つぎのひ!
紬「お、おはよう、唯ちゃん(また待ち伏せしちゃった)」
唯「む、ムギちゃん(また朝から会っちゃった……嬉しい///)」
紬「きょ、今日も寒いわね」
唯「う、うん」
紬「…………(な、何を話そう……)」
唯「……………あ、あの」
紬「なっ、何?」
唯「昨日、ムギちゃんに言われた答えなんだけど……」
紬「え、ええ」
唯「答え、出たよ……」
紬「! そ、それで…?」ドキドキ
唯「私、ムギちゃんが好き!」
紬「!!!!」
唯「……///」
紬「そ、それは……どういう意味で……?」ドキドキ
唯「わ、私、ムギちゃんの恋人になりたい!」
紬「!!!!(ああ…)」
唯「む、ムギちゃんは? 私じゃ駄目、かなぁ?」ドキドキ
紬「わ、私も……」
唯「!!!! い、いいの!?」
紬「///」コクン
唯「うっ……うぅ」ポロポロ
紬「ゆっ、唯ちゃん!?」
唯「良かった……良かったよぅ」ヒック
紬「唯ちゃん、泣かないで。ね?(ああ、夢みたい…)」ナデナデ
………………
紬「唯ちゃん、落ち着いた?」
唯「うん。えへへ/// これから学校なのに、泣いちゃったよ」
紬「(唯ちゃん、可愛い///)じゃあ、行きましょう」
唯「うん! あ、そうだ」
紬「何?」
唯「えっと……これで私たち、恋人なんだよね……?」
紬「ええ、そ、そうね///」
唯「えへへへ///」
紬「可愛い…」
唯「へっ!?」
紬「あ、ごめんなさい、つい」
唯「ううん、いいよ。嬉しいし」
紬「そ、そう」
唯「ムギちゃんも可愛いよ!」
紬「唯ちゃん…」
唯「えへへへ///」
紬「(何コレ、バカップルみたい///)はっ!?」
唯「?」
紬「唯ちゃん、このことは軽音部に持ち込むのはナシにしましょう?」
唯「へ?(って言うか、澪ちゃんたちに言うつもりはなかったし…)うん、いいよ」
紬「部活中にいちゃいちゃするのは論外だし、それにもし私たちがカップルとしてケンカしちゃったとしても、そのことを部活に引きずったらみんなに迷惑がかかると思うの」
唯「そっか! そうだよね。ムギちゃんは頭いいなぁ」
紬「そ、そんな…///」
唯「昨日も迷惑かけちゃったもんね。今日は頑張ろうね!」
紬「ええ(そう言えば昨日は2人とも集中できなくて散々だったわね…)」
唯「じゃあ、今度こそ学校行こう!」
授業中!
唯(えへへ~、ムギちゃんと恋人~)
唯(ふふ………うふふふ………駄目だよ、授業中なのにニヤケちゃうよ~)
唯(えへへへ…………………)
唯(おっと、また追試になったらカッコ悪いから、授業聞かなきゃ)
唯(そうだよ、ムギちゃんみたいな可愛い子の恋人になれたんだもん、もっとしっかりしなきゃ!)
唯(私がムギちゃんを幸せにするんだ! 燃えてきたぞ~~~!)
先生「はい、この文の和訳を平沢さん」
唯「ふぇ?」
先生「今読んだところの和訳よ」
唯「………………………聞いてませんでした」
クラス「あはははははははは!」
唯(もっとしっかりしなきゃ……)
休み時間!
和「唯、どうしたのよ」
唯「あ、和ちゃん! へへー、申しわけないです」
和(このところ元気がなかったけど、どうやら悩み事は解決したみたいね……。私に相談してこないなんて、なんだか寂しいような悲しいような…)
唯「ねぇ、和ちゃん」
和「ん、何?」
唯「和ちゃんはどうしてそんなにしっかりしてるの?」
和「え? どうして、って言われてもねぇ…」
唯「私もしっかりしたいんだー」
和「え……(唯がこんなこと言うなんて。本当にどうしちゃったのかしら?)」
唯「でも道のりは遠そうだよね~」
和「そうね、まずは憂ちゃんの手伝いから始めてみたら?」
唯「なるほどー」
和「憂ちゃんは受験生なんだし、唯が家事を代わってあげるくらいしなさい」
唯「おぉ~、そう言えばそうだね! 和ちゃん、冴えてるなぁ」
和「冴えてるって……。このくらい、自分で気づくのが『しっかりした人』なのよ」
唯「うぅ~、のどかちゃん、厳しいよぅ」
和「ふふ、いきなり変わるのは無理でしょうけど、頑張りなさい」
唯「うん!」
そのころ!
紬(唯ちゃんと恋人………夢みたい……)
紬(こんなにちゃんとした恋ができるなんて思ってもいなかった)
紬(そうだ、お休みには唯ちゃんとお出かけしたいな)
紬(デート……///)
紬(あー、まだ信じられない)
紬(本当に女の子の恋人ができるだなんて…)
紬(唯ちゃん………早く会いたいな……)
ほうかご!
唯「やっほー!!」
律「おー、今日は元気だな、唯」
澪「何かいいことあった?」
唯「えぇ~、内緒~」キョロキョロ
澪「ムギはまだだよ」
唯「なんだぁ」ショボン
律「あははは。そんなにお菓子が待ち遠しいのか、このいやしん坊め!」
唯「へ? お菓子?」
律「は?」
唯「あ、うん、そうだよね。ムギちゃんのお菓子楽しみだなー(棒読み)」
澪律「?」
唯(ムギちゃん、まだかなー)ソワソワ
澪(唯、なんか変だ……)
律(あの唯がお菓子に対して反応が鈍いなんて……)
紬「ごめんなさい、遅くなっちゃって」ガチャ
唯「ムギちゃん!///」
紬「唯ちゃん……///」
唯「えへへ///」
紬「うふふ///」
澪律(なんだ、この空気……)
律「ムギ~、お茶~」
紬「あらあらあらあら、私ったら。すぐに用意しちゃうわね」
唯「ムギちゃん、私も手伝うよ!」
律(なん…だと…)
澪(唯が自分から手伝うなんて……)
紬「そ、それじゃ、ポットに水を汲んできてもらおうかしら」
唯「らじゃ!」タッタッタ
~♪~♪~♪
律「新曲、これでバッチリだな!」
澪「はー、アレンジ終わるとスッキリするなー」
唯「私も間違えずに弾けたよ~」
紬「うふふ。唯ちゃんの歌もギターも素敵だったわ」
唯「えへへ、ムギちゃんのキーボードも良かったよ!」
紬「ありがとう、唯ちゃん///」
唯「えへへ///」
澪律「……………(絶対なんかあったろ、この2人)」
ぶかつご!
澪「じゃ、帰ろうか」
律「コンビニに寄ってこうぜ~」
唯「うん! …あ」
律「ん? どうした、唯」
唯「えーと……(みんなともいたいけど、ムギちゃんと2人きりにもなりたいよ……)」
紬「唯ちゃん、行こう?」
唯「ムギちゃん…」
紬「仲間との時間も大切にしましょう?」ボソ
唯「うん、そうだね」ボソ
帰り道!
律「さて、澪と2人きりになったわけだが」
澪「なんだ、その説明セリフ」
律「あの2人、どう思う?」
澪「唯とムギか……」
律「どう見ても付き合ってます、って感じだよなぁ」
澪「ここ何日か2人とも悩んでるみたいで、今日アレだからな……気づくな、って言う方が無理かも」
律「だよなぁ、まあいいけど」
澪「道理で2人とも悩みがありそうなのに相談してきてくれなかったわけだ」
律「私、唯って一生色気より食い気なんだと思ってた」
澪「お前、酷いな」
律「だってさー、恋愛で悩んで物思いにふける唯なんて想像できたかー?」
澪「それは……」
律「だろー?」
澪「ま、律も同じだけどな」クス
律「なにをー! 私だってけっこう乙女なんだぞー!」
澪「説得力ないなぁ」
律「なぁ、明日問い詰めて、白状させちゃおうぜ」
澪「別にそこまでしなくてもいいんじゃない?」
律「だってバレバレなのに隠してるつもりのあの2人見てると、なーんかくすぐったくてさー。居心地悪いっつーか」
澪「それは……あるかも」
律「どうせ澪だって2人を応援するつもりなんだろ? だったら隠されても意味ねーし」
澪「うーん……やっぱり、やめとこうよ」
律「何で?」
澪「2人は付き合ったばかりなんだし、きっと2人だけの秘密とか楽しい時期なんじゃないかな?」
律「はー……なるほど、さすが恥ずかしい歌詞を書くヤツは考えが深いな」
澪「ふふ、そんなに褒めるなよ……って、ホントに褒めてなーい! なんだ、恥ずかしいって!!」
律「あはは、ごめんごめん、体がかゆくなるような歌詞だったな」
澪「一緒だ! もう…」
律「でもさ、そうすると私たちは気づかないフリをしてた方がいいのか?」
澪「そうだな………気づいたことになると、惚気を聞かされるようになったりするかもしれないし」
律「なるほど、それはムカつくかもな」
唯の家!
唯「ただいまー」
憂「お姉ちゃん、お帰りー。もうすぐご飯できるから待っててね」
唯「ほーい」
唯(じゃあギー太でも……はっ!? 何言ってるの、私!)
唯「憂! 私にもなんか手伝わせて!」
憂「えっ!? ど、どうしたの、お姉ちゃん」
唯「憂、今まで駄目なお姉ちゃんでごめんね。私、生まれ変わるから!」
憂(お姉ちゃんが燃えてる……燃えてるお姉ちゃんも可愛い)
憂「じゃあ、お皿出してもらおうかな」
唯「らじゃ! その前に手洗ってくるね!」
唯「今日も憂のご飯、美味しいよぉ」
憂「うふふふ(私もお姉ちゃんによそってもらったご飯とお味噌汁が美味し過ぎるよぉ)」
唯「憂、今度お料理教えてもらえる?」
憂「いいよ~。でもお姉ちゃん、本当にどうしたの?」
唯「うん。憂にはちゃんと言うね」オホン
憂「?」
唯「お姉ちゃん、恋人ができました!」
憂「えっ!?」
唯「///」
憂(そ、そんな……お姉ちゃん、女子高行ったから安心してたのに………やだ、お姉ちゃんがお嫁に行っちゃう……)
憂「だ、誰なの?(お姉ちゃんをたぶらかした悪魔は)」
唯「…………ムギちゃん///」
憂「ムギ……?(私の知らない人だ。お姉ちゃん、合コンとかやってた気配もないし……もしかしてナンパ? 何たる破廉恥漢!)」
唯「ムギちゃんはムギちゃんだよぅ。
琴吹紬ちゃん!」
憂「琴吹紬って言うの、その人…(なるほど、『俺は君の友達と同姓同名だよ』なんて騙してお姉ちゃんを油断させたのね、何たる卑劣漢!)」プルプル
唯「あ、あれ? 憂、ムギちゃんのこと忘れちゃったの…?」
憂「ううん、紬さんのことは忘れるわけないよ~。お姉ちゃんの大切な友達だもん(私が許せないのはそのお姉ちゃんの友達の名前を騙ったクズ野郎のことだよ~)」
唯「だから! そのムギちゃんと恋人になったの!///」
憂「…………………え?」
唯「ゴメン、憂。お姉ちゃん、レズだったみたいなの///」
憂「……え? あれ? じゃあ、お姉ちゃんを騙したゴミ男はどこ行ったの?」
唯「だからそんな人最初からいないよ~」
憂「え? お姉ちゃん、紬さんと恋人になったの? え? お姉ちゃんってレズ?」
唯「だからさっきそう言ったじゃん///」
憂(お姉ちゃんがレズってことは…………一生お嫁に行かないってこと!?)
憂「お姉ちゃん……」
唯「憂……」
憂「私、応援するね!」
唯「えっ!? いいの?」
憂「当たり前だよ~、だって姉妹だもん」
唯「うぅ~、ありがと憂~」グス
憂「うふふ(レズなお姉ちゃんも可愛い)」
最終更新:2010年01月13日 01:07