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---桜ヶ丘上空---
桜ヶ丘上空についた憂はゆらゆらと蜃気楼にようにうごめくその赤い炎を
信じられないという眼で見つめていた
ちらちらと見えるのはアロウズの機体アヘッド
憂「うそ・・・桜ヶ丘が燃えてる・・・」
憂「お姉ちゃん達の・・・私達の町が・・・」
泣き叫ぶ中小型船のモニターのアロウズの部隊の中に、見慣れたあの赤いガンダムによく似た機体の姿を
見つける
あまりの驚きに涙すらとまってしまう
憂「まさか・・・あれは・・・スローネ?私のかつての機体・・・だれが・・・だれがのってるの!?」
「・・・・・・」
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---プトレマイオス---
発見されないように慎重に帰投し、恒例の報告を行う、しかしいつもと違うのは
その眼に涙がたまっている事
さわ子「なんですって!?桜ヶ丘が燃えてる?」
澪「めちゃくちゃすぎるぞ・・・アロウズ!」
律「中立国でも指示に従わない国は弾圧の対象かよくそったれ!!」
怒る者絶望する者なげく者それぞれが意中に何を思うか・・・
憂「私達の町が・・・」
ピピッ
しかし敵はそんな状況すら許してはくれない
曜子「遠方に敵影を確認、第一種戦闘配備お願いします」
律「なんだって?」
さわ子「こんな時にまで!」
憂「うぅ・・・」
澪「くそっ・・・ほらお前ら出撃準備だ、いくぞ!」
憂「はい・・・」
律「あぁ」
彼女達はまた殺し合いの舞台に、につかわしくない容姿で戦場へと赴く
---コンテナ内---
艦内に透き通った乙女達の声がせわしげに空気を振動させる
しずか「第1第2デッキハッチオープン」
曜子「ダブルオーアリオス発進準備、リニアカタパルトボルテージ上昇」
律「ケルディムは?」
アカネ「少し待って、まだチェックしたい所が残ってるのよ」
律「・・・分かった、早くしてくれよ」
アカネ「わかってるってば!」
曜子「射出タイミングを両名に譲渡します」
さわ子「憂ちゃんまだ機体が不安定なんだから、トランザムは使っちゃだめよ
絶対よ、絶対!フリじゃないからね!」
憂はあのスローネによく似たガンダムの事を考えていたが鼓舞するとこう続けた
澪(脳量子波がなくても)
一抹の不安をかかえつつも、空へ向けて鳥のように昇る
曜子「アロウズと思わしき敵影を確認しました」
しずか「まもなく戦闘行動にはいると推測されます」
もうすぐ戦闘は始まるだろう
律は桜ヶ丘が燃えた怒りの為か
はやくしろよはやくしろ!と心の中で唸っている、そこに待望の声が聞こえた
アカネ「終わったわ、ケルディム出れます」
その頃憂と澪は敵機の編隊に出くわしていた所であった
憂「きたっ!」
澪「あれは?梓!」
澪はその機体を見つけると誘われるように予定とはあさっての方向へと向かっていってしまう
アリオスが一機のMSに突進するとプランの予定のない行動に憂は苦虫を噛む
憂「澪さんどこにっ!」
動揺している間に何体かのMSが憂の横を駆けていく
憂「くっ突破された、律さん!」
アリオスが抜けた事により予定より多くの敵が艦へと向かってくるのが見え悪態をつく
律「おいおい突破されすぎじゃねぇか?仕事ふやすなよ!」
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澪「梓!」
梓「被検体!」
一方2機は変形や銃撃戦を駆使し、互角の戦いをくり広げていた
澪「梓だろ!?」
激しい銃撃戦により梓の機体の肩がもっていかれる
澪「やめろ!梓!私だ!」
しつこい呼びかけに顔をしかめると怒鳴り返す
梓「私はっ」
全てを一蹴しサーベルを横にふりつっこむ
梓「超兵だ!!」
そのサーベルは迎撃しようとしたアリオスのライフルごと突き破り
アリオスのわき腹へと突き刺さった
澪「うぁぁぁあーーーーー!」
澪「梓正気に戻ってくれ、あずさぁぁあーーーーーーーーーーーー!」
煙を上げるアリオスはなんとそのまま梓のMSを抱きかかえる
梓は抵抗するが動かない、動かない--出力が敵機より弱いのと腕ごとうまく抱えられ、成す術がなかった
梓「こいつ!」
どこかが異常をきたしたのだろうかアリオスは上手く飛翔する事ができず
梓と一緒に地上にみえる黒い森へと墜落してしまうのだった
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相変わらず反応の悪い00は順調に担当エリアのMSを苦戦しながらも落としていくだがそこにあのMSが来てしまう
曜子「ダブルオーに向けて突進してくる機体があります、新型!?」
曜子「はやいです!」
憂「あのMSは闘牛の!」
それに気づき、あんまり相手にしたくない敵機だなと想い、射撃行動に入る、だがうまくかわされてしまう
なぜか周りのMSも手を出さず、艦の方へと向かっていってしまった
憂(律さん怒るだろうな・・・)
「射撃も上手くなった」
あれ?なんだろう?そう思った、その声に対して--だがこいつは強い
満身創痍でないこの機体に余裕などあるはずがない
憂「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「それでこそ!ガンダム」
OOと同じ近接に卓越した機体なのだろうか、高速で近づいてくるとつばぜり合いへと
流れる
憂「なんで一人で・・・!」
「ワンマンアーミーだからだよ!」
サーベルが火花をちらしている状態からサマーソルトへと移行しヒットするが
闘牛のMSの姿勢制御が早く逆に00が逆さまになっている状態から
海面へ蹴り出されてしまう
体勢を立て直し、再び斬り合いをはじめるが除じょに、じょじょにだが憂が押され始めていた
「手を抜いてるのか、私を侮辱しているのか・・・」
憂「このままじゃ・・・」
呆れたように息をはくと吠えるように言い放った
「そんなものかぁ・・・ガンダム引導を渡す!」
憂「ッ!」
しかし00の額に英数字が羅列するとその身が赤く染まっていく
闘牛のMSはもらったと思った、そしてそこにはガンダムを切り裂いた姿が衝撃があるはずだった
「ぐっ」
・・・しかし衝撃が加えられたのは自機
憂「このぉ」
気づいたら真後ろから撃たれ、自身がビームをサーベルで受ける姿であった
「そうだよ、これとやりたかったんだ」
憂「あぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーーッ!」
憂は爆速で後ろへと回り込み、闘牛MSの腕をたたききる
「!?これほどなんてっ」
憂「もらった!!」
絶好のチャンス、逃すはずがない
--神はそれを拒む、不協和音を出し00が悲鳴を上げ、両肩の太陽炉から煙が出
海へと落下する
憂「オーバーロード!?」
「あーあ、機体が万全じゃないなんてね」
憂「そんな・・・」
憂は終わったと思った、00はうんともすんとも言ってくれない
そもそもトランザムは使うなと言われたのだ、自分の責任に他ならない
「・・・興がのらない」
憂「え?」
闘牛のMSはそういうとサーベルを収めどこかへと飛んでいく
呆然とする中であの口調、性格どこかでみたような・・・海に浮かぶ00の中でふと
思いをはぐめらせていた
――――
ケルディムは艦の周りで忙し忙しと敵を狙い撃つ
そこに2機のMSが物怖じする事なくフォーメーションを離れ接近してくるのが見てとれる
聡「このやろう!」
律「なんだこいつら、やたら先走ってきやがる」
内1機が弾幕をすり抜け律の元へと機体を吹かし突っ込んできた、右手にあるのは光を帯びたサーベル
聡「ソレスタルビーイング!!!」
律「私に剣を使わせるなんてな!」
バチバチっと耳障りな音が機体側で響く
聞き覚えがある声だなとは思った
聡「お前達のせいで!俺は姉ちゃんをを失った!!」
律「私達だって私達のせいで命の華を失わせたくなかったさ!」
聡「ならなんで戦うんだよ!」
律「戦う理由があるからだ!恨んでくれてかまわねぇよ!」
聡「勝手な事を!」
銃を抜き取り敵アヘッドを思いっきり殴りつけ、肩をふっとばし機体を打ち抜こうとする
そこに先ほど弾幕を抜けてきたMSが守るように聡の前へシールドを構え
立ちふさがった
キミ子「先行しすぎだよ、聡」
聡「でも!」
キミ子「命令・・・だよ?」
聡「くっ了解・・・」
かくして2機は元のフォーメーションの定位置へと回避運動をおこしながら
戻っていく
律(なんなんだあの2機・・・)
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戦況は思わしくない、そうさわ子は判断した
それこそ指揮官としての絶対条件判断力
さわ子「さすがアロウズね、押されてるわ」
さわ子「ガンダム全機後退してちょうだい、りっちゃんは00を回収」
憂律「了解」
さわ子「敵の連携を分断させます、魚雷で高濃度粒子とスモークを巻いて!」
曜子「はい!」
船体からミサイルが発射されると粒子と煙がエリア全体へと拡大
さわ子「これで、敵司令塔とMS部隊の連携は途絶えたわ」
律「さわちゃん、憂ちゃんを回収したぜ、敵は一旦戻ったみたいだ」
憂「ごめんなさい・・・」
通信士が慌てたように早口でまくしたてる
しずか「アリオスの反応がありません!」
曜子アカネ「!?」
律「なんだと!?」
憂「澪さんが?!」
さわ子「アリオスの反応がない!?」
皆が動揺する中、いち早く一人立ち直り
遅れないように間違わないように指示を飛ばす指揮官
さわ子「ミッションレコーダーでアリオスの構成ポイントを特定して」
さわ子「ケルディムは00収容後、アリオスの捜索をお願い、憂ちゃんは帰還したら小型船でお願いね」
憂(さすがさわ子先生対応がはやい)
憂「りょうか」
律「当たり前だ!00はここにおいていく」
憂「そ、そんなぁ」
さわ子「りっちゃん!」
律「・・・分かってるよ、澪・・・」
---大森林---
そこには絡み合うように落ちたアリオスと梓のアヘッドが倒れ付していた
気づき辺りをみわたす
澪「うっ梓、梓は?」
アヘッドを見つけると、コックピットへと向かう、そこにいたのは
少し大人びただろうか、だか間違いなく眠っている梓そのものだった
梓「うぅ」
ボンヤリと眼を開けると、澪の姿が映る、だがその顔をみるやいなや
ナイフを取り出し、襲い掛かってきた
澪「やめろ!梓!」
梓「なれなれしい、被検体!」
澪は倒され、ナイフを突き刺されそうになる
澪「梓!」
梓「しねーーーーーーーーーーーっ!!」
しかし梓はなぜか動きを止める
なぜ?なぜこいつは嬉しそうに微笑んでいるのだ
澪「刺してくれていいよ・・・梓」
梓「気でも狂ったか!」
澪「いや、ただ嬉しくてお前に会えた事が、ただ私を殺したら、二度と争いを
しないって誓ってくれないか?」
梓「何を・・・何をいってるんだお前はっ」
澪「お前に幸せになってほしいだけだよ・・・」
なんだこいつは・・・いきなり嬉しそうな顔をしだしたら
自分を刺してくださいだと?ばかげている、イレギュラーすぎる
梓「言われなくても!しね!」
澪「ッ!」
澪の腹部に異物が差し込まれ、辺りにドクドクと赤い血が染まっていく
澪「はぁはぁ・・・げほっ刺されるって・・・こんな・・・感じなん・・・だな」
梓「ソレスタルビーイングめっ」
梓「!?」
懐かしい声、なんだろう
『何で軽音部に入ってくれようと思ったんだ?』
『これ梓ちゃん専用のカップなの』
『楽しかったね、私みんなの事大好きだよっ』
『みんなそうだよ!なぁ?』
梓「あ、あれ?」
なぜか分からないが涙が溢れ出てくる、その訳はいくら考えても分からない
なんで私泣いてるの?私何をしているの?私は--
澪「はぁはぁ・・・あの頃・・・はみんなで・・・遊んで・・・楽しかったよな・・・」
こいつは何をいっている?私を知ってるのか?だが口が勝手に開いていく
梓「新観ライブ感動しました・・・」
私は何をいっているんだ?だが言葉は留まる事を知らない
澪「・・・また・・・みんなと・・・バンドしたい・・・よな・・・」
梓「バン・・・ド?もう無理だよ」
澪「そうかぁ・・・それは残念だな・・・」
梓「だって私達はもう放課後ティータイムじゃないんですから・・・」
澪「・・・やだな・・・またみんなで・・・ライブ・・・したいよ・・・」
梓「ワガママいわないでよ・・・」
澪「今度は・・・みんなで・・・何・・・しようか?」
梓「次はもうないん・・・ですよ」
梓「澪ぜん・・・ばい・・・」
水滴がぽたぽたとその綺麗な顔に落ちていく、さながらそれは天使が
人に施す、最大の慈悲のようであった
澪は薄れ行く景色の中で轟音と慈悲と緑の機体が降りてくるのを確認すると
そっと意識を手放した
最終更新:2011年05月02日 21:34