アットウィキロゴ
憂「今はただ迷ってるだけでいつか世界に変革をもたらしてくれる!」

ポロポロと涙を流し、紬を叫弾する

紬「そう・・・口だけならなんとでも言えるわ」

紬「私はそんな唯ちゃんが信じられなくなった」

紬「だから世界に変革をもたらす純粋種の憂ちゃんを支持しヴェーダを託した
当然の理屈じゃないかしら?」

律「それが・・・滅びの道だとしてもか・・・」

紬「えぇ」

梓「あっちの憂は何で世界を滅ぼそうと・・・」

紬「それは本人に聞いてもらえないかしら?」

律「むぎ!」

紬「・・・」

こうなった紬の決意は固い、いまはこれ以上つっこんでも無駄だろう

時間はまだまだある

次の本命をきく事にした

さわ子「むぎちゃん、話を変えるわ、ヴェーダはどこにあるの?」

紬「ごめんなさい、知りません」

これはあからさまな嘘だ

パーティで会った唯、いやあっちの憂がヴェーダをいじった事を意識の憂が聞いている

憂「紬さん嘘はいいです」

紬「・・・仮に知ってたとしてもヴェーダをどうするつもりなのかしら?」

憂「奪還します」

肩を竦め、太い眉毛を八の字に曲げ、困ったように笑う

紬「・・・それはダメよ、あっちの憂ちゃんに怒られちゃうもの」

紬「それに・・・来たるべき対話がきても、どのみち・・・」

さわ子「来たるべき対話?」

紬「分からないというのならそれが人間の限界っていう事ですよ」

まるで言っている事が分からない、紬は何をいおうとしているんだろう・・・

律「何を言って・・・」

紬「そろそろおいとまさせて頂きますね、懐かしい顔に会えて嬉しかったわ」

梓「な、何言ってるんですか!この捕まってる状況で!」

紬はまたも笑う、だがその笑いはいままでのモノとは全く違った笑いだった

紬「わざと・・・だったとしたら?」

は?わざと?わざと捕まるメリットなんてあるのか?

憂(どういう事?)

紬はパイロットスーツのポケットから一つのカプセル状の薬物を取り出す

紬「これ何の薬か分かる?」

憂「え?」

紬「脳量子波をいじって、その影響でイノベイターに近い能力と思考を上書きする薬」

紬「さすがに完全には無理だけどね」

紬「こちらからの脳量子波の干渉で操り人形にもできちゃうのよ?」

紬「脳量子波が少ない人には使えないし飲み続けないと意味ないけれど・・・」

またもや意味のわからない事をしゃべり出す紬に皆ついていけない

憂「いきなり何の話を」

口に人差し指を当て、憂に黙るように促すと、面白そうにこう言う

紬「ここで問題よ、ある一定期間この薬を食事に混ぜ続け、ある人に飲ませ続けていたの」

紬「さぁ誰でしょう?」


食事に混ぜて飲ませ続けた?
そんな奴、連邦に身を寄せて且つその食事を特定の人物にしか
出せないような状況にいる奴しか食べさせ続ける事はできないんじゃないか?


律「!」

・・・まて連邦側にいて・・・特定の人物・・・

紬「その人は元々脳量子波が使えてたんだけど、この薬を飲んだ後、副作用でしばらく脳量子波が使えなかったようね」


紬「まぁイノベイターに目覚めたのは最近みたいだけど」


--いる・・・当てはまる人物が・・・

梓に眼を向ける、すると慌てたように・・・

梓「わ、私じゃないですよ!脳量子波使えますし!」

残念・・・もう一人の方よ

まさか・・・まさか・・・反連邦収容施設に捕らえられていた時の・・・

紬「りっちゃん、当たり」

そいつと思われる方に眼を向ける、だがさっきまでいたそれの姿が見えない


紬「もういくわね、ツインドライブシステム興味があるの、あれは危険だわ」

そうか、むぎの目的はダブルオーライザーのツインドライブシステム・・・
思案している内に我が物顔で退出しようとする彼女


律「ま、まて!」

銃を紬に構え、威嚇し、行くなと要求する

紬「私に何かあったら、あの子に死ねっていっちゃうかも?」

律「・・・くそ・・・」

憂「そんな!」

トコトコと今の状況に似合わぬすまし顔で紬は扉にむかってゆっくりと歩き出す

紬「ばいばい」

全員どうしていいのか分からなかった
紬が退出すると艦の電力がダウンし、艦全体が薄暗くなり補助電源に切り替わる


憂「扉が・・・ロックされてる!」

梓「こじあけよう!」

律は暗闇の中、紬を手助けしたと思われる者の名前を呼ぶ
他の者からはその声に悲しみの感情が篭っていた事が伺えた


律「みおぉぉぉぉぉぉぉおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


---------------
-----------
-------

憂「扉開けるのにちょっと手こずりましたね」

さわ子「二手に分かれて二人を探しましょう、梓ちゃん行くわよ」

梓「・・・むぎ先輩はこっちです」

さわ子「そうだったわね、あなた脳量子波を使えるんだったわね」

よっぽど急いでいるのか、さわ子の返事も待たずに
薄暗い廊下の中を憂と律を置いて我先にと走っていく梓

さわ子「ちょ、梓ちゃ~ん!」

梓が配慮してくれたのだろうか、あちらがむぎを追ったとしたら
こちらの目標はもちろん・・・


律「・・・澪はどこだ?」

唯「こっちだよ、りっちゃん」

そこには突然声のトーンが変わり、似てはいるが
憂とは全く違う雰囲気をかもし暗闇だからだろうか眼を太陽にように
光らせる唯の姿があった


律「ゆ、唯か?」

唯「・・・感じるんだ、行こう」

律「ぁ・・・あぁってそんな急ぐと!」


     ∩ ∩
   ~| ∪ |         (´´
   ヘノ  ノ       (´⌒(´
  ((つ ノ⊃≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
   ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
   ズリズリズリズリ

唯「あだだだだだだだだだだだだだだ!!」

律「・・・」スタスタ

唯「痛い痛い!ふんでる!ふんでるから!!」

律「まったく・・・」

唯を起こし先導する唯についていき角を曲がると、
そこには曜子に銃を突きつけ恐らくだろうダブルオーのコンテナに向かう
目的の人物・・・澪の姿があった

唯「澪ちゃん、ね?やめよう?」

律「やめとけよ!澪!」

曜子「ふ、二人とも・・・」

声をかけられた主は驚き、二人をみて切なそうな顔でみやる
だがその一瞬見せた表情もすぐ、強張らせるような表情に塗り替えられた

澪「唯・・・か?律も・・・」

律「おいおい、冗談はよせよ、私をおいていっちゃう気かよ?」

澪は少しほくそ笑むと銃を曜子にむけたまま、緊張した声でかつての仲間に断言する

澪「最近になって頭に響くむぎの声に気づかされたよ」

澪「あっちの憂ちゃんの言ってる事が正しいってな」」

その後本気なのか、冗談なのかなんとも言えない表情と声色で律に投げかける

澪「私と一緒にくるか?純粋種と一緒に道を歩もう」

律は考えるそぶりを見せ、甘い誘いにのるかのように
そうだなと呟いた後、この雰囲気に似つかわしくないノリで同意したのだった

律「あぁ、乗ったぜ、その話」

唯曜子「りっちゃん!?」

律「おまけにケルディムもつけてやるよ」

律「そういうわけだ、唯、憂ちゃん、今まで世話になったよ」

澪「・・・り、律」

曜子「えぇぇぇぇえ!?」

そういって澪から顔を隠すようにこちらを向くと
わざとらしく唯に向かって下手なウィンクをする律、それを意味するモノは・・・


唯「そっかぁ・・・わかった・・・」

唯「よっ!」

話の途中で銃を抜き、律に向かって発砲する唯、ダァーンと甲高い音が鳴る
撃たれた弾がパイロットスーツの金具に当たり、律は撃たれたように後ろへ吹っ飛ぶ

澪「律!大丈」

律「おらぁ!」

撃たれたと思い込んだ澪は突然振り返った律に完全に虚をつかれ
銃を蹴飛ばされ人質も奪還されてしまう

---ハメられた

澪「~~~~~~ッ!!」


澪(あいつらのいる通路からじゃないとダブルオーのとこへ行けない・・・くそ・・・)

吹っ飛ばされた澪は危険を感じたのだろう
素早く、身をかがめると自分の愛機アリオスへと向かったのだった

澪(律・・・)

曜子「ふぇぇぇん、こわがったよぉ~」

唯「大丈夫?曜子ちゃん」

曜子の身を案じている唯に対して、律はちょっとばかし思惑とはちがった
行動に心臓がドキドキと音を立てているのが自分でも分かった


律「当てる事ないだろ!!もう少し右だったら身いってたぞ!」

唯「・・・外すつもりだったんだけど・・・」

律「え・・・」サァー

ピピ
そこに無線が無機質な音を出し焦っているような梓の声が聞こえてきた

梓「憂!ごめん、一足遅かった、むぎ先輩はオーライザーで脱出」

梓「澪先輩はアリオスで脱出したみたい」

梓「同コンテナにあったガンアーチャーはアリオスに破壊されて出れないの」

唯「あずにゃん、分かったよ、すぐダブルオーとケルディムで出るよ」

梓「あずにゃん!?唯先輩ですか?分かりました!」

唯「りっちゃん!」

律「おう!」

---------------
-----------
-------

しずか「艦内がウイルスに汚染されてて、ハッチが開けないの」

アカネ「徒歩でハッチをこじ開けてください」

唯「うん!」

演習で何度か訓練をした事があるけどこんな状況が本当にくるなんて・・・

唯「まさか歩いて・・・」

律「出る事になるなんてな」

ギギギッとガンダムでハッチを持ち上げ、這い出るようにでてくるダブルオーとケルディム

唯「りっちゃん、アリオスを追うよ」

さわ子からはオーライザーの奪還を優先させるよう命令されていた
当然だった、ダブルオーライザーの力は紬が恐れる程だ、いま失っていいものではない
しかし律を思っての事だろう、唯はそれを無視しようとする


律「予定通り・・・オーライザーを優先する・・・あれはうちの戦力の要だ」

唯「で、でも」

律「いくぞ唯、手だせ」

唯「りっちゃん・・・」

律もアリオスを追いかけたかった、でもこれは遊びじゃない
感情を押し殺し命令を優先させる、モニター越しに表情からそれを読み取る唯・・・

唯「うん・・・」

律「離すなよ」

ダブルオーの手をがっちり掴むとトランザムを発動させ、高速でオーライザーの所へ向かうのだった

---------------
-----------
-------

紬「MS反応・・・」

紬「トランザムを使ったのね・・・」

アッサリと追いつかれ銃口を向けられると牽制の構えをとり唯は抵抗をやめろと促す

唯「ここまでだよ、むぎちゃん」

律「諦めろむぎ!」

紬「あら唯ちゃん・・・この機体を傷つけるつもりかしら?」

至極当然、唯達からしてもオーライザーを傷つける事は愚の骨頂だろう
しかしそれを弾き飛ばす知恵をソレスタルビーイングは持っている

唯「私達には・・・賢い戦術予報士がいるんだよ?」

紬「え?」

唯「オーライザードッキングモード!」

唯が端末を操作するとオーライザーが自動で変形しダブルオーとセンサーで繋がる
そのセンサーを伝い、太陽炉、頭部と合体し、灰暗い宙を照らすように
ダブルオーライザーが光った

紬「システムがダウンオーバー!?」

紬「コントロールができないっ」

オーライザーのコックピットにモニターで優しそうな唯が顔を覗かす
その優しい顔が今は疎ましく思えた

唯「むぎちゃん、もうやめよう?」

紬「・・・オーライザーは諦めるしかないわね」

紬「でも手土産の一つくらいはほしいわぁ」

唯「え?」

画面のむこうの紬は銃を構えると、破壊を構成する弾でコックピットを打ち抜き
システムをダウンさせていく

唯「ダブルオーライザーの出力が!」

律「唯!」

出力が落ちるとダブルオーはそのまま鉛のように動かなくなり、コントロールを拒む

そこに遠くから脱出艇を抱えたアリオスの機影が見え隠れし
オーライザーの横に素早くつき、作業のように紬に指示を出す

紬「ありがとう、澪ちゃん」

澪「いいからはやく乗れよ」

紬を脱出艇に乗り込み、その場を離れようと脱出艇を奮起させる
アリオスはダブルオーライザーに手をかけ、搬送しようとしているようだ

律「やめろ、澪!秋山澪!」

唯「動いて、ダブルオー!!」

唯はギー太を鳴らすがダブルオーは答えてくれない
ふと横をみるとケルディムがライフルをアリオスに向けている所だった
その光景は異端そのものだ、この二人のこういった姿を誰が予測できていただろう

澪「・・・むぎ、脱出艇で安全なとこまでいってろ」

紬「・・・えぇ、分かったわ」


14
最終更新:2011年05月02日 21:50