順で引くか」

唯「そうだね」

紬「じゃあ澪ちゃんから」

澪「私からか」

ガサゴソ

澪「Aだな」

純(澪先輩はAか、AKIYAMAのA!)

紬「次は私ね」

ガサゴソ

純(A以外、A以外)

紬「Cだわ」

純(よっし!)

律「次は私か」

ガサゴソ

律「Bだ」

唯「上手い事ばらけたね」

純(来てます来てます!)

唯「次私だね」

ガサゴソ

梓「ここからはもうペア確定ですね」

唯「Cだ!」

律「て事は唯とムギの組合せ決定だな」

紬「よろしく、唯ちゃん」

唯「よろしくー」

純(残りは2枚、確率2分の1。もらったも同然)

梓「次、純だよ」

ガサゴソ

純(これだ!絶対Aだ)

純「・・・B」

澪「律とのペアだな」

律「・・・・・」

純「・・・・・」

ティッシュ箱くじ引き対決で破れたカイジの如く呆然とする純。

律「い、異議有り!やり直しを要求する!」

純(律先輩も私とじゃ嫌なんだ)

紬「駄目よ、最初にやり直しは無しって約束だったじゃない」

律「うぅ、分かったよ」

梓「あ、私最後だから余ったAですよね。じゃあ澪先輩とペアだ」

澪「梓よろしく」

梓「あ、よろしくお願いします///」

純(くー、梓が澪先輩とだなんて。しかも梓顔赤くしてるし)

紬「じゃあ、各ペアに別れて入園しましょう」



唯紬ペア

唯「ミラーハウスがあるよ!」

紬「入りましょ」

唯「うん」

紬「うわー、私と唯ちゃんが沢山いる」

唯「本当だ!」

紬「はぐれないように手繋ぎましょ」

ぎゅっ

唯「ムギちゃんの手、暖かい」


澪梓ペア

梓「あそこのお化け屋敷入りましょうよ」

澪「ええー、怖いの嫌だ」

梓「ここで一番人気みたいですから入っておかないと損ですよ」

澪「じゃ、じゃあずっと手握っててくれるか?」

梓「あ、はい」

澪「そ、それなら」

ぎゅっ

梓「行きましょう」


律純ペア

純「うぅー、梓の奴手なんか握って羨ましい」

律「純ちゃん、澪とペア組みたかったんだ」

純「そりゃ憧れのベーシストですから」

律「クジ引いた後に、純ちゃんがあんまりにも残念そうな顔してるから、やり直し要求したんだけどな」

純「えっ、そうなんですか?」

純(私と組むのが嫌だったからじゃないんだ)

純「ま、私が憧れてるって澪先輩も梓も知らないんですけどね」

律「そうなんだ、とにかく私達も入ろうぜ」

純「あ、はい」


澪「うわーっ怖い!!」

梓「合宿の時の肝試しを思い出しますね」

澪「あの時の比じゃない」

梓「大丈夫ですよ」

澪「・・・大丈夫じゃない」

だきっ

梓に抱きつく澪

梓(ええっ///)

澪「で、出口までこのままで頼む」

梓「わ、わかりました///」

澪「うわーっ!!」


律「澪の悲鳴が響き渡ってるな・・・」

純「澪先輩、怖いの駄目なんだ」

律「純ちゃんは?怖いの大丈夫?」

純「あ、私は大丈夫です。ホラー映画とか好きだし」

律「怖くなったらいつでも私に抱きつけよ」

キラーン

純「何ですか、その輝きは」


梓「あ、出口ですよ」

澪「ううぅー、やっとか」

梓「澪先輩、大丈夫ですか?」

澪「魂が抜けるかと思った・・・・」

梓「今度は、澪先輩好きなの選んで下さい」

澪「えーと、そうだな。あ、ジェットコースターにしない?」

梓「ええっ?・・・澪先輩怖いの駄目なんじゃ?」

澪「ジェットコースターとか、そういうのは大丈夫なんだ」

梓「・・・じゃ、じゃあ乗りましょっか」

ゴトン、ゴトン

梓「い、いよいよですね」

澪「ああ」

ギュイーン

澪「うわーっ!」

梓「にゃああああぁぁーっ!!」

梓グッタリ

澪「梓、梓、大丈夫か?」

梓「大丈夫・・・じゃないです」

澪「ジェットコースター苦手なら乗る前に言ってくれよ」

梓「・・澪先輩が好きだって言ってたから、苦手って言い出せ無くって」

澪「あそこでちょっと休もう」

梓「ふぁい」

澪「梓、立てるか?無理っぽいな」

澪「よいしょっと」

梓「にゃあっ」

お姫様だっこで梓を持ち上げる澪

澪「しっかり捉まってて」

梓「はい///」

純「お姫様だっこだと?」


律「何で、澪達を観察してんだよ?」

純「気になるじゃないですか」

律「全く」

純「あ、向こうのベンチの方に行きますよ」


澪「ここでしばらく休もう」

そう言い、私を膝枕してくれた。

梓「えええっ、そんな///」

なでなで

澪「ふふっ、こうしてると落ち着くだろ?」

梓(澪先輩の膝枕、柔らかくて気持ちいい)

いちゃいちゃいちゃいちゃ

―――

純「くぅー、本来ならあのポジションには私が居たのに」

律「私達も何か乗ろうぜ」

純「あ、はい」

律「フリーフォールは?」

純「あ、良いですね」

ギュイーン!!

律「うひょおおぉおおーっ!!」

純「うおーっ!」

律「うおー、気持ちよかった」

純「最高でしたね。あ、律先輩カチューシャ曲がってますよ」

律「へ?」

純「一回外しちゃった方が良いんじゃないですか?失礼して」

ファサ

純「あ・・・」

ドキ

律「何?」

純「律先輩、カチューシャ外すと雰囲気変わりますね///」

律「そう?おかしくない?」

純「おかしくねーし」

律「ありがと」


2
最終更新:2011年04月16日 02:38