ーーーーブリッジーーーー

クルーはとりあえずの作戦成功に勝利の美酒を味わい、テンションを上げていた

さわ子「ふぅ・・・良かった・・・」

そこで思い出したかのように気になっていた知らされていない思わぬ援軍の事について
予報士に問い詰める

しずか「先生!あの緑の機体は!」

さわ子「ふふ、スペシャルゲストよ」

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ブリッジの中では哀愁を包む憂と澪が向き合って、一人は涙を流していた

澪「まさか憂ちゃんが生きてるなんて・・・な」

憂「澪さん本当に・・・良かったです・・・」

憂「私律さんの事あやまりたくて」

ほっとけば更に泣き出しそうな顔に澪はクスリと笑うと憂の両頬をななめ上にひっぱり、
顔を笑った形につくりあげる

澪「もういいよ、あの時唯のお陰で理解しあえただろ?」

憂「澪ひゃん・・・」

そこに人の来訪を思わせるスライド式の扉がカシャっと音をたてた

「私がどーしたって?」

しずか「う、うそ・・・」

アカネ「そんな・・・」

曜子とさわ子を覗く皆が眼をまるくさせ口を金魚のようにパクパクとさせ
その場で静止し、しばらくした後、やっと声をあげた

澪「律!?」

憂「律さん!?」

しずか・アカネ「りっちゃん!?」

律「よっ!」

律「ふぅ昔つかってた回線チャンネルが生きててよかったぜ」

デコをキラキラと染め上げ、一仕事おわった親父のように間延びする姿に
特別驚いてる人物が一人

澪「お前何で生きて!?」

澪はその姿をみるやいなや、その声の主へと抱きつこうと駆けていった
が、しかしその主はそれを見てひょいっっと避けて見せる

律「お約束お約束」

澪「・・・ばかぁ」

負け時と再び抱きつきを試み今度は逃がさないように腰に手を回しそれに成功する

律「ふふ、よしよし何でだろうな、自分でも理解しがたいけど・・・」

律はチラッと眼の軌道を憂に向けると黄色い瞳でじっと見つめた,

見つめられた当人は目線を外し、顔を地面へと伏せる

憂「ご、ごめんなさい、律さん私、その」

律「・・・・」

律「聞いただろ?体全身メタルなあいつから・・・」

ここであの男の話をだされるとは思ってもいなかった、思わず聞き返す

憂「えっ!?」

律「私達はあの時どうやってか知らないけど助けられた、そして5年後の世界へ飛ばされた、
ちがうか?」

思い出されるのは命とは無縁な世界、そしてそこにたっていた一人の異質の塊でもある男

憂「あ、あれ・・・律さんもあそこにいたんですか?」

律「あぁ、起きたらあいつがいて、お前も横に寝てたよ」

憂はお前と言われた事に少しビクつく

だが考えてみても四極当然だろう、分かりあえたとは言えこういう結果にはなっているが
律を殺したのは紛れも無く自分なのだから。

律「そしてあいつは言ってた、平沢唯が世界を滅ぼすってな」

憂さわ子曜子しずかアカネ「!?」

この反応は当然であろう、あのふわふわしている子が世界を滅ぼす?天地神明に誓って有り得ない

さわ子「どういうこ」

律「慌てるのは分かるけどちょっとまってくれ」

気にするのはわかる、だが今話したいのはその事ではない

憂「私も・・・聞きました・・・お姉ちゃんがそんな事するわけ・・・何で・・・」

律「さぁな、わかんねーよ、起きてファングみたいなので飛ばされたと思ったら
桜ヶ丘の体育倉庫にスッポンポンで寝てたからな、くそっ何の嫌がらせかとおもった、ぁん、ぜ」

さわ子「・・・・」

律「・・・・///」カァー

憂「・・・・///」カァー

下を見ると澪が泣きながら自分の胸に顔をぐりぐり当てているのが見えた

律「お前!!空気よめよ!!」

澪「チッパイチッパイ///」

律「や-め-ろ-よ-は-な-れ-ろ-よ-!」

澪の頭をグイグイと押し、無理やりひきはがす、が澪はうるんだ上目遣いで律を見やる
ほとんどの物はこれをされたらたじろいでしまうだろう

澪「・・・りつぅ~・・・」

律「・・・はいはい、分かった、あの、後で部屋にこいよ///」

澪「はい///」

憂「・・・///」

さわ子「なにこれ」

横槍が入ってしまったが、まだまだ話したい事はある、コホンと咳払いをし
話を続ける事にした

律「まぁそういう事だな・・・そうだ・・・あとあいつがいってたぜ、
私達はまたあいつと会う事になるってな」

憂「え?どういう」

律「それだけしかわかんねーなぁ、あとなんか言ってたけど覚えてないや」

憂「はぁ、でも・・・」

謎、いや、不確定要素がありすぎる・・・肩をすくめ一旦この話からは離れることにした

律「分からないものを考えてても仕方ない、それで澪は何で、連邦何かにとっつかまってたんだよ」

その話題にいち早く反応し律をじっとみていた澪がふと思い出したように言う

澪「それなんだ!梓が生きていたんだ!」

憂「梓ちゃんが!?」

律「梓がか!?」

さわ子「ええ!?」

今日は驚かされてばかりだ、感情が高ぶり興奮する、だがそれは決して暗い気持ちでは
なかった、気持ちを落ち着け、律は澪に諭す

律「最初から順をおって説明してくれないか?」

澪「ああ、最後の戦闘で私はその・・・梓を撃破した後、キュリオスがシステムダウンしちゃって」

澪「国連軍の探査艦が接近してきたんだ、慌てて太陽炉をプトレマイオスに射出したんだけど
捕まっちゃってさ、後は収容施設に送られてあのザマだよ・・・」

対話をしたとはいえ、全てを話したわけではない、梓と争った事には驚いたが・・・

憂「そうですか・・・梓ちゃんと戦って・・・」

律「あの状況なら仕方ないさ、戦う覚悟はみんなあったんだからな」

そこで一転、澪はなにやらおかしな事を紡ぎだした

澪「でも何か梓の様子がおかしかったんだよぉ」

憂「梓ちゃんの様子が?」

澪「私に銃を向けてきて、近づいたら苦しみ出して・・・」

人革連といえば超兵というものを聞き及んだことがある

その人体改造という逸話も、そこで一つの憶測を口にしてみた

憂「洗脳・・?」

澪「かもしれない、梓とは分かり合えたはずなんだ、だから梓が苦しんでるなら私は梓を」

律が笑いながらジーッと澪を見ている

律「」ジーッ

澪「なんだよぅ」

澪「なんだよぅ」

こいつには適わない、いや唯もむぎもそうだったか、こんなに奇跡の出会いを
巡り、通じ合えた仲間の澪の次の言葉は分かりきった事だった

律「助けるんだろ?」

澪は笑顔でそうだと答えた

澪「アリオス、キュリオスの後継機・・・ガンダムで」

憂「律さん・・・澪さん・・・」

さわ子(ふふ、りっちゃん、やっぱりこの子はマイスターのリーダーにピッタリね)

律は思う、これで一つの目的は決まった、だが一番大事な事は・・・

律「うしっそれで今はCBは紛争根絶をやってるのー?さわちゃん」

さわ子「ヴェーダにアクセスできなくてどうしようもないのよ、それでみんなで決めたわ」

澪「何をですか?」

憂の言葉を思い返しながら、なぞるようにドヤ顔でしゃべり始めた

さわ子「世界に変革を促した事で、こんな世界になったのがCBのせいなら、CBがケジメをつけて
世界にまた変革を促す、そしてその罪はこの世界で一方的に弾圧を行っている紛争対象アロウズよ!」

憂「そうです、私達の意志で!ガンダムと共に!」

澪はそこに唯の姿を見た、この二人の血筋は争えないんだなと思った

澪(やっぱり姉妹なんだな)

それと、と憂は付け加えると

憂「お姉ちゃんの事も・・・」

澪「むぎもだな・・・あいつ等どこにいったんだ?」

それを聞きデコが両手を広げ、ぐいっと二人を抱き寄せる

律「私は唯が世界を滅ぼすなんて思っちゃいない」

さわ子「私もよ、当面の目的は唯ちゃんむぎちゃんの捜索、梓ちゃんの救出、
そしてアロウズとの戦闘ね」

律澪憂「はいっ!」


話しはまとまり、一部人員を残しガヤガヤと皆で食事をとっていた所だった

幸せ~なら手をたたこっパンパン
幸せ~なら手をたたこっパンパン

憂「何やってるんですか?」

律「ん?着メロにしようと思ってな、録音してるんだよ」

憂「は、はぁ・・・」

澪「」パンパン

恥ずかしい、そう思いながらも合いの手をいれる澪
ひさしぶりに会えたのがそうさせたのだろうか。

さわ「あんた達仲いいわねぇ」

そこに聞きたくもない報告が警告音と共に館内に響く

曜子「Eソナーに反応!?ウツボットが高速で接近してきます」

しずか「ウツボット?」

アカネ「それは魚雷よ!」

曜子「漫才してる場合じゃないのよ!!!!」

食堂でカレーを口に含んでいた面々の顔がうって変わり立ち上がる

律「ゆっくりもしてられねーな!」

澪「律、口にカレーついてるぞ、とってあげるから口だして」

律「いっいいよ///」

さわ子「」イライラ


--ブリッジ--

曜子「GNフィールド最大展開」

しずか「ケミカルボム?ソナーが・・・」

そこに状況を確認しに、全員が駆けてくるが我先にいこうとみんなドアにはさまっていた

律「どっけよ!お前!」

澪「お前がどけ!!」

憂「ちょおおおおおおおおおおお」

さわ子「あんた達私が先でしょ!?」

もみくちゃになった後、ようやく全員入室し、眼を皿のようにしモニターや計器をグルグルと見つめる

憂「さわ子先生!」

さわ子「第一戦闘配置よ」

律「へーい」

澪「はいっ」

憂「了解」

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---MS収容コンテナ---

今現在魚雷の直撃で船体が縦へ横へと揺れ浸水し皆コックピットで待機している状態である

完全に後手をとっている

憂「あのけっこう損傷ひどいみたいですけど大丈夫なんでしょうか?」

律「ん?平気じゃねーの?」

憂「あのでもこの深度じゃガンダムが出られないのでは」

澪「そうだけど何とかなるだろ」

この人達はえらく楽観視している、これはこの人達が思っているよりかなり危険な状態だ

憂はいままでの経験からそれを感じていた

憂「あのでも」

律「あの多くねぇ?」

律「あの禁止な」

憂「はい・・・あのやっぱりしんぱ」

律「あのはもういいっつのっ」

憂「すいませんその」

澪「同じだよ!」

憂「ぶあああああああああああああああああ」

また船体が揺れ、何かが突き刺さった音がし装甲が軋む

ザザッ
そこにこれを待ってましたといわんばかりの通信を受信

さわ子「出番よ!いってらっしゃい、あんた達!」

憂「え?危険な状態じゃ」

憂は始めはなにいってんだこいつと思った、否しかしそれに気づいた時には
自分の頭の悪さにきづかさせられる


コンテナ内はいつのまにか注水し、深度はいつの間にかガンダムが出撃できる
震度まで上昇


あげくのはてには索適不能の敵が母艦へと突き刺さっているという状態である

澪「憂ちゃんさわ子先生はCBの戦術予報士だぞ?」ニコッ

憂「は、はいっ」

憂(やっぱりこの人すごい)

さわ子「あと憂ちゃん前は上手くいったけど、ダブルオーはまだ不安定だわ、トランザムを使っちゃだめよ」

憂「了解」

全コンテナを開き船体に突き刺さっている巨大なハサミをもつ敵MAトリロバイトを視認するケルディム

律「押し返してやるよ!」

突然の出撃で不意をついた形になるケルディムは取り付きその華奢なボディでトリロバイトと相撲を始める

連邦兵「ただのMSがトリロバイトを押し返すなんてできるわけ!」

律「そー思うよな、私もそう思うぜ、だけど」

律「トランザム!」

分身を出し赤く染まるケルディムに圧倒的な出力で押し返されるトリロバイト

連邦兵「ばかな!」

ゴポゴポと水中で勢い同士がぶつかり合い互いの機体に重圧をかけた

律「今だっいけっ!」

憂「了解です律さん!」

いつのまに出撃してのだろうか青と白のフォルムが水中から姿を現し、並のMSとは
思えない機動力ででデュアルアイを輝かす

憂「00目標を・・・」

憂「目標を駆逐します!」

連邦兵「なぜこの水中でそんな機動が!」

両手にGNブレードを携え、トリロバイトへ突き刺すと、突き刺したまま
敵MAの周りを縦横無尽に駆け回る


機体に傷跡を創り
素人目からみてもその損傷はひどいものであった

連邦兵「ト、トリロバイトが!」

律「ばーん」

ケルディムとダブルオーが離れ、ケルディムが両手をあげ握っていた拳を
開くと爆発しあっけなく海の藻屑となっていく

澪「さすが狂戦士ってとこか」

澪「憂ちゃん海上に出るぞ!」

憂「了解!」

水の中を飛行形態のまま風を味方につけたような超スピードで00に
向かい00がアリオスに掴まったのを確認すると、そこで更にスピードをあげるおまじないをかける


澪「トランザム!」

憂「わわっわわわ」


あまりのスピードに手を離しそうになるがこらえ爆速で海上に出、二機は太陽を背に海上にいた敵艦の正面へと出現

憂「いきます!」

太陽を背負い両肩の太陽炉をフル回転させ敵艦へと近づく

憂「やぁぁぁぁぁぁぁあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」

しかし敵艦のブリッジ前まできた瞬間、何かがぶつかってくるのが横眼で見え
その何かもろとも空へ吹っ飛ばされた


憂「いたたっ・・・何?」

眼の前にいるそれは闘牛を思わせるそのデザイン

憂「新型!?」


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最終更新:2011年05月02日 21:32