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───???

?「これも失敗か」 バンッ

 「ギャァアアア!!」

?「うまくいかないものね」

?「……」

?「もっと強靭な肉体で……」


――――

憂「おねーちゃん、おねーちゃん起きて」

唯「んん……ね、寝すぎた。頭痛い……」

憂「律さんから電話だよー、はいどうぞ」

唯「あ、ありがと」

憂「今日日直だから、先に行くね。朝御飯は作ってあるから、ちゃんと食べるんだよ」

唯「ういうい」

憂「それじゃ、行ってきます」

唯「いってらっしゃーい」

唯(ふぁーあ……、朝から何の用だろ)

唯「はい、もしもしも?」

律『唯、おまえ携帯出ろよ!何度も電話したんだぞ!』

唯「ごめん、マナーモードだったみたい」

律『と、とにかくだ、落ち着いて聞いてくれ、唯』

唯「なーに?」

律『澪が……、澪がな……』



――――

紬「全校集会、終わったわね」

律「ああ」

唯「どうして、澪ちゃんが」

律「私だって分からねーよ!家族で出かけるの、あんなに楽しそうに話てたのに……!」

紬「ニュースでは、帰宅中に襲われたんだろうって」

唯「お父さんとお母さんの死体は見つかってるんだよね?」

紬「ええ、また血を抜かれて死んでいたそうよ」

律「なぁ、澪は何処に行っちまったんだよ」


紬「……それは」

律「くそっ!今日はムギもきて、久しぶりに5人揃うと思ったのに」

梓「ムギ先輩じゃないですか!」

紬「梓ちゃん、久しぶりね」

梓「お久しぶりです!もうおうちのほうはいいんですか?」

紬「え、ええ」

梓「これで部活動が解禁になれば、ようやくみんなで練習ができますね!」

律「……」

唯「あずにゃん……」

梓「全員揃えば……、あぅ、ひっ、うぅ」

唯「あずにゃん、泣いてもいいんだよ。我慢はよくないよ」

梓「な、泣くなんて、そんなこと、うぐっ……」

律「無理すんな」 ポン

梓「う、うぁーん!!」



───放課後

唯「ムギちゃんどいうこと?分家連中は、大丈夫なんじゃなかったの?」

紬「うん、そのことなんだけど、実はおかしいのよ」

唯「おかしい?」

紬「ええ、私たちが治めていた混血たちにも、吸血種はいたんだけど」

唯「そいつらが犯人でしょ?」

紬「皆姿をくらませているの」

唯「どうせ隠れているだけだよ」

紬「違うの、この一連の吸血鬼事件が起こる前から失踪しているのよ」

唯「嘘でしょ……?」

紬「捜索届けも提出されていたわ」

唯「じゃあ、事件の犯人は誰なの?」

紬「分からないわ。その混血たちが隠れながら犯行を重ねているということもありうるし」

唯「もしかしたら、別の吸血鬼がこの町に潜んでる?」

紬「あくまで、可能性の話だけど」

紬「そこで提案なんだけど、夜にこの町を見回ろうと思うの」

唯「えっと、それはムギちゃんが?」

紬「うん、できれば唯ちゃんも同伴してくれると助かるのだけど」

唯「もちろんいいよー」

紬「ありがとう!調べられることに限界があるから、あとは地道に足で捜査するのがいいかなって」

唯「たしかにね。運がよければ一発犯人を捕まえられるし」

紬「だから、頑張りましょう!澪ちゃんの仇をとろう!」

唯「うん」

唯「あのね、もし犯人と対面したら、危なーいことになると思うんだけど」

紬「そうね、きっと犯人も抵抗するわ」

唯「ムギちゃんって混血としても力はほとんどないんだよね?」

紬「ええ、ほとんど人間と言ってもいいわね」

唯「えっと、それだと危ないんじゃないかなぁ」

紬「大丈夫!こんなことにもなるだろうと思って、うちでお稽古してたの!」

唯「稽古?」

紬「空手のお稽古よ!見ててね?せいっ、はぁっ!とぉ!……きゃっ!!」 ドシン

唯「見事な尻餅だったね」

紬「見てほしいのはそこじゃないのー」

唯(私1人で行動したほうが、動きやすそうだな)



───その夜

唯(憂も眠ったことだし、そろそろパトロールに出発するかー)

唯(最初はこの辺をブラブラして、あとは怪しそうなところをしらみつぶしかな)

唯(こういう地道なことは苦手なんだけどなー。パパッと犯人出てきてくれないものか)

 「……」 ヒュッ

唯「……!?」

唯(今、電柱の上に誰かいた?あっちの方に行ったみたい!) タッ

唯「たしか、こっちの方だったと思うけど」 キョロキョロ

唯(それにしても、かなり速かったな。私と同じくらい?)

唯「むー、見失っちゃったかなぁ」

?「やっぱり足はえーじゃねーか」

唯「むむ?」

?「まさか追いつかれるとは思わなかったぜー」

唯「あなたは……」

律「よっ」

唯「りっちゃん!」

律「こんな夜更けに出歩いちゃだめじゃないか、唯。吸血鬼に食べられちゃうぞー?」

唯「あはは、吸血鬼なんていないって言ったのはりっちゃんじゃない」

律「いや、いるさ」

唯「りっちゃんがその吸血鬼なのかな?」

律「私は狩る側だ」

唯「へぇ……」

律「唯も、色々と隠し事があるみたいだな」

唯「まーね」

律「どうだ、ここは腹を割って話合わないか?」

唯「話し合う?」

律「そうだ、私はおまえと戦う気なんてないのさ。だから……」

律「その殺気を何とかしてくれないか?」

唯「あれ、分かっちゃった?モンモン出ちゃってたかな?」

律「モクモクだな」

唯「そっかー。だって、りっちゃん強そうだからさー、ぜひお願いしたくて」

律「ぜひ、ね……」

唯「じゃ、いっきまーす♪」 ヒュン

律「ちっ!!」 バッ

唯「とと、外しちゃった、えへへ」

律「おいおい、人の話を聞けよ」

唯「りっちゃんやるねー。今のできめるつもりだったのだけど」

律「なら今のが本気か?」

唯「うん」

律「あれでか。私はてっきり手加減して遅いのかと思ったぞ」

唯「もぉー、りっちゃんたらー」

律「あはは」

唯「えへへ」


律「はっ!」 ヒュン

唯「わわっ!あっぶないなー、今のずるくない?」

律「油断してるおまえが悪い」

唯「む、たしかに殺し合いしてるときに油断はいけないよねー」

律「殺し合いね」

唯「ところで、今投げたのに何?」

律「投刀だよ。扱いずらいけど、馴れりゃいいもんだぜ」

唯「へぇ、私の獲物は短刀なんだよー」

律「そうか、よっ!」 ヒュン

唯「あはは、そんなんじゃ当たらないよー」

律「すばしっこいな」

唯「それが取り柄なのさー」

律「じゃ、こいつはどうかなっ!?」 ヒュババババッ

唯(数が多いな、上にとんで避けるっ!)

律「へへ、空中じゃ自由に動けないだろー?これはもらったかな!」 ヒュン

唯「せいっ!」 ギン!

律「おぉー、うまく軌道を変えたか。やるなー、唯」

唯「ふぅ、軌道変える逸らすだけで精一杯だよ。一発一発が重過ぎるんだよ」

律「はは、軽くちゃ仕留められないだろ?」

唯「そーだね」

律「さてと、身体もあったまってきたな」

唯「私もー」

律「なんだよ、さっきのは本気じゃなかってのか?」

唯「まーねー。それに、りっちゃんだって」

律「私は優しいからな」

唯「さすが部長。それじゃあ……」

律「ああ、本気で……!」

唯「話し合うって、何話すのー?」

律「あり?」

唯「え?」

律「や、やり合うじゃないのか?」

唯「もっとメリハリをつけないとだめだよ、りっちゃん。遊ぶときは遊ぶ!真面目なときは真面目!」

律「今の遊びかよ!?」

唯「なーんか沈んでたからさ、身体動かせば多少は気が紛れるかと思って」

律「唯なりの思いやり、か。おまえの思いやりはデンジャラスだな」

唯「えへへ」

律「そんじゃま、本題に入るとしますか」

唯「おーけー牧場!」

律「この町で起きてる吸血鬼殺人事件、犯人はおそらく吸血鬼だってことは知ってるよな?」

唯「うん、こないだムギちゃんと同じようなこと話したよー」

律「ムギか。そういえばここらの混血を治める当主だったっけ」

唯「よく知ってるねー」

律「まーな。んで、私だけどその吸血鬼を狩るために埋葬機関から派遣されたハンターってわけだ」

唯「まいそうきかん?」

律「簡単に言うとだな、悪魔殺し専門の機関だな。私はそこの補欠要員なんだ」

唯「ぷー、かわいそう」

律「ほっとけ」

唯「それにしても、肝心の吸血鬼はまだ狩れていないようだけどー?」

律「それについては言い訳もできない。澪のことも、私が招いたようなものだ」

唯「……とりあえず、言い訳を聞いてみようかな」

律「この町に来てから、もう何体もの吸血鬼を退治してはいるんだ」

唯「にしても事件は続いてるよね」

律「それが分からない。それに、吸血鬼に噛まれた者は、何人かは稀にグールになんるだ」

唯「噛まれた人が蘇った、なんて話は聞かないね」

律「そうなんだよ。なのに増え続ける吸血鬼。いや、もしかしたら吸血鬼じゃなく、別の……」

唯「それって、消えた混血の連中なんじゃ」

律「どういうことだ?」

唯「うん、実はね───」


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最終更新:2011年05月07日 23:26