律「澪のことはなんでも知ってる」
律「ずっと一緒だった。喧嘩もたくさんしたけどその度に仲良くなった」
律「唯は一緒にいて楽しい。私の悪ふざけにも全力で乗ってきてくれる」
律「ムギはかわいい。なんにでも興味を持ってくれる。たまに妹みたいに感じる時がある」
律「その三人が最近…なんか私のこと好きっぽいんだよなぁ…」
部室
律「ごめんごめん！書類のことで和に怒られてて遅くなっちった！」
唯「りっちゃーん！会いたかったよー」
律「おぉ、私もだ唯！」
梓「何抱き合ってるんですか。離れてください暑苦しい」
紬「私も…」
梓「えっ」
澪「唯ズルい…」
梓「えー？」
律「練習遅らせちゃってごめんな。すぐ準備するからさ」
梓「本当ですよ！」
紬「その前にお茶にしない？おいしそうなケーキ持ってきたのよ」
律「なに！」
唯「わーい！りっちゃん一緒に食べよ？」
律「おいしそうなケーキと言われちゃ食べないわけにいかん！」
梓「ちょっ…澪先輩、なんとかいってくださいよ」
澪「律、私と半分こしよう」
梓「ちょっとー」
律「うまーい！さすがムギ！」
紬「うふふ。こっちのもおいしいわよ？あーん」
律「ちょい恥ずかしいな…あーん」
唯「！」
澪「！」
律「ムギに食べさせてもらうと百倍おいしいな！なんちって」
紬「りっちゃんたら…」
唯「私も！あーん！」
澪「り、律。口をこっちに向けろ…」
律「え？え？」
梓「もぐもぐ」
――――
律「うぷっ…夜ご飯食べられないじゃんか」
唯「ごめんねりっちゃん…」
律「だ、大丈夫だよ！むしろ唯たちのおかげで今日の晩御飯食べなくて済むな！いやー最近ダイエットしようかと思ってたんだー」
梓「夜食べたいのか食べたくないのかどっちなんですか」
唯澪「りっちゃん(律)優しい…」
梓「はぁ？」
紬「あ、もうこんな時間ね。帰りましょ？」
澪「そうだな」
梓「練習は？」
帰り道
唯「りっちゃん！手、繋ご？」
律「はは、あまえんぼだな唯は」
紬「じゃ私はこっちの手っ」
律「え、いや荷物が持てなくなるよ」
紬「…そ、そうよね。ごめんなさい…」
律「あ、えっと、荷物は首にかけるから大丈夫だぜ！」
紬「りっちゃん…」
澪「くっ！律の手が３本あれば…」
梓「なんなのこれは」
唯「りっちゃん澪ちゃんばいばーい！」
紬「ばいばーい！」
律「じゃーなー」
澪「……」
律「何拗ねてんだよ」
澪「律、私と手繋いでくれなかった」
律「今更なんだよ。手なんか何度も繋いだだろ？」
澪「唯達の前で手繋ぎたかった」
律「どういう意味だ？」
澪「……唯達には…絶対渡さない…」
律「よく聞こえないんだけど」
澪「…そろそろうちに着くな。また明日、律」
律「おう」
澪「……」
澪「律は私のものだ…」
翌日
律「おはよう澪！」
澪「遅いぞ律。毎朝待たされる身にもなってみろ」
律「許して澪ちゃん！」ﾊｸﾞｯ
澪「！！」
澪（これがあるからやめられん）
律「澪？」
澪「…今日１日私とずっと手を繋いだら許してやる」
律「まだ根にもってたのかよ。わかったわかった」
澪（ふふ…私達の仲を唯やムギに見せつけてやる）
放課後
唯「まだ手繋いでるの？今日のりっちゃんと澪ちゃん仲良しだね」
紬「本当ねー」
澪「ふふん、まぁな」
梓「練習しましょうよ」
紬「その前にお茶にしない？梓ちゃん」
梓「今日こそは練習するんです！」
律「まぁまぁ。ケーキ食べて落ち着けよ」
梓「部長のくせに何いってるんですか！？先に練習です！」
唯「あずにゃん、りっちゃんに当たらないで」
澪「梓はもうちょっと心を広く持つべきだと私は思うぞ」
梓「なにこの私が悪いみたいな空気は」
律「あっ。澪と手を繋いでるからケーキ食べれないじゃん」
紬「あらあら！じゃあ今日もあーんさせてねりっちゃん！」
律「ありがとなームギ」
澪（なんだと！？）
唯「じゃあ私も…」
律「今日は唯はちゃんと自分の食べような」
唯「うぅー」
澪（くそっやられた…）
紬（墓穴を掘ったわね澪ちゃん）
澪（おかしいと思ったんだ…律と手を繋ぎっぱなしなのに反応を示さなかったのはあーんをする為に…！）
紬（長い付き合いの澪ちゃんと手を繋いだところでりっちゃんはドキドキしたりしないわ）
紬（けれどあーんは恋人同士がやること。あーんしている間は二人だけの世界になるのよ）
紬（私は昨日りっちゃんにあーんしたのは最初の一回だけ。唯ちゃんや澪ちゃん程何度もあーんしてない）
紬（それは今日りっちゃんへのあーんを独占する為！昨日今日と立て続けにあーんばかりするとくどくなるもの）
澪（昨日からの布石というわけか…今日はムギの勝ちみたいだな）
梓「食べ終わったら練習ですよ」
律「わかってるよ」
ジャーーン
律「ふぅ！なかなか良かったんじゃないか？」
梓「いつもより合ってましたね！」
澪「律と私のリズムが完璧だったからな」
梓「唯先輩も間違えずにできてましたね！」
唯「りっちゃんのドラムすごい迫力だったよー」
紬「りっちゃんがみんなを引っ張ってくれてるものね」
梓「誰か私も誉めてくれませんか？」
帰り道
唯「頑張ったらお腹減っちゃったよー」
律「ならどっか寄ってくかー？」
梓「あ、私たいやきとか好きですよ」
澪「え…ケーキ食べたのにまた甘いものか？」
紬「今たいやきはちょっとねぇ…」
梓「……」
律「え？たいやきみんな嫌か？私はちょっと惹かれたんだけど」
澪「たいやきもたまにはいいな」
紬「ケーキとはまた違ったおいしさがあるわよね」
梓「ちょっと」
梓「たいやきはやっぱりつぶあんですね」
唯「えー？カスタードもおいしいよ？」
澪「私のイチゴクリームもなかなか…」
律「あんことクリームのミックスもいいぞ。和と洋のコラボレーションでワンダホーな味だ」
梓「言ってる意味がわかりませんね」
唯「りっちゃんのちょっともらい！」がぷ
律「あっこらー」
澪紬（…！？間接キッス！？）
澪（これは…唯だからこそできる芸当…！）
紬（いつもりっちゃんとじゃれあってる唯ちゃんだからこそ…）
澪（普段ケーキの食べあいなんて真面目な私やケーキの提供者であるムギはしない）
澪（律から私にすることはあれど、私は注意する側だからできないんだ）
澪（ムギにはそもそも仕掛けない。ケーキを持ってきてくれるのはムギだからだ）
澪（そんな恩を仇で返すような真似…心が真っ白な律にはできない）
澪（普段ケーキの食べあいをしない私達が今律のたいやきにかぶりつくには相当勇気がいるだろう）
澪（下手したら場の空気が凍ってしまう…）
紬（それでもりっちゃんは女神のような広い心を持ってるから笑ってすませてくれるでしょう）
紬（しかしここで今まで積み重ねてきた好感度が崩れてしまうのはなんとしても避けたい…！）
澪（くっ…私達は何もできない！）
紬（ただ指をくわえて見ているしかできないというの！？）
律「おかえしだーい！唯のももーらい！」がぷ
唯「あ！もーりっちゃんたらー」
澪（な…！！）
紬（おかえし間接キッス…！！だなんて…！！）
澪（なんてことだ！！律の性格なら間接キッスなんて気にしないで食べかえす…そのくらい律のことならなんでも知ってる私がわからないはずなかったのに…！！）
澪（場の空気が固まろうとそれだけは阻止するべきだった…！！私が二人の間に入るべきだった！！）
紬（これで唯ちゃんはりっちゃんの体液を吸収するだけでなく、唯ちゃんの体液をりっちゃんの口に含ませることに成功したのね…）
紬（…天然だからできる所業…といったところかしら。私達にはとても真似できないわ…）
澪（！…いや）
紬（まさか…！？）
唯（……ふふ…ふふふ…）
唯（あっははは！澪ちゃんもムギちゃんも残念だったね！どうだった？目の前でりっちゃんとの熱ーい間接キッスを見せ付けられて！）
澪（天然なんかじゃない…！）
紬（全て計算づく…！？）
唯（そう！帰り道でお腹減ったって言ったのはこの為だよ！）
澪（そういえば梓がたいやき食べたいって言ったのを否定しなかったのは優しすぎる律を除いたら唯だけだったな…）
唯（くくく…あずにゃんがそう言ってくれて都合がよかったよ）
唯（ファミレスとかにいったら気軽に食べあいなんて出来ないしさ）
唯（本当はたいやきなんか食べたくなかったけどね…りっちゃんの食べた後と思ったらどんなスイーツよりも甘い味がしたよ）
唯（もちろん…ムギちゃんのケーキよりもね）
紬（それはそうでしょうね）
澪（間違いないな）
唯（できることならこの喜びを二人に分けてあげたいよ…）
唯（でもりっちゃんは私のだから無理な話だね！あははは！）
澪（ぐぅっ…！一番注意すべきは唯だったのか…！！）
紬（天然かと思ったらとんだ腹黒小悪魔ね）
律「この三人ってたまに目で会話してるよな」
梓「一体何を話してるんでしょうかね」
律「まさかこの三人って…三角関係…！？」
梓「律先輩の鈍さだけは認めてあげますよ」
律先輩が三人の想いに気付くのはもう少し先のお話
終わり
最終更新：2011年04月24日 21:16
