唯「どうしたの?」

梓「ちょっとここでは言えないので…部活終わったらうち来てくれますか」

唯「!!あずにゃんとうとう…」

梓「なんかしたら殴ります」

唯「」


中野家

唯「おじゃましまーす」

梓「とりあえず私の部屋行っててください、麦茶でいいですか?」

唯「砂糖ひとつまみね!」

梓「はいはい」


部屋

梓「お待たせしました」

唯「ありがとー!で、相談ってなんだい?」

梓「実は…」モジモジ

唯「(これはまさか…来たの!?とうとう私の時代来た!?)」

梓「…笑いませんか?」

唯「笑わない笑わない!ちょっとリミット外れちゃうだけ!」

梓「それはそれでイヤなんですけど…」

唯「まあまあ、とにかく言ってごらんよ」

梓「…はい」

おもむろに脱ぎ出す梓

唯「」

梓「あの…そんな見られると恥ずかしいんですが…」

唯「」

梓「聞いてないし…まあ見てもらわなきゃ話進まないからいいか…」

唯「」

梓 ヌギヌギ

唯調査員がそこで見たものは!

梓「あの…これなんですが…」

唯「あ、あずっ、あずにゃ、そ、それ…」



そこに立っていたのは、見事な巨乳の梓だった!


唯「」

梓「あの…今朝起きたらこんなになってて…」

唯「」

梓「ブラも合うやつがないし恥ずかしいので…今日はサラシ巻いて無理やり抑えてたんですけど…」

唯「」

梓「どうしたらいいか…やっぱり変ですよね…って唯先輩聞いてます?」

唯「えっ!?あ、ああ、うん、むしゃぶりつきたい!!」

梓「帰っていただけますか」

唯「つ、つまり…朝起きたら巨乳になっていたと」

梓「はい…」

唯「ほ、本物?」

梓「困ったことに」

唯「触っていい?」

梓「ダメです」

唯「そこはしっかりしてるんだね」

梓「当然です」


しかし…唯は感じていた。巨乳になった梓に感じる、得体の知れない違和感に…

唯「ふーむ…」

梓「?」

唯「あーずにゃーん!!」ダキッ

梓「!なんですかいきなり!まあいつも通りですけど!!」


そして、唯は気づいてしまった…

唯「…」

梓「ゆ、唯先輩?」

唯「…」フニフニ

梓「!!ちょ、触らないでって言ったじゃないですか!」

唯「…邪魔」

梓「…え?」

唯「この乳が邪魔だあああああああああああ!!!!!!!!!!!」

梓「(うわあ)」

唯「おっぱいが邪魔で抱きつきづらいよ!あの遮るもののない胸板がよかったのに!しっくりこないよ!巨乳のあずにゃんなんてあずにゃんじゃないよ!」

梓「なんかよくわからないけどすごいイラっとしました」

唯「なにより…」ポン

梓「?」

唯は梓の肩に手を置き、告げた

唯「…あずにゃんにはまだ早いよ」ニヤッ

梓「先輩だけど言わせてもらいます、その顔うぜぇ」

唯「とにかく、あずにゃんのためにも私のためにも、その無駄乳どうにかしないとね」

梓「なんか恨みでもあるんですか巨乳に」

唯「だってry」

梓「わかりました、邪魔なのは確かですから無駄なのは認めます」

唯「でも、どうやったら治るんだろ…」

梓「さすがにあまりこの姿は見られたくないですし…憂とか純も微妙に胸ばっか見てました」

唯「男だったら打ち首もんだね」

梓「許してやってください、それに結構胸抑えつけるのって苦しいし少し痛いんですよね…」

唯「あずにゃんが言うとそんなに嫌味っぽくないね」

梓「?そうなんですか?」

唯「似合わないもん」

梓「この女…」

唯「なにか思い当たる節はある?」

梓「うーん…特には…あっ」

唯「どしたのっ?」

梓「この前ムギ先輩が鞄から落としてったんですけど、HTTメンバーの胸を大きくした加工をした写真がありました」

唯「決定じゃん」

梓「まさか一服盛られました?私」

唯「多分ね…ムギちゃん、何もわかってないなぁ…」

梓「そこは問題じゃありません」

唯「つまり、ここまでの情報から察するに…」
梓「はい」

唯「犯人はムギちゃん!」
梓「さっき言ったじゃないですか」

唯「明日問い詰めてみよう!あずにゃん、それまでの辛抱だよっ!」

梓「でも、ムギ先輩のことだからあっさり自分がやったって認めそうですね」

唯「確かに」

梓「それで、よくわからない持論を繰り出してきて…」
唯「ふんふん」
梓「唯先輩との生産性のない討論が始まりそうです」
唯「なぬっ!?」

梓「とりあえず明日ですね、唯先輩、話聞いてくれてありがとうございました」

唯「いいよー!普段のあずにゃんの大切さが身に染みてわかったし!」

梓「そ、そうですか」テレ

唯「じゃバイバイあずにゃん!…あ」

梓「どうしました?忘れ物ですか?」

唯「最後にもっかい揉んでいい?」
梓「お疲れ様でした、また明日」


部室

紬「あらあらー」

唯「というわけで、犯人はムギちゃん、あなただよ!」

梓「そうなんですか…?」

紬「そうよー」ニコニコ

梓「案の定あっさりと…唯「ムギちゃん!なんでこんなことを…おかげで私まで被害を受けてるんだよ!?」
梓「それはいいです」

紬「ふふ、バレちゃったならしかたないわ、私の計画を教えてあげる…」

梓「計画…?」

紬「そう、私は考えていた。この軽音部も始まって三年目、なのに私たちは何も変わっていない」
紬「ここで一つ、軽音部のみんなの新しい可能性を見いだそうとしたのよ!!」

唯「それが、この巨乳化だって言うの…?」

梓「なんだろう、動機はまともな気がするのに行動がむちゃくちゃだ」

紬「そして、私は一人一人実験してみることにした。その一人目が梓ちゃん、あなたよ」

梓「実験て…」

唯「そ、そのこころは…?」ゴクリ

紬「梓ちゃん、あなたの持つ新たな可能性、それは…」




紬「ロリ巨乳よ!」ババァーン


梓「…」
唯「…」

紬「そう、梓ちゃんにはロリ巨乳として新しいキャラを確立してもらうはずだった」
紬「その小さな体に幼い顔立ち、そこに巨乳という要素が加わり最強に見える…はずだったんだけど、どうやら唯ちゃんには不評だったみたいね」

梓「解せぬ」

紬「というか、ツンデレツインテ貧乳ってもうありきたりすぎるわ」

梓「解せぬっ!!」

唯「…くっ」

梓「ゆ、唯先輩?」

唯「くっくっく…はぁーっはっはっはっ!!!!!!!」

梓「あ、壊れた」

紬「な、何がおかしいというの、唯ちゃん!?」

唯「わかってない、わかってないよムギちゃん…」
唯「あずにゃんのツンデレツインテロリはまさにベスト!すなわち王道!王道とは文字通り、昔より伝わってきた誰もが好む、誰もがひれ伏す王の道っ!!」
唯「ムギちゃんのはそれを理解せず、ただかき回したにすぎない!まっさらなキャンバスに、インクをぶちまけただけなんだよ!!」

紬「な、なんですって!?」

梓「ああ、やっぱり始まっちゃった…」

唯「それにムギちゃん、三年目と言ったね。まったく、ちゃんちゃらおかしいよ」
唯「ムギちゃんには…」

唯「このわずかな間で、あずにゃんの全てを見極めたと言えるのっ!?」バババァーン

紬「っ!!」

唯「そう、ムギちゃんはまだあずにゃんを骨の随まで見極めたとは言い難い…もちろん、それは私だって同じ」

紬「唯ちゃん…」

唯「一緒に、ゆっくり探そう、ムギちゃん。私たちの持つ新しい可能性を…」

紬「っっ唯ちゃん!私間違ってたわ!!」ガバッ

唯「いいんだよ、ムギちゃん…ムギちゃんは高みを目指そうとしただけ、ただそれが少し道を外れちゃっただけなんだから…」

梓「被害者は私なんだけどなぁ…」

紬「ごめんね梓ちゃん、すぐに元に戻す薬を用意するわ」

梓「あ、ちゃんとあるんですね」
唯「やったねあずにゃん!おっぱいが戻るよ!」

梓「おい」
紬「おい」

紬「それにしても…なんで私ってわかったのかしら?」

梓「あ、それは…」ゴソゴソ

梓「ムギ先輩の鞄から、これが落ちてまして…」

紬「あら、私ったら…不覚だわぁ…」

唯「あ、でもムギちゃん」

唯「その写真のこともあるし…さっきあずにゃんを一人目って言ってたけど…全員巨乳にする予定だったの?」

紬「そうよ、まあ元からいいものもってる澪ちゃんはまた別の方法を考えるつもりだったけど」

梓「なんかおっさんくさいですよ、その発言」

唯「澪ちゃんはねぇ…」
紬「正直澪ちゃんに関してはいい案がなくてね、どうしたものかと思ってたんだけど…」

唯「んー…下ネタを恥ずかしげもなく話す、とか…」

梓「某生徒会役員にいそうですね」

唯「和ちゃん?」

梓「それ本当だったらめちゃくちゃショックなんですけど…」

紬「まあ、澪ちゃんはいじりがいがないってことね」ニコ

梓「澪先輩笑顔で否定された!」
唯「澪ちゃん…哀れな…」

唯「私は私は!?」

梓「なんで楽しそうなんですか」

紬「唯ちゃんはねぇ…ちょっと天然な性格だし、誰にでも抱きつく人懐っこさがあるから、巨乳幼なじみキャラでいこうかと思ったんだけど」

梓「唯先輩の…巨乳…幼なじみ…」モンモン

唯「おや?あずにゃんのようすが…」

紬「あら、梓ちゃん的にはアリっぽいわねぇ」キラッ

梓「はっ!い、いや、ダメですよやっぱり!!唯先輩は今のままが一番いいです!ってああ!!」

唯「あずにゃーん!!それは告白!?プロポーズ!?愛の言霊なの!?」ガバッ

梓「ち、違います!離れてください!!」

紬「あらあら」ニコニコ

梓「そ、そういえば律先輩は!?律先輩はどうなるつもりだったんですか!?」アセアセ

唯「おお、りっちゃんの巨乳!!」

紬「りっちゃんはねぇ…ほら、あんまり女の子っぽいのって苦手そうじゃない?」

梓「確かに」
唯「ふむふむ」

紬「だからもし巨乳になったら、自分の女の子の部分を意識しちゃって、部屋で鏡で自分の体をまじまじと見て赤面しちゃって、ベッドの上で恥ずかしさで悶えちゃうような…そんなギャップを期待したんだけど…」

唯「」
梓「」

紬「あら?唯ちゃん?梓ちゃん?」

唯「アリだね」
梓「アリですね」

紬「あらあら」

唯「アリだよムギちゃん!!いけるよ!」

梓「恥ずかしがってる律先輩…普段からかわれてるぶん、やり返すチャンスですね」

紬「あら、思いのほかウケがいいわね」

唯「よし!じゃあ今日さっそくりっちゃんのお茶に仕込んでみよう!」
梓「おー!!」

紬「私を止めに来たんじゃなかったのかしら…まあ、面白くなりそうね、うふふ」


律「うぃーっす」
澪「お、みんな早いな」

唯「やっほー澪ちゃんりっちゃん!」ニヤリ
梓「さあさあ、座ってください!」ニヤリ
紬「お茶にしましょうかー」ニヤリ


律澪「?」


おしまい



2 ※律編
最終更新:2011年05月15日 23:33