唯「いつもお掃除ご苦労様です」

純「別に掃除してないですから」

唯「じゃあ頭のそれは何?」

純「髪の毛以外の何物でもないです」

唯「どっちかっていうと陰毛だよね」

純「それは絶対、人が人に言ってはいけないことなんです」

唯「ごめん」

純「いいですよ。慣れてますから」

唯「陰毛って言われることに?」

純「それは先輩が初めてですね」

唯「でもさぁ、チリチリしてる毛ってろくな毛じゃないよね」

純「そうですかね」

唯「陰毛、腋毛」

純「…・・・」

唯「あと陰毛」

純「2/3が陰毛って」

唯「純ちゃんのベッドってさ」

唯「縮れ毛がいっぱい落ちてるでしょ」

純「まあ、くせっ毛ですから」

唯「パッと見陰毛なのか髪の毛なのか分からないよね」

純「位置で分かりますけどね」

唯「枕の側にあれば髪の毛か」

純「そういうことです」


唯「憂が言ってたけど純ちゃんって寝相悪いんだよね」

純「そうみたいです」

唯「朝起きたら枕に足乗っけてたりするんじゃないの?」

純「そういう日もあります」

唯「大変!陰毛と髪の毛が交ざっちゃう!」

唯「て言うか最悪頭に陰毛が入り込むよね」

純「そんなことありませんよ、多分」

唯「いやいや分からないよ。まず気付かないよ」

純「じゃあいいじゃないですか」

唯「駄目だよ。そんな純ちゃん見たくないよ」

純「意味が分かりません」

唯「だって私が純ちゃんの髪の毛モコモコでかわいいな~って思って」

唯「眺めてるその中に、陰毛が潜伏してたら嫌だよ」

純「知りませんよそんなの」

唯「純ちゃん見てたらお腹空いてきちゃった」

純「ますます意味が分かりません」

唯「ベビースターラーメン食べたい」

純「ああ、そういうことですか。似てます似てます」


純「ちくしょう!!」


――――――

唯「ご飯食べようよー純ちゃーん」

純「ええー。これからですか?」

唯「お腹ぺこぺこだよー」

純「私お金あんまり無いしなぁ」

純「もしかしておごっ」

唯「私なんて財布持ってないよ」

純「後輩に奢らせるつもりだったんですか!?」

唯「後で払うからー」

純「うう……」

純「分かりましたよ」

唯「おいひいね!」 ズルズル

純「はい、このラーメン屋よく来るんです」 ズルズル

唯「ベビースターより美味しい」

純(駄菓子と比較される全国チェーン店……)

唯「うーん、澪ちゃんは海苔だね」

純「は?」

唯「りっちゃんはたまごかな」

唯「ムギちゃんはコーン」

唯「あずにゃんはネギ」

純「何言ってるんですか?」

唯「みんながラーメンの中に入ってたら何の役やるかなーって」

純「……」

唯「純ちゃんはやっぱり麺だよね」

純「いい感じに縮れてますもんね」

唯「よっ主役!」

純「ごちそうさまでしたー」

唯「お腹いっぱ~い」

純「じゃ、先輩、さようなら」

唯「え?」

純「だから、さようなら」

唯「さようならって……」

唯「私帰り道分かんないよ!」

純「ええー!?」

唯「だって…こっちの方来たの初めてだし…どこで何回角を曲がったのかなんて覚えてないし……」

純「分かりました、学校まで送りますから」

唯「それは純ちゃんに申し訳ないっす」

純「じゃあどうすればいいんですか」

唯「純ちゃんの家に行く」

純「突拍子も無いこという人ですね本当に」

純「私バス通学ですけど」

唯「私お金無いよ?」

純「知ってます」

唯「貸してください」

純「……」

―――

唯「きもちわるい~」

純「バス酔い早っ」

唯「純ちゃん背中さすって」

純「さすったら吐いちゃうんじゃないでうすか?」

唯「純ちゃんのモコモコの中に吐くから……」

純「最悪です」

唯「多分、イケる……っぷ」

純「私の髪は防波堤になってる海岸林とは違うんですよ!」


純「次で降りますから耐えてください」

唯「……」

純(不気味すぎる……)

唯「……」


純「唯先輩、着きましたよ。降りましょう!」

唯「……」

純「一言くらい喋ってもいいじゃないですか」

唯「……」 フルフルッ

純「えっ?」

唯「もうぐっ」

ぷひゅっ!

純「うわん汚い!もう口の中まで昇って来てるー!」

唯「ごめむ」

ばひゅっ

純「分かりました、喋らないでください。家のトイレに直行しましょう」


―――

純「先輩、ここですよ!さ、入りましょう」

唯「……」

純「あっ鍵掛かってる…もう!」

唯「……」

ガチャガチャ

純「先輩、入って」

唯「……!」

純「トイレそこですからっ」

唯「……」 ダダダダッ


唯「何とか間に合いました」

純「いや微妙にアウトですよ。廊下に何か垂れてましたよ」

唯「ごめん純ちゃん。掃除するよ」

純「いいですよ」

唯「純ちゃんの頭で」

純「帰ってください」

唯「しどい」


純「掃除終わりましたよ~」

唯「お疲れ様です」

純「いえいえ」

唯「純ちゃんの部屋可愛いね」

純「そうですか?」

唯「うん」

唯「さっそくベッドチェックしよう」

純「わー!わー!」

唯「恥ずかしいお毛毛は落ちてるかなー?」

純「やめてー!」

唯「…見当たらないや」

純「ほっ」

唯「ちゃんと掃除してるんだね、さすがモップ頭」

純「モップじゃないです」

純「そもそもパンツ穿いて寝ればそんな家が散らかったりしませんよ」

唯「あっ」

純「もしかして唯先輩って……」

唯「いいいい今は穿いてるよ!本当だよ!」

純「当たり前だ」


純「お家の人に連絡しました?」

唯「え?何が?」

純「何がじゃないですよ。憂心配してますよきっと」

唯「あ、そうだった。憂に電話するね」


唯「…憂からメール10件も来てた」

純「うわっ流石」

―――

唯「純ちゃんのうちだよー」

唯「うん、成行きで」

唯「うん。大丈夫。ご飯はもう食べたよ」

唯「え?お金?うん勿論あるよ」

唯「はい嘘です。借りました」

唯「面目ございません……」


純「…………」


唯「電話終わったよー」

純「……」

唯「どしたの純ちゃん?」

純「いえ。私も妹とかお姉ちゃんとか欲しかったかなーって」

唯「妹は可愛いよー」

純「憂が特別可愛いんでしょ」

唯「あはは。そうかもー」

唯「純ちゃんみたいな妹がいたら……」

純「え?」

唯「それはそれで楽しいかなーって思うよ」

純「唯先輩!」

唯「でもやっぱり家中が陰毛だらけになるのはやだな」

純「唯先輩……」


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最終更新:2011年04月30日 21:08